概要
インド・ヨーロッパ語族の語派(サブグループ)の一つ。
主に中欧やベネルクス三国、北欧などといったゲルマン人国家において用いられる。また、大航海時代にイギリスやオランダが大規模に世界進出した結果として、北アメリカやオセアニアを中心に世界各地にゲルマン語派に属する言語(大多数は英語)の話者が散らばっている他、英語、オランダ語、ドイツ語を由来とする語彙も世界中の言語の中に散見される。
太古にはルーン文字による表記が広く行われていた他、ゴート文字などの独自の文字体系を用いる言語も存在していたが、現在ではごく一部の例外を除いてほとんどがローマ字による正書法となっている。
下位分類
大きく分けて、東・西・北の3グループに分類される。
東ゲルマン語群
ゴート語をはじめとするいくつかの古代語が属する。すべて死語。
西ゲルマン語群
現存するゲルマン語派の言語の中で、相対的に南側で話されている言語群。イタリック語派と並んでヨーロッパの中でも特に経済的・産業的に発展した地域で用いられており、英語を除いて欧州外での話者数は多くないもののそれなりの影響力を有している。英語、ドイツ語、ルクセンブルク語、オランダ語、アフリカーンス語などが該当。
北ゲルマン語群
現存するゲルマン語派の言語の中で、相対的に北側で話されている言語群。別名「ノルド語」。西ゲルマン語群に比べると話者数は大幅に少なくなるが、それでもデザインや福祉関係の用語などで定着している北ゲルマン語群由来の単語もある程度存在する。デンマーク語、スウェーデン語、ノルウェー語、アイスランド語などが該当。相互に通訳なしで意思疎通が可能なほど似ており、これらの言語の言語的な近さを数値的に測る「相互理解性」は、日本語における各方言よりもはるかに大きい(東京弁と鹿児島弁の会話以上に話が通じる)。そのため、どれか一つ学べば他もある程度わかるようになるという、語学オタク的にはお得な言語群である。