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概要編集

所属国アメリカ合衆国
出生日(2024年11月時点)1942年11月20日(81歳)
出生地アメリカ合衆国 ペンシルベニア州スクラントン
所属政党民主党
出身校デラウェア大学、シラキュース大学
宗教キリスト教カトリック
配偶者(2024年11月時点)ジル・トレイシー・ジェイコブス
子女4人(その内の1人は事故死)

ジョセフ・ロビネット・バイデン・ジュニア(英語:Joseph Robinette Biden Jr.、1942年11月20日 – )は、アメリカ合衆国の政治家。第46代アメリカ合衆国大統領。民主党員であるバイデンは2009年1月にバラク・オバマ政権で副大統領を務め、2017年1月に2期8年の任期を終えて退任した。それまでは1973年1月から連邦上院議員(デラウェア州選出)を務め、上院議員時代は政策の実現を重んじる調整型の政治家として知られ、党派を超えた信頼を確立した。



経歴編集

1942年11月20日にペンシルベニア州スクラントンにて、4人兄弟の第1子として誕生した。1965年6月にデラウェア大学を卒業した後、1958年6月にシラキュース大学で法学の学位を取得した。1971年1月にニューキャッスル郡議会議員を経て、1973年1月にデラウェア州選出の連邦上院議員に就任した。在任中は1994年9月に成立した暴力犯罪規制法執行法女性に対する暴力法を起草し、可決に向けた取り組みを主導した一方で、ロバート・ボークとクラレンス・トーマスに対する物議を醸した公聴会を含む6項目の連邦最高裁判所判事の承認公聴会を監督した。


1988年アメリカ合衆国大統領選挙2008年アメリカ合衆国大統領選挙では、民主党の大統領候補を目指して出馬したが落選した。1991年1月に湾岸戦争が開戦した時は反対し、東ヨーロッパ諸国に対するNATOの拡大とユーゴスラビア紛争の介入を支持した。2002年10月にイラク戦争の承認決議を支持したが、2007年1月に発表されたの増派には反対した。1987年1月から1995年1月まで上院司法委員会の委員長を務め、麻薬政策・犯罪防止・市民の自由に関連する問題を扱っていた。


オバマ政権の副大統領編集

2008年アメリカ合衆国大統領選挙で、民主党の大統領候補となったバラク・オバマ連邦上院議員から副大統領候補に内定され、2009年1月から2期8年に亘ってオバマ政権の副大統領を務めた。2017年1月に退任した後、2020年アメリカ合衆国大統領選挙カマラ・ハリス連邦上院議員を副大統領候補に選択し、共和党の現職であるトランプ大統領とペンス副大統領のペアを破った。バイデンはアメリカ史上最高齢の大統領となり、自身が率いる政権で初めて女性の副大統領が誕生した。


大統領編集

2021年1月に大統領に就任してからは新型コロナウイルス感染症のパンデミックとその後に発生した不況に対応し、同年3月にアメリカ救済計画法・同年11月にインフラ・2022年8月に製造業に関する超党派の法案に署名した。2021年8月に提案したインフレ削減法案が連邦議会で否決され、その側面は2022年8月に署名したインフレ削減法に組み込まれた。同年6月にケタンジ・ブラウン・ジャクソンを連邦最高裁判所判事に任命し、バイデンは野党である共和党と協力して債務上限を引き上げる為の合意を交渉した事で、2023年6月に債務上限の危機を解決した。


2021年1月にパリ協定へ復帰すると決定し、同年8月にアフガニスタンからアメリカ軍を撤退させ、2001年10月から続いたアメリカ史上最も長い戦争を終結させた。しかしその間にアフガニスタンで政府が崩壊し、代わってタリバンが実権を掌握した。2022年2月にロシア・ウクライナ戦争が開戦すると、ロシアに対して制裁措置を実施し、ウクライナに対する民間・軍事援助を承認してこの戦争に対抗した。2023年10月にイスラエル・パレスチナ戦争が開戦すると、イスラエルに対する軍事支援を発表し、ハマスや他のパレスチナ過激派の行動をテロとして非難した。


2024年アメリカ合衆国大統領選挙編集

2024年アメリカ合衆国大統領選挙では、2023年4月に民主党から再選を目指して出馬する意思を正式に表明し、インターネット上に動画を公開した。バイデンは歴代の大統領と比べて最も高齢である為、2029年1月に2期目の任期が終了する時には年齢が86歳になる。これはアメリカ人男性の平均寿命を約10年も上回っており、有権者たちが更に4年の任期を託すかが問われる事になる。2024年7月に大統領選挙から撤退する意思を表明し、これは1968年3月のリンドン・ジョンソン以来56年4か月ぶりとなり、ハリス副大統領を民主党の大統領候補として支持した。


外交編集

日本編集

2021年4月に菅義偉総理大臣とホワイトハウス会談し、この後の記者会見で「日米同盟とお互いの安全保障に対して揺るぎない支持を確認した。」と述べ、日本との強固な同盟関係を確認できたとして成果を強調した。特に中国に対抗する意思を鮮明にしただけで無く、ハイテク分野の技術競争でも日本に一段の協力を求めていく考えを示した。同年10月に新たな総理に就任した岸田文雄と電話で会談して強固な同盟関係を確認し、ホワイトハウスが「両首脳はインド太平洋及び世界の平和・安全・安定の基盤である日米同盟の強固さを確認した。」という声明を発表した。


イギリス編集

2022年10月にリズ・トラス首相が僅か1か月と19日で辞任を表明した事を受け、声明で今後も変わらず緊密な連携を続けていくと強調した。ロシア・ウクライナ戦争を継続するロシアに足並みを揃えて対応した事に感謝の意を示し、「アメリカとイギリスは強固な同盟関係で、この事実は変わらない。」と述べた。同月に新たな首相に就任したリシ・スナクと会談して堅固な同盟関係を強調し、アメリカがウクライナに対してクラスター弾を供与する事についても話し合われた。


フランス編集

2022年12月に国賓としてアメリカを訪問しているエマニュエル・マクロン大統領をホワイトハウスに招待して会談し、この会談の後にあらゆる分野での協力関係を強化する事を謳った共同声明が公表された。2024年6月にフランスを国賓として訪問し、両国の包括的な協力関係を各地域・分野別に表したロードマップが発表された。ここではアメリカとフランスは250年近くも続く最も古い同盟関係にあり、安全保障から経済まで幅広い分野の協力関係が示された。


宗教に対する態度編集

中絶を容認している立場(プロチョイス派)であり、これが理由でカトリックの司祭からミサの聖体拝領を断られ、枢機卿クラスの高位聖職者でさえも「この聖餐の儀式にバイデンが受け入れられるべきで無い。」と主張している。2012年5月に同性婚の肯定と合法化を推進する立場を表明し、2016年8月にホワイトハウスに勤務する2人の男性職員の結婚式に立ち会い、2020年10月に「当選した暁にはLGBTQの権利を国際的にも拡大する。」と明言している。


カトリックの公式見解では、信徒である政治家はバチカンの公式見解に反する政策を支持してはならず、バイデンはこれに従っていない事になる。しかし個別の聖職者・保守派の信徒の反発はともかく、バチカン側・トップのローマ教皇がバイデンを名指しで直接制止しようとした事は無い。2013年3月に第266代ローマ教皇フランシスコの就任式が執行された時、同時に執行されたミサにはバイデンも参加している。またカトリック教会も一枚岩では無く、イエズス会などは人工妊娠中絶については一定の理解を示す立場を取っている。


余談編集

  • 2017年1月に大統領自由勲章を受章された時、勲章を授与される事については全く知らされていなかったという。自身はファーストレディのミシェル・オバマやセカンドレディのジルと共に、ホワイトハウスの上級スタッフを慰労するイベントだと思って出席した。
  • 一家揃ってカトリック教徒である。カマラ・ハリスが黒人初・南アジア系初・女性初と初めて尽くしの副大統領であるため隠れがちであるが、彼もまた史上最高齢かつジョン・F・ケネディ以来2人目のカトリック教徒・史上初のデラウェア州出身者の大統領でもある。
  • 良く言えばフランク・悪く言えば野暮で軽率なところがあり、トランプほどでは無いが失言癖・言い間違いが多い。重要な法案が通過した際には喜びのあまり、公の場で思わず「こいつはクソでけぇ仕事だ!」と極めて下品な単語を用いる・トランプとの討論会で発言を遮り続けるトランプに対して「兄ちゃん、黙ったらどうだ?」と悪態をつく事があった。トランプと同じくアルコール依存症で道を誤った近親者がいるという理由で、全く酒を飲まないと公言している。
    • 2024年2月頃になると、失言・不可解発言の増加によって認知症疑惑が高まり、副大統領当時の機密文書を自宅などに持ち出していた問題の捜査を担当したアメリカの検察が「バイデン氏の記憶力にはかなり制限があった」と報告書に異例の記載をしたぐらいである(参考)。
  • アメリカ史上最高齢で就任したので様々な健康診断を受けているが、2021年11月に麻酔を使った診断を受ける際に大統領の権限が一時的にハリス副大統領に委譲された。これは女性が大統領権限を持つという史上初の出来事となった。

家族編集

1966年8月にネイリア・ハンターと結婚して2男1女が誕生したが、1972年12月に妻のネイリアと長女のナオミが交通事故で共に死亡した。その後は1977年6月にジル・トレイシー・ジェイコブスと結婚し、1981年6月に娘のアシュリーが誕生した。自身のファーストレディであるジルは教育学者として活躍しており、夫が大統領に就任した後も仕事を継続するとしている。


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