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Taxi_Driver

たくしーどらいばー

『タクシードライバー』(Taxi Driver)とは、1976年に公開されたマーティン・スコセッシ監督の映画。
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You talkin' to me? Then who the hell else are you talkin' to? You talkin' to me? Well I'm the only one here. Who the fuck do you think you're talking to?

「俺か?俺に用か?俺に話しかけてるんだろ?どうなんだ?ここには俺しかおらん。ありがとよ、このクソ野郎」


作品解説編集

1960年代後半から70年代にかけて起こった《アメリカン・ニューシネマ》という現象の最後の代表作と言われている作品。

第26回カンヌ国際映画祭パルム・ドール(最高賞)受賞作品。


監督マーティン・スコセッシと主演のロバート・デ・ニーロは、今作でゴールデンコンビとして知られるようになり、これまで8作品を手がけている。

デ・ニーロが本作の撮影のため、実際に数週間タクシーの運転手として勤務し、役の研究を行った逸話でも有名。また、家出少女アイリスを演じたジョディ・フォスターは、当時13歳だった。


原案は『暗殺者の日記』。州知事の暗殺未遂事件を起こしたアーサー・ブレマーという男の手記で、孤独の中で鬱屈していく心理に共感したポール・シュレイダーが脚本化。同じく非モテであったスコセッシを紹介され、映画化に至った。

何も守るものを持たない鬱屈した個人による、社会への反乱という本作のテーマは、ベトナム戦争での失敗を経たアメリカに大きな反響を及ぼした他、後続の創作物に多大な影響を与えた。

ちなみに、ブレマーは『時計じかけのオレンジ』に触発されて暗殺未遂を起こしたが、それを基に製作された今作はロナルド・レーガン大統領の暗殺未遂事件の犯人ジョン・ヒンクリーに強烈な影響を与えて事件の引鉄となり、

バージニア工科大学銃乱射事件(32人死亡)の犯人チョン・スンヒは本作の有名シーンを模倣した写真をマスコミに送りつけたといういわくがついている。

さらに言うと『時計じかけのオレンジ』の原作小説は、犯罪被害に遭った作家の経験に基づいているため、犯罪と作品化の皮肉な連鎖が続いたことになる。


有名なシーンに、トラヴィスが「俺に話しかけてるのか?」と鏡の前で抜き撃ち練習をする場面と、モヒカンにした彼が人差し指をに見立て自分のこめかみにつきたてる場面がある。

またクライマックスの銃撃戦後の光景を上から俯瞰したロングショットは、実際にマンション上階の床を取り払って撮影が行われた。



あらすじ編集

ヴェトナム帰還兵のトラヴィス・ビックルは、不眠症のためマトモな職業に就くことができないという理由で、深夜タクシーの運転手として就職する。

同僚とも打ち解けず、趣味ポルノ映画の鑑賞だけという孤独な日々。真夜中のマンハッタンにはびこるドラッグ犯罪を見るにつけ、トラヴィスの中で鬱憤がたまっていく。


そんなトラヴィスもをした。次期大統領候補パラダインの選挙事務所で働くベッツィーという女性事務員に一目ぼれをしたのだ。積極的なアプローチでデートにこぎつけるトラヴィスだったが、いつもの癖でポルノ映画を観に連れて行ったためフラれてしまう。

ある日、トラヴィスのタクシーに少女が乗り込むが、屈強な男にすぐ連れ戻された。そのアイリスという少女は、家出をして売春婦になり、ヒモにいいように使われていた。トラヴィスは彼女を説得しようとするが、ヒモに「愛している」と囁かれているアイリスは聞く耳を持たない。


トラヴィスの不眠症はますます深刻さを増していき、心の荒みきった彼はやがてこの腐った街を浄化してやるという衝動に動かされ、犯罪の計画を立て始める。

売人から非合法に銃を手に入れ、射撃の訓練と筋トレでなまった肉体の強化に励み、早撃ち装置まで製作したトラヴィス。静かに、だが完全に狂気に取り憑かれた彼は鏡の自分に向かって笑いながら話しかけ、素早く銃を抜く。

「俺に用か? 俺に向かって話しているんだろう? どうなんだ?」


頭をモヒカンに刈り上げ、衣服に武装を仕込んだトラヴィスは、パラダイン議員の暗殺計画を決行すべく、演説現場へ現れる。しかし警備に見つかってしまい、トラヴィスは次にアイリスが売春を行っているアパートへと乗り込む。

見張り役のヒモを撃ち殺し、自分も首と肩に銃弾を浴びながらも、トラヴィスは売春の元締め、用心棒とアパートにいた男たちを皆殺しにする。最後に自らの喉に銃を当てるトラヴィスであったが、自殺しようにも拳銃に弾はもう残っていなかった。「殺さないで!」と泣き叫ぶアイリスの傍に座り込んだトラヴィスは、駆けつけてきた警察官たちに対し虚ろに笑いかけ、指鉄砲をこめかみに向けて自殺の真似をして意識を失う。


病院で目覚めた時、トラヴィスはギャングと戦って少女を救いだしたヒーローとして祭り上げられていた。

再びタクシードライバーとして働き出したトラヴィスはベッツィーと再会し、彼女は気がある素振りを見せるが、もはや彼は意に介さずにタクシーを走らせる。

彼の人生は今や一つの方向に向けて急速に加速しつつあった。


キャスト編集

役名配役日本語吹き替え(TBS『月曜ロードショー』/DVD)
トラヴィス・ビックルロバート・デ・ニーロ津嘉山正種/宮内敦士
ベッツィーシビル・シェパード田島令子/井上喜久子
アイリスジョディ・フォスター冨永みーな/木下紗華
スポーツハーヴェイ・カイテル日高晤郎/東地宏樹
ウィザードピーター・ボイル寺島幹夫/浦山迅
トムアルバート・ブルックス野島昭生/村治学


メインスタッフ編集

監督 - マーティン・スコセッシ

脚本 - ポール・シュレイダー

製作 - マイケル・フィリップス / ジュリア・フィリップス

音楽 - バーナード・ハーマン

撮影 - マイケル・チャップマン

編集 - トム・ロルフ

配給 - コロンビア映画



データ編集

公開 - 1976年2月8日(アメリカ) / 1976年9月18日(日本)

上映時間 - 114分

製作国 - アメリカ合衆国

言語 - 英語 / スウェーデン語



関連タグ編集

映画 / 洋画 / アメリカ映画 / ニューシネマ / 映画の一覧

犯罪 / モヒカン

タクシードライバー


ジョーカー(映画)/ザ・バットマン:両作とも本作の影響を色濃く受けた作品として知られる。

HotlineMiami:本作から強い影響を受けたPC用アクションゲーム


外部リンク編集

タクシードライバー (1976年の映画) - Wikipedia

映画 タクシードライバー - allcinema

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