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『あー、もう1つだけ言ってたな。「いつかは分からんがイかれた科学者一人の小僧がこの本の事を聞きにやって来るだろう。」もしソイツらがやって来たら…妙だな、まさかお前とは思わなかった…テメェの命はもらったぜマヌケが!』


『これが"因果は巡る"ってやつだな…マクフライの親子を同じ銃で殺るとはなぁ…!』




概要編集

演:トーマス・F・ウィルソン

吹替:谷口節/玄田哲章/斎藤志郎/島香裕/新垣樽助


フルネームはビフ・ハワード・タネン(Biff Howard Tannen)。

シリーズを通しての悪役で、初登場時はサラリーマンのジョージ・マクフライ(主人公:マーティの父親)をアゴでこき使い、自分の仕事を押し付けたり、飲酒運転でジョージの車をぶつけるなどの悪徳パワハラ上司であった。


相手の頭を小突きながら「もしも~し?聞こえてますか~?」(または「頭はお留守ですかあ?」)と言うのが口癖。

また、ロレインの親族に対しては「ロレインによろしく」と愛想よく述べて立ち去るのがお約束(マーティには「おふくろさんによろしく」、マーティJr.には「ばあさんによろしく」)。


「靴ひもがほどけているぞ」と言って相手が足元を確認したところで一発かますといった姑息な手を用いる一方で、頭の方はあまり良くない節が見受けられ、マーティの策略にハメられたり、しばしば言い間違えては子分に訂正されたりすることも(場合によっては「こういう時は何て言うんだっけ?」とビフの方から尋ねたケースもある)。


シリーズを通して馬糞に突っ込んで成敗されるのがお約束のパターンとなっており、『PART 2』以降は「俺は馬糞が嫌いなんだ…」(「チキショウ!なんでいつも肥料なんだ!クソー!」、「もう肥やしはまっぴらだ…」)とぼやく台詞も追加された)。


劇中での活躍編集

PART 1編集

マーティ・マクフライがタイムスリップした過去の1955年では手下を引き連れた不良高校生であり、1946年型のフォードオープンカーを乗り回しては、同級生の控えめなジョージに横暴を働いていた(とはいえ、その横暴ぶりはジョージに対してだけ向けられていたものではなかったようで、PART 2では、近所の子どもに対しても嫌がらせをしていた様子が描かれている)。その問題児っぷりから、高校教諭のストリックランドからも睨まれている。

加えて若き日のロレインに気があったようで、セクハラまがいな事をしてまで何かと自分の彼女にしようとしていた。


ところがマーティが過去に割り込んできた影響により、お気に入りの車と共に馬糞まみれにされたり、高校の社交ダンスパーティーでロレインを突き飛ばしたのを見て、ブチ切れたジョージに渾身の一発でぶっ飛ばされて気絶したりと、酷い目に遭う。


それから歴史が大きく変わってしまった1985年では、自分に自信をつけてSF小説家として成功していたジョージとは立場が完全に逆転し、マクフライ家のお抱え自動車整備士として一家には頭が上がらない状態となっていた(玄田氏版に至ってはマーティにも敬語を使い「坊ちゃん」と呼ぶありさまであった)。

次作で孫のグリフが登場する事を考慮すると、この時点で子供(グリフの親)がいると思われるが詳細は不明。


PART 2編集

本作では「学生時代である1955年のビフ」、「現代の中年時代である1985年のビフ」、「歴史改竄された1985年のビフ」、「そして2015年の年老いたビフ」の四人が登場しており、悪役というよりも裏の主人公と呼べる存在となっている。


2015年のビフは年齢のせいか、偏屈で捻くれた性格になっているが、若い頃に比べるとより狡猾で悪知恵の働く一面も見せている。しかし、ソックリの孫息子グリフ(演:トーマス・F・ウィルソン)には頭が上がらないらしく、こき使われてしまっている。彼の血筋とマーティ一家との因縁は未だに続いており、グリフはマーティの息子のマーティ・ジュニア(演:マイケル・J・フォックス)に対して横暴を働いていた。ドクによると、彼等に付き合わされて強盗に手を染めてしまった事でジュニアは刑務所に入れられ、そこから芋づる式に家族に不幸が訪れるという悲惨な未来が待ち受けていた模様。ドクとマーティによってグリフとその一味だけが別の器物破損事件で留置所に送られる羽目になった結果、ジュニアの運命は救われた。何かと自分をこき使うグリフの事は当然嫌っていたらしく、逮捕されても「間抜けが」と吐き捨てていた。

一方の老人ビフは、1985年から来た2人の話を盗み聞きしてドクのデロリアンDMC-12タイムマシンである事を知り(実は本作冒頭・1985年時点で未来に飛ぶデロリアンの光景を目撃しており、2015年での「再会」で確信した模様)、2人が連れてきたマーティの彼女を救出している間に、勝手にデロリアンで過去へタイムスリップ。何と未来のスポーツに関する勝敗が記載されたデータ本である『スポーツ年鑑』を過去の自分に手渡したのであった。(しかも、年鑑自体はマーティが購入し、ドクがゴミ箱に捨てたもの。)それにより1955年以降のビフは競馬やサッカーくじといったスポーツ賭博で大儲けして、それを元手に大富豪となっていき、遂には彼が財界人としてアメリカ全土を支配するという改変された最悪の1985年ができ上がってしまっていた。挙げ句の果てにはジョージを射殺してロレインを手籠めにするという暴挙まで働いていた。どうしようも無いクズ野郎である。ちなみにこの世界線では、ニクソン大統領の政権が4期に渡って続き、1985年までのベトナム戦争終結を目指して5期目を狙っている

しかし1955年にやってきたドクとマーティにより、壮絶な争奪戦の末に高校生のビフはとうとうスポーツ年鑑を取り返されてしまう。それでも諦めずに車のアクセルをぶっ放して、笑いながらマーティを轢き殺そうとするが、ドクが機転を利かしマーティは車を回避。そのまま(『PART 1』と同様に)馬糞の肥料を積み上げたトラックに車ごと衝突してしまい成敗された(これにより、ビフが大富豪となりアメリカを牛耳る世界線も同時に消滅した)。

ちなみにデロリアンを悪用した老人ビフは、過去の自分に年鑑を渡して帰ってきたところで、何故か徐々に体調に変調をきたしていき、最終的に消失してしまうという悲惨な末路を辿っている。ショッキングなシーンであるためなのか、本編ではカットされているが未公開映像・DVDの特典映像として視聴することは可能である。

劇中で描写されることはなかったが、何故老人ビフが元の世界に戻った途端に胸を手で押さえ苦しみながら消滅してしまったのかは、裏設定で理由が語られている。それによると、富豪となったビフは「最終的に我慢の限界に達したロレインによって射殺されるという因果応報な結末を迎えたから」との事で、苦しむ描写もその伏線であったようだ。自分の未来を変えたかったという気持ちは分からなくも無いが、過去の自分自身の迂闊さを省みれなかった結果、早死にしてしまう事になっており、あるいは歴史の修正力がその様な末路を招いたのかもしれない。ただし、上記のように歴史が元に戻ったことで最終的に彼の存在も元通りになっている可能性が高い。

PART 3編集

ドクとマーティが西部開拓時代の1885年に飛ぶ『PART 3』では、同じウィルソン氏が演じる曽祖父のビュフォードが登場する。ちなみに存在自体は『PART 2』でのビフのヒストリーで先に明かされている。

やたらヨダレを撒き散らす悪癖からマッド・ドッグのあだ名(ただし、本人はそう呼ばれることを非常に嫌っている。ついでにキレた時の言い回しが「腰抜け」と呼ばれた時のマーティとほぼ同一)で知られる凶悪な無法者の殺人者で、ドクやマーティとも大いに揉める事になる。早打ちが得意な一方で、子孫以上に頭の方は良くなく、それが災いして最終的にはマーティの奇策にまんまとハメられてボコボコに殴り倒された挙句、子孫と同じく荷車の肥料に倒れこんだところを保安官に逮捕された。

その後マーティが1985年に帰還すると『PART 1』のラストと同じ明るい我が家に戻っており、ビフもマクフライ家には愛想のいいお抱え整備士に戻っていた。


アトラクション版での活躍編集

日本にある"ユニバーサル・スタジオ・ジャパン"を含め、世界3か所のユニバーサルスタジオのテーマパークに存在していたアトラクション"バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド"でも、1955年のビフがドクと体験者の前に立ちはだかる悪役として登場していた。


「例の空飛ぶデロリアン」を知っているので、元々いた時代と時間はPART2の後と思われる。一発逆転のチャンスであったスポーツ年鑑を奪われた腹いせとでも言うかのように、体験者がデロリアンに乗る前から狙いのタイムマシンを奪った後まで大いに暴れ回った。

演じるのは映画と同じくトーマス・F・ウィルソンUSJ版では谷口節氏が吹替を行った。


なお、アトラクションは2016年5月末のUSJ版のクローズを最後に全て閉場している。

※「25thアニバーサリー Blu-ray BOX」と「30thアニバーサリー Blu-ray BOX」の特典で映像部分は現在も視聴可能。


活躍の詳細編集

ドクがPART3の後に開設した"フューチャーテクノロジー研究所"のタイムマシンが実験で1955年を訪れた際、ビフはマシンにこっそり乗り込むことで現代の研究所内に侵入した。監視カメラのレンズをスプレーで"お化粧"したり、施設の電源を落としたりするといった妨害を繰り返した末にドクを部屋に閉じ込め、彼のデロリアンを奪って逃げだしてしまう


2015年のヒル・バレーに来た所で、体験者が乗った8人乗りデロリアンの追手が現れた。彼は追手を執拗に煽ることで、遠隔操縦のために運転が不安定な相手を看板や木々など街の至る箇所へ何度もクラッシュさせたのであった。


次は氷河期へ逃げ、ここでも体験者一行のデロリアンを歌いながら煽る余裕を見せつけた。雪崩に相手が巻き込まれたのを後目に、今度は恐竜の時代にタイムスリップする。


ここでは、デロリアンを丸のみできるほど巨大なティラノサウルスに対して「ハロー?誰かいるか?」とお馴染みの台詞を言う余裕ぶりを見せた。T-レックスを手懐けて相手のデロリアンを食わせようとするものの、上手くはいかずに弾き飛ばされてしまう。そして運悪くも彼が乗っているデロリアンの次元転移装置が故障し、タイムスリップができなくなってしまう。


溶岩の滝へ車が流されていく中、ビフは恐怖の余りに今まで散々煽ってきたドクと体験者に助けを請い始める。最後は車がマグマの滝つぼに落ちる寸前で8人乗りデロリアンに追突され、共に現代の研究所へと帰還。半壊したデロリアンから研究員によって引きずり出され、身柄を確保された。


余談編集

  • ビフとその子孫と先祖を演じたトーマス・F・ウィルソンであるが、シリーズ三部作を通じて本物の肥料(クソ)に突っ込んだ体当たり演技のおかげからなのか、アカデミー賞助演男優賞を受賞した。なお演じた役柄とは対照的に、ウィルソン氏は幼少期は大人しい性格で逆に周囲からいじめられる立場であったといい、役者の仕事ゆえ仕方がないとはいえ、いじめっ子のビフを演じるのは非常に心が痛むものもあったと述べている。
  • 『PART 3』ではスタントなし乗馬の演技に臨んでいる。馬に乗りながら投げ縄を投げるシーンにはかなり苦労したとのこと。
  • アトラクション版の最後の出番は研究員に捕まるというシーンになっていたが、実は映画と同じく研究所でも肥料まみれにされる別エンディングが撮影されていた。

※以下の動画の5:25から


USJ版ではカットされていたが、待ち列で見れる映像の中にドクが肥料をよりクリーンなエネルギー源に変換できる装置を紹介するシーンがある。

※以下の動画の3:08から

恐らくこの装置の実験用に確保していたものを、研究員がビフを黙らせるためにぶっかけたものと推測できる。


関連タグ編集

バック・トゥ・ザ・フューチャー 洋画 不良 悪役

アメリカ合衆国 カリフォルニア

トーマス・F・ウィルソン


ドナルド・トランプ

:脚本家のボブ・ゲイルによると悪の改変がされた1985年のビフは、制作当時不動産王として有名な財界人であったトランプ氏をモデルにしており、その後シカゴ・カブスワールドシリーズ優勝と合わせて彼が実際に国家の権力者たるアメリカ合衆国大統領となった事から、「まるで未来を予言していたかのようだ」と世界中で話題になった。ちなみに権力者になっていた時のビフは、大統領就任時のトランプ氏の容姿ともよく似ておりこの点でもよくネタにされている。なお、公開当時は日本ではトランプ氏はまだ知られていなかった。

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