もしかして
解説
普通の警察と違い、反体制派やスパイなど国家を揺るがしかねない個人法人組織を取り締まる政治警察である。その性質上、独裁国家に多く存在する。
活動内容の一切が国民に開示されず、組織によっては密告の奨励・被疑者の生死を問わない苛烈な拷問・一般市民への盗聴・無関係な人間までも見せしめとして懲罰を加えるなどの人権を無視したやり口が横行している。そのために秘密警察は国民から忌み嫌われる存在であり、政権が変わったり内政改革が実施されると国家の信用を取り戻す為に組織解体が行われる場合も多い。
日本をはじめとした民主主義諸国にはそんな怖い組織はない!……と言いたいところだが、その独裁国家のスパイは民主主義国にもやってくるし、民主主義を軽々と踏み越えてしまう反体制派も存在する訳で、対抗勢力として民主主義国にも実在する。詳細は諜報機関へ
ベリヤやヒムラーのような長官クラスは「不意打ちや奇襲でもしない限りは逮捕や殺害は不可能」と言わしめる影響を持っていた上に、時として支配者さえ殺せる可能性と危険性も秘めていた
実在した秘密警察
ここには現存しない、すでに解体か体制変更を行った機関のみを記述する。
なぜなら、現在、実在している機関を書いたら……おや、誰か来たようだ
ナチス・ドイツ
正式名称はゲハイメ・シュターツポリツァイで「秘密警察」の意。他の秘密警察が「保安」だの誤魔化した名称を使う中、そのまんまである。スパイ活動などもしていた。
ドイツ民主共和国(東ドイツ)
日本語では国家保安省という。Staatssicherheitの短縮形。
ロシア帝国
ロシア帝国内務省警察部警備局。
1866年、労働者を扇動する社会・民主主義者を警戒し設立され、革命派中にも多くの密偵を有しレーニンらを逮捕・投獄したが、ロシア革命後、職員の一部はソ連の秘密警察へ取り込まれノウハウが伝授された。
オプリーチニナ
所属する職員はオプリーチニキと呼ばれる。
ソ連
官僚によるゼネストに対抗するため、1917年に設立された。正式名称は反革命・サボタージュ取締全ロシア非常委員会。
1922年にGPUと改名。
ゲーペーウーと読む。正式名称はロシア・ソビエト連邦社会主義共和国内務人民委員部附属国家政治局。短縮して国家政治保安部。1923年にOGPUに改組された。
グラフィックス・プロセシング・ユニットではない。
ソ連人民委員会議附属統合国家政治局。
1934年に内務人民委員部(NKVD)に吸収され、NKGBとなる。
国家保安人民委員部。内務人民委員部直轄の組織で、諜報機関を統括した。
1954年に再独立してKGBとなる。
エヌカーヴェーデーと読む。日本語では内務人民委員部。
1922年より存在していたが、1934年に秘密警察と強制収容所を統合した人民委員部となり、主に国内の治安維持にあたった。
1946年、ソ連内務省に改編される。
カーゲーベーと読む。
ソ連国家保安委員会。NKGBが内務大臣ラヴレンチー・ベリヤの失脚後に再独立したもの。
1991年のロシア連邦成立で保安省となるが1993年に廃止。新たに防諜局が設けられた。
日本
平安時代末期に平家が都の反平家情報を収集して取り締るために放っていた。
通称「特高」。
昭和期に活動した日本の秘密警察。反戦主義者、共産主義者などを取り締まり、赤狩りを行った。銭湯での会話すら彼らに把握されていると国民におそれられた。
ルーマニア
シルガンツァ
王国時代の秘密警察。
セクリターテ
正式名称国家保安局
冷戦時代のルーマニアにおける、チャウシェスク政権時秘密警察。恐ろしいのはどこにでもいること。印象的なエピソードとしては、とある夫婦がチャウシェスクの悪口を言った数日後、夫婦の子供の幼稚園児が先生に話してしまったために、夫婦が逮捕されたというものがある。幼稚園や小学校の先生すらセクリターテのメンバーであったのだ。また、チャウシェスクの政策で生まれた孤児を国営孤児院でセクリターテに育て上げ、小中学生すら秘密警察として雇用するという超監視社会を作り上げた。
中国
国家政治保衛局
中華ソヴィエトの秘密警察。
秘密警察に関するキャラ
遠藤達哉の作品『SPY×FAMILY』の登場人物。同作のヒロイン・ヨル・フォージャーの実弟で、東国の国家保安局に所属する秘密警察職員。
アカメが斬る!に登場する組織。警察というよりは、前者はただのやりたい放題やるだけの悪の組織で、後者は軍の特殊部隊に近い。
クライン王国の王配にして法務大臣。自分に都合の悪い革命派を消し去るために、秘密裏に組織した秘密警察に始末させていた。
関連タグ
- スパイ⋯同一化されがちだが、スパイは主に国外の機密情報の探り、敵国の撹乱などが任務なのに対し、秘密警察は国内の監視が主な任務。