ハンドキャノンとは、銃火器に対する俗称の一つである。
原義
8~9世紀に唐で開発された「飛発」の英訳。
日本でいう石火矢など、火薬式の飛び道具の原形に当たる武器である。
また「火槍」と呼ばれる、槍に火薬式の火炎放射器(手持ち花火を巨大化させたもの)を備えた飛び道具の意訳ともされる。
フィクションにおける「ハンドキャノン」
実用的な大口径拳銃の代名詞でもあるM1911も「ハンドキャノン」とその威力と確実に動作する堅牢さから呼ばれていた。
現在では、フィクション等において【拳銃の常識から逸脱した威力を持つ大型拳銃】への俗称となっている節がある。
有名なものではS&WM500やPfeiferZeliskaなど、常識外れの威力を誇る拳銃を指して呼ぶことが多い。
マグナムリサーチのデザートイーグルも、発表当時は最強を誇ったその威力から「ハンドキャノン」と呼ばれていた。
挙げ句はTriple Action社が技術展示用に試作したThunder.50で、これは12.7×99mm NATO弾を単発で撃つため“だけ”の拳銃という、変態ロマン砲である。
共に大型の猛獣の頭蓋骨を一撃で粉砕するほどの威力を発揮する過剰な火力を有するが、常人が片手でこんなものを撃てば肩や腕に深刻な反動が返ってくるうえ、両手撃ちでも反動の強さから弾道が逸れやすく扱いづらい。
特にPfeiferZeliskaの場合、拳銃でライフル弾を撃つような無茶をやるため、拳銃でありながらオプションパーツとして外付けの銃床(ストック)を取り付け、地面に伏せて反動を抑えきらないと全うに当たる見込みは少ない。
――しかし、男の子という生き物は「デカい」「強い」「珍しい」の三拍子に弱いもので、フィクション等では、マニアックな武器として登場することがしばしある。
特にネット対戦式のFPSでは、レアリティの高い武器として取り沙汰されることが多く、「弾数は少なく射程も長くないが、一発決めればまず勝てる」という、一種のロマン武器として愛好家が多い。
SFなどの分野でも、現実離れした武器として「強力なエネルギー弾を発射できる大型の拳銃」にハンドキャノンというカテゴリーを当てはめる場合がある。
関連タグ
- HELLSING
- 主人公アーカードの愛用する特注の拳銃454カスールカスタムオートマチック/対化物戦闘用13mm拳銃「ジャッカル」。
- どちらも「ハンドキャノン」とこそ明言されていないものの、吸血鬼と屍鬼を確実に抹殺するために超規格外のカスタマイズがほどこされており、とても普通の人間が使える代物ではない。
- Fortnite
- 一部の大型拳銃をハンドキャノンに分類している。
- Deadspace
- 最高難易度「Hard Core」クリア特典武器。見た目は赤い手による指差しマーク(いわゆる「☞」)だが、弾数無制限かつ最強の威力を誇るチート武器。……というかもはやギャグの領域(汗)
- Destiny(FPS)
- 小型拳銃をピストル、大型拳銃をハンドキャノンと分類している。
- 近・中距離に対応し威力も十分。また、人気キャラの愛用武器とされており、この武器種も人気かつ強武器。
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