概要
pixivのタグとしては、「懐かしい」と違って描き手の年齢に左右されず、「昭和」や「レトロ」よりも範囲を限定することが出来る。
1970年代アイドルについては当該記事を参照。
世相
日本は高度経済成長をなしとげ、貧困と戦争の記憶は遠くに去った...ように思われた時代である。
が、その繁栄は極めて不安定なものであることが1973年の第一次オイルショックによって暴かれる。
光子力研究所や悪の組織さえもが石油の確保に困り、間接的に防衛チーム隊員の大量殉職を招くほどの事態に、世相は一気に暗く(分別臭く、説教臭くも)なったのであった。また、石炭産業が斜陽となり、各地の炭鉱が閉山したことなどもそうした空気に拍車をかけている。軍艦島が廃墟となったのもこの時期である。
また、オイルショック以前から交通戦争、公害問題、大都市の過密と農山村の過疎など、繁栄の負の側面も表面化しており、その解決が重要な課題となった。
公害についてはゲルショッカーや宇宙猿人ゴリが怪人を製造するのに利用したほど(つまり子供番組の題材にすらなるほど)ひどく、国土の汚染は当時最大の社会問題となった。公害の発生は一義的には企業側の責任であり、国側の無策が原因であるが、国民の側にも無理解が存在した。文化人にも「お江戸のど真ん中にいて公害の話なんて聞いたことがない。産業と環境を比べたら僕は産業を取る」と言い切った者までいたほどだった。
煙草の投げ捨てや犬のフン放置などは当時から問題とされていたが(ドラえもんなどに迷惑行為であることがしばしば描写されている)、一般人が「使用した食用油をキッチンに流さない」など公害による環境悪化を防ぐための努力を始めるのは1980年代を待たねばならない。
動物保護が唱えられるようになったのもこの時期であり、スポーツとしての狩猟が好ましくないものと見なされ始めた(かすみ網が非合法化されるのもこの時期以降のことである)。また、世界的に水産資源保護の考え方が高まり1976年にソ連、米国が200カイリ規制を施行し、北洋漁業の時代は終焉に向かう。農林漁業と炭鉱業を主要産業としていた北海道経済はこの時期に大きな打撃を受けた。
なお、1979年にはイラン革命による石油輸出の減少が原因で第2次石油ショックが起こり、欧米諸国では、失業率が10%を超える経済危機に直面した。しかし第1次石油ショックの教訓で省エネの進んでいた日本は打撃が少なく、比較的短期間で乗り切ることができた。
文化
演歌、歌謡曲の黄金時代。前半はフォークソングの最盛期であり、後半にかけてニューミュージックに変化していく。また、ゴーゴーが流行した。
1960年代まで盛んだった学生運動は新左翼による過激化が進み衰退へ向かう。従来政治運動に流れていた若者のエネルギーが文化側に向けられ、現代サブカルチャーの基礎が作られていく。
この時期のテレビでは現在につながる意欲的な番組が多く登場した。しかしビデオテープの使い回しによりマスターテープはほとんど残っておらず、NHK大河ドラマも1977年の『花神』以前の作品は散逸している。また家庭用ビデオテープも登場したばかりであり70年代のテレビ映像は貴重となっている。
この時期まではアニメはまだ「テレビまんが」と呼称され、仮面ライダーやウルトラマンなどの特撮も「テレビまんが」の範疇であった。
子供のものという位置づけであったテレビまんがだが、1970年代に入ると幼少のころから漫画やテレビアニメを見て育ったポスト団塊世代の成長により、青年層を狙った劇画やアニメ映画も浸透し、70年代も末になると宇宙戦艦ヤマト・機動戦士ガンダムのブームによりアニメファン(現在の言い方ではアニオタ)が世間に認知される(1980年代までオタクはマニアと呼ばれることが多かった )。
ファッションの分野ではパンタロン、男性の長髪やサングラスの流行、チャンピオンプレスの誕生などがある。男性は髭をたくわえることも普通であり、当時のTVCMには髭をたくわえたもじゃもじゃ頭の男性が多く出演している。
国際情勢
冷戦の真っただ中であり、レオニード・ブレジネフを書記長とするソ連率いる東側がベトナム戦争、第三次印パ戦争、オガデン戦争など各地の代理戦争に勝利、モスクワオリンピックを招致できるほどの力があった。このためか秘密警察が力を振るい、生産性が低下すれば低下した地区は配給を止められるという恐怖政治が敷かれていたにもかかわらず、ペレストロイカ後には経済的に余裕があったこの時代を懐かしむ老人まで出た。
一方のアメリカ合衆国は南ベトナムをはじめとする各地で敗れ(当時のハリウッド映画は「タクシードライバー」など暗い作品が多かった)、工業でも日本や西ドイツの台頭を許し、「民衆とともに歩くジミー」と期待されたジミー・カーターも経済浮揚に失敗し、強いアメリカの復活が待望される状況であった。