区分
3種類の「北アメリカ」(北米)が存在する。
ひとつは、アメリカ大陸を地理的に北・中央・南の3つに区分した場合である。これは国際連合で定める「北部アメリカ (Northern America)」と一致し、ハワイおよび海外領土を除くアメリカ合衆国と、カナダ全土に加え、デンマーク領のグリーンランド、 イギリス領のバミューダ諸島、フランス領のサンピエール島およびミクロン島が含まれる。
もうひとつは、地理的な区分としての北アメリカ大陸がある。南北アメリカ大陸は横断すれば数千kmにも及ぶが、ほぼ中央に位置するパナマ地峡は極端に幅が狭く60km弱ぐらいしかない。こうしてアメリカ大陸をパナマ地峡にあるパナマ運河を境に北と南の2つに分け、周辺の島国も含んだ北側を北アメリカ(北アメリカ州)と呼ぶ場合もある。こちらの「北アメリカ」は、国連区分でいう中央アメリカのほとんど全体をも含んでいることになる。こちらの「北アメリカ」に含まれる主な国家は、カナダとアメリカ合衆国のほか、メキシコ、グアテマラ、ニカラグア、コスタリカ、キューバ、ジャマイカ、ドミニカ共和国、ハイチ、バハマ、トリニダード・トバゴなどがある(詳細は中央アメリカ参照)。
他に「アングロアメリカ」の言い換えとして「北米」の呼称が使われることもある。アングロとはアングロ・サクソン、すなわちイギリス人のこと。故にこの場合は一般にアメリカ大陸のうち、旧イギリス植民地を元に成立したアメリカ合衆国とカナダの両国を指す。かつてのスペインかポルトガルの植民地を元に成立したラテンアメリカと対比して用いられる。俗称なので、アメリカ領だがスペイン語話者が多いプエルトリコをどちらに含めるのかとか、旧イギリス領である(ただしアングロ・サクソン人は少なく黒人が多い)バハマやジャマイカをどう区分するかなど、厳密に考えると曖昧な点も多い。
気候風土
気候は大陸の東西で大きく異なっている。東部はメキシコ湾流の影響もあって比較的湿潤であるが、内陸部や西部は比較的乾燥している。農業も気候に合わせた作物が栽培されている。
東部は森林地帯で、アパラチア山脈が南北に伸びる。中部は「プレーリー」と呼ばれる広大な草原が広がり、世界有数の穀倉地帯である。西部にはロッキー山脈やシエラネバダ山脈などの険しい山地があり、ソノラ砂漠のような乾燥地帯も広がる。
北部は北極圏に入る。