始めに
執筆依頼にて、弱形に関する記述の依頼がありました。
「英語」を親記事に設定する前に
- 該当項目を表す日本語の記事は投稿されていませんか? (例 :「犬(ドッグ)」)
- 該当項目を表すアルファベット表記の記事は投稿されていませんか? (例 :「dog(ドッグ)」)
- 「pixpediaで分割された項目」を親記事に設定することは検討しましたか?
- 「英単語」を親記事にすることを検討しましたか?
概要
ヨーロッパのグレートブリテン及び北アイルランド連合王国(英国/イギリス)の本土南部イングランド地方において成立した言語である。
本来は他のインド・ヨーロッパ語族の言語(ドイツ語、ラテン語、ギリシア語など)と同じ屈折語であるが、歴史的変転により中国語などのような孤立語に近づいている。系統上はドイツ語やオランダ語と同じゲルマン系の言葉であるものの、フランス語やラテン語など他の言語からの借用語が多い。
他のヨーロッパ系の言語に比べて動詞の活用が大きく単純化している(一部のケースを除いて、文法における人称による動詞の活用の変化があまり見られない)のが大きな特徴である。また、他の言語に見られるような、名詞における性はほとんど消失しており、特別な例を除いて、形容詞や冠詞などの品詞が、名詞の性別や単複などの要素に影響を受けることはない。こういった単純化した活用などが、世界中で広く学ばれる一つの要因ともなっている。
他方、綴り字(spelling)は一貫した法則もなく無茶苦茶である。英語の綴りの複雑怪奇さ、理不尽さはしばしばジョークになるほどだが、こうなってしまったのにも歴史的経緯がある(→ghoti)。
話されている地域の広さを反映して発音的に多様な言語であり、様々なバリエーションが存在する(発祥地のイングランドでも方言差が著しく、その他スコットランド英語、アメリカ英語、オーストラリア英語、インド英語など)。しかしイングランドの英語が標準語で他が方言、というわけではなく、地域ごとにそれぞれ標準語としての英語が存在している。特にスコットランドのローランド地方ではいわゆるスコットランド英語とは別に現代英語が確立する前の古い発音を色濃く残した言葉が存在しており、これを「スコットランド語」という英語とは別の言語として扱う事もある(日本で言えば沖縄語(ウチナーグチ)と日本語沖縄方言(ウチナーヤマトグチ)の関係に近いといえる)。このため、同じ英語を話す国の人同士でも「相手の発音に慣れていないのでうまく聞き取れない」ということは普通に起こりうる。日本の英語教育のスタンダードとして用いられているのはアメリカ英語である。この発音はイギリスの発音とは少々違うが、標準発音同士であれば意思疎通に支障をきたすほどではない。
世界の共通語
20世紀以降、イギリス及びアメリカ合衆国の影響力が強い(あるいは、過去に強かった)地域で事実上の国際共通語(リンガフランカ)として広く通用し、冷戦終結後はその他の地域でも浸透している。国際機関などで「世界の共通語」と決められているわけではない(国際連合の公用語は英語、フランス語、中国語、ロシア語、スペイン語、アラビア語の6言語)ものの、国際会議などで常用されるのは圧倒的に英語である。国際共通語としては20世紀初頭まではフランス語の影響力も強かったが、現在では圧倒的な格差がついてしまった。国際オリンピック委員会やFIFAなど古い国際組織では往時の名残でフランス語が第一言語になっているが、現在ではこれらの組織でも英語が用いられることの方が多い。
英語を母語とする人口は5億人前後と推計される。これは突出して多いというわけではないが、英語圏でない国でもほとんどで第2言語として英語が学習されている。ソフトウェアの分野でも英語の重要性は圧倒的で、英語の通じやすさはIT分野の競争力に直結している。
英語で発信されるニュース、英語で書かれた書物、英語で提供される様々なサービスは他言語より圧倒的に充実している。そのため言語によって情報発信力・吸収力に格差が生じており、英語に翻訳されなかった小説や論文などは国際舞台において無視されることがある。「作品が英語に訳されていない小説家はノーベル文学賞の対象にしない」と決められているわけではないが、受賞している非英語圏の作家のほとんどは優れた英語翻訳があることが決め手となっている。
日本における「英語」
多くの日本人は一般的に英語が不得意であると言われている。これは日本の英語教育は明治時代から和訳に重点を置いていたためであって、「英語で会話は苦手だが少々程度なら読むことはできる」という人は多い。
「弱形」と呼ばれる特殊な発音方法を理解できず何を言ってるのかわからない事がしばしば発生する。
日本の英語学習者は、音節、時制、完了形の理解が曖昧と言われる。特に時制、完了形は、日本語の癖がついていると中々身に付かないとされる。要は肝心の英語学校教育を疎かにしてネイティブ神話に拘って、結局は語学力が身に付かないという事である。また、学校教育におけるアメリカ英語の高速で曖昧な発音や省略形が日本人に合わず、イギリス英語の方が日本人に向いているのではないかという人もいる。タメ口文化の英語と敬語文化の日本語ではそもそも文化面が違い、そこも日本人の英語上達が思わしくない原因という説もある。
外国人タレントのボビー・ジュードは自身のYouTube公式チャンネルの動画で「日本人が英語を習得していることを凄い事、特別な事と思わせるようなメディアの姿勢」「間違っている英語を使っている日本人を見下し、馬鹿にし、笑い者にする風潮」を、日本人が英語を得意としない要因として挙げている。
日本は自国資本の企業によって経済が成り立っている関係上、労働の場でも日本語が基本であり、ほぼ全ての国民は日本語だけで生活に不自由がない。しかも英語圏の国から日本は離れているということもあって、(近年は英語圏からの観光客が増えてるとは言え)日本では英語の必要性が高いとは言えない。
よく言われるのは「日本人は中学・高校で合計6年間も英語の勉強をしているに英語を話せない(2020年度より小学5年次から必修、計8年間)」という批判である。浪人時代と大学時代の基礎学習を入れると、中高6年間よりもさらに2年から3~4年、下手したら5年は上積みされる計算であったりする。だがそれも、日常生活において常に英語を使用している訳ではない子を考えると、中々上達しないのも無理からぬことである。また、小学校であっても他の学年で独自に英語授業を行っている場合も多い)
なお、アニソンやJ-POPでは、サビなどで急に英語の歌詞が出てくるのは普通だが、文法が間違っていることが非常に多いため、英語圏でこの点をネタにされたりしている。また安物のTシャツにプリントされている英語も、しばしばメチャクチャである。しかし英語圏の人も、意味不明な日本語がプリントされたTシャツを着ていたり、間違った漢字をタトゥーにしたりしているので、まあ他言語への憧れは同じような感じだ。(母音から始まってる単語なのに「ジ」、じゃなくて「ザ」から始まってたりとかこの国ではザラである。まあ、語感優先という面もある為、仕方がないのだが。)
漢字表記をそのまま英語に訳す事ができたり、ニュアンスがほぼ一緒な和語がある為(例えば水瓜はまんま「water melon」、ノコギリザメはまんま「saw shark」である)に勘違いされやすいが、漢字表記がそのまま英訳できるわけではないし、ましてやあちらさんと日本人の感性が一致しているとは限らない。
これを鮫で例えてみよう。鼬鮫は英語では「weasel shark」ではなく、「Tiger shark」(虎鮫)となる。ちなみに、これを日本語でそのまんま再翻訳すると「虎鮫」となるが、日本語でトラザメというとトラザメ科の鮫を指す…ややこしいッ!流石に英語の授業でこんな細かい表現を習うことはないだろうが、参考までに。(日本語と英語のギャップについては和製英語やスカイママの項目も参照されたし)。
日本人が英語を習得するにあたって誰かが作った本来の英語の文法を無視した「和訳」という先入観は捨てるべきであり、「意訳」(つまり言いたいことはこういうことではないかな)で覚える方がある程度は独学で身に付けやすくなる。
そもそも、文法が違うということは我々日本人と英語を使う人達との文章の作り方に対する認識の時点で違うものであり、例えば
「あなたは私に何を求める?(何か用?)」(=What do you want to me?)だったら日本人はそのまま言葉に出来るが、これに対し英語の場合だと
「何を したい あなた 求める 対象 私に」くらいの頭の構成(ニュアンス)で伝える必要がある。先の文章の後に()で要約された様に日本語は主語を省略しても会話が成り立つ場合が殆どだが、英語はそうはいかずちゃんと主語を入れないと成立しない。(でないと「What do you mean?(どういう意味?)」で返される)
文法の違いとはそういうものでありそこを踏まえてあとは単語さえ徐々に覚えれば英語に対して慣れていけるのではないかと思う。
日本における英語化論
日本では英語併用論、英語化論が古くから主張されている。明治初頭に後の初代文部大臣の森有礼が、また、終戦直後に「憲政の神様」の異名を取る尾崎行雄が「英語を日本の国語に」と主張したことがある。
民間企業でも、「以心伝心」といった日本文化を排除し社内体質を変革するためと、海外人材の獲得には英語の使用が有利だとして、日本語の排除と英語への置き換えが叫ばれることがある。実際にユニクロの経営法人であるファーストリテイリングや楽天では、経営者の考えによって社内公用語に英語を利用しているため、国内で完結する業務であっても社内では英語を使わなければならない(英語だけでは誤解が生じやすい場合は日本語を補助的に使うことは許されている)。しかし、従業員や顧客の多くが日本人である事業者であえて英語を使うとコミュニケーションコストが無駄に高くなる(日本語ならすぐ伝わる内容を英語で苦労して伝えなければならない)上、日本人採用の幅が狭まる(英語は得意ではないが優秀な人材を逃すことになる)として追随する企業は少ない。
英語を公用語としている国・地域
アジア・オセアニア・アフリカなどでは、かつて長らくイギリスやアメリカといった英語圏の国の支配下にあり植民地であった経緯から、英語の通じる地域が多い。
ただし、この中には識字率が低い(そもそも母国語の読み書きも満足にできない国民が多い)国も含まれることに留意されたい。
アジア
- インド(他にヒンディー語と14の言語)
- シンガポール(他にマレー語、タミル語、中国語)
- 中華人民共和国の一部/香港(他に広東語)
- パキスタン
- パプアニューギニア(他にトク・ピシン語、ヒリ・モツ語)
- パラオ(他にパラオ語(、更に日本語も公用語とする州も存在する))
- フィリピン(国語はフィリピン語)
- ブータン(他にネパール語、ゾンカ語)
- マレーシア(他にマレー語、タミル語、中国語)
オセアニア
- オーストラリア
- キリバス
- ソロモン諸島
- ツバル(他にツバル語)
- トンガ(他にトンガ語)
- ニュージーランド(慣習的な公用語、法的にはマオリ語)
- フィジー(他にフィジー語、ヒンドゥスターニー語)
- ミクロネシア連邦
- マーシャル諸島(他にマーシャル語)
北アメリカ
中央アメリカ
ヨーロッパ
アフリカ
- ウガンダ(他にスワヒリ語)
- ガーナ
- ガイアナ
- カメルーン(他にフランス語)
- ガンビア
- ケニア(他にスワヒリ語)
- サモア(他にサモア語)
- ザンビア
- シエラレオネ
- ジンバブエ
- スワジランド(他にスワジ語)
- セーシェル(他にセーシェル・クレオール語、フランス語)
- セントクリストファー・ネイビス
- セントビンセント・グレナディーン
- セントルシア
- タンザニア(他にスワヒリ語)
- トリニダード・トバゴ
- ナイジェリア
- ナミビア
- バヌアツ(他にビスラマ語、フランス語)
- バルバドス
- ベリーズ
- ボツワナ(国語はツワナ語)
- マラウイ(他にチェワ語)
- 南アフリカ(他にアフリカーンス語、南ンデベレ語、北部ソト語、ソト語、スワジ語、ツォンガ語、ツワナ語、ヴェンダ語、コサ語、ズールー語)
- モーリシャス(他にフランス語、クレオール語)
- リベリア
- レソト(他にソト語)
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