概要
公用語 | 英語(事実上。地域によってはスペイン語も多く話される。) |
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首都 | ワシントンD.C. |
国家元首(職) | 大統領 |
面積 | 962万9091平方キロメートル |
人口 | 3億3491万4895人(2023年12月) |
名目GDP | 26兆9500億ドル(2023年10月) |
1人当たりのGDP | 8万412ドル(2023年10月) |
建国 | 1776年7月4日(イギリスから独立) |
通貨 | ドル |
政体 | 大統領制 連邦共和国 |
アメリカ合衆国(アメリカがっしゅうこく、英語:United States of America、読み:ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ、英語略称:United States、America)は、北アメリカ大陸に位置し、太平洋及び大西洋に面する連邦共和国。アメリカ・米国・美国・合衆国・USAなどの別名があり、首都であるコロンビア特別区(ワシントンD.C.)と50州で構成されている。現在も人口が増加し続けており、2024年8月23日時点では3億4569万4376人である。
概説
アメリカ合衆国の建国は1607年5月にイギリスが北アメリカ本土で最初の恒久的な入植地(13植民地)を設立した事に端を発し、1775年4月からイギリスと13植民地が交戦した紛争を経てアメリカは独立した。1776年7月に独立戦争に於いてイギリスと交戦していた時、13植民地の代表はアメリカの独立宣言を全会一致で発布した。1783年9月にこの戦争はイギリスがアメリカの独立を承認した事で終結し、ヨーロッパの植民地帝国を相手に成功した世界初の独立戦争となった。
1787年9月に現在のアメリカ合衆国憲法が成立し、集合的に権利章典と命名された最初の10項目ある修正案は1791年12月に批准され、1861年4月に開戦したアメリカ史上唯一の内戦である南北戦争はアメリカに於ける合法的な奴隷制度を終焉させた。1898年8月までにアメリカは国土を太平洋まで拡大して経済は成長し始め、同月に米西戦争に勝利した後は1917年4月に第1次世界大戦でイギリス・フランス・日本と共に連合国として参戦し、本土が戦火に巻き込まれなかった事から経済的な繁栄を謳歌した。戦後は社会主義共和国を拡大させない為にロシア革命へ干渉し、他の列強と共にシベリア出兵を開始したが、1929年10月に世界恐慌が発生して甚大な打撃を被った。
1941年12月に日本軍の真珠湾攻撃によって第2次世界大戦に連合国側で参戦し、緒戦では本土空襲など痛手を受けたが、優れた技術力と圧倒的な物量によって連合国を勝利に導いた。戦勝国の中心として世界に対する影響力を強め、ソビエト連邦と並んで世界の超大国として君臨した。西側諸国の事実上のリーダーとして、ソ連を事実上のリーダーとする東側諸国と対立し、1947年3月から東西冷戦に突入した。1989年6月から東欧革命によって社会主義共和国は次々と崩壊し、1991年12月にソビエト連邦が崩壊した事でアメリカが世界唯一の超大国と看做されるようになった。
アメリカ合衆国は先進国であり、世界最大規模の国民経済を有する国であるだけで無く、世界貿易機関・経済開発協力機構・G7・G20・米州機構・北大西洋条約機構などの加盟国でもある。アメリカの経済は豊富な天然資源と労働者の高度な生産性によって支えられており、脱工業化社会であるとされている一方で、世界有数の工業国・農業国であり続けている。
1945年9月に第二次世界大戦に勝利したアメリカは、国際連合安全保障理事会常任理事国と共に核拡散防止条約によって核兵器の保有を承認された公式核保有国となり、1949年4月以来一貫して北大西洋条約機構加盟国であり続けている。アメリカ軍は陸軍・海軍・空軍・海兵隊・沿岸警備隊・宇宙軍で構成されており、北アメリカ・南アメリカ・中東・アジア・アフリカ・ヨーロッパ・オセアニアに統合軍を設置している。アメリカはこれらのほとんどの国と軍事的な同盟関係にあり、その国内に多数の軍事基地を設置して軍部隊を駐留するなど安全保障を担っている。
アメリカ合衆国は軍事費が世界の軍事支出のおよそ40パーセントを占め、世界で最も強大な軍事力を有する国である。1945年7月に核実験を成功させて世界初の核保有国となり、同年8月に日本に対して2度も原子爆弾を投下し、戦争で核兵器を使用した唯一の国である。また国際社会に多大な影響を及ぼす政治・経済・軍事的勢力にして、世界で最も民族的に多様かつ多文化な国の1国であり、その他に科学研究と技術革新に於ける世界のリーダーと言える存在であるともされている。
歴史
詳細はアメリカ史を参照。
政治
アメリカ合衆国憲法・州憲法で連邦・各州共に厳格な三権分立を基調とした民主主義を取っており、連邦共和国として州の自治権が大きいのが特徴である。詳細はアメリカ合衆国の政治を参照。
国際関係
ヨーロッパ
- イギリス
- フランス
精神的な兄弟関係とも言うべき存在であり、アメリカ独立戦争(独立革命)にアメリカ軍が勝利できたのはフランスの支援が大きかった。アメリカが独立した後に程無くして発生したフランス革命は、アメリカ独立革命で掲げられた理念の影響を多分に受けている。アメリカの象徴である自由の女神像はアメリカ独立100周年を記念してフランスから贈呈され、1886年10月に完成したものである。現在の両国は相互防衛援助条約に基づいて同盟関係にある。
- ドイツ
相互防衛援助条約に基づいて同盟関係にあり、これに基づきドイツ国内には在ドイツアメリカ軍が駐留している。ドイツに駐留するアメリカ軍の数は在日アメリカ軍に劣るものの、基地の数では在外駐留軍で最多である。
- ロシア連邦
旧ソ連時代から世界を二分した睨み合いを続け、1991年12月にソ連が崩壊した後も敵対関係が続いている。2014年3月にクリミア半島を併合したのに加えて、2022年2月にロシア・ウクライナ戦争を開戦した事などで敵対関係は益々深まっている。
アジア
- 日本
- 韓国
米韓を参照。
- 北朝鮮
2002年1月にアメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領から、イラン・イラクと共に悪の枢軸と批評されて敵対していたが、2018年6月にドナルド・トランプ大統領と金正恩党委員長がシンガポールで首脳会談を開催して共同声明を出した。しかし2019年2月にベトナムで再び会談した時は、非核化に向けた交渉が決裂したようで合意文書が締結される事は無かった。
- 中華人民共和国
米中を参照。
- フィリピン
米比関係を参照。
軍事
アメリカ軍またはアメリカ合衆国の軍事を参照。
地理
国土
国土は962万9091平方キロメートルで、日本の約25倍である(カリフォルニア州だけで日本をやや上回る)。本土48州にアラスカとハワイの2州を加えた計50州と、ワシントン・コロンビア特別区から成り、他にプエルトリコ・バージン諸島・東サモア・グアムなどの海外領土を有し、カナダ・メキシコ・ロシア(ベーリング海峡を挟む)と国境を接している。
地理としては西部は高峻な山地が多く、ロッキー山脈などの諸山脈が並行して走り(合衆国の最高峰はロッキー山脈南部にある4399mのエルバート山)、その間にグレート・ベースンなどの盆地と中央部には北アメリカ中央平原が広がる。その東にミシシッピ川流域に広がる中央平原・北東部には五大湖・東部にはアパラチア山脈・その東側に海岸平野が広がる。メキシコ湾岸からフロリダ半島を経て、大西洋岸一帯に沿岸砂州が発達している。
気候
ツンドラとタイガのアラスカ・常夏のハワイを別にして、アメリカ本土の大半が暖温帯と乾燥帯、亜寒帯(冷帯)に属する。それ以外はフロリダ南部に熱帯がわずかに存在するのみで、ほぼ中緯度気候帯の国と言える。
経済
イギリス統治時代・独立当初のアメリカ経済はヨーロッパ経済の付属物に過ぎなかったが、19世紀からは飛躍が始まり、半ばに世界最大の農業国・末期に工業国となった。第1次世界大戦の後の好景気では世界に先駆けて大衆消費社会を実現し、第二次世界大戦の後には戦災の多寡の影響もあるものの、世界の国民総生産(GNP)の半分以上をアメリカが生産するようになった。その後ヨーロッパ諸国・日本の復興で国家経済の比重が低下し、1980年1月に世界の総生産の21.5パーセントに落ちたが、依然としてアメリカが世界で最も強大な経済力を有する国である事に変わりは無い。
連邦政府は世界最大の債務を抱えており、2022年2月1日時点での公的な連邦債務額は30兆ドルである。定期的に連邦議会が債務の上限を引き上げているが、大統領と連邦議会が対立している状況にある場合は大統領による牽制に利用され、デフォルト(債務不履行)に陥るのではと懸念する者が居る。ただし事実上ほぼ唯一の基軸通貨発行国であり、安全保障の目的で国債を世界に散布している面もある為、他の国の基準が当てはまるかどうかは疑わしいとする意見もある。
国民
人口
2023年12月の推計では3億3491万4895人であった。移民の国であるアメリカは世界有数の多民族の国家であり、インディアン・エスキモー(アラスカ)・ポリネシア人(ハワイ)などの先住民の他に、白人・黒人・ヒスパニック系・アジア系など数多くの人種・民族が暮らしている。
人種・民族
アメリカ合衆国に於ける人種と民族を参照。
文化
アメリカの社会・文化は遥かに複合的かつ多角的で、これは広大な国土と強い州権による地域的な独自性と、様々な人種・民族の存在などが主たる原因である。独立する前・その直後の頃はイギリスを模倣した文化が多かったが、モンロー宣言の影響でアメリカ人という意識が高まるようになった1830年代以降に民衆の生活風習の中から、アメリカ独自の文化が生まれて発展していった。
第二次世界大戦の後にアメリカの空前の軍事力と経済力を背景にして大衆文化は世界中に輸出され、大衆消費社会とそれは世界中の多くの国で憧れとなった。ヨーロッパが唯一の文化の中心地だった時代は終わってアメリカが文化の中心となる時代が始まると、アメリカは映画・テレビ・ミュージカル・音楽・テーマパークといった大衆文化で世界をリードする存在となり、各国の第二次世界大戦の後の大衆文化の多くもアメリカの模倣から始まった。今ではそれぞれの国の独自の文化へと発展していった文化も多いが、今もアメリカ文化の動向には世界から注目の視線が集まっている。
国旗
アメリカ合衆国の国旗は赤と白が交互になった13本のストライプの左上に青い四角があり、その中に50個の白い五芒星が描かれたデザインで、星条旗と呼ばれる。1777年6月に制定され、星の数は1959年8月にハワイ州が成立した後の1960年7月に現在の50個になった。連邦国旗法で全てのアメリカ国民は国旗に敬意を払うべきと規定されており、国旗の意味は以下の通りである。
- 星の数
現在の州の数(50州)
- 13本の線
独立時の最初の13州
- 白色
純真さと潔白
- 赤色
大胆さと勇気
- 青色
警戒・忍耐・正義
国歌
ザ・スター・スパングルド・バナー(星条旗)で、歌詞は1814年9月にアメリカの弁護士であるフランシス・スコット・キーが戦場に翻る星条旗を見て作詞したもので、曲は当時の人気曲だった天国のアナクレオンへを元にしたと見られている。1931年3月に正式に国歌に制定され、歌詞は3番まで存在するが、3番に南北戦争当時の価値観でさえ明らかに問題な一節が有る為、かなり早い時期に2番までしか歌われなくなり、アメリカ人でも2番までしか知らない場合が多い。
ちなみにしばしば国歌と勘違いされるゴッド・ブレス・アメリカは愛国歌である。
社会問題
アメリカ合衆国の社会問題も参照。
銃社会
アメリカは憲法修正第2条の規定によって、民間人が自衛する目的で銃を使用する事が許可されている。ただしこの条項は民兵の武装を認めているだけで、普通の一般市民について言及している訳では無いという学説もある。しかし、実際には銃器を販売している店舗が街中に存在、実弾が普通にスーパーマーケットでも購入できる状況は、アメリカが銃社会の国であることを表している。
渡航
アメリカに入国するには基本的に査証が必要で、申請者本人が最寄りのアメリカ公館で面接を受ける必要がある。ただし90日以内の観光目的なら査証免除プログラムによって査証は必要無いが、電子渡航認証システム(ESTA)を入国72時間前までに取得する必要がある。パスポートは滞在期間を含め6ヶ月間有効なものが必要だが、日本国籍保有者は入国から出国まで有効期間内であれば問題は無く、残存する有効期間が90日を下回る場合は有効期間に合わせた許可になる。
日本の外務省は特に危険情報は無いが、アメリカは銃社会の国であることを留意してほしいとのこと。
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