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M1851

えむいちはちごいち

1851年に販売されたリボルバー式拳銃。コルト社製。通称「コルト・ネイビー」。前身のM1848(コルト・ドラグーン)の軽量・小型モデル。
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本記事は拳銃に関した記事ですが、諸般の情報不足により執筆が出来ておりません。ご協力をお願いいたします。なお、第三者の権利侵害はご遠慮ください。


概要編集

コルト社が1851年に発売したパーカッションロック式のシングルアクションリボルバー。通称「コルト・ネイビー」。

アメリカ陸軍制式採用拳銃だったM1848(通称「コルト・ドラグーン」)を小型・軽量化したもの(※1)で、2万丁もの売り上げを誇ったドラグーンの性能を維持したまま(※2)ベルトのホルスターでの携行ができるようになった傑作拳銃である。

アメリカ西部開拓時代初期において多くの保安官、軍人、無法者が愛用した銃で、1873年にシングルアクションアーミーが生産されたあともこちらを使い続けるガンマンは少なからずいた。中でも南北戦争の南軍司令官ロバート・E・リー将軍の愛銃であったことが有名。総生産数はアメリカ国内で25万丁(加えてロンドンの工場で2万丁強)とコルト社始まって以来の大ヒット商品となった。


※1:ちなみにM1848自体もコルト社が手がけた初期のリボルバー拳銃であるM1847「コルト・ウォーカー」を小型・軽量化したモデルであったりする。そのため、M1851も元を辿ればM1847の系譜ということになる。ちなみに重さについては2kg→1.8kg→1.2kgと着実に軽量化している。

※2:完全に性能を移植できたわけではなく、小型化に際して口径が.44から.33に変更されている。


名前の由来編集

通称のコルト・ネイビーからアメリカ海軍でよく使われたと思われがちだが、使用者は陸軍軍人や民間人が多い。「ネイビー」の通称は海軍制式採用というより、シリンダーに彫られたテキサス海軍の勝利(1843年のカンペチェの戦い)の情景に由来する。この彫刻はM1851に先立つこと15年ほど前に売り出されたM1836コルト・パターソン(コルト社が販売した最初期の拳銃)を海軍が大口注文してくれたことが起業以来初めての大口注文だったことへのコルト社側の感謝の印とされる。


M1851の特徴編集

この銃の特徴は本格的な拳銃用の金属薬莢が発明されるより前のものであるためリロードにものすごい手間がかかる。(構造や部品は違えど装填の仕方は火縄銃やフリントロック式ピストルと似ている)

装填の仕方は以下の通り。


  1. ハーフコックと呼ばれる撃鉄を少しだけ起こす。こうする事でシリンダーにロックがかからなくなり、装填のために回転させることができる。
  2. シリンダー前方の薬室口から火薬を入れてその上に弾丸を入れる。
  3. バレルの下にあるローディングレバーを引くと薬室の奥に押し込める棒が出てくるので薬室口に合わせて弾丸をしっかり押し込む。
  4. シリンダー後方にあるニップルに火薬に炸裂させるための雷管を取り付ける。
  5. 発砲しない場合はゆっくりと撃鉄を戻す。すぐに発砲する場合はそのまま撃鉄を起こす。この時点でやっと撃てる。
  6. 全弾発射後、1に戻りその繰り返し。

と、ここまでの装填動作を見る限り、銃撃戦や戦場の最中、これを普通にやると瞬く間に蜂の巣にされるのは必定である。

概要部分で触れたシングルアクションアーミー以下「弾倉スイング→弾込め→弾倉戻し→撃鉄起こす→引き金引いてバーン!」という現代も使用されている金属薬莢のリボルバー銃に比べるといささか不便に思われる。

では、こんな手間暇かけてやっと撃てる銃がなぜ開拓期の西部で最後まで使われるようになったのか。それはパーカッションロック式のもう1つの特徴、銃本体とシリンダーの取り外しが簡単な構造になっていることが関係している。

この構造ゆえ、M1851は全弾撃った直後、シリンダーを外しすでに弾が装填された予備のシリンダーをつける事で自動拳銃のようなリロードが可能となる。つまり、他のリボルバー銃は全弾打ち尽くしたら弾倉をスイングして出しちまちまと弾丸を込めなければならないのだが、M1851は打ち尽くしたら装填済みの予備リボルバーを入れればすぐ撃てるようになる。上記の手順のうち2〜4を大幅に短縮できるのが可能であるうえに、下手すると後年の金属薬莢式よりも早いのである。

このような素早い装填方法が、金属薬莢を使用するシングルアクションアーミーや中折れ式のS&Wスコフィールドが普及してもなおパーカッションロック式が根強く残る理由となっている。


余談だが金属薬莢には湿気などから火薬を守る役割があり、パーカッションロック式は雨といった悪天候には弱い点が挙げられる。また薬莢を使用できるよう改造されたM1851カートリッジコンバージョンというモデルも存在する。(ローディングレバーの部分に収納されている排莢用の棒で突いて出す)


日本史との意外な接点編集

M1851が生産された1851年は日本でいう江戸時代末期。その3年後の1854年にペリーが2度目の日本来訪を果たすわけだが、この際数丁のM1851が幕府の重臣たちに贈り物として献上されている。そして、当時の水戸藩主徳川斉昭が藩に命じてこれの複製品を作らせたという資料もあり、一説では桜田門外の変において井伊大老襲撃に使われた拳銃はこれであるとされる。この説に関しては今なお議論が交わされているが、2010年には井伊大老襲撃に使われたその銃とされるM1851が大阪の古銃愛好家の家で発見された。


外部出演編集

ゲーム『バイオハザード』編集

バイオハザードヴィレッジ』にて『ウルフスベイン(狼殺し)(トリカブトの別名)』の通称で入手できる。

カートリッジコンバージョンモデルが登場しマグナム弾が撃てるよう改造されている。

改造パーツのロングバレルと多弾倉シリンダーを装着する事で威力と装弾数がアップする。


松本零士作品編集

古銃愛好家としても知られる松本零士も実物を所持しており、彼の作品にも何度か登場を果たしている。短編の一つにはその名も「海軍拳銃1851」というものがあり、M1851が重要なアイテムとして登場する。

なお、複数の作品に登場するコスモドラグーンと外見が似ているが、これはモデルとなったM1848(コルト・ドラグーン)を小型化したのがM1851であるため、ある意味必然と言えよう。

余談だが、M1848の重量は約1.8kg、M1851は軽量化に成功し2/3の約1.2kgとなりベルトのホルスターに携行できるようになったわけだが、コスモドラグーンの携帯方法を見る限り、M1848よりもM1851っぽく見えなくもない


キノの旅編集

Kino

主人公のキノの携帯する銃器の一つ「カノン」のモデルがM1851とされる。

ただし「カノン」は口径.44なのでM1851よりもM1848っぽい感じもする。あるいは、コピーモデルの可能性もあるが。


関連タグ編集

拳銃 コルト・ファイヤーアームズ

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