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概要

伝送制御プロトコルインターネット・プロトコル(両者を合わせてTCP/IPという)を利用した世界規模ネットワークシステム。世界中のコンピュータネットワークが相互接続されている。

“インターネットは人類が初めて作った、人智の及ばぬ代物だ。それは人類最大のアナーキーな実験なのだ”-エリック・シュミット(元Google CEO)

インターネットは、その上で提供されているハイパーテキストシステムであるWorld Wide WebWWW、Web)としばしば混同されるが、テキストやファイルのやり取りを行う電子メールや、音声(動画)通話を行うIP電話など、WWW以外のサービスも広く利用されている。

インターネットの基盤となるTCP/IPは、1970年代に作られた非常に古いプロトコルである。IP(後述のIPv6と区別するためIPv4と称される)はインターネットが世界中で使われるようになるにつれIPアドレス枯渇問題が浮上し、後継のIPv6への移行が徐々に進められている。また、TCPの後継としてQUICというプロトコルも策定され、QUICをトランスポート層に組み込んだHTTP/3の普及とともに採用が広がってきている。

インターネットの歴史

インターネットの起源

インターネットの原型となったのは1960年代末にアメリカ国防総省の高等研究計画局(DARPA)などの出資の元米国の複数の大学や研究機関が共同で構築したARPANETである。このシステムに関しては「核戦争下でも使用できる軍用ネットワークシステムであった」と紹介されることが多々あるが、それは誤りである。そのようなネットワークシステム開発も行われてはいたが、ARPANETとは無関係の研究だった。DARPAは軍事とは無関係の研究へも出資しており、ARPANETもその一つだったのである。

ルーツとしてはこの他に、1981年に構築されたCSNETがある。このネットワークはNSF(米国国立科学財団)出資の下、研究論文ソフトウェアといった計算機科学の研究成果を素早く広めるために構築された。

ARPANETは1980年代にプロトコルをIPに移したが、後継のNSFNet拡大に伴い縮小していき、1990年までにその役割を終えた。

インターネット誕生

1970年代にインターネット・プロトコル(IP)が発表され、NASAのNASA Science Network (NSN)などIPによるネットワーク構築が試みられる。

ARPANETが担っていたバックボーンとしての役割は、NSFがCSNETを再構築したNSFNetが役割を引継いた。これによってインターネットの基礎が完成する。

また日本では大学や研究機関を回線で繋げたJUNETが作られ、CSNETと接続することによって日本でのインターネットの母体が作られて行った。

学術目的だったインターネットが一般の商用利用に開放されたのは1989年のこと。この年には世界初のインターネットサービスプロパイダ(ISP)が生まれ、個人ユーザーのインターネット利用が可能になった。しかし当時のインターネットはニュースグループと電子メールによる学術情報の交換が中心であり、IPに対応しているマシンも高価なUNIX機だけだった。そういうわけでインターネットの存在自体がまだ一般にはほとんど知られていなかった。

その頃、多くのユーザーに使われていたパソコン通信は、会員と特定のホストコンピュータの間だけをつなぐ「閉じたネットワーク」であったのが、「開かれたネットワーク」であるインターネットとの違いである。

World Wide Webの誕生

欧州原子核研究機構 (CERN) の研究員であったティム・バーナーズ=リーは、インターネットを基盤とした世界規模のハイパーテキストシステムWorld Wide Web(WWW、Web)を構想。1989年に提案書としてまとめた。翌1990年には、リーの手によりNeXTマシン上で世界初のWebサーバであるhttpdと世界初のウェブブラウザ・HTMLエディタであるWorldWideWebの実装がなされ、12月20日に世界初のWebサイトが公開された。この功績からリーは「Webの父」と呼ばれる。

一般化と普及

インターネットとWWWの存在が一般に知られ始めたのは、1993年のこと。CERNがWebを誰にでも(商用利用含めて)無料開放することを決めたことがきっかけである。WWWを利用するためのブラウザNCSA Mosaic」がパソコン向けに提供された。もっとも、当時使われていたWindows 3.1はネットワーク機能自体が標準では搭載されておらず、アドオンを使えばインターネット接続はできたものの、一般ユーザーにとっては環境を整えるだけでもひと苦労する代物であった。

1995年に発売されたWindows 95は、ついに標準でIPに対応、一般ユーザーへの障壁が大きく下がった。これにより世界中に急激に広まり、パソコン通信に取って代わった。しかし、専用線を引いている大学や一部の企業などはともかくとして、当時の個人ユーザーは(パソコン通信と同様の)不安定で回線速度の低いダイヤルアップ接続にISPとの通信を頼らざるを得ず、今から見ると随分と不便で制約の多い環境だった。

1997年ごろからNetscape NavigatorとInternet Explorer(IE)との激しいブラウザ戦争が繰り広げられ、Webブラウザの機能が飛躍的にリッチになる。この結果ブラウザとWebサーバの通信によって多彩な動作をさせることが可能になり(Webアプリケーション)、ビジネス商取引などもネット経由で行われるようになって、社会に欠かせないインフラとなっていく。この時期「ドットコム会社」と呼ばれる多くのIT関連ベンチャーが設立されたが、2001年には多くの企業が破綻に追い込まれ、生き残ったのはほんの一握りの会社だけだった(インターネット・バブル)。

常時接続時代へ

2001年以降、ADSLや光回線によるブロードバンド接続が普及。また無線LAN携帯電話回線経由での接続も一般化してネットの利用形態は現在に近いものとなる。ゲーム機がインターネット接続機能を持つのも当たり前となり、2010年代以降はスマートフォンタブレット端末、あるいはスマートスピーカーなど「スマートデバイス」と総称される各種端末を通じて利用することの方が多くなった。

従来のインターネットは主にユーザー(人間)が端末を介して利用する形態であったが、2010年代後半以降、IoT機器や人工知能発達に伴い、M2Mといわれる、機器同士がネットを介して直接(人を介さず)通信する利用形態が急速に広がっている。モバイル回線やIoT普及に伴い、長らく遅々として進まなかったIPv6への移行も進展した。

日本のインターネットの歴史

1980年代

1984年
  • 9月、東京工業大学総合情報処理センターの助手を務めていた村井純(現・慶應義塾大学教授)が、「データをテープメディアで運ぶのが面倒」という理由で元の職場の慶應義塾大学との間にJUNETという回線を引く。慶應大の地下配管に勝手に回線を通したので大学から怒られたという。
  • 10月、JUNETに東大が加わり、実験ネットワークとして運用開始。その後多くの大学や企業が加わり、最終的には600以上の機関を結ぶネットワークとなった。当時は電電公社(現・NTT)以外が通信線を引くことは違法であったため、村井はいろんなところから怒られた。
1986年
  • 1月、JUNETとCSNETが接続される。
  • 8月、.jpドメインが登録され、村井純に全権が委ねられる。
1988年
  • 8月2日、初めてIPパケット通信が成功。日本におけるインターネットが産声を上げる。当時はダイヤルアップ接続が主流であったため、実験を繰り返した結果電話代が100万円超えして、JUNETメンバーが大慌てした。企業からのカンパで何とかしたものの、後に日米間専用線が引かれ始める。カンパが研究目的のため、研究名をWIDEプロジェクトとする。同時にネットワーク名を「WIDEインターネット」と名付ける。
1989年
  • 1月、WIDEプロジェクトがハワイ経由対米専用線接続を確立(64kbps)。
  • 4月、日本国際通信株式会社(ITJ、現・KDDI)が国際専用線サービスを開始。
  • 9月、WIDEインターネットが日米間IP接続を開始。国際通信可能なインターネットの正式オープンである。

1990年代

1991年
  • 8月、初のWebブラウザWorld Wide Web(後に「Nexus」へ改称)がインターネットニュースグループで公開される。
  • 12月1日、日本ネットワークインフォメーションセンター(JNIC)設立。JUNET管理グループより.jpドメイン管理を継承。
1992年
  • 12月3日、株式会社インターネットイニシアティブ企画(現・IIJ)設立(プロバイダー運用のため)。
1993年
  • テキストと画像を同一のウインドウ内に混在して表示させることができる初のWebブラウザNCSA Mosaicがリリースされる。当時はネット閲覧をMosaicすると言っていたとか(現在でいうネット検索=ググると同じ)。
  • 3月、JNICが任意団体JPNIC(現:日本ネットワークインフォメーションセンター)となる。
  • 11月、IIJがインターネット接続の商用サービスを開始。
1994年
  • 2月、日本最大のパソコン通信サービスであったNIFTY-Serveがインターネットとの接続サービスを開始。
  • 3月、日本初のインターネットエクスチェンジとしてSPIXP-1が新設。場所は東京神田神保町の岩波書店地下、WIDEプロジェクトネットワークオペレーションセンター。1999年に運用を終了するまで岩波書店内での運用が続いた。
  • 10月31日、JUNETを発展解消。
1995年
  • しばにより掲示板サイトあやしいわーるどが開設される。
  • 8月、NTTが初の定額制オプションプラン「テレホーダイ」を開始。午後11時からは「テレホタイム」と称され、同一市内への接続であれば1800〜2400円で使い放題となる。インターネットのヘビーユーザーには必需品のサービスとして2001年頃まで盛んに利用された。
  • 11月23日、Microsoft Windows 95の日本語版が発売。以前から存在したパソコン通信会社、電話会社やその他の通信社のネットワークがつながっていき、インターネットが爆発的に普及していく。ちなみに同じ頃に売られていたMicrosoft Plus! for Windows 95InternetExplorerが同梱されていた(当時はTridentエンジンではなく、Netscape Navigatorのライセンスを使用したもの)。
  • 12月、低価格なISDNのターミナルアダプター「MN128」が発売されたことが引き金となり、ISDNが一般ユーザーにも普及し始める。従来のアナログ回線に比べ接続が安定していることと、インターネットをしながら電話ができることがメリットであった。
1996年
  • 1月、ヤフー株式会社が米Yahoo!(現・アルタバ)とソフトバンク(現・ソフトバンクグループ)との合弁で設立される。
  • 4月1日、国内初のポータルサイトYahoo!JAPANがサービス開始。
  • 12月、 日本初の電子書籍配信サイト「電子書店パピレス」開始
1997年
  • 8月5日、あめぞうによりスレッドフロート型掲示板サイト「あめぞう」が開設。
  • 11月、Webサイト無料提供スペース、ジオシティーズ・ジャパン(2000年からYahoo!ジオシティーズ)がサービス開始(2019年3月サービス終了)。
1998年
  • 11月2日、ケーブルテレビを利用したブロードバンド接続サービスZAQ、関西地区の一部で運用開始。ブロードバンド接続サービスの先駆けとなる。
  • 11月27日、ドリームキャスト発売。ゲーム機のネット接続の先駆けとなる。だが、電話代の事もあり普及は進まず、2000年のファンタシースターオンラインまで成功したオンラインゲームは出なかった。はっきり言ってセガは時代を先取りしすぎた。
1999年
  • 4月、WIDEプロジェクトがIPv6のワーキンググループ設立。日本が先行してIPv6の仕様策定、実証を行う。
  • 5月、あめぞうが度重なる荒らしにより荒廃。2ちゃんねる(現:5ch)が避難所として西村博之により開設される。
  • 7月、アップルはAirMac(日本以外での商標はAirPort)を搭載したiBookとAirMacベースステーションを発売。無線LANを搭載したパソコンの先駆け。
  • 7月30日、Macromedia Flash 4リリース(現:AdobeFlash)。条件分岐、オブジェクトのドラッグ、MP3での音声再生に対応。軽量な動画・インタラクティブコンテンツを提供できるというFlashの特性が認知されたのはこのバージョンから。FLASH黄金時代の幕開けである。
  • 12月、無料ホームページ作成サイト魔法のiらんどが開設される。後にケータイ小説のプラットフォームとして知られるようになった。

2000年代

2000年
  • 2月、不正アクセス禁止法施行。
  • 2月、任天堂黒歴史?ランドネット運用開始(翌年サービス終了)。当時の任天堂、ソニーはゲーム機のマルチメディア化を模索していたが、実を結ぶのは2006年頃となる。
  • 3月、IPv6の実証終了、仕様完成に伴いワーキンググループを発展解散。
  • 9月、e-Japanが提唱されIT基本法が制定される。
  • 10月、J-PHONEがシャープ製カメラ付き携帯電話端末J-SH04を発売し、大ヒット。メールに撮影した写真を添付して送信できる機能を写メールと名付け、他社も次々と追随した。
  • 11月、Amazon.com(Amazon)が日本進出。
  • 12月31日、経済企画庁(現・内閣府)の音頭でインターネット博覧会(通称・インパク)が1年間開催される。
2001年
  • ブロードバンド元年
  • 6月、Yahoo! BBADSLに参入。孫正義の英断で画期的な低価格を打ち出し、ADSLによる常時接続の浸透が一気に進む。ヘビーユーザーはADSLを使うためISDNからアナログ回線に戻す動きも。当時はヤフーが駅前でADSLモデムをタダで配りまくっていた。
  • 6月1日、DDIポケット、PHSのiP接続サービスAirH"(のちのAIR-EDGE)をサービス開始。定額制のモバイル通信サービスの先駆けで、サービスイン当初からPHS (H") が利用できるほぼ全国のエリアで利用できた。
  • 6月21日、NTT東日本とNTT西日本(NTT東西)が光ファイバーを用いたブロードバンド接続サービスBフレッツが運用開始(10Mbps→100Mbps)。当時は100Mbpsの回線速度オーバースペックであり、コストの問題で普及せず、光回線の浸透は2006年以降になる。
  • 8月、グーグル株式会社(現グーグル合同会社)が設立(Google.comのドメイン登録は1997年)。日本語検索サービスの提供は9月から。
  • 8月、画像掲示板ふたば☆ちゃんねるが開設。当初は2ちゃんねるの避難先だった。
  • 10月、NTTドコモがFOMA(W-CDMA方式)の商用サービスを開始。世界初の第3世代移動通信システム(3G)だった。
2002年
  • 前年に引続きADSL普及が進み、FTTH事業者や無線LAN事業者も相次いで参入。
  • 4月1日、.jpドメインの管理がJPNICから株式会社日本レジストリサービスへ移管。
  • 7月、無料無線LANホットスポット「FREESPOT」登場。
  • 10月1日 アニメなどの配信サイト「バンダイチャンネル」開設。有料動画定額配信サービス(VOD)の先駆け。
2003年
  • ADSLの回線速度競争が最も熾烈を極めた年。2001年の8Mbpsからこの年の末には40Mbps超にまで高速化されたが、実効速度との乖離も問題視された。
  • 1月16日、Xbox Live日本でサービス開始。ドリキャスの頃とは違いブロードバンド接続が当たり前になってきた時代であり、電話代の心配はなくなったものの、XBOXの販売数のあおりを受けてイマイチ普及しなかった。
  • 5月27日、ブログソフトウェアWordPressがリリース。先行するMovable Typeに代わりブログのみならずWebサイト構築に広く用いられるCMSとして広く普及した。
  • 6月12日、SCEISONY)がPlayStation BBを開始(2016年3月31日サービス終了)。プレイステーション2のインターネット関連の装備を外付けにした代償か、そこまで普及しなかった。なお、PS2の薄型モデルはLAN端子を装備しているが、PlayStation BBはオミットされている。
2004年
  • 2月、mixiGREE、サービス開始。後にFacebook・旧Twitter(現・X)等が台頭するまでは、日本におけるSNS(SocialNetworkService)サイト代表格であった。
  • 4月、前略プロフィール、サービス開始。いわゆるプロフサイトの先駆けとして知られる(2016年9月サービス終了)。
  • 5月10日、Winnyの開発者金子勇が著作権法違反幇助の疑いにより京都府警に逮捕される(2011年に無罪確定)。
  • 7月27日、インターネット通話サービススカイプ、サービス開始。
  • 9月15日、Amebaブログ、サービス開始。
  • 9月、NTT東西がIP電話サービス「ひかり電話」の提供を開始。
  • 12月、ニンテンドーDSプレイステーション・ポータブル発売。DSは無線LANが内蔵されているとはいえ良くも悪くもゲーム機の枠を出ないマシンだったが、PSPはPS2と同じくマルチメディア機を目指し、ネット接続可能なメディア端末として一定の成功を収めた。
2005年
  • 3月、グルメレビューサイト「食べログ」がサービス開始。
  • 4月、個人情報保護法が全面施行。
  • 8月4日、アップルがiTunes Music Store(現iTunes Store)の日本でのサービスを開始。
  • 11月23日、ニンテンドーDSWiiで利用可能なネットサービスニンテンドーWi-Fiコネクションサービス開始。2014年5月20日サービス終了。
2006年
  • 光ファイバーによるブロードバンド接続(FTTH)が普及し始める。料金がADSLと大差がなくなったことと、動画などのリッチなコンテンツの浸透が要因。ADSLの普及率もピークに達し、勧誘対象がADSLから光回線にシフトしていく。
  • 2月、モバゲータウンがサービス開始。携帯電話向けのSNSで、いわゆるガラケー時代のソーシャルゲームサイトの代表格的存在。のちにPCやスマホにも対応しMobageと改称している。
  • 定額制動画配信サービスGyaO NEXT(現U-NEXT)がスタート。
  • 8月23日、Gmail、招待制からサインアップ制に移行。ajaxと言われるHTML+CSS+JavaScriptによるインタラクティブなコンテンツの先駆け。
  • 9月、Facebook、一般ユーザーに開放(2004年の開設当初は学生専用のSNSだった)。
  • 11月、PlayStation3、発売。同時期にPlayStation Network(PSN、現Sony Entertainment Network)サービス開始。
  • 12月12日、ニコニコ動画(仮)、実験サービス開始。Flash黄金時代が終焉を迎え、動画共有サイトに移行していく(ただし、当時のニコニコ動画やYouTubeの動画再生はFlashを使用していた)。
2007年
  • 6月、動画共有サイト「YouTube」が日本語対応。サービス開始自体は2005年2月であり、英語版しかなかった頃から日本からも多くアクセスされていた。
  • 9月1日、WOWOW子会社のアクトビラがサービス開始(2022年3月31日サービス終了)。この頃から、テレビやレコーダーにもLAN端子が装備され始める。
  • 9月10日、pixivがサービス開始。
2008年
  • 1月22日、HTML5のドラフト(草案)が発表。
  • 3月31日、フレッツ光ネクスト運用開始(100Mbps→200Mbps→1Gbps)。従来のBフレッツによるインターネット接続サービスに加え、IP電話サービスであるひかり電話ケーブルテレビと同形態のフレッツ・テレビ伝送サービスを加えたもの。
  • 4月10日、ソフトウェア開発支援サービスGithubが正式サービス開始。
  • 4月23日、短文投稿サイト「Twitter(現・X)」日本語版公開。
  • 7月11日、iPhone3G発売。日本で初めて販売されたiPhone(当時はSoftBankの取り扱い)。このころまでは携帯電話はガラケー主流でパソコンと携帯でネット運用が分けられていたが、スマートフォンの普及に伴い、徐々に曖昧になっていく。
  • 11月1日、ニンテンドーDSiが発売。この頃になるとゲーム機をインターネットに繋ぐのが当たり前になってくる。
2009年
  • 1月、スマイリーキクチへの中傷加害者1000人以上の身元が警視庁により特定され、うち19人が一斉摘発される。インターネットでの誹謗中傷被害が注目されるキッカケとなった。
  • 7月1日、UQ WiMAXがサービス開始。無線アクセス技術「モバイルWiMAX」を活用し、下り40Mbps/上り10Mbps(当時)の高速通信を無制限に利用できる(速度制限はある)。
  • 7月1日、「NAVERまとめ」がサービス開始(2020年9月30日サービス終了)。
  • 7月10日、日本初のAndroid搭載スマートフォンHT-03Aが発売される(NTTドコモ)。
  • 9月7日、USEN運営のGyaOとYahoo!JAPAN運営のYahoo!動画を統合して動画配信サービスGYAO!が発足(2023年3月サービス終了)。

2010年代

2010年
  • 電子書籍元年
  • 3月10日、インターネットラジオ配信サービス「radiko」がスタート。
  • 5月28日、iPadが日本で発売。タブレット端末が認知されるキッカケとなり、コンピュータ=PCという概念が崩れていく。
  • 10月6日、写真投稿サイト「Instagram」がサービス開始。
  • 11月10日、Amazon MP3ストア(現・Amazon Music)が日本でサービスを開始する。
  • 11月25日、大日本印刷、電子書籍及び書籍通販サイトhontoがサービス開始。後に2Dfacto、bk1などを統合し日本の電子書籍サービスの代表格となる。
  • 12月24日、NTTドコモがFDD-LTE技術を用いた「Xi(クロシィ)」サービス開始。後に第4世代移動通信システム(4G)と位置付けられた。
2011年
  • 4月、YouTubeがYouTubeパートナープログラムを一般向けへ解放。いわゆるYouTuberの始まりである。
  • 4月15日、他の地域(RIR)に先駆けて、日本のJPNIC含むAPNIC新規へ配布するIPv4アドレスの在庫が事実上枯渇。IPv6普及が真剣に考えられるきっかけとなった。
  • 4月21日、PlayStation Network個人情報流出事件が発生。PlayStation Network(PSN、現・Sony Entertainment Network)から7700万人にも上る個人情報が流出し、世界を巻き込む大騒動となった。この影響でPSNは7月まで2ヶ月半にわたりサービスを停止していた。
  • 6月23日、LINEサービス開始。
2012年
  • 2月24日、ソフトバンクが子会社・AXGP網を利用したSoftBank 4Gを開始する。下り最大76Mbps。4Gを名乗るサービスとしては日本初。
  • 2月26日、ニンテンドーネットワークが正式発表。ニンテンドー3DSシリーズとWii Uで利用可能なネットワークサービスで、ニンテンドーWi-Fiコネクションの後継。実質的には3DSの発売された2011年2月から運営されていた。2024年4月まで運用された。
  • 3月8日、Siriが日本語対応。ユーザー指示や質問に答えてネット上の様々なタスクを代行するAIアシスタントの先駆け。
  • 6月4日、任天堂Miiverseを発表。2017年11月8日にサービス終了。
  • 6月、違法ダウンロード刑事罰化。対抗してアノニマス財務省自民党JASRAC公式ウェブサイトをダウンさせる。
  • 7月3日、定額見放題のVODサービス「dアニメストア」がスタートする。
  • 7月3日、ソニーが定額制音楽配信サービス「Music Unlimited」のサービス開始。2016年にSpotifyと連携したPlayStation Musicへ引継がれる。
  • 9月21日、auがFDD-LTE技術を用いたau 4G LTEを開始する。
  • 10月10日、ソフトバンクもFDD-LTE方式を用いたSoftBank 4G LTEを開始。
  • 10月、Amazon.comがKindle日本語版サービスを開始。
2013年
  • 1月、インターネット会議システムZoomがサービス開始。
  • 7月、インターネット選挙運動解禁に係る公職選挙法の一部を改正する法律が成立。翌年5月に施行。
  • 10月31日、UQ WiMAX後継サービス、WiMAX 2+がサービス開始。WiMAX 2.1技術を活用し、正式に4G通信サービスの1つに数えられるが、サービス元のUQコミュニケーションズでは4Gは上述のau 4G LTEをさし、WiMAX 2+を4Gとは呼んでいない。
2014年
  • 2月7日、ビットコイン消失事件。東京都に拠点を構える世界最大の仮想通貨交換所マウントゴックスがハッキング被害を受けて取引を停止。その後経営破。同社経営者マルク・カルプレスは警視庁に逮捕された。
  • 4月11日、西村博之により2ちゃんねるコピーサイト(2ch.sc)が開設され、偽2ch騒動が勃発。
  • 10月28日、HTML5が正式勧告される。FlashコンテンツのHTML5への置換が進行。
2015年
  • 3月27日、NTTドコモがLTE-Advanced技術を用いた第4世代移動通信システム(4G)「PREMIUM 4G」を開始。下り最大75Mbps。
  • 4月、学校法人花沢学園明聖高等学校が、日本初のアバターで通える通信制高校、明聖サイバー学習国を開校。
  • 5月、音楽定額配信サービス「AWA」がスタート。6月にはLINE MUSICApple Musicも始まり、音楽定額配信競争が激化。
  • 9月1日、Netflixが日本で動画配信サービスを開始。
  • 9月24日、Amazon Japanが自社有料会員向けの動画配信サービス「Amazonプライム・ビデオ」を開始。
2016年
  • 3月1日、インターネットテレビ局「AbemaTV」が先行配信開始。
  • 4月6日、KADOKAWAドワンゴがインターネットによる通信制高校を開校。校名はN高等学校
  • 7月、スマホ向けゲームアプリ「ポケモンGO」がリリース。位置情報を組み込んだオンラインゲームとして初めて世界的に流行した。
  • 9月、音楽定額配信サービス「Spotify」が日本でサービスを開始。ソニーと連携したPlayStation Musicとしても展開する。
  • 10月15日、在京民放キー局5社のテレビ放送ネット配信サービス「TVer」がスタート。後に在阪キー局5社も参加。
  • 11月、キズナアイが「世界初のバーチャルYouTuber」を称してデビュー。実際にはそれ以前にも同様の活動を行っていたアバターは多くいたが、翌年以降後続のキャラクターが続々と登場し、一大ブームを巻き起こすキッカケとなった。
2017年
  • Google Home(Google)、Clova WAVE(LINE)、Amazon Echo(Amazon)が相次いで発売され、スマートスピーカーが一躍注目される。
  • 電子書籍配信の売り上げが、紙の書籍を上回る。
  • 9月、TikTokがサービス開始。
2018年
2019年
  • 3月、Yahoo!ジオシティーズがサービス終了。ホスティングサービスの代表格で、ブログやSNSの台頭前に流行した古参の個人サイトの多くが姿を消した。

9月、NTTドコモ、日本で第5世代移動通信システム(5G)の試験運用を開始。

  • 10月1日、楽天モバイルが先行サービス開始。正式サービス開始は翌年4月8日。
  • 12月、文部科学省が全国の児童・生徒に「1人1台端末」環境を整備するGIGAスクール構想がスタート。当初は5年計画であったが、コロナ禍で前倒しされ、2021年度までにほぼ完了した。|

2020年代

2020年
  • 新型コロナウイルス感染症の蔓延でテレワークオンライン授業が一般化し、不十分なネットインフラや若者のITリテラシーが問題視された(日本ではネット接続をスマートフォンに頼り固定回線を持っていない人も多いため)。
  • 1月10日、香川県議会が香川県ネット・ゲーム依存症対策条例の草案を公表。条例レベルでネット・ゲームの利用を規制しようという内容に物議を醸すも3月17日に可決。4月1日から施行。
  • 3月、docomo・au・SoftBankが相次いで5G商用サービスを開始。
  • 4月1日、NHKの放送を補完する常時同時配信・見逃し番組配信サービスNHKプラスがスタート。先行するVODサービスであるNHKオンデマンドとは別のサービスとして位置付けられている。
  • 6月19日、厚生労働省が新型コロナウイルス接触通知アプリ「COCOA」を運用開始。様々なトラブルが続出し、2022年9月末からの全数調査見直しに伴い同年11月に機能を停止した。
  • 9月、「ドコモ口座」とこれに連携するネット金融サービスを皮切りに、多数の電子決済サービスで大規模な不正引き出しが発覚(2020年電子決済サービス不正引き出し事件)。
  • 12月31日、AdobeがFlashPlayerの配布を終了。
2021年
  • 1月28日、HTML5が廃止され、WHATWGのHTML Living Standardへ一本化。
  • 1月末、PHSがサービス終了(当初の2020年7月より延期)。事業者のワイモバイルDDIポケットウィルコム)では2018年に新規受付を終了している。(PHS25年史
  • 3月、Yahoo!JAPANとLINEが経営統合。
  • 6月6日 HTTP/3が標準化(HTTP-over-QUICからの改名)。同時期にTCP後継プロトコルとして標準化されたQUICを下位層に組み込んでいる。
  • 9月1日、デジタル庁が発足。
  • 10月26日、デジタル庁が日本政府用の共通クラウド基盤(ガバメントクラウド)としてAmazon Web Services(AWS) と Google Cloud Platform(GCP)を選定。後にマイクロソフトオラクル・さくらインターネットのサービスも追加された。
2022年
  • 3月、auの3G通信サービスCDMA 1X WINが終了。これにより大部分のガラケーと一部のスマホが使用不能になる。新規申し込みは2018年11月7日をもって終了済み。
  • 7月2日、KDDIのネットワークで全国的な障害が発生した。これにより自社ブランドのauUQモバイルpovoをはじめ、KDDI通信網を使用するMVMO事業者などが繋がりにくい状態となり、ATMや荷物追跡システムなども被害が及んだ。全面復旧したのは3日後の7月5日のことであった。
  • 7月12日、画像生成AImidjourneyがオープンベータ版に。同年にはStableDiffusionなど同様のサービスが次々と公開され、AIイラストブームが巻き起こる。
2023年
  • 1月31日、NTT東西のフレッツADSLがサービス終了。
  • 7月24日、Twitterの名称が「X」へ変更。
  • 9月26日、マイクロソフトWindows 11の無償アップデートとして生成AI機能「Copilot」を提供開始。
  • 10月1日、Yahoo!JAPANとLINE、持株会社のZホールディングスが合併。LINEヤフー株式会社として発足した。
2024年
  • クレジットカード会社による成人向けコンテンツの決済停止が相次ぎ、表現の自由への介入として物議を醸す。
  • 米Googleの調査によると、日本国内のインターネットのIPv6の利用が(ようやく)IPv4を上回った。世界全体の平均よりは若干高い。
  • 1月、NTT東西が電話網をインターネット・プロトコル(IP)に移行。これによりISDN接続サービスのうちINSネットのディジタル通信モード(通信・FAX)が終了したが、ISDN通話モードはまだ利用可能である。
  • 4月15日、ソフトバンクが第3世代移動通信システム(3G)をサービス終了。当初は1月に終了予定だったが能登半島地震で延期されていた。
  • 6月8日、大規模なサイバー攻撃によりニコニコ動画の全てのサービスがダウンKADOKAWAグループのサイトも大部分が閲覧不能となった。8月以降順次復旧したが、ニコニコ動画は本サイトの復旧まで「ニコニコ動画(Re:仮)」として6月14日から仮サイトを開設していた。
  • 7月19日、米クラウドストライク社のセキュリティプログラムの不具合により、Windowsコンピューターがブルースクリーンになる世界規模のトラブルが発生。日本でも一部航空会社の国内線が欠航したり、マクドナルドの店頭注文システムが停止するなど、多数の業務システムに混乱が及んだ。

予定

2026年
  • 3月31日、NTTドコモが3G通信サービスFOMAおよび3G通信サービスiモードを終了予定。2018年10月の同年第2四半期決算説明会で「2020年代半ばで停波予定」と発言されていたが、改めて明言された。新規申し込みは2019年9月30日をもって終了済み。これをもって第3世代通信サービスは幕を閉じる。

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