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概要

中米パナマに位置する運河

パナマの最も細くなっている部分を開削して建設されたもので、大西洋太平洋を結ぶ。


歴史

運河建設前の交通状況

パナマ運河建設前は、パナマ地峡に建設された鉄道を利用するというものであった。


フランス資本による建設事業

当時コロンビア領だったこの地にスエズ運河を建設したレセップスがパナマ運河を建設するための会社を設立した。

1880年に起工したものの技術的な問題と現地で蔓延する伝染病によって工事は難航、レセップスが設立した運河建設の会社は1889年に倒産してしまった。


アメリカ合衆国による建設事業

レセップスのパナマ運河を建設するための会社が倒産した後、この地に大西洋太平洋を結ぶ運河を建設する価値を見出したアメリカ合衆国がコロンビア政府と建設にかかる交渉を開始した。

しかし、コロンビア政府とアメリカ合衆国連邦政府の間で締結されたパナマ運河建設地域をアメリカ合衆国の主権下におくことを基本とした条約の批准がコロンビア側で成立しなかった。

そこで、アメリカ合衆国連邦政府は、この地域の独立運動家と結託して1903年11月3日にこの地をパナマとして独立させ、同年11月13日に国家承認、同年11月18日にパナマ政府とパナマ運河条約を締結し、国家事業として建設を開始、1914年8月15日に開通した。


パナマ運河地帯の返還

アメリカ合衆国とパナマの間で締結されていたパナマ運河条約では、アメリカ合衆国に運河の建設権を認める他、パナマ運河の中心から両側5マイルずつの範囲に永久租借権と軍事警察権が設定されていた。

第二次世界大戦後になると、パナマ国内において運河返還要求の声が高まり、1968年にパナマで発生した軍事クーデターによって、それは決定的となった。

1977年に恒久的に中立無差別な通行が保証されることの確認を柱とする新パナマ運河条約が締結され、1979年にアメリカ合衆国の永久租借権が消滅、共同管理期間を経て1999年12月31日には駐留していたアメリカ軍が引き揚げ、有事の例外を除いてパナマ政府へ引き渡された。

なので、2000年以降の運河管理者はパナマ政府である。


拡張工事

通航量の増大や船舶の大型化の流れを受け、2006年4月に運河拡張計画がパナマ運河庁より提案され、同年10月に国民投票によって実施されることが決定された。

工事の内容は、それまでのものより大型の閘門を設置し、それに対応するために運河を拡幅、浚渫するというものである。

2007年9月3日に着工、2016年5月31日に竣工した。


構造

この運河のあるパナマ地峡太平洋側と大西洋側で水面の高さが違う他、運河全体で20メートル以上の標高差がある。

これを克服するため、船を入れて後ろの扉を閉め、水を注排水して船の前の扉を開いて船を出す閘門という設備を使い、階段のように運河の端で登り降りする他、閘門の通過時には両側から機関車が牽引して閘門の壁にぶつからないようにしている。

なお、閘門で外海へ排水される水の水源として運河の途中にあるガトゥン湖の水を使っているため、異常渇水時には通行できる船の喫水が制限されることがある。


運河通航料

パナマ運河では、船の大きさを基準に1トンあたりの運河通航料が定められている。

最少の運河通航料は、1928年にパナマ運河を泳いで通航した人が支払った36セントである。

また、最大の運河通航料は、パナマ運河庁による通航料値上げの方針と拡張工事に伴う通航可能船舶の大型化もあって、記録更新中である。


パナマックス

この運河を使わなければ、大西洋から太平洋に出るために南米大陸最南端のホーン岬を迂回する必要があり、運河を通る必要のある船は、軍艦も豪華客船も、閘門におさまるサイズで建造されることになる。

旧基準

パナマ運河の建設当初からあるサイズ制限。

21世紀の現在も最初からある閘門を利用する船は、この制限が適用される。

この制限を「パナマックス」と呼び、その大きさは次のとおりである。

  • 全長:294.1m(閘門で船の前後の扉を閉める必要があるための最大長)
  • 全幅:32.3m(閘門に入る最大幅)
  • 喫水:12m(計測場所の環境によって変わるため、熱帯淡水という条件になっている)
  • 最大高:57.91m(運河をまたぐ形で架かっているアメリカ橋の下を通過するための制限)

逆に言えば、運河を通る必要がなければパナマックスに縛られることもないわけで、太平洋だけ、大西洋だけで運行される、もしくは最初から運河を使う前提でないタンカーなどは、このサイズ以上の船がゴロゴロしている。

この基準の時代に特例許可で運河を通行した最大幅の船は2隻のノースカロライナ級戦艦(全幅33.025m)、最大全長の船は貨物船『サン・ファン・プロスペクター』(全長296.57m)である。

新基準

新たに建設された閘門を利用する場合におけるサイズ制限。

この制限を「ニュー・パナマックス」と呼び、その大きさは次のとおりである。

  • 全長:366m(+72m)
  • 全幅:49m(+17m)
  • 喫水:15.2m(+3m)
  • 最大高:57.91m(パナマックスと変わらず)

関連タグ

スエズ運河キール運河:本運河を合わせて世界三大運河として数えられる。

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