機関銃の定義
元々は何らかの機構によって連射(フルオート射撃)が可能な銃器のこと。
簡単に言えば、引き金を引いているだけで弾が尽きるまで連続射撃することが可能な銃。
歩兵が携行可能なものから、車両や航空機に搭載される大型なものまで様々。
狭義には制圧射撃を主目的とする自動連射火器のこと。
アメリカの民間ではフルオート射撃ができる銃はアサルトライフルであろうが、サブマシンガンであろうが、マシンピストルであろうが全てマシンガンとして分類される。
機関銃の種類
ガトリング
重機関銃に分類されるが、非常に特殊なので別記。
砲身を束にして連射数を格段に上げた銃で、元はアメリカのリチャード・ジョーダン・ガトリングというより発明家が開発した機関砲でこれがマシンガンの元祖である。
その見た目から誤解されがちだが、複数の砲口から一斉に弾を撃ち出すのではなく、実際に弾が撃ち出されるのは1つの砲口のみである。
人力やモーターなどの外部動力により銃身を回転させるが、ロシアではガス圧駆動式のガトリングガン(YakB 12.7mm、GSh-6-30等)が作られている。
以下のチェーンガンを含めこのような外部動力式の機関砲は、たとえ銃弾が不発であっても強制的に排莢出来るため、航空機や装甲車などの武装に用いられる事が多い。
ガス圧駆動の場合はロシアのGSh-301 30mm機関砲のように薬莢に穴を開けて外部から装薬の点火を行う強制発火装置、もしくは排出機構を強制作動させる装置を備えるか必要がある。
チェーンガン
上記のガトリングガンのように外部動力によって装填と排莢を行うもので、そのうち銃身、薬室が一つしか存在しないもの。
チェーンによって動力を伝えるためこのように呼ばれる。
ガトリングガンと違い砲身と薬室は一つしかない。
プレデター、アーマードコアのような映画やゲームにおいて、本来ガトリングと呼ばれる武器がチェーンガンとして紹介されることもあるが誤用。
重機関銃(ヘビーマシンガン、HMG)
一人では携行できないようなマシンガンの事。
基本的に車載したり地面に固定してあるものは大体重機関銃に分類される。最初期のマシンガンは大体これに分類されており、機関銃の原点とも言える。
軽量化された後輩たちが進化を続ける一方で、こちらもその絶大な制圧力から未だ現役であり、車載機関銃や固定機関銃として使用され続けている。
さらに大型化され射程や火力を向上した機関砲と呼ばれる兵器も存在するが、重機関銃との境界は曖昧。炸裂弾の運用が可能なら機関砲と呼ぶ場合が多いようだ。
軽機関銃(ライトマシンガン、LMG)
一人で携行できるぐらいに軽量化したマシンガン(軽量化されたとはいえ、それでも平均10kg前後はある)。ちなみに歩兵一人で持ち運べるように作られているだけで、軽機関銃を装甲車に乗っけたりも出来るし、中には撃つときにもう一人補助が必要なものもあったり。
ついでにフィクション作品に出てくるマッチョ共は小口径の重機関銃なら片手でブッ放したりしている(理論的にはできなくもないらしいが…)
現在は制圧力重視の汎用機関銃と機動力重視の分隊支援火器に分化しつつある。
汎用機関銃(General-Purpose Machine Gun(GPMG)もしくはMedium Machine Gun(MMG))
軽機関銃的運用も重機関銃的運用もできる機関銃。中機関銃とも。
これの登場によって重機関銃は威力の高い大口径弾を使う方向に、軽機関銃は威力を下げてでも機動力を追求し分隊支援火器として特化する方向に棲み分けるようになった。
分隊支援火器(Squad Automatic Weapon、SAW)
各隊に少数配備され、主力火器に足りない能力を補う銃のこと。主に軽機関銃が採用されるため「SAW=マシンガン」でだいたいあってる。
FPSなどでプレイヤーが持ち歩いて使える機関銃は大体これ。
M27IARのようにほとんどアサルトライフルと言えるものも登場している。
「分隊自動火器」とでも訳した方が適切だろうが、日本語では「分隊支援火器」となっており、セミオートライフルやグレネードランチャー、果ては迫撃砲までをここでひとくくりにする日本人も多い。
ナイツアーマメントが自社製品のストーナーLMGをベースにグレネードランチャーと水平に近い斜めグリップを装備した「チェーンS.A.W.」というくだらないダジャレを披露している。
そのくだらなさゆえか妙に人気があり、エアソフトガンまで発売されている有様。
短機関銃(Sub Machin Gun、SMG)
拳銃弾を連射する機関銃で、歩兵突撃に随伴するために開発されたもの。非常に軽量であるため、制圧火器としてだけでなくアサルトライフル的な運用をする組織、国家も存在する。
詳しくはサブマシンガンの項を参照してください。
突撃銃(Assault Rifle、AR)
小銃と短機関銃の能力を両立した自動火器。その扱いやすさと火力から在来型の小銃を駆逐し、任務として銃撃戦を行う組織で使用していない所は皆無と言って良いレベルの尋常ではない普及率を達成している。
爆発的に普及した結果、本来ならセミオート射撃しかできなくても名乗れる自動小銃という語や、作動方式とは無関係の主力小銃という語が突撃銃と同義扱いされることもある。
詳細はアサルトライフルを参照。
機関銃にスコープ
旧日本軍が重機関銃にスコープを搭載し、無駄弾を出さないように狙撃銃のように運用した例がある。
この運用は非常に効果があり、長距離から正確に狙う事が出来る為、標的となった米海兵隊は多くの被害を生じさせている。
後年では朝鮮戦争とベトナム戦争ではアメリカ軍(特にベトナムでのカルロス・ハスコック)が、フォークランド紛争ではアルゼンチン軍がブローニングM2重機関銃にスコープを搭載して運用している。(ハスコックにいたっては20世紀での最長距離狙撃を達成している)
現代でもカナダ軍やアメリカ軍のように機関銃に光学照準機を搭載している軍がある。
例としてはMINIMIなどのSAWにACOG TA31やSPECTER DR、M145といった4倍前後の光学照準機、M240にELCAN M145(3.4倍)やACOG TA648MGO-M240(6倍)、M2重機関銃にACOG TA648MGO-M2(6倍)等を搭載している。
主な機関銃
- M1917
- M1919
- ブローニングM2重機関銃
- BAR(ブローニング・オートマチック・ライフル)
- MG08
- MG34
- MG42
- FG42
- MG3
- 十一年式軽機関銃
- 九六式軽機関銃
- 九九式軽機関銃
- 九二式重機関銃
- 62式機関銃
- ヴィッカース・ガン
- ショーシャ軽機関銃
- ブレン軽機関銃
- ルイス軽機関銃
- PM1910
- DP28
- zb26
- RPD
- RPK
- PKM
- MINIMI
- M249
- M60
- ミニガン