アメリカ大陸を北アメリカ・中央アメリカ・南アメリカに区分した時の最南部。
南米ともいう。
中央アメリカと南アメリカを合わせてラテンアメリカと呼ぶことも多い。
歴史
古代、といっても比較的近世の16世紀ごろまではインカ文明やマヤ文明を代表とする古代文明が栄えていた。
15世紀末から16世紀にかけて、ヨーロッパとアメリカの間の航路を発見したコロンブスを皮切りにあまたの探検家たちがヨーロッパからアメリカ大陸を訪れるようになる。
このとき探検家たちが訪れたのが、海流や風向との兼ね合いで到達しやすい中南米東海岸であった。
やがて、スペイン・ポルトガル・イタリアを中心とした移民たちが新大陸を開拓しにくる。
現在でもラテンアメリカの主要言語がスペイン語とポルトガル語であるのはこのためである。
余談だが、イタリアの作家アミーチスの児童文学『クオーレ』に収められている『母を訪ねて三千里』は原題を「アペニン山脈からアンデス山脈まで」といい、アルゼンチンへ移民した両親を追って息子がイタリアからはるばる向かうという内容である。
産業
広大な大地を利用した大規模な農業が盛ん。ブラジルのコーヒー・大豆、アルゼンチンの肉やトウモロコシなどが代表的。
鉱物資源では鉄や銅が採掘されている。石油も採れる。
自然と観光
赤道以北の熱帯から、南緯50度近くの冷帯までと非常に長いため、気候は多様である。
アマゾンのジャングルやアンデス山脈にある世界一標高の高い鉄道などは人気スポットである。
2016年にはリオデジャネイロで南米初のオリンピックが開催された。
日本との関係
日本からは19世紀~20世紀前半にかけてアメリカ大陸への移民が相次いだ。特に南米への移民が多い。余談だが第1回芥川賞受賞小説の石川達三の『蒼氓』(そうぼう)はブラジル移民をテーマにした作品である。
戦後からわずか6年後の1951年という早い時期にサンフランシスコ講和条約が締結されたのも中南米の尽力があったからといわれる。
日本から南アメリカ各国への経済援助も活発である。また農産物や鉱産物の日本への輸入も多い。
南アメリカの国と地域
国名 | 首都 | 主要言語 |
---|---|---|
ベネズエラ | カラカス | スペイン語 |
コロンビア | サンタフェデボゴタ | スペイン語 |
エクアドル | キト | スペイン語 |
ガイアナ | ジョージタウン | 英語、ヒンドゥー語 |
スリナム | パラマリボ | オランダ語 |
フランス領ギアナ | カイエンヌ | フランス語 |
ペルー | リマ | スペイン語、ケチュア語、アイマラ語 |
ボリビア | ラパス | スペイン語、ケチュア語、アイマラ語 |
ブラジル | ブラジリア | ポルトガル語 |
チリ | サンチアゴ | スペイン語 |
パラグアイ | アスンシオン | スペイン語 |
ウルグアイ | モンテビデオ | スペイン語 |
アルゼンチン | ブエノスアイレス | スペイン語 |
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