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概要編集

の中でも片手でも扱える程に小型化した銃の総称。

短銃、ピストルハンドガンとも呼ばれる。


英語では……

・回転式拳銃→リボルバー

・自動式拳銃→ピストル

という呼びわけが(厳密にではないが)されている。

歴史編集

歴史的には火縄銃からあまり時を待たずして、銃身が短い銃は製造されていた。銃身が短いため威力には欠けるものの、軽いため取り回しがしやすい利点があった。姿勢が不安定になりがちな騎兵でも馬上で装填、発砲ができたので、騎兵の兵装として着目されていった。日本でも「短筒」と呼ばれる銃があり、これは別名「馬上筒」とも呼ばれていた。

ちなみに、この時代は、銃身に施条(ライフリング)が無かったので、銃身が長かろうと短かろうと、命中率に大きな差はなかった。


やがて銃にライフリングが施される時代になると、短銃は、銃身が長い銃に比べて命中率や射程に大きな差が出てくるようになった。さらに金属加工技術が向上したことで、銃身が長くても銃本体が軽くなって取り回ししやすくなったため、騎兵の装備も銃身が長い銃が普及し、拳銃は使われなくなっていった。

一方、拳銃には回転式などが生まれ、連射が可能になったため、まだ連発が難しかった小銃に比べてアドバンテージを得た。


第一次世界大戦で多種多様な銃火器が開発され、拳銃もその中で大きく発達を遂げていく。しかし、小銃も連射が可能になり、同時に威力不足という登場当初からの問題点も顕著となり、戦場での兵器よりも護身用・携行用の武器としての道を歩み出す。


現在でも用途は多種多様であり、閉所での主兵装、兵士の非常用の兵装、警察官の武装、狩猟の道具、射撃競技の道具、殺傷能力を失くした信号弾用、一般市民の自衛用などが挙げられる。

その一方で、小型故に隠匿しやすく、犯罪に使用されるものとして世界各国で厳しく取り締まられており、その流通については議論が絶えない。


性能編集

どの拳銃も基本的にグリップの一点で支えなければならず、小銃の様に構えを安定させる為のストックが無いため命中率は低い。

命中率・有効射程・装弾数などの面で小銃とは比べられるものでもないのだが、その最高の利点は、軽く小さく、取り回しや携帯性に優れる事である。

その小ささから、近接戦闘や市街戦・室内戦・隠密作戦において大きな効果を発揮する。


普及性が高い為、銃の威力についてはそれを大きく左右する口径が用途に応じて様々で一概にその特性を語る事は出来ないものの、一般的な拳銃の範疇(はんちゅう)においては銃身の短さ故に射程と貫通力が低く、これを補う為に弾頭が大きく成る傾向がある。

貫通力が低いまま破壊力を持たせた為、ボディーアーマーやちょっとした板で弾丸を防げたり、場合によっては一般的な衣服にすら絡めとられてしまう事もある。


有効射程は銃弾にもよるが、対人用として実用的な範囲内だと25~50m程度が相場。

大型動物も考慮した狩猟用のものでは100m程度の有効射程を持つものもある。


威力・命中率ともに、銃身の長い小銃よりも劣るが、一方で隠匿がしやすいため、民間人の所持に関しては、小銃よりも厳しい規則を持つ国が多い。


カスタマイズ編集

ストックやフォアグリップ等を装着して安定した射撃を可能にし、ドットサイト等の光学機器を装着して狙い易くする事で欠点の解消を行うカスタマイズもある。

ストックは携行を犠牲にするものが多いが、容易に分解可能とする事で携行に影響がない様にしたものもある。

近年では銃身下部にマウントレールを装着したり、上部にマウントベース用の接合部が設けられていたりと、無改造で様々なオプションパーツを搭載可能な製品が多く、ドットサイト、フラッシュライト、レーザーサイト等を装着する事例もある。


特に高精度の製品を小型軽量な近距離用の狙撃銃として扱う事例もあり、フランスの警察特殊部隊GIGNは二脚とスコープを装着した狙撃仕様の回転式拳銃マニューリンMR73を装備している。


種類編集

装填機構による分類編集

Ranch Hand Pistols

輪胴式リボルバーとも呼ばれる。

筒状弾倉(シリンダー)が回転し、銃弾を複数ストックしておけるもの。

構造の単純さ故に強度を高く作り易く、自動式と比較すると高威力のラインナップが充実

している。

一方で回転弾倉の分厚みが出るため小型化には限界がある。


自動式と比較した最大の欠点は装弾に時間がかかること。

銃身にぴったりと位置が噛み合わなければならない回転弾倉は銃ごとに精密に調整されたものであり、自動式の様に弾倉ごと交換して装弾する事は基本的には不可能。

弾倉を開き、一発ずつ丁寧に穴に納めていく必要がある。

スピードローダーと言われる製品もあるが、5、6発の銃弾をぴったり穴に合わせるのは器用さを要求される作業であり、ストレスがかかる状況では銃弾をばらまきがち。


またシングルアクションで撃つには一発ごとに撃鉄を指で起こす必要があるのもデメリット。

初期には撃鉄を待機位置で保持する機能がなく、ダブルアクションでしか撃てない製品も多く、此方は速射性が高い一方で引き金がかなり重く、精密射撃には向かない。

この点解決した「オートマチックリボルバー」とでも呼ぶべき製品もありはするが、そこまでするぐらいなら自動式を使った方が良いという事で流行らなかった。

現在ではシングルアクションとダブルアクション両用にする事で落ち着いている。


オートマチック機構に加えてマガジン式を追加したリボルバーも存在している。

ランドスタッドではグリップ内に取り外し式のボックスマガジンを内蔵し、シリンダーは上下2か所の2連、シリンダーロッドに連結されたボルトが搭載されている。

シリンダーロッドを動かすとボルトは後退してシリンダー上側からは弾が排出され、前身時にシリンダーの下側にマガジンから弾が装填される構造となっている。引き金を引くことでシリンダーは回転して装填された弾が発射位置に移動し、発射によりボルトは後退して装填と排莢が行われる。

こちらはさすがに構造が複雑すぎる上に装弾数も6発と増えるわけでもないので試作のみで終わっている。


上記の事から対銃が想定される現場での実用上は欠点が目立つ構造であるが、弾倉が銃に固定されており紛失する心配が無い点や、装填すれば後は発射するだけと言う扱いの単純さもあって愛用者は多く、本邦の警察に於いてもこれ等の利点から回転式拳銃が未だに第一線で運用されている。


当初はシリンダーに直接、弾頭・炸薬・雷管を装填したが(パーカッション等と呼ばれる)、現在の物は自動式と同様にメタルカートと呼ばれるそれらの弾薬がセットに成った弾体をシリンダーに装填する。

世界の軍用拳銃は基本的にオートマチックが主流だが、その利点から民兵などは欠点に目を瞑って敢えてこのリボルバー式を選ぶ者も少なくない。


1830年代辺りから登場したリボルバーの亜種。

ペッパー・ミルみたいな見た目と回転させて中身を先から出す共通点からそう呼ばれるようになった。

シリンダーをそのまま銃身にして、コストダウンと薬莢が出る以前のリボルバーの火薬の発火炎が他の薬室の火薬に燃え移り予備弾が発射されてしまう「チェーンファイア」という現象で銃が壊れる欠点の克服を図ったもの。

当時のコルトのリボルバーの3分の1程度の値段で手に入る信頼性をある程度持った連射可能な銃として人気を博した。


初期はそのままシリンダーを回転させるもので、これは回転させる機構の重さ限界からピストルサイズの銃身でしか出来ないものだったが、撃鉄を起こすごとに撃針を回転させる機構が登場してその短所克服とさらなるコストダウンを図ることが出来るようになった。

しかし、生産工場の精密機械化と薬莢の普及で燃え移りが起こらなくなった事と拳銃の需要からリボルバーやオートマチックの値段低下が起こり、必要性が見いだせなくなり急速に衰退した。


現在では特殊な事情が無い限り殆ど採用されない構造である。


オートマチック自動式とも呼ばれる。弾倉(マガジン)に一定数の銃弾をストックしておき、1発撃つごとに自動で銃弾が装填されるもの。

黎明期には固定弾倉に銃弾を手で差し込んでいく形式のものもあったが、現代では弾倉は基本的にグリップの底から差し込む。

容量はまちまちだが、弾倉が一列のもので7発程度。二列のもので15発程度入るがグリップが太くなってしまう。

グリップから大きく弾倉を飛び出させる事で20発、30発の大容量を達成しているものもあるが、携行性を削ぐため主流ではない。

リボルバー以上に速射性に優れ、さらにグリップ(握り部分)等から纏めて銃弾を補填出来る事から、弾倉を複数所持しておく事で弾込めの時間が大幅に短縮出来るという利点がある。


機構も複雑化した為に初期のものではそれまでの拳銃以上に壊れ易く動作不良しやすくもなったが、機構の単純化などの改良が重ねられて信頼性は向上し、現在では主として使われている機構となった。

軍用・警備などの現場は基本的に護身のために弾数や機能性、信頼性に重きを置いたものが多い。そのため自動装填機構の耐久性の関係からマグナム弾のような強力な弾丸を使用する自動拳銃はそれらの現場には難しく、主にスポーツ用や狩猟用として扱われる。


フルオートピストルやマシンピストルや機関拳銃とも呼ばれる。上記の半自動式と違い引き金を引いてる間、全自動で連射するもの。

短機関銃との違いは曖昧で同一視される事もあるが、使い分ける場合には自動式拳銃と同様に前後動するスライドを持つものを指すことが多い。

専用設計の他、既存の自動式拳銃を改修して全自動射撃機能を持たされたものもある。

大抵の場合は別パーツとして銃床が用意されており、VP70は銃床がセレクターも兼ねている。


拳銃ではあるが動作機構があまりに軽いため動作速度もあまりに速く成りがちであり、つまりは連射速度がとんでもない事になる。

このため銃自体の軽さもあって過大な反動が発生してしまい、射撃精度は非常に悪く、至近距離でばら撒く様な運用が基本となる。


犯罪者に用いられたらえらい事になるので基本的に軍や法執行機関への専売である。

しかし改造により半自動式を全自動式に改造する試みが全世界で行われており、またアメリカでは擬似的に全自動式のような連射を実現する脱法パーツが日夜企業から世間に排出されており、その度にパーツを禁止する法律が出来るイタチごっこが繰り返され、法律を制定する議員や犯罪者に対処する法執行機関や警備員が苦労する羽目になっている。


シングル、ダブル、トリプル、クアドラなど銃身の数にバレル(銃身)と銃種名を付け足して(例えばダブルバレルピストルなど)呼ばれる事もある。

デリンジャー信号拳銃に代表される様な文字通りのシンプルなもの。

拳銃の在り方を位置づけるものとなったマスケットピストル等もこれに類する。

弾倉を持たず、薬室に直接弾丸を装填する。

そのため構造が簡素で堅牢に出来、その分だけ銃の口径が大きくできて、威力が大きく出来る。

また、その簡便性から小型化へ進めて護身・暗殺といった要素に用いられ始めたが、比例して射程もかなり短く弱くなっていき、至近距離でないとまともに当たらず・殺傷力が出る事がない物になった。


装弾数は1〜4発程度、装弾数だけバレルも増えるのであまり装弾数を増やすと利点が失われる。

単発式は回転式以上の強度を持たせる事が可能な為、トンプソン・コンテンダータンフォリオ ラプター等の大口径多装薬の弾を使用できる銃も販売されている。

これらはマグナムリボルバー用の大口径拳銃弾からボルトアクションライフル用の大口径ライフル弾まで、様々な弾を使用できる。対物用の.50BMG弾を使用するTriple Action Thunderのような特異な様なものもある。

大概は弾薬に見合った銃身長でない為、市販の弾をそのまま使用した場合は加速しきれずに威力は低下している。

威力の低下の代わりにド派手なマズルファイアが出る為、実用以外のものを求める其方への需要がある。

また、マスケット同様のマズルローダーは現在も作られており、薬莢式と異なり一発ごとに火薬の量を微調整しつつ撃つ事が出来ると一定の人気を保っている。


ボルトアクション式とも呼ばれる。

装填と排莢を行うボルト部にハンドルを付けて手動操作できるようにしたもの。

殆どが同方式のライフルの機関部を流用し、拳銃に仕立て上げている。

単発式同様にプリンキングやビッグゲーム等の競技やハンティングでの使用を目的としており、弾倉のある単発式と言ったところ。

因みに法執行機関での採用実績もあり、使用目的は西側諸国では住宅街に侵入した危険な動物の駆除や交通事故などで即死し損ねた大型獣の処理用、東側諸国ではライフルグレネードの発射や暗殺、破壊工作、対テロ等。

銃身長に由来する弾薬の問題は単発式同様。

M700の機関部を使用し.223Remを使用するレミントンXP-100、サイレンサーを搭載したB&T VP9D消音拳銃(Изделие Д)、諜報機関や特殊作戦用に開発されたウェルロッド等がある。


  • オープンチャンバー式

オートマチックの様なマガジンを持つリボルバーの様な何か。

外壁のないシリンダーが銃に内蔵されており、回転に合わせて薬室を兼ねたカートリッジがマガジンから供給され、撃ち終わったカートリッジはシリンダーの回転によっては排出位置に移動して排出される。ランドスタッドとは異なり構造は単純。

ダーディックピストル、SPIWプログラムのHarrington&Richardson案に採用されている。


激発メカニズム編集

  • シングルアクション(SA)

引き金を引くと撃鉄が解放される。

引き金の引き心地が軽く、無駄な力が入りにくいため精密射撃向きである。

しかしながら撃鉄が辛うじて引っかかっているだけの状態で保持される為、ちょっとした接触や落下の衝撃によって暴発する恐れがある。


  • ダブルアクション(DA)

引き金を引くと撃鉄が起き上がり、最後まで引くと解放される。

引き心地が重く、力が入り易いので精密射撃には向かないが、その重さの分だけ暴発はしにくい。

手で撃鉄を起こすとSA、起こさずに引くとDAと使い分けられる様に成っている製品が多く、大半の自動拳銃は二発目以降は銃が撃鉄を起こしてくれるので勝手にSAになるが、安全性を重視してSAの位置で撃鉄を保持する機能を搭載せず、DAオンリーの製品もある。

DAオンリーの機構が登場した事から従来のSAと併用できるDAはSA/DAまたはコンベンショナル・ダブルアクション(CDA)とも呼ばれる様に成った。

CDAであっても撃鉄のスパー(指掛け)を除去したモデルでは、機構はCDAであってもハンマーが起きていない状態ではDAオンリーと成っているものもある。


  • 変則ダブルアクション

プリコック式とも。グロック17が鏑矢となった方式。

初弾を薬室に装填するとストライカーは途中まで引かれた状態で保持され、引き金を引く事によって最後までストライカーが引かれ、開放され、発射される。

引き金を引かない状態でストライカーが解放されても、途中までしか引かれていないので加速が足りずに暴発はしにくい。一方でギリギリの所まで引かれてはいるので引き心地はSAに迫るほど軽く、両者の良いとこどり。

更に1発目の発砲後にトリガーを一定以上戻さなければストライカーが待機位置に戻らないので次弾はSAのように軽い力で撃つ事が出来る機構が搭載されたものもある。

ストライカー式専用の機構と思われがちだが、ハンマー式でも似た機構は可能。実用性や商業的に成功するかはさておき。


  • トリプルアクション

大宇K5で採用されている方式。

基本はコンベンショナルDAだが、コッキング状態のハンマーを指で押し戻す事が可能と成っている。

トリガー操作によりハンマーは起きるが、デコッキングとは異なりハンマースプリングはコッキング状態のままと成っており、SAの様に軽い力で引く事が出来る。

HP-SFSもコッキング状態からハンマーを指で戻せるが、此方はマニュアルセーフティを解除すると激発位置にハンマーが起きてSAで撃てる機構と成っており、K5とは異なる。


  • ストライカーアクション

撃鉄では無く撃針を直接操作する「ストライカー」が銃に内蔵されており、これが弾薬を叩く事によって銃弾が発射される。

ストライカーアクションと呼ばれるものは撃鉄が無いだけで基本的にはDA,SAと既存の撃発方式と準ずる機構だが、グロックでは前述の変則DAが採用されている。

撃鉄に叩かれ前進する撃針と異なり、ストライカーと前進の為のスプリングがセットとなっており、トリガー操作によりストライカー自体が前進する事で撃発する。

唯一の欠点はインナーハンマー式同様に不発に全く対処出来ない事だが、確率的に現代の弾薬が不発する事はまずありえないし、安全の為にも激発方式に関係無く不発弾は排出するので問題は無い。


  • インナーハンマー

撃鉄を内蔵した方式。

撃鉄のスパーが服などに引っかかる事を防ぐ為というのが主。

直接撃鉄を操作できない事からリボルバーではDA、自動式ではSA限定となる。

ボディーガード・エアウェイトのように撃鉄の殆どを覆うカバーを取り付けて半内臓式としたものもインナーハンマー式と扱われる事もある。


安全装置編集

軍用の小銃などと違い護身用として日常生活にも持ち込まれるものである事から、銃の中でも安全には特に気を配られている。


  • マニュアル・セーフティ

手動のレバーやボタンにより引き金をロックする事で発射できなくする。

大抵は親指で操作できる位置にある。


  • デコッカー

撃鉄を安全に下ろしてくれる装置。

これが無い銃では発射せずに撃鉄を下ろす際には指で押さえながらゆっくりと引き金を引く必要があり、指が滑ると暴発したり、構造によっては安全装置が無効に成ってしまう事もある。

マニュアルセーフティを兼ねるものが多い。


  • グリップ・セーフティ

グリップを握りこんだ際に自然と圧迫される位置に配置されるセーフティ。

握らない限り引き金がロックされ続ける。

握り方が制限されたり、手の大きさ次第では不自然な握り方と成ってしまう事から無効化される事もある。


  • トリガー・セーフティ

引き金に指を掛けた際に自然と轢かれるように配置されたセーフティ。

指を掛けない限り引き金がロックされ続ける。


  • マガジン・セーフティ

弾倉が入っていないと激発できないよう部品同士のリンクがされ成かったり、ロックがかかる機構。

薬室に弾を残したまま弾倉を交換する時に咄嗟の射撃が出来なく成ってしまったり、弾倉が引き抜きにくく成るといった欠点がある為、除去されてしまう事もある。


  • ファイアリングピン・ブロック

自動式拳銃に於いて、撃鉄の動きを撃針に伝える「ファイアリングピン」を、引き金が引かれない限りブロックしておく構造。

衝撃によってピンが前進して暴発する事を防ぐ。


  • テイクダウン・セーフティ

自動拳銃式で、分解がレバー操作のモデルでは射撃可能な状態でもテイクダウンレバーが操作可能な場合、何らかの表紙にテイクダウン状態となり発砲してしまえば事故につながってしまう。そう成らないようマガジンが入っているなど射撃可能な状態では操作が不可能とする機構。

直接セーフティ機構があるだけでなく、ボタンを押しながらテイクダウンレバーを操作しなければ成らないといったひと手間必要とする構造としているものもある。

スライドリリースレバーを引き抜く構造の場合はスライドを後退させながら溝の位置を合わせて引き抜く必要があるため、それ自体が安全機構となる。


  • トランスファーバー

回転式拳銃に於いて、引き金を引くとせり上がり、撃鉄と弾薬の間に挟まって衝撃を伝えるもの。

バーが上がっていないと撃鉄が解放されても、弾薬を叩く事が出来ないので暴発しないという仕組み。


  • ハーフコック

撃鉄のセーフティ・リセスにシアが引っかかり、少しだけ起きた状態で固定される安全装置。

トランスファーバーの様な安全装置の無い時代に生まれた倒れたままの撃鉄が動いて接触しない様に固定したり、起こした撃鉄に衝撃が加わって動いてしまった際に接触する前に止める機構。

リセスの摩耗や衝撃による破損で無効と成り易く、安全装置としては信頼性が劣るものである為、これのみに頼るのは問題である。

また、リボルバーでは構造によってはハーフコックポジションではシリンダーストップが解除されてシリンダーの回転がフリーと成ってしまうものがあり、射撃時には位置ずれにより不発と成ってしまう等の問題を引き起こしてしまう事もある。


  • セイフティノッチ

先込め式であるパーカッションリボルバー時代に生まれたセーフティ。

シリンダーのパーカッションニップルの間に備えられた溝にハンマーを落とし込む事で、シリンダーの回転を止めると同時にハンマーの前進による撃発を防ぐ。

ハンマーで直接弾薬を叩く構造でないと搭載できない為、ファイアリングピンを採用したセンターファイアの弾薬には適さず廃れていったが、リムファイア弾薬を採用した製品では現代でも採用している製品もある。


  • キーロック

自衛用として家で保管している拳銃による誤発射事故防止の為に追加された安全装置で、銃とは別の鍵と成るものを用いて解除を行う。

汎用工具で動かせるものから、複製が難しい鍵で解除出来るものまで様々。


認証により所有者を識別して特定の人物だけが使用出来る様にする機構。

技術的・法的な問題等の様々な問題があって長らく実用に至ってなかった。


持ち方編集

銃の構えや握りは時代や用途だけでなく、銃の種類、構造、アクセサリーの有無等により構えが異なる。

リボルバーならシリンダーキャップ、自動式ならスライドやボルト等の可動部、共通して銃口に着けられるマズルアクセサリやマウントに着けられるフラッシュライト等の使用など。

これらの危険を避ける為であったり、アクセサリの運用等に合わせて様々な構えや握りがとられる。

フィクション作品においては現実では不可能な要素により奇抜とも言える構えや握りがされる事もある。


構え方編集

  • アイソセレス・スタンス

アイソサリーズなど発音にブレがある。

標的の正面を向き、拳銃を握った両手を頂点としして二等辺三角形(Isosceles Triangle)を描く様に構える。

腰の可動域が広い、ボディアーマーを活かせる、直ぐに動き易いなど利点は多くあるが、人間の本能的に非常に自然な構えであるというのが一番のメリット。

統計学的分析により90年代以降あらゆる公的機関に急速に普及し、一般にも波及した。

前後方向の安定性に若干欠ける為、利き手と逆側の脚を半歩前に出す「モディファイド・アイソセレス」が最近の流行り。


  • ウィーバー・スタンス

ロサンゼルス州の保安官ジャック・ウィーバーが考案したスタンス。

小銃射撃の構えが参考にされている。

標的に対して半身に構え、利き腕をピンと伸ばし、反対の腕は少し曲げてやや下から銃を支える。

銃がしっかりと固定されるため高い射撃精度を実現できるものの、固定が過ぎて動きにくいのが欠点。

加えて人間の戦闘本能に反した姿勢であり、ウィーバーで訓練を積んでいた警官が実戦になると自然とアイソセレスに近い姿勢を取ってしまっていた事が明らかと成り、実戦的な場では使われ無く成って久しい構えである。


しかしながら半身の構えは剣術のそれに似てスタイリッシュであり、銃が顔に近く成るため絵的に映え易いという点からフィクションでは未だ主流の構えでもある。


センター・アクシス・リロックの略。

顔に接触するギリギリの距離で、斜めに銃を保持する超接近戦向けの構え。

室内での戦闘や、車両から射撃する際に適している。


習熟が難しくマイナーな構えであったが、ジョン・ウィックで参考にされた事により知名度が大幅に向上した。

役者の顔と銃がフレーム内に収まり続けるのもフィクション的に美味しいところ。


  • 片手撃ち

西部劇などでよく見る構え。

標的に対して斜め、もしくは真横に体を向けてると腕の捻りが少なく成るので負担が少なくなる。

拳銃が騎兵の兵器であった時代、射手は手綱を握り続ける為、拳銃は片手での構えを前提に設計され続けていた。

このため当時のグリップは両手では握りにくい形状をしており、徒歩の状態でも片手で握るのが常識となっていた。

50年代にウィーバーが改革をもたらすまでは主流の構えであり続け、現代でも腕を負傷した際や片手が塞がっている等に備えて習得が推奨されている。


    • ヒップシュート

片手撃ちだが此方は腰だめで照準を使用せずに撃つ構え。

銃を持った手を腰骨に当てて支えて撃つ。

狙いは甘く成るがホルスターから抜いて即座に撃てる事から、FBIでは近距離での射撃の際には一時期FBIクラウチングと呼ばれる射撃方法も使用していた。


    • ギャング撃ち

銃を右手一本で持ち、真横に倒して正面に突き出す。

人体の構造から正面に拳を突き出すと自然と拳が横向きに成り易く、その自然な姿勢で銃を持ってしまった結果がこれである。

映画と言った映像作品の影響もあって全く訓練されていない犯罪者達がこの構えを良くとっている。

照準器が使いづらく、反動もいなしにくく、射撃を行う上で何一つ利点が存在しない構えではあるが、コンビニを強盗する際にはカウンターの向こう側を狙い易いというメリット(?)もある。

カメラ銃口」の構図で役者の顔が隠れにくい為フィクションでも人気を博していたが、最近では監視カメラ映像などの可視化により「ケチなチンピラがする構え」というイメージが定着しつつあり、そういったキャラ付けが目的でない限りは選択されなくなってきている。

フルオートが可能な拳銃では横倒しにしたまま連射し、その反動を利用して薙ぎ払うように撃つ事もあり、「横撃ち」であったり「水平薙ぎ撃ち」呼ばれているなど呼び方は一定ではないが、MGS3にて「馬賊撃ち」の名が出てきてからはその名で呼ばれる事も増えている。


    • 横撃ち

バリスティックシールド使用時に盾の覗き窓越しに撃つ為の構え。

片手で持った銃を横に向け、腕はシールドの縁に当たる様に顔の方に伸ばして支える。

シールドを構えているという事は基本的に至近距離と言う事であり、役割分担もあって射撃精度はさほど期待されておらず、精度が必要な射撃は基本的にバディが行う。


  • ハリエステクニック

片手にフラッシュライトを逆手に持ち、銃を持つ手もしくは手首にライトを持つ手の甲か手首を当てて支える構え。

ライトと銃を安定させて構える事が可能という利点があるが、即応性の低下と死角が生じ易い欠点があるだけでなく、構えの際に銃口前をライトや腕を横切ってしまうという危険性がある。


  • ロジャース/Surefireテクニック

ライトを人差し指と中指の間に挟み、銃を持つ手をライトを持った手で包む構え。

通常の両手持ちに近い操作が可能でマガジン交換等に対応し易いという利点があるが、小型のライトしか使用できず、即座に構える事が出来ないという欠点がある。

持ったライトは点けっぱなしで構えるか、テールキャップ部のスイッチを銃や銃を持つ手に当てて間欠点灯する。


  • モデファイドFBIテクニック

ライトを順手もしくは逆手で持ち、体から離れた位置で点灯させる構え。

ライトを自由に動かせるので様々な位置を照らせる事が可能で、身体から離れた位置にライトがあるので光源を目安に撃たれた場合でも中り辛い利点があるが、ライトと銃どちらも安定性が低くなる欠点がある。


  • ネックインデックステクニック

ライトを逆手に持ち、腕を畳んで耳の下もしくは顎に添える構え。

ライトを安定させ、視線に近づけて標的を照らす際に使う。

ライトが頭部に近く成る為に銃の照準を照らしてしまい狙いづらくなる、位置によっては銃を持つ手に遮られて影が出来てしまう欠点がある。


握り方編集

  • ティーカップ

カップアンドソーサーとも。

銃を持った手とは反対の手(サポートハンド)で受け皿の様に下から支えるように握る握り方。

現在では古い構えである事から古い人間である事を視覚的に分かり易くするといった使い方もされている。

名作とされるアクション映画などの少し古めの作品では多く見かける事から、素人が真似る構えという使い方もされる。


  • リストブレース

サポートハンドで銃を持った腕の手首を握る。

安定性も劣り、握る力が強くなる訳でもない古い握り方。


  • クロストサムス

親指を交差する様に握る。

後退したスライドにサポートハンドの親指が削られる恐れがある為、リボルバー向けの握り方。


  • フィンガー・オン・トリガーガード

サポートハンドの人差し指がトリガーガードにかかる様に握る握り方。

強い反動の制御は難しくなるが、ブレを減らし易い。


  • サムスロックダウン

上からサポートハンドの親指で、銃を持った手の親指を抑える様に握る握り方。


  • サムスフォワード

グリップの開いた部分にサポートハンドの掌を密着させて、親指が前に向く様に揃えて向ける握り方。


創作・フィクションでの扱い編集

等と共に、イラストの題材にされやすい武器の1つに挙げられる。

描く際には確実に手が写り込む為、慣れない内は手の表現に手こずる絵師も多い。

近代兵器である事から、ファンタジー世界では魔法等の超常的な力の存在故に発展が遅れていてあまり役に立たないか現代火器が超兵器染みた扱いがされる一方、特殊な技能などを必要とする理由づけや強力な敵である事を描く為に現代の火器であっても役に立たない武器であるといった描かれ方がされる事もある。

近未来などのSFや近現代を舞台とした作品では、主要武装として活躍する。


近年では特殊部隊アウトロー等の活躍を描く銃が日常に溶け込んだ世界観を主体とするメディア作品が興隆を見せている事から、描かれる拳銃の種類も多種多様となっている。

中には対物用の徹甲弾炸裂弾が撃てる様な、一般人には使いきれないバケモノ級の拳銃(例:『HELLSING』の主人公・アーカードの拳銃「ジャッカル」が好例)も登場する様になってきた。

またそうした規格外なものを「ハンドキャノン」と呼ぶ俗習も登場しており、現実に存在する拳銃でも極一部の大型拳銃への通称に使われている(S&WM500やデザートイーグルはその尤も有名な内の1つ)。

その他にも、二挺拳銃ガン=カタと言った、アクション性を求めたシチュエーションにも多用される。


関連イラスト編集

拳銃編集

デビルメイクライ事務所ひどい落書きから架空銃を立体的にでっち上げる


拳銃使い編集

bang!ロリータと二丁拳銃




著名な拳銃編集

此処では実在の物を扱う。非実在は架空銃へ。


回転式


自動式


その他

粗悪な密造拳銃の総称。

綴りはObrezPistol。ボルトアクション式ライフルをピストルサイズまで切り詰めた魔改造銃。

単発式超小型拳銃の総称。

信号弾を撃つための単発式拳銃。グレネードランチャーに改造された事例もある。

単発式超簡易銃。大戦後に作られたのにライフリングすら無い。

世界初の3Dプリンター製拳銃。しかし設計図のダウンロードが一時期禁止されていた。名前は上記のリベレーターから来ている。

世界最小のリボルバー。威力はBB弾にも劣る為、此方も実用性に欠ける。

世界最小のオートマチック。威力は2.7Jと日本のエアガンの規定より多少マシな程度で、こちらも実用性は無かった。

世界で最も巨大で強力な拳銃。巨大で重いため拳銃としての実用は困難、弾丸も狩猟用の超大口径ライフル弾を使う。

対物弾を使う珍しい拳銃。実用性は無いが見た目の奇特さから妙な人気がある。

  • ハイスタンダード HDM

アメリカの珍しいサイレンサー内蔵の拳銃。

ボルトアクション式の珍しい1940年代の消音拳銃。

ボルトアクション式の珍しい2010年代の消音拳銃。

単発式の狩猟用拳銃。

無反動ロケット弾を撃ち出す拳銃。ただし威力は最大でリボルバー程度でそれも3メートルは離れている必要がある。

水中用の電気着火式ペッパーボックスピストル。但しその特殊性から再装填が出来ない為に銃身を丸ごと交換する機構になっている。

バースト機構を持つ珍しい拳銃その1。

バースト機構を持つ珍しい拳銃その2。

ロシアのマシンピストル。

ロシアのマシンピストル。

スイスのマシンピストル。

マシンピストルとしても扱われる事がある超小型短機関銃。

超小型短機関銃の民間向け拳銃モデル。

法機関向け短機関銃として開発されたが、売れなかったために拳銃として再設計されて販売された物。上記のUZIピストルと合わせて全自動化改造が容易で犯罪者御用達になってしまった。

スマートガンに分類される銃のうち、初めて販売まで行った銃。指紋と顔スキャンで認証を行う。

通常弾とは別途に中央に散弾を詰めておくことが出来る特殊なリボルバー。

散弾を使う特殊なリボルバー。

サイレンサーが取り付けられる特殊なリボルバー。

密閉型ブルパップ方式のおかげでサイレンサーが取り付けられる特殊なリボルバー。

弾倉を持つ特殊なリボルバー。

特殊な弾薬を使うオープンチャンバー式リボルバー。



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