概要
散弾銃や拳銃、サブマシンガンと呼ばれる小型から中型の銃と比べ、長い銃身を持ち、正確な射撃と高い攻撃力を発揮するよう設計された両手持ち想定の中型から大型の銃のこと。
同じく長い銃身と高い攻撃力を持つが、ライフルと違い射撃し続ける事を目的に作られた機関銃とは区別されるが、アサルトライフルと呼ばれる連射機能を持った小銃が誕生して以降、一部混同されることがある。
「ライフル」という単語の定義は千差万別で一概には言い難いが、現代では主に100m以上の遠距離を射撃することを目的にしたものを指す。
また細かな分類が多数あり、カービンライフル、スナイパーライフル、アサルトライフル、バトルライフル、アンチマテリアルライフルなどがある。詳しくは該当記事を参照のこと。
また、アメリカの法律上ではストックが付いていればピストルであろうと全てライフルとして分類され、規制の対象となる。
歴史
元々「ライフル」とは本来は発射される弾丸に回転を加え、ジャイロ効果によって弾道を安定させるために銃身や砲身内部に施される螺旋状の溝(腔線)を意味するが、今日では主に小銃や長銃を指す言葉として用いられ、腔線や旋条溝そのものを指す場合は「ライフリング」と呼ばれる。
マスケット銃のようなライフリングの無い滑腔銃身が一般的だった時代には、黒色火薬の使用により現代では信じられないほど残る燃え滓を上手く除去するための溝として生まれ、そう扱われていた。一応、この頃から発射ガスを効率よく伝える効果もあり、多少の命中率向上はあったらしいが微々たるもので主目的では無かった。
そして後に、ジャイロ効果が命中率を安定させる事が発見されると、溝は腔線になり、より高いコストを投じて命中精度を伸ばすための工夫となった。
このため、過渡期ではマスケット銃にライフリングを切ったミニエー銃のような転換点となる武器も登場している。
この事から旋条を意味する「ライフル」という単語自体に「高精度を指向する」と言う意味が含まれるようになった。
そして第二次産業革命でライフリングが一般化されると、「ライフル」は「マスケット銃」ではない両手持ちの大型の銃を指す単語としての意味を持つようになった。
その後、機関銃が誕生し、其処から派生してサブマシンガンが生まれ、第二次世界大戦を過ぎてアサルトライフルという小銃が開発されると、これら銃種から区別する為、高精度を指向した銃と言う意味合いが増し、その意味で用いられることが多くなっていった結果、現代ではIWS2000のような「ライフリング無しライフル」というダブルスタンダードな物が発生するに至った。