概要
英語ではsage、wise manなどで表記される。
キリスト教ではキリスト生誕を予見した占星術士の学者(東方の三賢者)を指す事もある。
賢者になるには修行や天啓が必要とされ、誰でもなれない職業である。その為、様々な伝説で、登場人物に助言や予言をする人物である場合が多い。
知識に優れた魔術師が賢者と呼ばれる場合もある。
ゲームにおける賢者
RPGでは賢者が職業として登場する場合がある。
その場合、魔術師(魔法使い)の上位職として扱われる事が殆ど。
ドラゴンクエストシリーズ
女賢者タグも参照。
『ドラゴンクエストⅢ』が初登場。
当時は魔法使いと僧侶の呪文を両方覚え、HPと力は僧侶よりもやや高い。装備も魔法使いと僧侶の両方を装備でき、更に一部の強力な武器・防具も装備可能となっている。しかし、魔法使いで装備できたどくばりやみずのはごろもが装備出来ない点には注意が必要である。
後発作品で言う上位職の走りで、非常に優秀な能力を持つ反面、レベルアップに必要な経験値が他の職業に比べて多く、レベルは上がりにくい。
『ドラゴンクエストⅢ』での転職条件は遊び人をレベル20以上にしてから転職するか、それ以外のキャラはレアアイテム「さとりのしょ」+レベル20以上で転職可能。
盗賊から転職する場合はもちろん「さとりのしょ」が必要だが、高ステータスと呪文「しのびあし」を継承できる点から、賢者の前職としては最もおススメの職業と言える。
「さとりのしょ」はガルナの塔に1個配置されている為、確実に1人は転職可能だが2人以上を賢者にしようとするとアカイライが1/2048で落とすレアドロップを狙うしか無く、バグ技によるアイテム増殖を使わない限り、かなり厳しい道である。
遊び人から転職すればその必要がないため、そちらの方が良いと思いきや、ファミリーコンピュータ版では魔法使い・僧侶から転職すると初期MPが40~50程度あるのに対し、遊び人から転職した賢者はMP0の状態から始まるため、MP的にはちょっと不利となっている。しかし、運の良さが50~60くらい高くなるので状態異常にかかる確率が下がるというメリットはある。
なお余談として、遊び人はシリーズの生みの親堀井雄二氏の当初の構想では何も役に立たないキャラとして登場させる予定だったが、他のスタッフからそれはあんまりではないか…という反対意見があり、激論の末、「役に立たないが、レベル20以上で賢者になれる」という妥協案になったらしい。
こうした仕様は「大人になってから考えると中々深い」設定として語られる事が多く、様々な解釈が存在している。
以降のシリーズでは唯一の上級職ではなくなったものの、魔法使い+僧侶と言えば賢者というポジションに落ち着いている。どちらの職業も覚えられない最上位呪文・特技などを習得できるほか、『ドラゴンクエストⅦ』では更に賢者+スーパースター(笑わせ師+踊り子)で天地雷鳴士という最上位職に転職する事ができるようになっている。
『星のドラゴンクエスト』ではこれとは別に、賢者の上位に当たる超級職『魔賢導士』が登場している。
『ドラゴンクエストⅢ』HD-2D版では呪文やその周辺が大幅強化されたため、優遇職業として活躍している。まもの使い→遊び人→賢者というパターンがこの作品で強い賢者を作る王道パターンであり、非呪文特技の拡充により遊び人がくちぶえ以外に優秀な特技を覚えるようになったのも大きい。
ファイナルファンタジーシリーズ
『FINAL FANTASY Ⅲ』で登場。禁断の地エウレカで取得する。
白魔法・黒魔法・召喚魔法(合体)の全魔法を使用でき、なおかつ導師や魔人よりもMPが多い、本作最強の魔法系ジョブ。幻術師の白黒召喚は使用できないため、厳密に言えば全ての魔法を使えるわけではないが、シェイドなどである程度代用が利くこともあって、困ることはほぼない。
魔法系ジョブに留まらず学者用の武器防具も装備可能なので辞書系の武器を両手に持たせれば直接攻撃もそこそこ強く、全属性耐性の敵もバハムートを召喚して爆破するか、徐々に石化の追加効果の有る武器の両手持ちで殴って石化、無属性のルーンの杖や長老の杖に持ち替えてヘイストを重ねがけしたのち撲殺可能で、ラスボスの凶悪な全体攻撃もプロテスの重ねがけで激減可能と凶悪性能の魔法の存在もあり最大の敵はアイテムウィンドウを開いた際に起こる強化系魔法の効果が消滅するバグである…
と、あまりに強すぎて、2周目以降のプレイヤーからは封印されることもしばしば。
ニンテンドーDS版ではステータスとMPが下方修正、合体召喚が白黒召喚に変更され、大幅に弱体化。
とはいえ、敵が3体までしか出現しなくなったことで合体召喚の有用性が低下しているほか、ヒートラは白黒召喚でも比較的安定して効果が出せるため、やることがなければとりあえず召喚しておくくらいの感覚で使うと案外役に立つ。クラス4の魔法はブリザガを除きFC版から極端に弱体化してポンコツになったのもありMPが余りやすく、ヒートラ専用として使っても問題ないほど。ここに気付けるかどうかで評価が割れる。
他にヘイストやプロテスの重ねがけが不可能になり弱体化されながらも汎用性の高さは依然健在で、割と無難な性能に落ち着いている。
2021年7月末にSteamやスマートフォンで配信されたピクセルリマスター版ではDS版の特徴(白と黒と召喚の専門職に及ばない知性、精神、魔法回数)を受け継いだが召喚魔法が合体に戻りレベル50の段階で終盤で一番使いたいレベル8の魔法回数がDS版のレベル99の賢者より多い。
また、『FINAL FANTASY Ⅳ』のテラが賢者のジョブについている。
こちらも白魔法・黒魔法両方を使えるが、老齢で能力が低く、多くの魔法を忘れている。
「おもいだす」で強力な上位魔法を使える可能性はあるが、成功率はそこそこ。
また、あるイベントをきっかけに魔法を思い出す。
『FINAL FANTASY ⅩⅣ』ではパッチ6.0「暁月のフィナーレ」にて新ジョブとして実装。従来の賢者とは違い回復に特化したヒーラー(バリアタイプ)となっており、「賢具」という魔力で遠隔操作する端末を操って戦う。
ティーザートレイラーではオリジナルジョブ「学士」だったアルフィノが、賢者にジョブチェンジして登場している。
ウィザードリィシリーズ
メイジとプリーストの魔法を両方習得できるビショップは、初期AppleⅡ版ではセージ(賢者もしくは学者の意)と言うクラス名だった。
ドラゴンクエストシリーズもファイナルファンタジーシリーズもウィザードリィの影響を強く受けて誕生したシリーズであり、上記の賢者もWizのセージを源流としている。
なお、初代Wiz~前期シリーズのビショップは上記2作品の賢者とは違い、
いきなり作成する事もできるが、かなり癖が強く扱いが難しい。
具体的には成長スピードが遅い事、装備出来るものは僧侶よりも少なくHP自体も僧侶より少ない事、鑑定能力持ちだが、失敗して呪いのアイテムを装備してしまう等、デメリットが多い。
こうしたデメリットを補う為、マスター僧侶から転職して鑑定できる僧侶になる、作成して鑑定要員兼荷物持ちとして置いていくのが常である。
なお、ナンバリングシリーズの最終作『Wizardry 8』ではスキルボーナスこそ無いものの、呪文職4つ全ての呪文を幅広く習得でき最終的なSPが最も多くなる為、育てるのは大変で様々なコツがいるが最終的には最強の呪文職となり得る。
俗語としての賢者
男性がアレを終えた後のクールダウン状態を「賢者タイム」や「賢者モード」と呼ぶ。転じて、その状態にある人物を賢者と呼ぶ事もある。