もしかして:最果てのパラディン
概要
大元の語源はローマ皇帝の宮殿のあった『パラティーノの丘』であり、時代が下り「宮中貴族」「宮中官僚」「宮中親衛隊」など、一般の騎士より一段高く王の直属の部下という意味で「パラディン」という言葉が用いられるようになった(英語のpalace=宮殿と同根語)。中世初期までは実際にこの用法が多かった。
中世叙事詩『ローランの歌』では、シャルルマーニュ配下の十二勇将がパラディンと呼ばれていたが、『ローランの歌』が有名になる一方で現実の社会制度が変化したため、13世紀までにはpaladinの語は彼ら十二勇将を指す固有名詞に近くなっていった。また、十字軍当時のテンプル騎士団ではフランス出身者が叙事詩にあやかってパラディンを名乗ることがあったようだ(フランス語wikipediaの記述)。
英語で一般名詞となったのはもっと遅く16~18世紀ごろであり、十二勇将を指す固有名詞用法以外ではおおよそ「神話的騎士」といった意味になった。この英語での用法の翻訳では「聖騎士」と訳される場合が多い。
創作におけるパラディン
『ダンジョンズ&ドラゴンズ』を先駆として多数のファンタジー・ゲームでも高位のクラス(主に「ナイト」の上位クラス)として登場している。英語圏かつクラス的な意味のパラディンでは信念を重ねた戦士である、武芸を修得した僧侶、もしくは神魔法を修得した騎士が多い、シンボルはハンマー、盾など。国でなく教会に仕える者はテンペラー(Templar:寺院侍史)と呼ばれる。
なお、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』におけるパラディンは、版にもよるが、
- 属性(性格)は基本的に「秩序にして善」(「誓い」さえ固守すればよしとされる場合もある)限定。
- 単なる戦士+僧侶ではなく、味方の士気や能力や精神異常耐性などステータスを上げる「オーラ」という特殊能力を持つ。
- 訓練だけでなれる職業ではなく、神などの超越者を後見人にしながら「誓い」(キャラの思想にクラスバリエーション)を立ててこそパラディンになれる。
- 『ダンジョンズ&ドラゴンズ』から派生した『Pathfinder RPG』の第2版では、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のパラディンに相当する職業は『チャンピオン』(『選ばれし者』の意味)に呼び名が変り、『パラディン』は『チャンピオン』の中でも『秩序にして善』の者の別名となっている。
- また『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の5版では、従来のパラディン(秩序にして善)に近い『献身の誓い』のパラディン、『中立にして善』寄りの『古きものの誓い』のパラディン(自然に関する魔法・特殊能力を得る)、『混沌にして善』寄りの『復讐の誓い』のパラディン(戦闘、特に攻撃向きの魔法・特殊能力を得る)の3種類のパラディンを選べるようになった。
など、ドラゴンクエストシリーズや和製ファンタジーにおける「勇者」に近い(もしくは、それらの原型とされる)。
pixivでは『世界樹の迷宮』パッケージに描かれているブロンド長髪のパラディン(通称・パラ子、師匠など)が多い。
「パラディン」の登場する作品
世界樹の迷宮シリーズ
→パラディン(世界樹)を参照
『ラグナロクオンライン』
『伝説のオウガバトル』等、オウガバトルサーガシリーズ
ファイナルファンタジーシリーズ
『マビノギ』
ファイアーエムブレムシリーズ
ドラゴンクエストシリーズ
ドラゴンクエストⅥから登場する上級職。
「そうりょ」+「ぶとうか」を極めると転職できるため、雰囲気的にはファイナルファンタジーシリーズのモンク僧に近い。
当時の雑誌に描かれていたイメージイラストは竹槍を構えたハッサンであった。
転職しても能力値が下がらない(能力値の下方修正が無いのは、全職業でも「勇者」と「パラディン」のみ)ため、大半のキャラと相性が良い優良職。覚える特技の中では「しんくうは」や「マジックバリア」が特に有用である。
『星のドラゴンクエスト』ではこれの上位に当たる超級職「ガーディアン」が登場している。
『ビキニ・ウォリアーズ』
TreeofSavior
ゲーム、NEXONのMMORPG、『TreeofSavior』に登場する クレリック系4次職目の職業。
Male
Female
『聖剣伝説3』
『ハースストーン』
WoWの派生先
『グランブルーファンタジー』
2022年3月24日のアップデートで実装されたジョブ。