概要
略称福島第一原発または1F。
東京電力の営業エリア外である福島県に所在するいわゆる管外発電所と呼ばれるもので東京電力によると営業エリアの北限である常磐線大津港駅から北に80kmの位置に所在する。
2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震により発生した津波が原因によって核燃料の冷却機能を喪失。核燃料のメルトダウンと建屋の水素爆発を起こし既に全ての原子炉が発電機能を停止し廃止されている。
発電設備概略
- 総出力:0kw(廃止済みのため)
ナンバー | 原子炉形式 | 定格出力 | 格納容器形式 |
---|---|---|---|
1号機 | 沸騰水型軽水炉BWR-3 | 46万kw | Mark.I |
2号機 | 沸騰水型軽水炉BWR-4 | 78.4万kw | Mark.I |
3号機 | 沸騰水型軽水炉BWR-4 | 78.4万kw | Mark.I |
4号機 | 沸騰水型軽水炉BWR-4 | 78.4万kw | Mark.I |
5号機 | 沸騰水型軽水炉BWR-4 | 78.4万kw | Mark.I |
6号機 | 沸騰水型軽水炉BWR-5 | 110万kw | Mark.II |
7号機と8号機の建設も計画されていたが後に中止された。
原子炉概略
原子炉は米国のゼネラル・エレクトリック社が設計したものを基本としており、3号機と5号機は東芝製、4号機は日立製の原子炉を使用している。
福島第一原発事故
事故の概要
2011年3月11日午後2時46分、東北地方太平洋沖を震源とするマグニチュード9.0の地震が発生。この時発生した大津波は福島第一原発も襲った。
この時運転中だった原子炉は地震の揺れを感知して自動停止したが外部電源を喪失。自家発電用の発電機も津波で海水に浸かって使用不能になり、原子炉内の燃料が溶融。メルトダウンを引き起こした。核燃料は圧力容器を突き抜け、格納容器にも穴があくメルトスルーにまで至ったとみられる。この結果、周辺の土壌や海域に大量の放射性物質をまき散らした。
また建屋内に水素が充満。爆発を起こして建屋を破壊した。
もともとの1F敷地の地盤高は30から35mあったのだが、これを設備搬入の便を重視して大幅に掘り下げた。水素爆発やメルトダウンを起こした1号機から4号機の地盤高は10m、この高さが最もコストを低減するため……とされているが、実はこれは1号機の施工者であるジェネラル・エレクトリック社に要求されたものだった。
さほど被害の出なかった5号機と6号機は13mで、1Fの南に位置する福島第二原子力発電所は12mだった。女川町の奇跡を起こした東北電力女川原子力発電所は14.8m。日本原電東海第二発電所は8.6mだが、同じ太平洋岸でもリアス式海岸の福島県以北と異なり、茨城県のこのあたりは鹿島灘のなだらかな海岸線のため同じエネルギーでも福島・岩手沿岸ほどには高い津波は押し寄せない他、すぐ南側が平野部のため遡上する津波の破壊力が分散してしまう。また、格納容器も新型のMark.IIであり、地下の水密対策も強化されていた(が、被災時は工事のため一部水密扉が閉じられずディーゼルエンジンの一部は水没している。が、破壊力がなかったことと燃料喪失がなかったためSBOを免れている)
1Fの場合非常用発電機を建屋の地下に配置していたのも悪かった。また外部電源回線が多数確保されておらずそれも事故を引き起こすきっかけとなった。
関連タグ
Fukushima50:2011年3月11日の東日本大震災で、福島第一原発事故(最悪チェルノブイリ原発事故の10倍と試算され、東日本壊滅の危機)に最後の瀬戸際まで事態の収束に奮闘した作業員たちの通称。またこれを基に制作された同タイトルの日本映画。