概要
剣術に精通している人の事を指す。特にネット上では刀剣類専門の戦士、兵士などを指す。
現実の剣士
刀剣類は青銅器時代から使われ始め、ナポレオンが活躍した時代まで、さまざまなことに用いられた。
武器の使用に関しては戦争ばかり注目され、そのような状況においてのみ活用されると思われがちである。その上で刀剣類は戦争では脇役で、あるいは刀剣・剣術は戦場では役に立たなかったといわれ、剣士というものの存在意義を疑う意見もある。
確かに戦争では一部戦場向けに特化したものもあったが、その殆どが脇役であったのは事実である。
しかし、剣士が存在していた中世~近世という時代は日常生活上であっても武器の使用は珍しいことではなかった。その中でも持ち運びや携帯に便利な刀剣類は護身用として重宝されていたし、剣術は荒事への備えとしての面が強かった。
この中世・近世という時代は、剣と魔法の世界だの中世風ファンタジーだのと呼ばれるジャンルの舞台のモデルとなった時代である。中世や近世というのは地域差があるものの大抵、人権もクソもない、命が羽毛のように軽い社会であることが多かった。少なくとも当時の人々の中にはことあるごとに他人を殴り付けたり、刃物で斬り付けたりといった暴力行為に抵抗が少なく、そのような蛮行におよぶ者が少なくなかった。
これは当時、「(自分が)侮辱されたと感じたらその相手を殺してもいい」という価値観を持っていた人々が現代よりも多く存在していたためで、現代(日本)では考えられないが、命よりも名誉だとか面子・プライドを守ることの方が大事だと考えられていた。
そもそも慢性的な食料不足で飢え易いし、些細な病気や怪我であっても簡単に死ぬ。法も警察も当てにならないわ、最悪己の身ひとつでどうにかするしかない…という過酷で余裕のない環境で生き残っていれば高慢にもなるし、「舐められたら殺してもいい」だなんてキチガイじみた価値観を持つのも仕方ないね。
(舐められないことで生存性を上げるという面もある。)
そういった事情から多くの人々は金銭的な余裕があれば、戦争か平時かの状況や身分に関係なく、槍や弓と比べて携帯性が高く、ナイフ類よりも間合いのある刀剣類を護身用または喧嘩用として持ち歩いたり、そばに置いたりすることはよくあったらしい。例え武器として使わなくとも、武装しているというアピールすることで警戒心を抱かせ、襲われにくくなる効果もあった。
(勿論、どこへでも持ち込めるという特性から、強盗や追い剥ぎの道具としても活用された。)
また長時間にわたり、身に付けてられるという特性や、偶発的な荒事に対する対応力の高さにより、アクセサリーあるいは権力者のシンボルとして機能した。
(なお、経済的な事情から刀剣を携帯できない者たちは、ナイフや鉈を長大化させたものを携帯することもあった。それすらできない人は武力のある者に仕えることと引き換えに守ってもらったり、集団化して弱さを補うという方法を用いた。)
このような物騒な社会では、剣士は貴族や金持ちたちの護衛や護身術の先生をすることが多かった。剣士というと剣術しか精通していないと思われ勝ちだが、実際には槍術や棒術などの他の武器術も体得していることも珍しくなく、武術の師として多数の弟子を抱える者もいた。
(戦場では、槍使い・弓使いでも平時は剣士という場合も多々あった。)
マンガ・アニメ・ゲーム上の剣士
ファンタジー作品などでは似たような騎士、戦士との差別化として、食客や風来坊、旅人など、特定の組織や規律に属さないフリーな人物として描かれる場合が多い。
また装備としては剣を基本とするが、これも差別化として軽装であり、盾などを使用しない。
戦士や騎士と比べた場合のイメージとしては、攻撃力や素早さが高い代わりに防御面が貧弱、二刀流などさらに攻撃に特化した能力を保持している、魔法関連の能力も戦士系職業では高めなことが多い、などだろうか。
基本的には「やられる前にやる」ピーキーな職業である。前衛を張る職業としては防御が脆いという弱点があることが多い。
作品によっては戦士のような能力(重武装の脳筋型)だったり、全ての能力が平均的なオールラウンダーとして設定されることもある。
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