ツエツエ「ウラ……シュテン……ラセツ……! 三人のハイネスよ、そのパワー集まりて、至高を超え究極のハイネスを作り上げるのだ! 鬼はー内! 福はー外ー!!」
「我が名はセンキ…至高を越えた究極のハイネス。我こそは唯一絶対のオルグの王なり…」
「もうお前達にも用はない。我が進む道を邪魔する者はいなくなった…」(Quest50)
概要
ヘルハイネスデュークとして甦ったシュテン、ウラ、ラセツの3体が再び倒されると同時に、オルグの巫女となったツエツエの作った巨大オルグシードを核に誕生させた今代のオルグの王。
つまり、封印から復活した存在ではなく、全くの新生児に当たる。
外見
「至高を超えたヘルハイネスデューク・オルグ王」とされており、頭部と顎の横、首に目玉、胴体に大きな顔など3人のハイネスそれぞれの意匠を併せ持つが、胴体が太めの彼等と違ってスマートかつ白と黒の外見をしており背中から2本の角を生やし、白と黒のマントを着用している。顔立ちは人間寄りの美形で額に青い結晶のようなものがある。
性格
3人の意識が融合した訳ではなく、独自の自我と人格を持っている。
乱暴なハイネス達と違い常に冷静かつ威厳のある口調で話し、落ち着いた態度を見せる。
また、部下のヤバイバ達にも労いの言葉をかけオルグの世界の創造を約束する等、首領としての器や懐も深く、融合元のハイネスとは打って変わって度量の大きさを見せている。
戦闘力
3人のヘルハイネスが使用していた修羅百鬼剣を武器として使用。
基礎戦闘力の時点でこれまでのオルグ魔人は元より、ハイネスデュークですら比較にならないほどの怪物であり、破邪百獣剣を軽く打ち払い、返しの連撃で(満身創痍とはいえ)ガオレンジャーを壊滅に追いやって見せた。
さらに巨大戦においても、精霊王が全く相手にならず、天空島のパワーアニマル達も含めて全滅させる程の戦闘力を見せ、ガオファルコンのイカロスバインドを一瞬で無効化し、ガオマッスルの必殺技2発を食らってもよろける程度という恐ろしい防御力を誇るが、ガオディアスの波動だけは有効であり、一度倒されるまで棒立ちにされていた。
最大の特徴として、本体の巨大オルグシードが無事ならば「何度倒されても短時間で再生する」という不死身に近い肉体を持つ。
この世に満ちる衝動を吸収して世界を暗雲で包み込む能力を持ち、そこから降り注ぐ降雨は草花を一瞬にして枯れさせてしまう。
これらの能力は上記の性格と併せ、センキが「心を持たず、地球を死の星に変える」というオルグ本来の特性を最も忠実に体現した、まさに究極オルグに相応しい存在であることを感じさせる。
活躍
誕生した当初は自我が安定せず、ツエツエ達に襲い掛かろうとしたがヤバイバの呼びかけで目覚め、改めてオルグの世界の創造の為にガオレンジャーに攻撃を開始。
その驚異的なパワーで6人を圧倒すると、ツエツエの杖を使ってオルグ達の思念を取り込み巨大化。
「ツエツエ、ヤバイバ、ご苦労であった。これからはワシがこの星のパワーを吸い取り、オルグパワーで満たし、オルグの星と化す」
風太郎「この星で、そんな勝手はさせない!」
ガオゴッド「衝動のままに暴れるオルグよ、このガオゴッドが相手をする!」
「フフフ……地獄から彷徨い出たが、百鬼丸にすら敵わなかったお前に、何ができる?」
精霊王としての姿を現したガオゴッドを前にしても余裕を崩さず、巨大戦に突入するが、それに千年前の百鬼丸との闘いを想起し、ガオゴッドの危機を悟って参戦したガオシルバーの駆るガオハンターが加勢。
しかしそれですら物の数ではなく、「ダブルゴッドインパクト」を軽く受け止めて切り返し、そのまま2体纏めて串刺しにして合体解除に追い込むどころか、ガオの宝珠すら砕け散る抹殺に成功する。
そのまま地上のシルバーと風太郎を踏み潰そうとしたが、ガオズロックの体当たりで妨害されて失敗。
ならばとガオズロックを追って天空島アニマリウムに攻め込み、迎え撃つべく現れたガオファルコンの「イカロスバインド」も数秒で破り、ガオイカロスへの合体を阻止して一撃で抹殺。
さらに、ガオマッスルストライカーすらも寄せ付けず圧倒、途中で現れたガオディアスの力で動きを止められた後にライノシュートを喰らって砕け散るも、程なく再生復活。
「我が肉体は、不死身なり」
加勢に現れた3体、そして目の前のガオマッスルも爆散させ、その勢いで最後に現れたガオキングすらも粉砕する。
パワーアニマルを全滅させて天空島を墜落寸前まで追い詰め、ガオレンジャーを変身不能に陥れた。
もはや6人は敵ではないと興味を失い、そのまま地上にとんぼ返りして大暴れを始める。
「人間共…お前達は心の中の衝動のまま星の自然を破壊し、物を作り上げ、文明などと呼んでいた。しかし、最早人間の時代は終わった。これからはオルグの時代。我等オルグがお前達の衝動を吸い上げて、パワーとしてこの星を…オルグの星と成す」
だが、それでも走達ガオレンジャーは諦めず、先代のガオの巫女・ムラサキが残した守り刀を手に、センキ唯一の弱点である心臓を狙い駆け付ける。
走「センキ! 待たせたなァ!」
「哭かずば撃たれぬものを……」「お前らに、何が出来る?」
巨大化したセンキに対し、ビルの屋上から飛び込もうとする走だが、いかんせん究極のオルグと人間では力の差は歴然。
吐息で暴風を起こして6人全員を吹き飛ばし、それでもスクラムを足場に飛び込んだ走が守り刀を突き立てたのも意に介さず、「そんな突きでワシが傷つくとでも思ったか」と一蹴、守り刀もへし折って一蹴する。
「ガオレンジャーにもなれないちっぽけな人間共め。お前等など、無力なのだと思い知るがいい」
太刀打ちがどうこうという次元ではない、絶対的な絶望。
しかし、それでもなお、ガオの戦士達の心を折るには至らない。
走「こんなことじゃ負けねぇ……獅子走!! 俺は獣医だ! 地球の命を守るんだ!」
冴「たとえガオレンジャーの姿になれなくても……あたしは……あたしはガオの戦士! 大河冴よ!!」
海「ぼ、僕は……鮫津海、19歳! ブラック!」
草太郎「自分は……自分は牛込草太郎です!!」
月麿「我が名は月麿……大神月麿だ!!」
岳「もう色で呼び合うこともないか……俺は鷲尾岳。よろしくな!」
ガオの戦士として選ばれた時に捨てた名を堂々と名乗り、結束を新たにするガオレンジャー。
だから何だとそれを嘲笑するセンキだが、その時、6人の闘志に呼応するかのように差し込んだ光が空を覆う暗雲を払い、無数の光の珠が降り注ぐ。
それは、アニマリウムに居を移さず、地球各地に散らばっていた残りのパワーアニマル達だった。
「百獣戦隊」の呼び名が示す通り、ガオの戦士を守るパワーアニマルは全部で100体。今までガオの戦士と精霊王の戦いを見守っていた彼等が駆け付けたのである。
結集したパワーアニマル達に翻弄されるセンキだが、追い討ちをかけるように葬ったはずの天空島のパワーアニマル達が復活。
百獣と、6人の心が、完全に一つになった時、戦士の力も蘇るのです!
完全復活を遂げたガオレンジャーと、集結した100体のパワーアニマル達が力を結集した究極奥義「森羅万象・天地轟鳴・百獣アニマルハート」の前に肉体を破壊され、残った心臓も渾身の破邪百獣剣で両断され完全に滅び去り、最期を迎えた。
海外版『ワイルドフォース』
人間のビクター・アードラーがなりすましていた偽者だったが、レッドレンジャーとの戦闘で敗北した後、一旦は力を失い人間であることがばれたため部下からも見捨てられ、オルグジェネラルであるマンディロクによって谷底へ突き落とされ死亡したかに見えた。しかし体内のオルグの芽により角が生え本物のオルグに変貌。
但しこの時点では外見に人間時代の面影を残していたが、不完全だった時とは違い、ヘルメットではなく、額に目があり、髪が長くなっている。
終盤で本当に人間を捨てる為に捕らえたプリンセス・シャーラの宝玉を使い、儀式を行った時に完成したオルグの心臓を食した後、オルグの心臓と融合したことで砂のように崩れ去ったが、その時に原作と同じくセンキの姿となった。
原作とは逆にブラック上司であり、部下を捨て駒の如く切り捨てまくった挙句、センキの姿に至った頃には既にオルグ軍団が壊滅して彼1人という孤立無援となっていた。
「"Hello, Rangers. Remember me? Is I! Master Org. It's so good to see you again."(翻訳:こんにちはレンジャー。私のこと覚えていますか?私だ!マスター・オルグだ!また会えて嬉しいぞ。」
怪人態になったが、レンジャー達が現れるまではマスター・オルグの時に着た服のままであったが、レンジャーが現れたことで脱ぎ捨て、上記のセリフを言った。
強さは原作と全く同じで、等身大でパワーレンジャーを圧倒し、バトライザーすら一蹴された程。
ネクサスソードを武器とするが、等身大戦では強力なレーザーを発射する場面に撮り直されている。これは前の持ち主だった再生オルグジェネラルが使った時も同様。
トキシカの杖を借りずに自力で巨大化可能。(前述の件が原因でトキシカはジントラックスと共にレンジャー側へ寝返っている)
最後は原作と同様、レンジャーによって消滅された。
百鬼丸も(先代)マスターオルグとされており、オルグマスターの原作設定と照らし合わせると二重の意味で嘘から出た実である。
余談
- 歴代でも珍しく、巨大化状態で等身大の戦士に撃破されたラスボスである(パワーアニマルが戦闘に参加しているため、一応巨大戦ではある)。
- 名前の由来もかつての百鬼丸を超える存在と言う意味合いから千鬼と戦鬼から来ているダブルミーニング。また、この百鬼丸の正体もセンキと同じようにオルグの衝動が集まって誕生した存在だった。カラーリングが白なのも、ハイネス達の色である赤と緑と青が光の三原色で混ざり合うと白になるところからも妥当なチョイスである。
- 両腕に素材に含まれていないデュークオルグ2名の意匠があった理由として、ツエツエが作った巨大オルグシードを核として誕生した上、彼女とヘルハイネスデューク達を復活させたヤバイバがツエツエの角に触れていた影響を受けたことが考えられる。
- デザイン担当の原田吉朗氏は、「『カッコいい系にしてほしい』と依頼され、そのままやってたまるかと思いささやかな抵抗で目があるべき胸の部分に口を配した」と述懐している。
- 声を演じた郷里氏は2年前の『救急戦隊ゴーゴーファイブ』でナレーションを担当していた。次回作の『忍風戦隊ハリケンジャー』でも敵組織の一員であるチュウズーボ役でレギュラー出演している。こちらはセンキとは対照的に、組織内で最初に殉職する敵幹部となっている。
関連タグ
百獣戦隊ガオレンジャー オルグ(百獣戦隊ガオレンジャー) 合体怪人 修羅百鬼剣
不死身 ラスボス チート 悪のカリスマ 理想の上司 悪の美学 剣士/剣豪 どうあがいても絶望 勝てる気がしない みんなのトラウマ
ドーラアンタイオス:『恐竜戦隊ジュウレンジャー』の怪人で、こちらも心臓さえ無事なら何度でも蘇る怪人繋がり。
ケッテイバンキ:『炎神戦隊ゴーオンジャー』に登場する、一般怪人達を合体させた中の人繋がりの戦隊怪人。
アザルド:15年後の戦隊に登場する、心臓部が無事なら何度でも再生できる不死身の幹部怪人。
アキャチューガ:16年後の戦隊に登場する、最高幹部トリオが合体した怪人の後輩。ただし、こちらは人格は幹部3人それぞれの人格がそのままある。
蝶絶神デーボス:復活当初は自我が安定せず暴走したが、その後は驚異的な戦闘力で戦隊を圧倒し、最終局面では戦隊を変身不能にした戦隊ラスボス繋がり。ただしこちらは、性格や支配者としての器は正反対であり、追随する者達に何の恩恵ももたらしていない。