スリーブガン
すりーぶがん
「スリーブガン」とは、衣服の袖(Sleeve)の下に隠した銃のこと、あるいは、そのための仕掛けを施された銃のことである。
本来は、M1906やデリンジャー等の小型拳銃や護身用の拳銃に使われるギミックである。
スリーブガンのメリットは、銃を隠し持つことで相手を油断させることができる点と、ギミックによって極めて素早く銃を取り出せる点である。
デメリットは銃を出す途中で衣服に引っかかる懸念や暴発の危険性があり、スリーブガンを装着するにあたって着用する衣服が限定されてしまう点である。
第二次世界大戦中にイギリスのスパイ組織SOEがウェルロッドをベースとして実際に制作した物を使用していたとのこと。なお総生産数は150~200丁程度だった模様。
映画では取り出すシーンのみグリップ部を切断したゴム製プロップを用いることで、普通の袖では物理的に隠す事が不可能な中型拳銃などをスリーブガンとして見せている例もある。(映画デスペラードなどで用いられた。)
古くは西部劇映画から登場していたが、スリーブガンを有名にしたのは1976年のマーティン・スコセッシ監督作品、「タクシードライバー」だろう。
本作でロバート・デ・ニーロ扮するトラヴィス・ビックルがカーテンのレールなどを使って自作した装置にS&Wエスコート(劇中ではコルト25と呼称)を仕込み、鏡に映った自分に向けて何度も展開しては空撃ちをし、「You Talkin' to Me?」というシーンが非常に有名である。
昨今では中型拳銃を隠し持てるホルスターの登場やミリタリー描写への拘りが強いアクション映画が増えていることで登場頻度が減少の傾向にあるが、それでもビジュアル的なインパクトから度々用いられる。
映画「エンド・オブ・デイズ」にてアーノルド・シュワルツェネッガーが演じる主人公ジェリコが両腕にホルスターを装着し、グロック17を隠しており、ホールドアップ時に不意打ちで抜いて二挺拳銃で反撃を行っている。
映画「リベリオン」では、銃を隠す以外にリロード時にこのギミックを利用して二挺拳銃時のマガジンの装填を行っている。
映画「実写映画るろうに剣心」では、外印が両腕に装着し、リボルバーを袖から取り出して二丁拳銃で剣心に乱射している。(尚、プロップはタクシードライバーのスリーブガンを元に構造を再現し販売されていたエアガン用のギミックを流用している模様。)
関連記事
親記事
兄弟記事
コメント
pixivに投稿されたイラスト
すべて見るpixivに投稿された小説
すべて見る中二病患者の妄想幻想録Ⅱ[ツヴァイ]
前作「中二病患者の妄想幻想録」の執筆を経て小説家となった神喰 閃が10年の時を経て、頑なに語ろうとしなかった自分の高校時代の出来事を描いた作品。16,179文字pixiv小説作品