概要
一般には六大州のひとつアフリカ州を意味する。アフリカ州はアフリカ大陸と周辺の島々を合わせて形成されており、現在は54の独立国家が存在する。アフリカ大陸は世界の5大陸のひとつで、ユーラシアの南方大西洋とインド洋、南極海に挟まれる形で位置する。ユーラシアとは幅最短約120kmのスエズ地峡で繋がる。
現在でこそ大陸全体を指して「アフリカ」と呼んでいるが、かつては現在のチュニジア周辺地域のみを指していた(例:ローマ帝国がカルタゴを併合した際に同地に設置した「アフリカ属州」)。「アジア」がアナトリア半島のみを指す語からユーラシア大陸の同地以東を指す語に変わったのと同様である。
サハラ砂漠を境にアラブ人やベルベル人などの多い北部と黒人民族の多い南部に分かれており、過酷な自然環境、紛争、経済格差、感染症などで社会的に不安定な地域がかなり多い。各国がそれぞれに活動するだけでなく、地域を統合する地域機関としてアフリカ連合も結成されている。加盟国・地域は55に上り、政治的経済的統合や紛争の予防解決が図られている。事務局本部はエチオピアの首都でもあるアディスアベバにある。
地理
大部分が安定陸塊と呼ばれる大きな地塊となっている。
これはいわば、アフリカ大陸全体(下記の大地溝帯の東側を除く)がまるごと継ぎ目のない一枚の岩盤で成り立っている状態である。
海岸部の平野は大陸の大きさに比して比較的狭く、内陸の高原が発達している。
大きな半島や入り組んだ湾などの複雑な海岸地形は数としては少ない。
大陸東部(エチオピアからタンザニアにかけてのあたり)には「大地溝帯」と呼ばれる大きな裂け目がある。
地形としては巨大な谷になっており、ビクトリア湖やタンガニーカ湖などの湖が見られる。
火山などの地殻活動が活発なこの裂け目はアフリカ大陸プレートが東西に裂け始めている地点であり、数千万年後にアフリカ大陸が分裂する前兆とされる。
サハラ砂漠は北部に広がり、世界最長のナイル川が北に地中海に向かって流れる。
北端はチュニジアのブラン岬の北緯37.5度で、日本の福島県郡山市や新潟県長岡市、韓国のソウルと同緯度である。
南端は南アフリカのアガラス岬の南緯35度で、よく喜望峰がアフリカ最南端と誤解されるが誤りである。
中央部を赤道が通る。
最高峰はタンザニアの独立峰火山のキリマンジャロ(標高5,895m)である。
歴史
DNA研究の結果、現生の全ての人類がこのアフリカに誕生した祖先を持つというのが定説であり、人類発祥の地ともいわれる。北部のエジプトに四大文明の一つエジプト文明が誕生した。その後も海洋国家カルタゴの本拠地となったりローマ帝国やイスラム帝国、オスマン帝国の要地として北部は栄える。しかし、北部と中部を東西に分断するサハラ砂漠によって交流が制限され、中部と南部の多くは世界の他地域とは関りが少ない独自の文明圏となっていった。
状況は大航海時代に一変し、羅針盤と銃火器で武装した欧州諸国等の船がアフリカ各地に殺到する。当初はポルトガルやそれを追ってイスラム圏から台頭したオマーン帝国、次いでイギリスやフランスの勢力範囲となる。こうしてアフリカ大陸は東西貿易の中継地になったが、一方でこれら諸国は各地に植民地を築き奴隷貿易が始まるなど多くの負の側面が生まれる。その後、大陸南端を経由する大回りの航路を避ける為にスエズ地峡にスエズ運河が開通すると、再び中南部の大部分は世界貿易から取り残され植民地のみが残った。こうしてアフリカの多くが独立国となったのは、第二次世界大戦の後の事である。
経済
名目GDPトップ5(2018) 1ドル=112円
国名 | 名目GDP(ドル) | 日本円換算 | 世界順位 |
---|---|---|---|
ナイジェリア | 3982億 | 44兆5984億 | 31 |
南アフリカ共和国 | 3681億 | 41兆2272億 | 34 |
エジプト | 2495億 | 27兆9440億 | 45 |
アルジェリア | 1737億 | 19兆4544億 | 55 |
アンゴラ共和国 | 1059億 | 11兆8608億 | 63 |
参考 | |||
日本 | 4兆9717億 | 556兆8304億 | 3 |
アフリカ全体のGDPは世界の2%のシェアとなっている。
国によって格差が激しく貧困や紛争、治安の悪化に苦しんでいる地域が多いが、豊富な地下資源や海外からの投資によって発展を遂げている国も多い。
アフリカの国家一覧
- エジプト(一部はアジアにまたがる)
- リビア
- チュニジア
- アルジェリア
- モロッコ
- スーダン(東部アフリカとされることもある)
- (西サハラ)(「サハラ・アラブ民主共和国」を名乗りモロッコと独立を巡って紛争中。アフリカ連合は加盟承認したが、他地域では承認する国は少ない)
おもな都市
- カイロ、アレキサンドリア、ギザ(エジプト)
- トリポリ(リビア)
- チュニス(チュニジア)
- カサブランカ(モロッコ)
- ダカール(セネガル)
- アクラ(ガーナ)
- ラゴス、ポートハーコート(ナイジェリア)
- ンジャメナ(チャド共和国)
- アディスアベバ(エチオピア)
- ナイロビ(ケニア)
- ダルエスサラーム、ザンジバル(タンザニア)
- キンシャサ(コンゴ民主)
- プレトリア、ヨハネスブルグ、ケープタウン(南アフリカ)