概要
特に小型の短機関銃。または通常セミオートが基本である拳銃に連射機能を持たせたもの。ドイツ語で「サブマシンガン」を意味する「マシーネピストーレ」の英語直訳だが、意味も直訳的に「機関拳銃」であり、「サブマシンガン(マシーネピストーレ)」と「マシンピストル」は必ずしも同義ではない。
基本的に英語で「マシンピストル」と称されるものは、拳銃に改造または再設計を行って連射機能を持たせたものの事を指す(自動拳銃の基本的構造はむしろ連射されるものを一発ずつ撃てるようにシアなどが追加された構造になっており、この発想にいたるのは容易である。暴発状態になるのでシアを取り除けば良いという訳でもないが)。
また非常に小型で、拳銃のような取り回しが可能なものであれば、短機関銃でも「マシンピストル」と呼ばれることがある。(一部はセールスなどを狙ったイメージ戦略のようなもの)
実際のところその定義は曖昧で、日本語では比較的大型の「短機関銃」もひっくるめてサブマシンガン全般を「機関拳銃」と呼ぶことも多い。
当然連射性能から小型でありながら凄まじい瞬間火力を発揮するが、一方でその反動は銃本体の小ささも相まってそうそう制御できるレベルではなく、実際には数発撃ったら一回撃ち止めなければまともに狙いをつけられない場合が多い。
長らく「サブマシンガン」を開発していなかったのでピンチヒッターに抜擢された「スチェッキン」や、上層部が「サブマシンガン」の採用に難色を示したため生み出された「9mm機関けん銃」など開発経緯が特殊な例もしばしば見られる。
浪漫はあるが実際に使えるかと言われれば甚だ微妙な武器である。現在では軍隊にはほとんど採用されていない。理由としてはそもそもフルオートでピストルを撃つシチュエーションというのがまずない事、ピストルをフルオートで撃つと制御困難で誤射の危険性がライフルより高い事、そして根本的にピストルを使うことが少ない事が挙げられる。
実戦では50発も撃たない場合もあるため、セミオート主体の現代戦においては使いどころがないのである。
「じゃあ、ストックとフォアグリップを着けて安定性を高めればいい」という考えもあるかもしれないが、そこまでやるなら普通に射程も精度も安定性も勝るサブマシンガンを使えばいいという話になってしまう。
ただでさえ現在では防弾ベストの防弾性の向上によってサブマシンガンが短銃身のAR-15やPDWに置き換えられ始めているご時世であるため、身もふたも無く言えばいらない子なのである。
アメリカの民間においてはフルオートで撃てる銃はすべてマシンガンになるため、マシンピストルという名称は使わない。
pixiv百科事典に記事のあるマシンピストル
拳銃を原型とするもの
短機関銃を原型とするもの
ただし多くの組織では短機関銃とされる。