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常任理事国

じょうにんりじこく

アメリカ合衆国・中華人民共和国・イギリス・フランス・ロシア連邦の5か国
目次 [非表示]

概要編集

国際連合安全保障理事会常任理事国(こくさいれんごうあんぜんほしょうりじかいじょうにんりじこく、英語:Permanent members of the United Nations Security Council)は、国際連合安全保障理事会を構成し、恒久的な地位を有する5か国の独立主権国。1945年10月に国際連合が発足して以来変化しておらず、国際連合憲章第23条1項にその5か国の正式名称が明記されている。


言語編集

  • 英語:Permanent members of the United Nations Security Council
  • 中国語:联合国安理会常任理事国
  • フランス語:Membres permanents du Conseil de sécurité des Nations Unies
  • ロシア語:Постоянные члены Совета Безопасности ООН

国際連合安全保障理事会常任理事国編集

国名期間首脳以前
アメリカ合衆国1945年10月 - 現在ジョー・バイデン無し
中華人民共和国1971年10月 - 現在習近平中華民国(1945年10月 - 1971年10月)
イギリス1945年10月 - 現在リシ・スナク無し
フランス1945年10月 - 現在エマニュエル・マクロン無し
ロシア連邦1991年12月 - 現在ウラジーミル・プーチンソビエト連邦(1945年10月 - 1991年12月)

中華人民共和国編集

1949年10月に建国されたので発足した当時は存在しなかったが、1971年10月に国際連合総会決議中華民国が保持していた中国の代表権が移動した事で地位を交代した。この決議によって中華民国は国際連合から追放され、現在では台湾島を実効支配するのみである。


ソビエト連邦編集

1991年12月にロシアは安全保障理事会を初めとする国際連合機関でのソ連の地位を継承し、その旨をデ・クエヤル事務総長に伝えた。2022年12月にウクライナはロシアから安保理常任理事国の地位を剥奪するよう加盟国に呼び掛ける声明を発出し、1991年12月にソ連崩壊した後にロシアが継承国となるに当たり、正式な手続きが踏まれなかった事を問題視している。


拒否権編集

システム編集

安保理常任理事国には拒否権という特権が付与されており、これは安保理・総会の議案の評決で大多数が賛成しても、1カ国でも反対すればその議案は全面的に否決される為、今や国際連合の致命的な欠陥となっている。この権限は本来なら安保理常任理事国自体が紛争当時国となった場合は発動対象にならないが、紛争当事国は投票を棄権する必要があるはずなのに対し、事実上無制限に行使されている。安保理は国際連合事務総長の決定権を掌握している事から、各国が拒否権を発動する事で一部の候補者がそもそも立候補・再選出来ないと言った弊害も発生している。


背景編集

国際連合は拒否権について、「平和を保障する最善の方法は、5大国を共通な合意を通じて協力させる事である。」と説明している。拒否権は大国を国際連合に繋ぎ留める安全弁と言われており、世界平和の理念と自らの国益が相反する安保理常任理事国を追い詰めれば、脱退・分裂に繋がりかねない。実際に国際連盟では1933年3月に日本・同年10月にドイツが相次いで脱退し、その結果が第2次世界大戦を招いたという指摘もあり、拒否権はこうした事態を防ぐ安全弁になるという。


行使回数編集

国名回数
ロシア連邦119回
アメリカ合衆国82回
イギリス29回
フランス16回
中華人民共和国16回

TBS系列で毎週日曜朝8時から放送されているサンデーモーニング(2022年5月8日放送)という報道番組のコーナーである「風をよむ」から参照した。


国際連合改革編集

第2次世界大戦の敗戦国(敵国条項の対象国)である日本・ドイツ・新興国であるインドブラジルなどが中心となって10か国程度の常任理事国を新設する運動が行われているが、中国・ロシアが反対しているだけでは無くアメリカも消極姿勢を見せており、実現の目処は立っていない。


国際連盟理事会常任理事国編集

1920年1月に発足した国際連盟においては、理事会理事国のうち任期が定められていない国がこれに当たる。成立当初はイギリス・フランス・日本・イタリアで、1926年9月に遅れて加盟したドイツが常任理事国となった。しかし1933年3月に満州国の建国に関する是非によって日本・同年10月にナチス政権の樹立に伴ってドイツがそれぞれ国際連盟を脱退した。


1934年9月にそれに代わって国際連盟に加盟したソ連が常任理事国に加わるも、1937年12月にイタリアが日独防共協定に加盟したのに伴って国際連盟を脱退した。1939年12月にソ連がフィンランドに侵攻した事で国際連盟から除名された結果、イギリスとフランスの2か国のみとなった国際連盟理事会は機能停止に陥り、1946年4月に国際連盟が解散するまでその状態であった。


備考編集

事柄該当する国
安保理常任理事国アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国
G7アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・カナダ・イタリア・日本
BRICSブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ共和国

テストの問題などで出題される場合は、G7などと混同しないように注意して欲しい。なおロシア・中国はBRICS(2000年代以降に急激な経済発展を遂げた5か国)に含まれており、太字は安保理常任理事国とG7またはBRICSの両方に入っている国である。


その他編集

2018年1月頃にバーチャルユーチューバー四天王と呼ばれた初期の大手功労者5名を指す俗語としても用いられた。その5名は以下の通りである。

※四天王なのに五人、バーチャルではあるが人なのに国扱いされたりとめちゃくちゃである。


当サイト編集

現在の国際連合安全保障理事会常任理事国についてのイラストのみが存在し、本記事でもそれを踏まえて国際連合安全保障理事会常任理事国について解説するが、参考としてかつて存在していた国際連盟理事会常任理事国についても触れる事とする。


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