警察
けいさつ
社会の治安維持を目的とする行政機関。英語のpoliceはフランス語に由来し、古代ギリシャの都市国家・ポリスを語源としている。主に犯罪の予防と捜査、犯罪者の逮捕、公共の安全と秩序の維持などの活動をする。国によって仕組みは色々違う。国防を主任務とする軍に対し、警察は国内の治安維持を主任務としている。国境警備隊及び沿岸警備隊(日本の場合は海上保安庁)は、国により軍とされている場合と警察組織とされている場合がある。
国際的な犯罪に関しては国際刑事警察機構(ICPO)のもと各国警察が連携して活動する。
歴史的には、古代から近世に至るまで治安維持を担当する組織と軍隊の区別は長く曖昧であった。現在の警察機構の原型を作ったのは革命直後のフランス共和国政府で警察卿を独占したジョゼフ・フーシェが作ったと言われている。彼が立ち上げたパリ警視庁は秘密警察としての側面もあり、多くの有力政治家の個人情報を握ったフーシェは、フランスで政変が起こっても常に政府高官の地位を保ち続けた。フーシェの残した組織は各国の治安組織に影響を与え、やがて近代になって警察は軍隊とは分けられた組織になっていった。
日本の警察
戦前、警察は内務省警保局の管轄であり、内務省直属の警察組織として警視庁、各道府県知事が直接管理下に置く地方警察(府県警察部)という体制であった。明治期以降、過激化する自由民権運動を取り締まるために「高等警察」があり、大正期には共産主義勢力に対抗するために特別高等警察(特高)が設立された。特高は社会主義者に過酷な拷問・リンチを加え国民から恐れられた。さらに昭和期に入ると言論取締をエスカレートさせ、新興宗教(大本教など)や国粋主義への取締りも活発化する。ほか、特高がリヒャルト・ゾルゲを頂点とするソ連のスパイ組織を一網打尽にしたゾルゲ事件が発生している。
昭和8年にゴーストップ事件が発生し、巡査と一等兵のトラブルが雪だるま式にエスカレートして、内務省と陸軍省・参謀本部を巻き込んだ政治抗争にまで発展した経緯から、現役軍人に対する行政措置は警察ではなく憲兵が行うことがあらためて意識された(以前から、軍人の犯罪に関する司法取締りは勤務時・非番時を問わず本来は憲兵が行うものと解釈されていたという)。さらに軍隊の外部にも影響力を及ぼすようになる。憲兵が帝国議会に詰め、議員の発言を監視することもあった。
戦後、GHQからの指令によって、内務省は解体・廃止され、1947年(昭和22年)の旧警察法(昭和22年法律第196号)により、国家地方警察と、約1600の市町村に自治体警察(市町村警察)が設置された。しかし、小規模の町村にとって警察経費は重い財政負担であり、1951年に一部法改正が行われ、住民投票の付託で自治体警察の存廃ができるようになると、自治体警察の返上が相次ぎ、僅かな期間に1千以上の自治体警察が廃止された。1953年(昭和28年)までに町村警察は139に激減。自治警を廃止した町村は国家地方警察の管轄となっていった。
1954年(昭和29年)に全面改正された現行の警察法が施行された。これによって、国家地方警察と自治体警察は廃止され、警察庁と都道府県警察に再編成された。都道府県警察は、各都道府県知事の配下にある都道府県公安委員会の管理下にあって警察庁の組織とは異なるが、警察庁側に警察公務上の監察権、指導権など(管区警察局)が有る。また、警視正以上の階級は国家公務員たる地方警務官となるので、都道府県警察の警察本部長などの人事権は警察庁が握っている。
国家公安委員会や都道府県公安委員会は、あくまで警察を「管理する」に留まり、ほとんど権限を持っていない。また、国家公安委員会と都道府県公安委員会の事務局は、警察庁と都道府県警察本部なので、国家公安委員会と都道府県公安委員会は、実質的に警察官僚が取り仕切っている。
編成当初(明治13年)
等級 | 勅任官三等 | 奏任官四等 | 五等 | 六等 | 七等 | 八等 | 九等 | 判任官十等 | 十一等 | 十二等 | 十三等 | 十四等 | 十五等 | 十六等 | 十七等 | 等外 | - | - | - |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 大警視 | 中警視 | 権中警視 | 少警視 | 権少警視 | 一等警視補 | 二等警視補 | 大警部 | 権大警部 | 中警部 | 権中警部 | 少警部 | 権少警部 | 警部補 | 警部試補 | 一等巡査 | 二等巡査 | 三等巡査 | 四等巡査 |
※全て警視庁・警視局の階級である。各府県、北海道開拓使、特別高等警察では異なるので注意。
※等級は、長官たる大警視が天皇勅令の勅任官で、中警視から二等警視補までが高等官3等~9等に値する奏任官、大警部以下警部試補が判任官、それ以下は等外である。
苦情や異議申し立て
BLM騒動などが起こっている海外と比較すると日本警察は割と真面目な方だが…ごく稀にとんでもない不良警察官がおり、「それはおかしいだろ!」といったいい加減な対応や、違法性のある捜査や理不尽な取り締まりをする人間もいる。リアル「こいつおまわりさんです」。
その場合は各都道府県警察本部に設置されている「監察」へ連絡すること。一言でいえば警察の中の警察で査定にも響くため、職務怠慢などがバレるのは非常に嫌がる。不安なら弁護士などを連れて行くと下手には出られない。
刑法239条において公務員には「犯罪だと思った場合」は告発する義務があるため「面倒な仕事を増やしたくない」からと対処しない、隠蔽・無視するのは違法行為の犯罪である。
スラングとしての警察
ある事柄の特定の誤りや矛盾について細かく点検し、騒ぎ立てる人のこと。「自粛警察」のように、「○○警察」の形で用いて、取り締まりを行う警察に例えて言う。
○○警察の一例
- 一人称警察:ファンアート(二次創作)において作中の人物・キャラクターの一人称が原作と違っていることを責める。派生として「二人称警察」「三人称警察」もある。
- 弓道警察:作中でキャラクター・人物が弓を引くシーンにて(弓の構え等の)間違いを指摘する。
- 異世界召喚(異世界転移)警察:異世界転生もので「主人公が魂(人格)だけでなく肉体も元の世界と同一のもので異世界に出現する」という導入に「これは異世界転生ではなく、異世界召喚(異世界転移)だろ」とツッコミを入れる。
- 生肉警察:レアステーキやユッケなどを食べる行為が許せず難癖を付ける。
- その他、不謹慎厨などが自粛警察を兼ねる場合もある。
中には「○○警察」の方が明らかにおかしな事を言っている場合もままある。
- ジャガトマ警察:中世ヨーロッパっぽい異世界ファンタジーに「中世ヨーロッパにジャガイモやトマトはない」と指摘して回る人たち。同種の作物にタバコやトウモロコシなどがある(作者が「これは史実の中世ヨーロッパじゃないんで」「このファンタジー世界にはジャガイモもトマトもあるんだ」と言えば終わる話である)。
- 鰹節警察:削りたての鰹節を料理に使うYouTuberに、「削り面が揺らいでおらず割れもない。市販の削り節を削り機に入れている!」と決めつけて騒ぐ人たち(指摘している側の削り方が下手なだけとツッコミを入れられていた)。
- その他、「○○警察」とはあまり言わないが、反AIの絵師が二次創作を行なっていることを攻撃するAI信者や、フェミニストが18禁BLを描いていることを暴いて炎上させるアンフェなども、同種の存在と言えよう(著作権侵害は親告罪なので、二次創作も権利者が黙認している限りは問題がなく、第三者にそれを咎める権利は無い。また、隠れて創作を楽しんでいるのを暴き立てる行為は許されざるアウティングである)。
組織
警察庁 皇宮警察 警察官(警官・お巡りさん) 婦警(婦人警官)
刑事・警部 鑑識 機動隊 鉄道警察隊(鉄道公安官)交通機動隊 高速道路交通警察隊 水上警察
SP 公安警察 特殊急襲部隊(SAT) 特殊事件捜査係(SIT)
コメント
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