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ゲルマン人

げるまんじん

ヨーロッパ北部を祖とする諸部族で現在のドイツ・オランダの人種の大部分を構成する。

概要編集

ヨーロッパの北部からヨーロッパ各地に広がった諸部族の総称。ヨーロッパ北部を祖とする諸部族で現在の・ドイツオランダの人種の大部分を構成する。世界史で登場する「ゲルマン人の大移動」が知られる、今の北欧から広がり欧州各地を荒し回ったノルマン人もゲルマンの一つである。


歴史上初めにゲルマン語を話した部族・部族連合である原始ゲルマン人は、上述した現在のオランダ人ドイツ人の他に、デンマーク人スウェーデン人ノルウェー人アイスランド人アングロ・サクソン人などの祖先にもなったとされる。


人種的には白人コーカソイドに含まれる人々であるが、共通の民族としての意識は存在しなかったと考えられている。彼らはヨーロッパ各地に侵入し、現地の民族と混血した。


このゲルマン人の系譜を引く民族はゲルマン系民族と言われ、現代ではイギリスのアングロサクソン族(イングランド人の主流)、ドイツ民族、スヴェーア族(スウェーデン人)などがこれに当たると言われているが、彼らはゲルマン系の言語を話しているという共通点を持つだけで、それぞれに歴史や文化は独自のものを持つ別の民族である。またその言語も、互いの学習はさほど苦労はしないがそのままでは互いに通じないほどに異なる。


ナチスドイツが提唱した「ゲルマン民族こそ選ばれし民族」「アーリア人=ゲルマン民族」という説(アーリアン学説)は後世のこじつけが多く根拠薄弱である。ちなみにアーリア人とは中央アジアからインドに侵入し、カーストの上位を占めるようになった民族の自称。アーリアン学説は純粋な白人を指す名称として、この名を転用したものである。


【特徴】編集

  • 一般的に想像される白人種の特徴である金髪・碧眼・長身の条件に当てはまる人が生まれやすい確率が高い人種である。地域差もあり、諸民族と多く交わったドイツ人になるとその傾向は弱まる。
  • ローマ共和国(ローマ帝国)末期に入るまではまだヨーロッパ世界の民族とされていなかった。
  • 初期キリスト教会が分裂したきっかけに深く関わっている。初期キリスト教は、明確に偶像崇拝と非信者の地獄行きという教義を有していたのだが、偶像を用いた複数の神を崇め、先祖を崇拝するゲルマン人はそれに激しく反発をした。このため、ローマを中心とした西方の教会は偶像を用いたり、煉獄という概念を生み出して先祖の救済ができると説いた。しかし、コンスタンティノープルを中心とした東方教会はイスラム教勢力と直接対峙する必要性もあったことなどからこれを非難し、兼ねてより東西交流が少なくなって各方面で乖離が甚だしくなっていた両者の関係悪化は決定的なものになり、分裂へとつながった。

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