※注意※
この記事には、『新約 とある魔術の禁書目録』『創約 とある魔術の禁書目録』のネタバレが含まれています。
概要
七人しかいない超能力者(レベル5)の第六位であり、容姿・能力名共に不明な謎の人物。
この記事では『彼』と表記しているが、本当に男か女も実際には不明。
学園都市内でも実在し活動している事以外の情報を持っている者はほぼおらず、彼/彼女が何者か分からないのは読者だけではない。第六位の超能力者として扱われている点から、少なくとも学園都市の上層部は藍花の正体を把握していると思われる。
新約12巻での情報によると、学園都市内で追い詰められた状況に居る者達に『第六位・藍花悦』の名前と身分をあえて貸す事で、その状況からの脱却を促す活動を行っているらしい。現在は代行者として「内臓潰しの横須賀」を時給900円で雇っている。
本人が直接助けないのは、それでは当人の為にならないと言うポリシーからのようで、横須賀にもぼやかれた様に上から目線の道楽だと言われても仕方がないモノでもある。
その行為に関しては「善意が無い」とは言い切れないが、「悪意も無い」とも言い切れない部分がある。
無自覚ながらも藍花本人は何処かを貸し与える行為自体に対し、名前通り「悦に入っている」節がある為、人によってはその行動ややり方からも、「自己保身を優先し、自らでは無く他人に『正義』を実行させようとする存在」として不快感や反発を与える存在でもある。
実際、藍花の代行人を務める横須賀からも、その行いに反発されている様子が見える。
身分の貸し出しも偽装をあえて見過ごし許容したり、代行者を通じて能動的に貸し与えたりとその時々に応じて様々で、既に数十人もの人間が藍花悦を名乗った事がある模様。
新約7巻にて藍花悦と名乗る人物が周囲から第六位と認識されていたが、これもそういった何らかの事情で『藍花悦』を名乗る事になった数十人の一人と思われる。食蜂操祈が「誰かが第六位を騙っている」と語っていたが、上記の第六位の活動を認識しているのかは不明。
新約12巻にて彼の名を偽った少年、加納神華が登場した。
この為、「正義」とは程遠いと言える裏家業を生業とする者達からは、『暗部』の天敵と呼ばれ、危険人物として恐れられている。
能力
所有する肝心の能力は、未だ詳細不明。
しかし旧約3巻において、上条が美琴の部屋から絶対能力進化計画の資料を見つけた際、上条は読み飛ばしているが、そこには七人しかいない超能力者の能力名が書かれていたことから、少なくとも学園都市上層部は第六位の能力の詳細を把握していることが窺える。
余談
アニメ『とある科学の超電磁砲T』の大会運営員会の場面では、原作漫画だと隠されていた第六位の名前が藍花悦と明記され、さらに「影も形もつかめない」というセリフがアニメ版では「そう名乗る人物の情報があまりにも多い」と変更されており、原作の進行具合に合わせてきちんと改変がなされていた。
関連タグ
ここからは『創約 とある魔術の禁書目録」のネタバレが記載されています
『さあ、望む能力は? ぼくなら使えるようにはできます。創るとは呼べない辺り、自慢にはなりませんけどね』
『さあ、望む自分をイメージしてください。縦横無尽に活躍する理想の姿を』
『それはそのまま実行されます。さあ、“藍花悦をお貸ししますよ”』
創約2巻にて、ついに藍花悦本人(と思しき人物)が登場した。
これまで「偽善者」である上条には関わらないようにしていたものの、 R&Cオカルティクスを潰すには、自身のポリシーを曲げてでも上条に注力するのが最善であると判断し、アンナの元へ向かおうとする上条の前に姿を現す。
能力かあるいは何かの技術を使っているのか、正面から見ても姿形・輪郭がはっきり見えず、声も同様に性別不明なソプラノボイスで敬語の口調、と徹底して正体を掴めないようにしていた。
そうまでして自身の事を隠す理由は不明。
曰く「自身の能力では個人で正義を成せない」らしく、「誰の味方をすれば善玉が勝てるか」を常に考えている。自分の名前を貸してヒーロー活動を促しているのも、その一環であるらしい。
危機的状況に陥った上条に対し、彼についた方が最善であると判断した藍花は自らの能力を貸し与えようとするが、その独善的な言動や思想、自らのやり方から上条から断固拒絶され、「上から目線の塊」「お前如きにゃ解決出来ないと決めつけている」「世界を変えたいなら自分で動け」と徹底的に否定される。
その事に不快を覚えたのか、藍花は「偽善者」である上条に「口では性善説を語りながら拳の暴力を捨てられない」と、上条のやり方を否定。ソプラノボイスの敬語から一変、恐ろしく低い何かに声色を変化させて「早死にするがいい」と吐き捨てた。
その直後、拳を握り締めた両者は一度だけ激突。
上条に敗北するも、そういう形で彼の背中を押して戦場へと向かわせた。
能力
本人の口から断片的に言及があり、発言をまとめると
- 「望む能力が使えるようにすることは出来るが、創るわけではない」
- 「能力の性質上、藍花自身は強化できない」
- 「恋査よりは便利」
- 「学園都市にそのための条件さえ整っているなら、上条の記憶喪失さえ元に戻せる」
らしい。
また、上条の前に現れた際に「周囲がカラフルに明滅する」「上条の視界を極彩色に歪める」「自身の輪郭をボヤけて見せる」などの奇怪な現象を複数起こしている。
上条は「五感ではなく思考に対する干渉か」と推測していたが、これらが能力に関連するものかは不明である。
「とある暗部の少女共棲」では暗部の天敵として麦野沈利に警戒されていた。
本人が現れた際、麦野は唐突に左膝から力が抜けて倒れ込んだ。
その際の描写は
- 足音や気配さえ直前までなかった
- 『原子崩し』が異様な影の手前で大きく逸れた
- 街中で暴れてるのに索敵特化の滝壺理后さえ気が付かない
暴力で仲間を縛っている麦野に対して『身内の裏切りで滅びる』という不吉な予言を残して去っていった。
- 蛇足
昔から「第六位=青髪ピアス」という考察がファンの間で定番になっており、創約2巻でその真相が明かされるのかと一部では期待されてはいたが、結局よく分からないまま藍花の出番は終わってしまった。
と言うのも実は創約2巻には青髪ピアスも登場しており、なんと上条と同じ病室で入院していた(しかも少しでも患者に異変があれば最速でICUとナースステーションに駆けつけられる位置の病室に)
なお入院した原因については「おっ○いマウスパッドを電子レンジで温めて両手で触ったら大火傷」という何とも間抜けなものである。
また、スピンオフ作品『とある科学の超電磁砲』に青髪が登場した際は、「自分の『夢』で皆に幸せを分け与えられる。それだけで僕は嬉しいんや」と語っている等、藍花に通じる精神性の持ち主である事を匂わせている。
このため、仮に「藍花=青髪」と仮定するならば、その能力の正体は「名前と身分を貸し与える者の『夢=願望』に干渉する形で能力を発現させる能力」ではないかと思われ、確かにレベル5に相応しい凶悪な能力になると言える。
そして本人と思われる人物もついに登場したが、その本人が姿形も性別も分からないほどに輪郭も空間も歪んでいたため、結局この考察に明確な決着はつかなかった。
しかし上条が藍花を倒した際にその歪みは消えた模様で、もしかしたら倒れた藍花の顔を上条が見た可能性も十分にあり、特に青髪に対する言及が無かった事から「藍花悦は青髪ピアスではない」と言えるのかもしれない(あえて上条が言及しなかった・倒しても素顔は見れない仕掛けがあった可能性もありえる)