概要
共通語 | 中国語(汉語普通話) |
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首都 | 北京 |
最大の都市 | 上海 |
国家元首(職) | 国家主席(党総書記が兼任) |
面積 | 959万6961平方キロメートル |
人口 | 14億1932万1278人(2024年4月) |
民族 | 中華民族・その他の民族など |
宗教 | 無宗教(73.56%)、仏教(15.87%)、キリスト教(2.53%)、道教(0.85%)、その他宗教(7.2%) |
建国 | 1949年10月1日 |
通貨 | 人民元 |
時間帯 | UTC+8 |
政体 | 一党独裁制 社会主義共和国 |
中華人民共和国(ちゅうかじんみんきょうわこく、簡体字:中华人民共和国、繁体字:中華人民共和國)は、東アジアに位置する社会主義共和国。世界第2位の経済力を有し、鉄鋼・化学・機械・繊維が世界一の生産高になった事から世界の工場と呼ばれている。人口の規模は長らく世界第1位の座にあったが、2023年4月に国際連合人口基金はインドに追い越される見通しを示している。
国名
簡体漢字を採用している中国での正式名称は中华人民共和国で、拼音による発音でzhōng huá rén mín gòng hé guóである。
中国のその他な使用する言語の表記
英語 (香港) | People's Republic of China | |
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葡語 (澳門) | República Popular da China | |
チベット語 | ཀྲུང་ཧྭ་མི་དམངས་སྤྱི་མཐུན་རྒྱལ་ཁབ། | zhunghua mimang jitun gyalkab |
ウイグル語 | جۇڭخۇا خەلق جۇمھۇرىيىتى | jungxua xelq jumhuriyiti |
モンゴル語 | ᠪᠦᠭᠦᠳᠡ ᠨᠠᠶᠢᠷᠠᠮᠳᠠᠬᠤ ᠬᠢᠲᠠᠳ ᠠᠷᠠᠳ ᠤᠯᠤᠰ | bügüde nayiramdaqu dumdadu arad ulus |
四川彝語 | ꍏꉸꏓꂱꇭꉼꇩ | zho huop rep mip gop hop guop |
雲南彝語 | | zo hua serp mirp got horp gorp |
満州語 | ᠵᡠᠩᡥᡡᠸᠠ ᠨᡳᠶᠠᠯᠮᠠ ᡳᡵᡤᡝᠨ ᡤᡠᠩᡥᡝᡬᠣ | junghvwa niyalma irgen gunghegʼo |
朝鮮語 | 중화인민공화국 | junghwa inmin gonghwaguk |
略称
日本では中国という名称で呼ばれているが、地域・文明としての中国と区別する為、人民共和国またはPRCの呼称が用いられる事もある。また、日本の中国地方との混同を避けるために歴史的呼称であるチャイナと呼ぶこともある。中国はあくまで中華人民共和国ないし中華民国の略称のため、同国成立以前の同地域を指す場合はチャイナ、若しくは当時の国名(明、清など)で呼ぶのが望ましい。ただしタグとしての使用頻度は中国が圧倒的に高い。
国旗
赤い旗の左上に大きな黄色い五芒星1つとその横に小さな黄色い五芒星4つが並んだデザインである。この旗は五星紅旗と呼ばれており、1949年9月に国旗として制定されたものである。赤色は「革命」、黄色は「光明」を示しており、大きい星は「中国共産党」、4つの小さい星はその指導を受ける工人・農民・小資産階級・知識人の4つの階級を示したものであり、共産主義の世界観を表現したものといえる。
国歌
義勇軍進行曲は1935年5月に公開された風雲児女という映画の主題歌として作曲された曲である。日中戦争の時に抗日曲として歌われた事から、1982年12月の第5期全国人民代表大会第5回会議で国歌に採用され、2004年3月に憲法改正で国歌であると明記された。
概説
地位
中華人民共和国は1964年10月に核実験を成功させてアジア初の核保有国となり、核拡散防止条約によって核兵器の保有を承認された公式核保有国である。2024年3月時点での軍事費は2310億ドルで、党軍にして事実上の国軍である中国人民解放軍を保有しており、約204万人の兵力によって世界最大人数の常備軍である。1971年10月にアルバニア決議が採択された事によって、同月からは中華民国の後任として国際連合安全保障理事会常任理事国となっている。
統治
1949年10月に建国されてからは中国共産党による事実上の一党独裁制が存続しており、1982年12月に公布・施行された現行憲法によって社会主義共和国であり続け、西洋諸国からも独裁政治の国と看做されている。2012年11月以来最高指導者となっている習近平は、2017年10月に党大会で習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想を掲げた。2018年3月に憲法改正を実施し、それまで2期10年だった国家主席の任期制限を撤廃した後、2023年3月に3期目の任期を開始した。
国際的な影響力
世界貿易機関・アジア太平洋経済協力・BRICs・上海協力機構・G20などの加盟国であり、経済的資源・将来的資源・経済関係・外交と文化での影響力でアメリカに次ぐ第2位に立っている。2024年3月時点での軍事力はアメリカとロシアに次ぐ第3位となっている事から、世界第2の超大国としての地位を確立している。インド太平洋地域に於ける戦力投射能力を測定するローウィー・インスティテュート・アジア・パワー・インデックスでは、8項目あるパワー指標のほぼ全てでアメリカと中国が強大な影響力を有している事を理由に両国を超大国としている。
歴史
1949年10月に毛沢東が率いる中国共産党は北京で建国を宣言し、ユーラシア大陸東岸に中華人民共和国というアジアで2番目の社会主義共和国を成立させた。建国されてから蜜月関係にあったソ連とはニキータ・フルシチョフの時代から全面的な対立関係に突入し、1989年5月にミハイル・ゴルバチョフが訪問して対立状態を解消するまで続いた。1978年12月に親ソ連派のベトナムが親中派のカンボジアに侵攻し、これを受けて1979年2月に懲罰として中越戦争を開戦した。
1978年12月に鄧小平は改革開放を導入し、アメリカ・日本など西側諸国からの投資を受け入れる姿勢に転換した。1992年10月に江沢民政権で社会主義市場経済が導入されてから経済特区・沿岸開放都市などが設置されて外資が流入する勢いが増し、20年以上に亘って年平均9パーセント以上の実質GDP成長率を達成した。2011年1月に前年のGDPで日本を追い抜く事が確実になり、アメリカに次ぐ世界第2位の経済力を有する国となった。
建国以来ソ連と同じく東側陣営に属したが、1956年2月にソ連がスターリン批判を展開し、スターリン主義の立場からソ連と対立した。中ソ対立が軍事衝突にまで及ぶに至り、1972年9月に日本・1979年1月にアメリカと外交関係を樹立するなど西側諸国に接近した。1989年6月に六四天安門事件を発生させて国際社会から強い非難を受けたが、1991年12月にソ連が崩壊した後も一党独裁制を維持し、全方位外交と称して1992年1月にイスラエル・同年8月に韓国と外交関係を樹立した。
地理
中華人民共和国は東アジアのユーラシア大陸東岸に位置し、現在の同国の領土は伝統的に漢地・チベット・新疆・内モンゴル・満州と呼ばれる地域で構成されており、この地域はかつての清による統治支配が及んでいた範囲である。北朝鮮・ロシア・モンゴル(北モンゴルと外モンゴル)・カザフスタン・キルギス・タジキスタン・アフガニスタン・パキスタン・インド・ネパール・ブータン・ミャンマー・ラオス・ベトナムと陸続きで隣接している。
東シナ海を挟んで日本・韓国・フィリピンとも接しており、ギネスブックによれば最も多くの国と国境を接している国であるという。また北京政府は台湾島の領有権を主張しているが、この島は現在台北政府が実効支配している。中華民国側も国民党の独裁時代には「大陸反抗」を掲げて中国全土の領有権を主張した時期があるが、現在の中華民国政府はそうした主張はしていない。
地形
中華人民共和国の地形は西が高く東が低く、3つの段丘に分かれている。第1段は中国西南部のチベット高原で、平均標高は4,000mを超え、「世界の屋根」と呼ばれている。第2段は台地と盆地が多い。第3段は平原で、大興安嶺、太行山脈、巫山山脈、武陵山脈の各山脈の東側と黄海、東シナ海の沿岸に分布し、人口の大半が集中している。地形別の面積は、高原(33.30%)、山地(26.04%)、平原(18.75%)、盆地(11.98%)、丘陵(9.90%)の順である。
生物な多様性
中華人民共和国には約2,070種の陸生な脊椎動物が生息しており、世界の9.8%を占めている。哺乳類は少なくとも551種(世界第3位)、鳥類は1,221種(世界第8位)、爬虫類は424種(世界第7位)、両生類は333種(世界第7位)である。そのうち少なくとも840種類の動物が生息地の破壊、生態汚染、不法狩猟などの人間活動によって絶滅の危機に瀕しており、中国政府は国家重点保護野生動物リストに登録して保護している。1956年に自然保護区が設立されて以来、全国に2,729の自然保護区が建設され、総面積は147万km²、中華人民共和国の陸地面積の14.84%を占め、その中には森林生態系のタイプを主としている。中でもパンダは中華人民共和国の固有種で、「国宝」としても知られている。
環境問題
環境破壊が深刻な上にエネルギー使用による二酸化炭素排出量が世界最大であり、条約で規制されているはずのオゾン層破壊物質フロンの排出も確認され、特に首都の北京は風次第でしばしばスモッグに覆われる。長江を初めとする河川の水質汚染も深刻で、近隣諸国にもしばしばその環境汚染の弊害が及ぶ。ただし2010年代以降の中国政府は環境問題にも力を入れており、その影響で一部の中華料理の高級食材は、野生動物保護の観点から中国国内での流通は違法となりつつある。
政治
- 共産党と8つの衛星政党以外の政党は認められておらず、国民には結党の自由が無いなど、事実上共産党による一党独裁体制である(ヘゲモニー政党制)。党総書記(最高指導者)が同国の最高指導者の国家主席に就任する。国家主席には2期10年の任期があったが、2018年3月の憲法改正で撤廃されて終身独裁が可能となった。
- 立法機関として全国人民代表大会が設置され、行政機関として国務院、司法機関として最高人民法院が存在する。法律上は全国人民代表大会に権限が集中する。全国人民代表大会の議員は選挙されるが、西側の民主的な選挙とは全く異なる。事実上中国共産党の許しがなければ立候補は無理であり、この選挙によって共産党独裁政権が崩壊する可能性は一切無い。
- 三権分立など権力の相互抑制のメカニズムは存在しない。共産党が国家の全てを支配し、共産党の最高指導部である中央政治局常務委員会が全権力を掌握する構造となっている。
- 1997年7月にイギリスから返還された香港、1999年12月にポルトガルから返還されたマカオは、一国二制度の下で特別行政区として高度な自治権を有する。参加資格を独立主権国に限定していない国際組織への加盟・国際会議への参加も可能である。基本法により独自の行政・経済・法制度を持ち、本土の法律は一部を除いて適用されない。間接かつ制限選挙であるが、行政長官選挙が実施されて立法会では一部の議員を直接選挙で選出しているという事になっていたが、2020年6月の香港国家安全維持法以降は香港の自治・民主的制度はほぼ形骸化したといってよい。
- 中国本土(現在では香港でも)では厳しい情報と言論の統制が行われており、政治指導者や共産党の批判は厳禁である。メディア・書籍・ネットなどあらゆる分野に国家の検閲は及び、近年では「くまのプーさん」がネット上から次々と削除され、実写版「くまのプーさん」の映画も中国で放送禁止になったことが話題となった(プーさんと習近平の顔が似ているとネタにされてることから)。中国ではNHKの海外放送も流されているが、これもしばしば、というか必ず検閲が入って放送が中断される。
- 「宗教の中国化」と称する方針により、国内の宗教も共産党の独裁政権によって徹底的に監視・抑圧されている。
軍事
中華人民共和国の軍事を参照。
国際関係
領土問題
領土名 | 係争国 |
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西沙諸島(パラセル諸島) | ベトナム、中華民国(台湾) |
南沙諸島(スプラトリー諸島) | フィリピン、ベトナム、マレーシアなど |
マクマホンライン(アルナーチャル・プラデーシュ州) | インド |
カシミール(アクサイチン) | インド |
蘇岩礁(離於島)・日向礁・丁岩礁 | 大韓民国 |
国境地域に於いてアジア各地の複数の国々と、地域の境界線・島嶼部(とうしょぶ)について領土問題を抱えている。ちなみに尖閣諸島については日本政府に対して領有権を主張しており、諸島接続域に軍・海警局の航空機・船舶を侵入させている行為を幾度も実行している。
台湾(中華民国)
中華人民共和国は一つの中国を唱えて台湾を自らの領土と主張し、台湾島側も国民党が統治していた冷戦時代には中国共産党から中国本土を奪還することを主張していた(大陸反攻)。しかし1975年4月に蒋介石・1988年1月にその息子である蒋経国が死去した後の中華民国は、1996年3月に李登輝政権で民主化を果たして大陸反攻の主張も消えていった。今でも大陸側は台湾を自らの領土とする主張を未だに取り下げておらず、その領土を虎視眈々と狙っている。
中国は台湾と外交関係を樹立した国とは断絶しており、そうする事で台湾を孤立に追い込む計略は中国の最大の外交戦略の1つである。台湾は今もなお幾つかの小国と外交関係を維持しているが、中国は脅迫・威嚇・買収などあらゆる手段で、これらの国々に対して台湾と外交関係を断絶するように圧力をかけている。中国の圧力に屈して台湾と外交関係を断絶する国は徐々に増加しており、台湾は極めて苦しい状況に追い込まれつつある。
現在の台湾とアメリカの間に直接の同盟関係は無いが、アメリカには1979年4月に成立した台湾関係法という法律が存在する。アメリカは外交関係が消滅した後も、この法律に基づいて台湾に対して防衛兵器を供与しており、これを通じてアメリカは中国が台湾に侵攻する野望を牽制し、台湾海峡や東アジアの軍事的なバランスを維持している状態にある。
アメリカ合衆国
1960年4月に中ソ対立が表面化してからは、中国はソ連を牽制する目的でアメリカに接近し、1979年1月に中華民国(台湾)と断絶して中華人民共和国と外交関係を樹立した。同年4月にアメリカは台湾関係法を制定し、台湾を引き続き独立主権国と同様に扱うと共に防衛兵器を供与できると規定した。対する中国は台湾を自らの領土と主張する立場からこれに反発し、台湾関係法を撤廃するよう要求し続けている。1991年12月にソ連が崩壊した後には両国関係は軋轢と浮き沈みに満ちた時期に突入したが、ポスト冷戦期にも両国関係は総じて安定した関係を維持し、政治・経済・軍事・人的及び文化的交流・地域協力・国際的な分野で広範な交流と協力を実施してきた。
2019年12月に中国による新型コロナウイルス感染症が流行し、アメリカのドナルド・トランプ大統領と中国の習近平党総書記の間で非難合戦が始まったのを契機として、従来からアメリカ政府が問題視してきた中国の覇権主義・中国内の人権侵害の問題が再燃した。これで米中関係は一気に悪化して米中新冷戦と呼ばれる状態に突入し、バイデン政権でも米中対立は続き、経済・貿易に於ける分裂が両国で進行した。その結果2023年の貿易統計では、アメリカの国別輸入額は2008年以来17年ぶりに中国が首位から陥落して3位となり、メキシコが首位・カナダが2位となっている。
日本
1972年9月まで中華民国(台湾)との外交関係があった為、中華人民共和国とそれが全く無い状況であり続けていたが、同月に中華人民共和国と外交関係を樹立した。1978年8月に日中平和友好条約が締結され、日中戦争の賠償問題について中華人民共和国は賠償金請求を放棄する代わりに、日本からODAなどの巨額な経済援助を引き出して経済発展の原資にした。1989年6月に天安門事件が発生した時は国際的に批判され、経済制裁を受けていた1992年10月に宮沢喜一内閣(当時)の判断で当時の明仁天皇が中国を訪問し、これが国際的な制裁が解除されてしまう一因にもなった。
ポスト冷戦期から両国の経済関係が深化し、2009年には初めて中国がアメリカを抜いて日本の最大貿易相手国となっている。2013年から2017年まではアメリカが再び日本の最大貿易相手国となったが、2018年は中国・2019年はアメリカ・2020年は中国と、日本の最大貿易相手国は米中で交互に入れ替わる状態になっている。中国資本による日本の土地・企業の買収の事例も増えており、経済侵攻として日本国内で危機感が広がっている。特に安全保障上重要な施設(自衛隊基地周辺のメガソーラーなど)・離島の買収は強く警戒され、日本の政界にも法規制の動きがある。
領土問題としては尖閣諸島問題があり、この島は近代以前は無主地だったが、1895年1月に日本政府の閣議決定で領有が宣言されてから日本が実効支配している。しかし中国外交部がこの海域に石油天然ガスの海底資源が豊富に存在する可能性を指摘し、1971年12月に「日清戦争で日本が不当に奪った中国固有の領土」と領有権を主張するようになって領土問題になり、現在では中国海警局の公船が連日のように尖閣沖に侵入を試みるようになった。
韓国
朝鮮戦争では義勇軍という名目で援軍を派遣して交戦した後、韓国では長らく軍人をトップとした反共保守政権が続いた。西側諸国の中でも最後まで社会主義共和国の中華人民共和国との外交関係は樹立せず、中華民国(台湾)との外交関係を維持した国であり、1992年8月に韓国は中華民国と断絶して中華人民共和国と樹立した。中国は韓国にサードミサイルを撤去するように圧力をかけており、韓流文化に対する規制を実施している。領土問題としては中国と韓国が共同で管理している排他的経済水域(EEZ)内に存在している「蘇岩礁」(韓国名・離於島)と「日向礁」(韓国名・可居礁)問題があり、現在のところは韓国が実効支配している。
北朝鮮
朝鮮戦争では中国は義勇軍という名目で大量の兵力を北朝鮮の援軍として送り、それ以降は血盟と呼べる同盟関係が続いている。中ソ対立の時代には北朝鮮は中ソ両国とはどっちつかずの曖昧な主体思想を取って巻き込まれるのを回避していたが、その時も北朝鮮はどちらかというと中国と友好関係にあった。また21世紀に入ってからの中朝関係は、同じ中国でも中央政府と北朝鮮と国境を接する省・自治県の地方政府とでは温度差が有るような複雑な状況となっている。
ベトナム
同じ共産党による一党独裁制の社会主義共和国でありながら、1979年2月に中越戦争で中国がベトナムに侵攻した過去がある事から両国は敵対関係で知られる。領土問題として黄沙群島と長沙群島の問題があり、ベトナムはこれらの地域に領有権を主張している。しかし南シナ海全域に領有権を主張する中国によってこれらを実効支配されている状態にあり、特にこの中国が領有権を主張してる場所は九段線または中国の赤い舌と呼ばれる。
ベトナムとの貿易は他の東南アジア諸国と同様に盛んであり、ベトナムは中国との経済関係は維持しながら政治的に対立を続けるという政経分離で臨んでいる。近年のベトナムは覇権主義を増す中国に対抗する為、かつてベトナム戦争で交戦したアメリカに接近している。ここではアメリカとの経済関係を強化しているだけで無く、合同軍事演習やアメリカの空母がダナンに寄港するのを容認するなど、アメリカとは安全保障での協力を進めている。
ロシア連邦
元々中国共産党はソ連が創設したコミンテルンの中国支部であり、中国共産党が中華人民共和国を建国した当初は社会主義共和国同士の熱い連帯によって完全に一体化していた状況にあった。しかし1953年3月に毛沢東と蜜月関係にあったスターリンが死去した後、毛沢東がフルシチョフと決裂した事で中ソ対立が始まり、冷戦時代に中国が西側諸国に接近したのはこの中ソ対立の為だった。1989年5月にゴルバチョフが中国を訪問し、中ソ対立は両国関係が改善されるまで続いた。
1991年12月にソ連が崩壊した後も同じ反アメリカ主義の立場を取るロシアとは、国際連合安全保障理事会を初めとする国際機関で同調的な行動を取る事が多い。深い経済関係からロシアは中国に対して石油・天然ガスを優先的に供給しており、西側諸国の経済制裁を受けているロシアには中国製品が溢れるようになっている。一方で中国の首脳部はロシア・ウクライナ戦争が開戦してからは国際的に孤立を深めるロシアの肩を持ち過ぎる事は危険だと考えているとも言われ、公的にはこの戦争について曖昧な立場を取り続けているが、裏でロシアを支援しているとも言われる。
アルバニア
1949年11月に外交関係を樹立し、1954年12月に借款協定が締結されてからは経済援助を提供してきた。1960年6月にブカレスト会議が開催されてから両国は兄弟関係になり、中国はアルバニアに対する最大の援助国となった。1960年4月に中ソ対立が表面化した時は中国側に付き、1978年7月に両国が貿易関係を断絶するまで非公式な同盟関係にあった。
インド
国境紛争地域をめぐって緊張関係にあり、中国はインドが実効支配しているアルナチャルプラデシュ州(特にタワン地区)に領有権を主張している事から、それをめぐってしばしば死者を伴う軍事衝突が発生する。2023年4月にインドの人口は中国の人口を超えて世界一となる見通しが示されており、西側諸国のインド市場に注目が高まっている。また中国・ロシアと西側諸国との対立が本格化する中で、西側諸国のサプライチェーンのインドシフトが鮮明になりつつあるなど、中国との競合的な経済関係が深化しつつある。
ただしソ連時代から軍事・経済分野を中心にロシアと友好関係を築いてきたインドは西側諸国と歩調を合わせない時もあり、現在のインドもクアッドなどの中国包囲網の枠組みには参加しつつも、クアッド4か国の中では最も中国・ロシアに融和的な立場を取りやすい傾向がある。
経済
中華人民共和国の経済を参照。
社会
中華人民共和国は数十年にわたり著しい経済成長を遂げてきたが、一方で食品の安全、住宅、貧富の差、社会保障、官僚汚職などの問題にも悩まされてきた。トランスペアレンシー・インターナショナルは、透明度、説明責任、報道の自由、公民社会が熟していない現状では、トップダウンの反汚職の効果と期間は不確実であると考えている。中華人民共和国外交部はこの組織のスコアやランキングは実際の反汚職に対応していないと批判している。
通信メディア
1980年代後半まで、中華人民共和国のニュースメディアはほとんどすべて国有企業であったが、改革開放の後に少数の個人メディアが登場した。 中国共産党中央委員会宣伝部が管理する新華社、中国中央テレビ、人民日報が公共ラジオ、新聞、テレビのほとんどを掌握し、前者2社が国際ニュースの情報源を独占していた。
中国中央テレビ(CCTV)は世界最大級のテレビ局で、45のテレビチャンネルを持ち、10億人以上の視聴者とリスナーにリーチしている。テレビで放送されるニュース、ドキュメンタリー、連続ドラマ、アニメのほとんどは国内で制作されたもので、外国の番組はライセンスを受けて特定のチャンネルで放送される。ニュース・メディアは特定の時間帯に商業テレビ広告を流すことができ、公共サービスな内容の提供も義務付けられている。
近年が中華人民共和国では日本の漫画やアニメの影響を受けた作品やbilibiliのようなサイトが登場し、テレビ番組が視聴者の人気を集めるようになっている。
現在が中華人民共和国の国家広播電視総局は、中華人民共和国の関税領域内(香港・マカオを除く)のニュース・出版物・放送・映画・テレビドラマ・娯楽番組の内容を規制し、個々の通信によって流布される不適切な内容を厳しく審査し、外国作品の掲載を承認する法的責任を負っている。政府は公共デモ・反政府の制度・反体制派などの題材の公表を禁止し、国の統一と安全・主権・領土保全を脅かす内容を避けている。このため、政府の審査の結果は多くの外国の映画が上映禁止となり、外国メディアに対する厳しい規制も行われている。
インターネット
インターネットが中華人民共和国国内で普及するにつれ、政府もネットの内容を組織的に審査してきた。
Google・Facebook・Twitter・YouTube・ウィキペディアなどの中国国外発のウェブサービスは、自己検閲を受けることに同意しないため、中国内地への参入が許可されておらず、これらのウェブサービスは中華人民共和国のサイバーセキュリティの法律に準拠していないため、政府の防火長城によって屏蔽されており、中国内地のネットユーザーはこれらのサイトに直接アクセスすることができません、一方でBingなどの一部のサイトは、事前に検閲基準を受け入れ、中国内地で特別サービスを開始する。
中華人民共和国でもQQ・微博・百度など、同様の機能を持つウェブサービスがその地位を占めている。ソーシャルメディアの急速な成長により、2015年、中華人民共和国は史上初めて、ユーザーがデジタルメディアに費やす時間が従来のメディアを上回った。
人権問題
中華人民共和国は一党独裁制の社会主義共和国であり、言論・出版・報道・信教・身体・結社の自由といった西側諸国において認められる基本的人権は厳格に制限されている。国家機関や共産党組織が強権を振るう事が多いので、人権問題が頻発しやすい国である。
- アムネスティ・インターナショナルによると世界最大の死刑執行国であるとされている。
- 1989年6月4日に民主化運動が発生したが、軍による排除によって多数の死傷者を出した(天安門事件)。その結果海外から非難を浴びる事となり、現在でも中華人民共和国は天安門事件の話題は厳禁である。
- 2010年10月に政治活動家の劉暁波が同国初のノーベル賞を受賞したが、懲役11年の判決が確定して服役中であった為、出席は叶わなかった。中国は各国に授賞式に参加しないように圧力をかけ、妻などの関係者の出国を認めなかった為、授賞式には関係者が誰も参加できなかった。
- 2014年4月のウルムチ駅爆発事件以降はウイグル自治区にウイグル人強制収容所を設置し、国際社会の批判を浴びた。その後アメリカからはジェノサイドと認定された。
- 2020年6月に香港国家安全維持法を制定して香港の一国二制度を形骸化し、香港への言論統制・弾圧を強化したため国際社会から非難を浴びた。
国民
人口
2024年4月時点では14億1932万1278人の人口があり、現代のアメリカ・ヨーロッパ・東南アジアの合計に匹敵するが、中国国内の潜在的な人口は統計上含まれない黒孩子・盲民と言われる浮浪民の人口などによって大きく変化するので実際の数は明確では無い。
人種・民族
人口の9割以上を漢族が占め、それ以外の国民は政府によって55の民族に識別されている。政府ではこれら56の民族をまとめて「中華民族」と称している。主要な少数民族はチワン族(壮族)、回族、満州族(满族)、ミャオ族(苗族)、ウイグル族(维吾尔族)、彝族(イ族)、トゥチャ族(土家族)、チベット族(藏族)、モンゴル族(蒙古族)などがいる。なお朝鮮系の朝鮮族やベトナム系のジン族(京族)、ロシア系のオロス族(俄罗斯族)もいるが、彼らは近隣国から中国領内に移住してきた人々の末裔である。
なお新疆ウイグル自治区などではムスリムに対する弾圧が行なわている一方で、伝統的にムスリムが多い回族の人口は1,000万人弱、中国国籍のムスリムの人口は2,000万人強となっており、中国でも大都市であれば大概は清真菜(ムスリム向け料理)専門の飲食店が有る。
中国の民族政策の特色は民族識別工作という手続きによって、国民を行政的にどの民族であるか確定させている点にある。一方でオロス族以外のヨーロッパ系住民(香港のイギリス系やマカオのポルトガル系など)のように現時点でもまだ識別されていない民族、あるいはユダヤ人(1996年以降は戸籍上漢族あるいは回族扱い)のように便宜的に他の民族籍に分類されている民族も多数存在する。
また首都・北京を除く大都市の多くが中国国内でも南部に有り、これが日本を訪れる中国人観光客に北海道が人気が有る理由の1つと思われる。要は都市部在住で海外旅行に行ける収入が有る中国人にとっては、雪が積っている景色は旅行などをしないと見る事が出来ないものである。
一方で中国大陸北部は地域次第で冬になると極寒の大地となり、それこそ「-が当たり前なので-という単位は真冬の気温を示すのには使わない」と言われる程である。
文化
中華人民共和国の建国初期が、中国共産党は中国の伝統文化を旧中国の封建な遺産として反対し、共産主義な文化の再構築を主張した。文化大革命が終わり、改革開放が始まり、中国のナショナリズムが台頭するにつれて、中国の伝統芸術・文学・音楽・映画・ファッション・建築などあらゆる形態で大規模な復興運動が起こっている。
言語と文字
中華人民共和国は統一された多民族の国家であり、その文化は56の民族の文化の総体である。不完全な統計によれば、中国には汉語・チベット語・ウイグル語・モンゴル語・彝語など、少なくとも30の民族文字があり、それらはすべて中国語とみなされ、中国の文化遺産の宝物と解釈されている。
文学
五四運動と新文化運動の結果、一般の平民は書き言葉の官話を読むようになった。この時期、中国大陸では多くの傑出した文学者が現れ、魯迅などは中国近代文学の先駆者となった。中華人民共和国の建国後、現代文学は社会主義の方向に従い、大衆の革命精神を表現しと新しい生活を謳歌した。文化大革命が終わると、魔術的リアリズムの影響により、新興なジャンルが出現した。 2012年、莫言は中華人民共和国の作家として初めてノーベル文学賞を受賞した。劉慈欣のSF作品『三体』はネビュラ賞にノミネートされ、ヒューゴー賞の最優秀小説賞を受賞した。余華、王小波、韓寒などの作家も人気がある。
音楽
中華人民共和国の民族音楽には、漢民族の音楽と少数民族の音楽、伝統音楽と新音楽がある。中でも新音楽は、西洋音楽の影響を受けて20世紀から21世紀にかけて生まれた新しいスタイルの音楽である。多くのポピュラー音楽は、過去の伝統的な要素を組み合わせて、中国の独特なポピュラー音楽を発展させている。
中華人民共和国と関連する作品
アズールレーン | あんさんぶるスターズ! | アークナイツ |
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熊出没 | 原神 | 幻塔 |
時光代理人 | 雀魂 | 喜羊羊与灰太狼 |
Strinova | ゼンレスゾーンゼロ | 第五人格 |
天官赐福 | ドールズフロントラインシリーズ | パニシング:グレイレイヴン |
万聖街 | ブルーアーカイブ | 崩壊シリーズ |
魔道祖师 | 鳴潮 | 羅小黒戦記 |
(五十音順)
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