概要
MLBの年間総合優勝チームを決めるイベント、ワールドシリーズに纏わる「優勝出来ない」系のジンクスの1つで、「ポストシーズンの期間中に、自身の誕生日にホームランを打った選手はワールドシリーズ優勝を経験出来ない」とするものである。
但し、その“バースデーアーチ”をポストシーズン中に打った選手が2024年シーズン終了時点で4人しかおらずサンプルが少ないこともあり、知名度は低い。
解説
現地時間2023年10月16日、ナショナルリーグチャンピオンシップシリーズの第1戦の1回裏に、フィラデルフィア・フィリーズのブライス・ハーパーがホームランを記録した。
この日(10月16日)はハーパーにとって31歳の誕生日であり、自身のホームランなどもあってフィリーズは勝利を収め、幸先よいスタートを切ったはずだった。
このホームランについて、スポーツライターの宇根夏樹がYahoo!スポーツに書いた記事が『バースデーアーチの呪い』のネタ元になったようである。
曰く「ハーパーを含めてポストシーズン期間中に自身の誕生日にホームランを打った選手はMLBに4人いるが、過去にバースデーアーチを記録したその年のワールドシリーズで優勝した選手はいない。それどころかそれらの選手はキャリアを通じてワールドシリーズ優勝を経験していない」と云うものであった。
結局、この年にジンクスが覆ることは無く、フィリーズはNLCSで敗れてワールドシリーズ進出を逃し、優勝は叶わなかった。その対戦相手だったアリゾナ・ダイヤモンドバックスにも、過去にポストシーズンでのバースデーアーチを記録しているエヴァン・ロンゴリアが在籍していたが、こちらもワールドシリーズに敗れて優勝を果たせなかった。
なお、ロンゴリアとハーパーの間にバースデーアーチを打った経験があるコルテン・ウォンが所属していたロサンゼルス・ドジャースもこの年はディヴィジョンシリーズでDバックスに敗れていた(ウォンがドジャース移籍前に在籍していたシアトル・マリナーズに至ってはポストシーズン進出すら出来なかった)。
翌2024年は、ロンゴリアは明言を避けたものの引退を仄めかす発言をしており出場無し、ウォンはメジャー昇格機会が無かった。ハーパーが在籍するフィリーズは地区優勝してプレーオフ進出を果たしたが、ディヴィジョンシリーズでニューヨーク・メッツに敗れており、「呪い」が解かれることは無かった。
外部リンク
ネタ元∶ハーパーが31歳の誕生日にホームランを打つ。ポストシーズンの「バースデー・アーチ」は史上4人目
※なお、宇根は記事中で「呪い」と云う語句は使用していないため、記事を読んだ他者が勝手に呪いネタに使用したものと推測される。
関連項目
MLB関連で「呪い」と呼ばれるジンクス
- ボストン・レッドソックス…バンビーノの呪い
- シカゴ・ホワイトソックス…ブラックソックスの呪い
- シカゴ・カブス…ビリー・ゴートの呪い
- サンフランシスコ・ジャイアンツ…エディ・グラントの呪い
- クリーブランド・ガーディアンズ…ロッキー・コラビトの呪い
MLB以外の主なジンクス
- 阪神タイガース (NPB)…カーネル・サンダースの呪い
- ニューヨーク・レンジャーズ (NHL)…1940年の呪い
- デトロイト・ライオンズ (NFL)…ボビー・レーンの呪い
- FIFAワールドカップ (サッカー)…八咫烏の呪いなど