概要
クワガタムシ亜科に含まれるグループの1つ。
学名は「Figulus」
体長は20mm程度の小型種である。体型は細長くなり、上翅には縦筋が入る。
オスメス共に同じ外観となるため、解剖して交尾器を確認しなければ雌雄判別できない。外観での雌雄判別はほぼ不可能である。
ヒョウタンゴミムシに外観が似かよっている。
成虫は幼虫と共に朽木の中で集団生活しており、朽木を噛み砕いて幼虫に与えやすいようにするといった社会性に近い習性が見られる。この補助がなければ幼虫は育たないとされている。
成虫は同じ朽木内にいるゴミムシダマシの幼虫などを捕食し、特に繁殖期に肉食性が強くなる(他種のクワガタではオオクワガタやヒラタクワガタにも同じ傾向が見られる)。
新たな繁殖場所を探す過程で樹液に集まることもある。
先述の通り外観での雌雄判別が不可能なため、専門店で販売される場合は通常のクワガタのようにペアではなく、数匹をセットで販売することがほとんどである。
また、クワガタムシのトレードマークである大顎が発達しないため、子供達からの人気は低め。甲虫王者ムシキングにも登場しなかった。
日本のチビクワガタ
チビクワガタ(F binodulus)
オガサワラチビクワガタ(F boninensis)
本属最大種だが体長は20mm程度。以下の2亜種に分類される。
・原名亜種(ssp.boninensis)
日本の固有種で、準絶滅危惧種。
・ナコウドジマチビクワガタ(ssp.karubei)
小笠原諸島の媒島に分布。絶滅危惧種(Ⅰ類)。
日本に分布するクワガタでは入手が最も困難とされる。
マメクワガタ(F punctatus)
伊豆諸島、南西諸島に分布。本土でも関西地方以西の一部の地域に分布が確認されており、海外では台湾にも分布している。
チビクワガタよりも小型となり、体型もより細長くなる。
主に沿岸部に生息しており、地域によってはチビクワガタやルイスツノヒョウタンクワガタと混成している。
チビクワガタよりも肉食性が強く、他種の幼虫や成虫を捕食することもあるため、混成地ではチビクワガタやルイスツノヒョウタンクワガタよりも勢力が強くなる。
フィッシコリスマメクワガタ(F fissicollis)
台湾、フィリピン、ポリネシアにかけて広く分布しており、日本では小笠原諸島の硫黄島に分布している。
イオウマメクワガタは本種のシノニムであるが、流通時はそのままの名称で記載されることが多い。
生態はマメクワガタと同じとされる。
ダイトウマメクワガタ(F daitoensis)
大東諸島の北大東島、南大東島に分布。
マメクワガタよりも光沢が強くなり、体型も大きくなる。
生息地は開拓により森林がほとんど無いため、干上がった用水路に残った朽木内で活動する。また、隔絶された狭い島であるため餌となる他の昆虫の幼虫が少なく、同種の幼虫を共食いする個体が多く見られる。
海外のチビクワガタ
レグラリスチビクワガタ(F regularis)
オーストラリアに分布。
サモアチビクワガタ(F samoanus)
サモアに分布。
インテグリコリスチビクワガタ(F integricollis)
グアム島に分布。
ボルネオチビクワガタ(F borneensis)
ボルネオ島に分布。
カビフロンスマメクワガタ(F cavifrons)
スマトラ島に分布。
ストリアータチビクワガタ(F striatus)
レユニオン島に分布。
スブラエビスチビクワガタ(F sublaevis)
モザンビークに分布。
アントラキヌスチビクワガタ(F anthracinus)
マダガスカル、マヨットに分布。