概要
髪を結わずに前髪を眉の上で切りそろえた子供の髪型の事。いわゆるおかっぱ。
「かぶろ」と発音するのが一般的で、転じてその髪型をしている時期の幼児を「禿」と呼ぶようになった。
吉原遊郭における「かむろ」
太夫や格子、時代が少し下がってからは花魁を目指す、純粋培養のエリート遊女候補生。6~7歳頃から12~14歳頃までの間、先輩遊女の下で雑用をするかたわら、妓楼のしきたりや芸事、接客等を学び、遊女としてのしつけを受ける。7~8歳頃までに遊郭に売られてきた女子や、遊女の産んだ娘が該当した。
禿がつく遊女は上級遊女に限られており、禿の衣食住一切の費用を持つことが慣例であった。
禿はやがて15、6歳で新造になり、初めて客を取ることとなる。
吉原遊郭成立初期、ほとんどの禿の髪型は実際に「禿」で垂らし髪だったが、新吉原移転前後から、様々な髪型の禿が登場し、年齢や格によって、坊主禿、芥子禿、島田禿など、髪型にちなんだ呼び名で呼ばれていた記録がある。
幕末近くになり、私娼と遊郭の違いが少なくなると、現在で言うロリコンの客向けに、そのままの年齢で見世に出る事もあったという。