「私ぃー御坂さんのお友達の食蜂操祈っていいますぅ。ヨロシクね♥」
プロフィール
概要
学園都市に7人しか存在しない「レベル5」の第五位で、『心理掌握(メンタルアウト)』を有する学園都市最強の精神系能力者。
常盤台中学に所属するもう一人のレベル5御坂美琴が派閥を持たないのとは対照的に、常盤台内部の最大派閥を率いていて「常盤台の女王」とも呼ばれている。
本編である「とある魔術の禁書目録」では新約6巻から登場し、新約11巻で彼女中心のエピソードが語られた。
超電磁砲には7巻から登場。アストラル・バディではメインキャラだったが本作の完結後、彼女が主人公のスピンオフ「とある科学の心理掌握」が連載開始した。
人物
金髪に蜂蜜色の瞳を持つ美少女。
瞳にはキラキラの星が描かれている(本人曰く「生まれつき」)。
また、中学生にもかかわらず、細くくびれたウエストと制服がはちきれんばかりに大きく盛り上げるバストを併せ持つダイナマイトバディの持ち主。
その破壊力は、体型をバカにされた美琴が腹いせに胸を揉んだ瞬間に絶望に陥る程。
その悩殺的な身体つきから、美琴からは(半ば冗談で)年齢詐称を疑われたこともあるが、中学1年の夏時点では小柄で胸も小さかった(※)。要は短期間で急成長したというだけである。なお、美琴とのファーストコンタクトもこの時期である。
※身長だけで言えば、中学1年の頃は美琴よりも低かった。
可憐な見た目とは裏腹に過去の不幸な生い立ちから他人、特に科学者たちに強い不信感をもっており、「協力者の頭の中は必ず覗く」と言うほど警戒心が強い。
美琴とは正反対でお人好しとは程遠い性格をしているが、冷たい人物というわけでもない。
むしろ派閥の取り巻きや友人など身内への面倒見がよく、慈善事業も積極的に行うなど性根は心優しい女の子である。
「能力を使ってむやみに人の心を覗かない(そして覗いた場合には最後まで責任を持つ)」という自分なりのルールを定めていたり、学園都市の闇に囚われそうになっている人物を救おうとするなど、倫理観や正義感も持っている。
普段の態度は人使いも荒く(※若干ズレた善意や、八つ当たりなどで洗脳することもある)完全な女王様気質だが、自分の取り巻きや縄張りに手を出すものには容赦をしない、取り巻きに何かあればすぐに行動を起こすなど派閥のトップとしての威厳も器の大きさも持ち合わせている。
そのため彼女が取り巻きたちに対して100%私欲の為に操り、駒にすると宣言しても彼女たちの忠誠心は揺らがなかった。
食蜂を良く知る悠里千夜は
──『口ではただの手駒とかクールぶってるくせに 本当はみんなのこと大好きだから』──と彼女の性格を語っている。
美琴に対しては電磁バリアで精神に全く干渉できない上、食蜂自身が上条当麻と過去に関わりがあったことから、上条と親しい美琴に対しては嫌味な態度を取っている。
かつての親友に起きた悲劇が理由で、出会い初めの頃はまともに顔を見ることも出来なかった。
レベル5の中では珍しい物理的な力を持たない純粋な頭脳派として優秀な彼女だが、体力面では他より大きく劣っている極度の運動音痴。具体的には「走ればすぐに息切れ」「顔を水に浸けるだけで溺れそうになる」「何も無いところで転ぶ」など。体育の授業もまともに参加していないので、大覇星祭では戦力外である。
そのため、基本的にトラブルがあったときは信用できる他者を頼るか、それ以外の他者を能力で操り間接的に解決することにしているが、自ら現場に赴かざるをえない場面もあり、その際にはピンチに見舞われることが多い。
化学調味料が苦手で基本的にオーガニック料理しか口にしない。そのためラーメンなど庶民的な料理の食べ方に疎い。
話す際に「~力(りょく)」という表現を多用し、語尾が小文字になる事が多い。
例:「一応そういうコトになっているケドぉ わたしの改竄力でどうとでもなっちゃうものねぇ」
能力
強度 | レベル5 |
---|---|
能力名 | 心理掌握(メンタルアウト) |
解説 | 記憶の読心・人格の洗脳・念話・想いの消去・意志の増幅・思考の再現・感情の移植など精神に関する事ならなんでもできる十徳ナイフのような能力。 |
その根本的な原理は「ミクロレベルの水分操作」であり、体内の水分の繊細な制御、主として脳内物質の分泌、血液・髄液などの配分により間接的に精神に干渉する。水分の操作により生体電流にもに影響を及ぼしているため、無意識的に妨害できる美琴とは相性が悪い。
いつも小さな肩掛けバッグを持ち歩いており、中に入っている多数のリモコンを操作することで他人の洗脳や記憶改竄・消去などを行う。リモコンは能力の基準を作るためのもので、使用する能力に応じて使い分けている。
そのため、リモコンがないと能力の精度が下がる。
木原端数曰く、肉体を捨てる事で擬似的な幽霊として他人に憑依出来る可能性が示唆されている。
御坂美琴からの評価
美琴は「精神操作と記憶操作の両方を個人で使用できる食蜂なら、失われた上条の記憶を取り戻せるかも」と考えたが「治療と称して精神にいらない細工をされる危険もある」「知り合いの体を任せられるほど信頼できない」と最終的に評価した。
しかし食蜂本人に全くその気はない…というより、大恩人である彼に対してそんなことはしない、彼の頭の中は決して覗かないという『自分ルール』を課しているため、絶対に行わないしたとえ実行しても記憶を取り戻すことは出来ないという事が判明している。
美琴からの評価が最低なのは、美琴にだけは上条と自分の因縁が原因で、いつも上条の傍にいる美琴には、つい嫌味なことをしてしまうのが非常に大きい(要は単なるヤキモチ。性格上のソリが合わないというのもある)。
食蜂が慈善事業を積極的に行っていると聞いた美琴は「なんで私には…」と食蜂が自分にだけ冷たいことを嘆いていた。
普段はツンツンした態度しか見せないが、それでも彼女なりに美琴や『妹達』に思うところがあるようで(彼女の親友とその妹が大きな原因)遠回しに美琴を助けるなどツンデレ対応を見せることもある。
本編が新約に移行してからは、美琴とは相変わらず犬猿の仲ながら手を組むことも多くなった(→みこみさ)
とある魔術の禁書目録
旧約1巻において上条当麻が「常盤台には触れただけで人の記憶を抜き取る超能力者(レベル5)もいる」という一般的な噂の範囲で情報を知っていた。
その後、存在について何度か触れられていたが、本人はなんと超電磁砲41話で先行登場。本編ではそこから少し遅れて新約6巻で登場した。
新約禁書で活躍するキャラの一人で(後述)北欧の魔神編(オティヌス編)が終了した後の新約11巻から主要ストーリーに本格的に関わり始める。
とある科学の超電磁砲
本編の数年前「才人工房」に属していたが、能力開発の傍らドリーと呼ばれる少女の面倒を任される。能力で彼女の認識を操作し前任者の世話役に扮していたが、いつしか本物の友情が芽生えており、彼女の死後に「才人工房」の人員を支配下に置き機関を解体した。
「大覇星祭編」から物語に本格的に関わり始めるが、この前後に「絶対能力者進化計画」「妹達」の存在、そしてドリーの正体を知る。
外装代脳の乗っ取りや美琴の暴走という危機にも見舞われたが、無条件で頼れる「王子様」こと上条に美琴を任せ、自身は苦戦しつつも幾重にも渡る策を弄して幻生を退けた。
事件後、幻生の協力者だった警策看取と共に共通の友達を救出し、ここで初めて心からの涙を見せた。
とある科学の超電磁砲外伝アストラル・バディ
派閥メンバーの側近的ポジションである帆風潤子が主役の外伝であるが常盤台中学全体を巻き込んだ物語であるため、物語の主軸に関わるポジションで登場。
動物に翻弄される、隠れてバックアップしているつもりがバレバレ、クールぶっているが友達想いであると指摘されて赤面するなど他の作品では見られない彼女のポンコツな姿が描写されている。
とある科学の心理掌握
常盤台生徒会長選、迫る。有力候補の一人とされる食蜂操祈は、彼女自身の思惑とはうらはらに、周囲の人々と、最大派閥の長である宿命によって選挙戦の渦中へと――。
新約とある魔術の禁書目録 ※以下ネタバレ注意
先述通り禁書での実際の登場は新約6巻。新約7巻でもインデックスと出会って記憶喪失になる以前の上条を知っているかのような口ぶりで上条を無条件に信じて協力するなど、超電磁砲での描写も合わせて只ならぬ関わりがあった事を匂わせていた。
そして新約11巻で、食峰にとって上条は自身を救ってくれた大切な存在である事が明らかになる(蜜蟻愛愉、上食も参照)。
新約11巻
『ヤバくなったらそいつを使えよ。
ひょっとしたら、助けてやれるチャンスも増えるかもしれない』
かつて食蜂が上条に助けられた際、敵の攻撃により上条は重体になってしまい食蜂は上条を救うため心理掌握を彼に対して使用し、そのおかげで上条は一命をとりとめる。
しかし出血多量の上条に対して無理に能力を使ったため、副作用として上条は食蜂操祈の情報を記憶できなくなってしまう。
それでも食峰は、いつか上条が自分の事を思い出してくれると一途に信じ続けている。
食峰の上条への想いは「嘘偽りのない正真正銘の本物」で、自分から彼にキスをしたほど。そのため上条に関する記憶は何よりも大切なものとなっており、自身の記憶が操作された事に気づいた際には普段からは想像できないほどの凄まじい激昂を見せている。
過去と現在が混在した記憶を巡る戦いで食蜂が窮地に陥った際、上条は「彼女達」が置かれている絶望に満ちた状況を救った。たとえ何も憶えてなくても彼は食蜂が思い描くかつてのヒーローのままだった。
……まぁそのヒーロー様は世界を巻き込んだ大事変の余波で入院中だったが。当然インデックスとオティヌスが彼の無茶に怒ったのは言うまでもない。
「もしも、それでもあなたが、大人の決めたレース予想を大きく覆して、いつか私のことを思い出したり、憶えておくことが出来るようになったのならぁ」
「その時は、大切な話をしましょう?とてもとても、甘くて優しい大切な話を」
新約16巻~新約22巻
無論、そんな都合の良い奇跡など一途に思おうが実現する筈がない。新約11巻で全てを知った読者にとって新約16巻での「視界から外れた直後に忘れる上条」と「その現実を日常として受け止める食蜂」は異様な光景と言う他なかった。
新約18巻では、御坂美琴と百合作品のような空間を築きつつも、共に上条の大きな支えとなり、アレイスター=クロウリーに一泡吹かせている。
新約20巻では廃墟となった学園都市を後にし、美琴と共にバカンス。その後、上条のために戦時混乱真っ只中のイギリスへと向かい、最終的に新約21巻で上条やアレイスター=クロウリー達と合流した。
新約22巻では、引き続きクロウリー達に同行する。
新約22巻リバース
「だってあの人は私を憶えていてくれる。奇跡でも偶然でも良い。そもそも理屈なんかいらない。それでも…どんな姿になろうが、何をしようが」
「もしも記憶のあるなしで線を引いて。もしも、上条さんがこの世に2人いるとしたら」
彼女の前に現れた上条の姿を持つ存在は上条の失った記憶とあるべき人格を持った謎の存在だった。もし記憶の有無で2人の「上条当麻」を線引きするなら、彼女はどちらを上条と見做せばいいのだろうか。
聡明な彼女だが、ここまでのプレッシャーと未知の環境が重なって“上条に忘れられない”という不自然な奇跡を受け入れてしまうくらい心を乱した。
その結果、自身が上条と信じたい者に付き能力でウィンザー城を支配下に置いてしまう。
この巻で、食蜂は自身の脳へのダメージ覚悟で能力を暴走させれば、美琴の電磁バリアも破って精神操作を可能にすることが出来ると判明した(ただしその場合は脳に大きな負担が掛かってしばらく身体をまともに動かせなくなり、戦力外となる)。
アニメ
原作では妹達編終了後に登場するが、アニメ版では初登場が大幅に前倒しになり、2期『S』第1話でまさかのカメオ出演。
わずか数分間の登場にもかかわらずpixivでは放送後大量に彼女のイラストが投稿される事態に。さすがレベル5は格が違った。終盤で起きた事件の後、関係者の記憶の一部を大事にならないように改変したことが最終回ラストで示唆されている。
そして3期『T』にて本格的に登場を果たし、更にファンを増やすことになった。
とある魔術の禁書目録_幻想収束
☆3バトルキャラ・⭐︎3アシストキャラ共にかなりの数のキャラが実装されている。
イベントストーリーへの出演の機会もそこそこ多く、特に「とある乙女の運命交差」ではまだ映像化されていない上条当麻との出会いのエピソードがボイス付きで拝めるため必見。
他にも「とある幻想の二周記念」では上条、インデックス、美琴と並んでのメインキャラクターとして登場したりと、総じて人気キャラの1人だけあって優遇された扱いとなっている。
コラボ外伝
電脳戦機バーチャロン:「とある魔術の電脳戦機」、エンジェラン使い。
ブルーアーカイブ:「とある科学の青春記録」、常盤台中学2年生
関連イラスト
はいむら氏のイラスト
余談
- 非公式だがネット上では「みさきち」「しいたけ」の愛称で呼ばれている。
- 作者曰く、当初は女王蜂にちなんだ苗字にしようとしたが、他にも似たような苗字のキャラが居たため、更にその上を良く存在=女王蜂のさらに上に位置しそれを貪り食う存在という意味で「食蜂」という苗字に決まったらしい。
- 彼女のキャラクターデザインは候補が存在し、現在の容姿に決まるまでにボツとされたデザインが蜜蟻愛愉に流用されている。
- アニメ『T』の前期エンディングテーマである、岸田教団&THE明星ロケッツの「nameless story」は、彼女をイメージした歌詞となっている。
関連タグ
とある魔術の禁書目録 とある科学の心理掌握 とある科学の超電磁砲
エンジェラン:コラボ企画とある魔術の電脳戦機における彼女の搭乗機。スズメバチを思わせるカラーリングとなっている。
未踏召喚://ブラッドサイン:作者である鎌池和馬の別作品。召喚士の忘れられる特性が彼女と酷似している。