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2024年の優勝チーム…

ロサンゼルス・ドジャース(4年振り8回目の優勝)


概要編集

アメリカプロ野球リーグであるMLB(大リーグ)における、アメリカンリーグナショナルリーグの「リーグ優勝」球団同士による優勝決定戦。


名前は「ワールド」となっているが、これは初開催当時はアメリカ以外にきちんとしたプロ野球リーグのある国や地域が無かったからであるとされ、実際は「全米一」を決める短期決戦である。

現在は、東アジア中南米地域を中心に野球がある程度浸透し、それらの国にもプロリーグが設立され、さらにはWBCプレミア12など、野球の世界大会が開催されるようになっているが、現在でもアメリカ国内ではこれらの大会よりもワールドシリーズの制覇こそが野球界で最高の栄誉とする向きが強く、この座を賭けて全米の球団が鎬を削りあうことになる。


歴史編集

現在に繋がるシリーズは1903年より開始。しかし1904年、ナショナルリーグの優勝チームであるニューヨーク・ジャイアンツは新興のアメリカンリーグを格下と見做して「マイナーリーグとの対戦など出来ない」と拒否したことで世間からの非難を浴びてしまう。そのためワールドシリーズはナショナル、アメリカン双方のリーグ優勝チームが対戦して年間最高優勝チームを決めるシリーズとするよう規約が制定された。


当初は両リーグとも8球団だったため、年間優勝チーム同士がそのまま進出して対戦した。

1969年、エクスパンション(リーグ拡張)による球団数増加に伴い、両リーグとも12チームとなったことから、東西2地区制を導入し各地区の1位によるリーグ優勝決定シリーズに勝ったチームがワールドシリーズに出場する方式に改められた。

1994年、さらに球団数が増えたことで中地区が新設されて3地区制となる。両リーグ3地区の優勝チームと、ワイルドカード(両リーグ各地区の優勝チームを除いたうちで勝率が最も高い1チーム)の計8チームによる地区シリーズが導入されたが、この年は選手会がストライキを行なったためワールドシリーズどころかポストシーズンそのものが開催されず、実際にこの方式でポストシーズンが行なわれたのは1995年からになった。

2012年からはワイルドカード枠が各リーグ2枠となり、ワイルドカードの2チームが一発勝負で直接対決するワイルドカードゲームが導入された。

2020年はCOVID-19の感染拡大対策としてレギュラーシーズンが60試合に短縮されたことに関連して、各地区上位2位とワイルドカード各リーグ2チームの計16チームによるポストシーズンとなった。

2022年からはワイルドカードが各リーグ3枠になり、プレーオフの1回戦前も最大3戦の(先に2勝したチームが勝ち上がる)ワイルドカードシリーズに変更された。

こうして各リーグのプレーオフを勝ち上がってきたチームをリーグチャンピオンとして、最後まで残った2チームがベスト・オブ・セブン方式の(最大7試合を行ない先に4勝したチームを優勝とする)ワールドシリーズで直接対決して年間総合優勝を決定する。


ルール編集

ワールドシリーズと明記しているが、ここではその前段階についても説明する。


ワイルドカードシリーズ編集

地区優勝を除いたチームのうち、勝率が高い3チーム(ワイルドカード)と地区優勝チームの中で、1番勝率が低いチームの4チームが参加。

ワイルドカード勝率1位vsワイルドカード勝率2位と、ワイルドカード3位vs地区優勝3位のチームで3試合行い、先に2勝したチームがディビジョンシリーズに進出する。


ディビジョンシリーズ編集

レギュラーシーズンで、地区優勝したチームのうち、勝率が高い2チームはここから参加。

(ワイルドカード勝率1位vsワイルドカード勝率2位)の勝者vs地区優勝2位のチーム、(ワイルドカード3位vs地区優勝3位のチーム)vs地区優勝1位のチームで5試合行い、先に3勝したチームがリーグチャンピオンシップに進出する。


リーグチャンピオンシップ編集

ディビジョンシリーズを勝ち上がってきた2チームで7試合行い、先に4勝したチームがリーグチャンピオンとなり、ワールドシリーズに進出する


ワールドシリーズ編集

ナ・リーグのリーグチャンピオンvsア・リーグのリーグチャンピオンで7試合行い、先に4勝したチームがワールドチャンピオンとなる。


ホームアドバンテージ編集

これらのシリーズにおいて、成績が上位のチームは本拠地での試合が多くなる。ワイルドカードシリーズではワイルドカード1位と地区優勝3位のチームが持ち、全てホームアドバンテージを持ったチームの本拠地で行われる。ディビジョンシリーズは地区優勝1位と地区優勝2位が持ち、リーグチャンピオンシリーズではレギュラーシーズンの勝率が高いチームがアドバンテージを持つ。ただし、片方がワイルドカードからリーグチャンピオンシリーズに進出した場合、勝率問わず、地区優勝チームがホームアドバンテージを持つ。ワールドシリーズでは成績が良いチームの方がホームアドバンテージを持つ(同じ成績なら、勝率が高い方がホームアドバンテージを持つ)。


主な成績編集

※以下の数字はいずれも2024年時点


出場回数・優勝回数ともにニューヨーク・ヤンキースが他球団を圧倒している(出場40回、優勝27回、最長5連覇、出場8シリーズ連続優勝など)。2024年時点でヤンキース以外に優勝回数が2桁に到達しているのはセントルイス・カージナルス(11回)だけである。

ワールドシリーズ連覇を最初に達成したのはシカゴ・カブスで、1907年・1908年と連覇したが、その直後から「ビリー・ゴートの呪い」と呼ばれる108年の最長優勝間隔記録を作ることになる。現在、優勝から最も遠ざかっているチームは2016年にそのカブス相手に敗れたクリーブランド・ガーディアンズである。

一方、総合準優勝数が最も多いのはロサンゼルス・ドジャースの14回。ブルックリン・ロビンス時代から通算して初出場から7回、当シリーズ連続出場した後に敗れ、総合準優勝となったのもワーストである(初出場の条件を含まなければカブスもワーストタイとなる)。複数年当シリーズに連続出場したうえでの連続して総合準優勝となったのは、デトロイト・タイガースニューヨーク・ジャイアンツの3年連続が最長ワーストとなる。

ナショナルリーグアメリカンリーグ共に第1回ワールドシリーズ開催当時から存在しているチームには全て2回以上の優勝経験がある。最も少ないチームはガーディアンズとフィラデルフィア・フィリーズで優勝2回。フィリーズは初優勝も2度目の優勝もエクスパンションチームのニューヨーク・メッツに先を越されている(2度目の優勝に関してはメッツのみならずトロント・ブルージェイズフロリダ・マーリンズ(現在のマイアミ・マーリンズ)にも先を越されている)。


エクスパンションチーム(1960年以降に創設されたチーム)ではメッツ、ブルージェイズ、マーリンズの他にカンザスシティ・ロイヤルズヒューストン・アストロズが2回優勝しているのが最多となっている。ブルージェイズはカナダ(アメリカ国外)に本拠地を置くチームとしてのワールドシリーズ初出場・初優勝・初連覇・最長連覇を記録している(連覇に関してはエクスパンションの14チーム中でも唯一である)。

マーリンズはワールドシリーズでは初めてワイルドカードからの勝ち上がりで優勝したチームであり、ワイルドカードからの優勝2回はMLB単独最多となっている一方で球団創設以来1度も地区優勝をしていないチームでもある。


ミルウォーキー・ブルワーズサンディエゴ・パドレスシアトル・マリナーズコロラド・ロッキーズタンパベイ・レイズの5チームは総合優勝経験無し。レイズ、パドレス、ロッキーズ、ブルワーズは最高総合成績が準優勝で、マリナーズに至っては出場経験自体が無く、最高総合成績は3位(ナショナルリーグチャンピオンシリーズで2001年当時敗れたチームとの勝率比較で優勢な為)となっている。さらに他の29チームはマリナーズが創設された1977年以降に進出経験があるためマリナーズはシリーズ出場から最も遠ざかっているチームでもある。


優勝経験が無いチーム同士の対戦は6回あり(1903年、1905年、1906年、1909年、1920年、1980年)、エクスパンションチーム同士の対戦は3回あり(2015年、2019年、2023年)、ワイルドカードから勝ち上がったチーム同士の対戦は3回ある(2002年、2014年、2023年)。


ワールドシリーズに出場経験のある日本人選手編集

太字は優勝経験者および優勝した年

選手名所属チーム(出場時)出場年備考
新庄剛志サンフランシスコ・ジャイアンツ2002日本人選手初のワールドシリーズ出場
松井秀喜ニューヨーク・ヤンキース20032009日本人選手で唯一のワールドシリーズMVP受賞者
井口資仁シカゴ・ホワイトソックス2005
田口壮セントルイス・カージナルス2006
松坂大輔ボストン・レッドソックス2007日本人選手初のワールドシリーズ勝利投手
岡島秀樹ボストン・レッドソックス2007
上原浩治ボストン・レッドソックス2013
田澤純一ボストン・レッドソックス2013
青木宣親カンザスシティ・ロイヤルズ2014
ダルビッシュ有ロサンゼルス・ドジャース2017
前田健太ロサンゼルス・ドジャース2017、2018日本人選手で唯一2年連続でワールドシリーズに進出
大谷翔平ロサンゼルス・ドジャース2024前球団から移籍1年目でのワールドシリーズ制覇。メジャー挑戦7年目でのワールドシリーズ制覇は日本人選手では松井秀喜・田口壮と並んで最遅タイ
山本由伸ロサンゼルス・ドジャース2024日本人選手史上最年少でのワールドシリーズ制覇達成(当時26歳)、プレミア12オリンピックWBC日本シリーズと併せて球界史上初の5冠を達成

ちなみに、日本人選手で最初にワールドチャンピオンリングを獲得したのは、ニューヨーク・ヤンキース時代の伊良部秀輝である(1998年1999年の2回獲得。ただし、ロースター入りできなかったため、ポストシーズンの出場はなし)。


関連タグ編集

野球 プロ野球

MLB/大リーグ アメリカ


日本シリーズ:NPBの日本一決定戦。第1回のみ名称は「日本ワールドシリ-ズ」だった。


スーパーボウルNFLアメリカンフットボール)の優勝決定戦。

スタンレーカップNHLアイスホッケー)のプレイオフ。優勝チームに与えられるカップの名でもある。

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