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最果てのパラディン

さいはてのぱらでぃん

『最果てのパラディン』とは、小説投稿サイト『小説家になろう』で連載されているweb小説である。作者は柳野かなた氏。
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概要

 投稿型web小説サイト『小説家になろう』にて、平成27年5月から連載を開始したファンタジー小説。

 異世界に赤子として転生した現代日本の青年が古代の英雄達の庇護のもとで逞しく成長し、聖騎士(パラディン)として人々の期待を一身に背負い活躍する王道英雄譚。

 なろうテンプレに則った異世界転生・最強主人公ものを踏襲しつつ、内容は至って骨太のハイ・ファンタジーに徹する作風。変にひねくれず、悩みながらも前に進む未熟な主人公の心情をじっくり描写しながら、家族や仲間達とともに強大な敵を相手取って戦う、真正面からの英雄譚を描く。

 なろうのファンタジー小説としては珍しいことに、連載開始から第三章現在に至るまで(主人公の)恋愛要素はほぼ皆無。ハーレムどころかまともな恋愛対象になり得るヒロイン候補さえ未だに登場していない非常に男臭い様相を呈しており、今後の動向に期待がかかっているところである。

 なお、オーバーラップ文庫から書籍化する予定が発表されている(2016年3月25日発売)。

あらすじ

 どうして死んだのかは覚えていない。
 気がつくと、彼は生まれたばかりの赤子となって見知らぬ廃墟にいた。
 絶望と無為に溺れ、孤独な部屋で一人生きていた前世の記憶のおぼろげな残滓だけを持ちながら。
 そこはかつて暮らしていた現代日本ではなく、一目でわかる不思議に満ちた世界。
 どうやら彼は異世界に転生を果たしたようだった。

 そして、もう誰も生きている人間のいない都市の廃墟で、彼の新しい人生が始まった。
 赤子の親代わりとなったのは、恐ろしくも温かい三人のアンデッド。

 戦闘術とサバイバルの達人にして、からからと笑う豪快なスケルトン、ブラッド。
 生活技能の師であり高位の祈祷を自在に使いこなす心優しいミイラ、マリー。
 稀代の魔法使いにしてあらゆる知識を溜め込んだ偏屈な老人のゴースト、ガス。

 愛情深い死者たちの元でウィリアムと名付けられた赤子はすくすくと育ち、三人の持つありったけの技能と知識を吸収して、逞しく優しい少年へと成長した。

 そして十五歳となって迎えた冬、ウィリアムはついに知ることになる。
 なぜこの都市は滅びて廃墟と化したのか。三人のアンデッドの正体は何者なのか。
 この三人を現世に縛るものは何か。赤子の自分はなぜこんな廃墟にいたのか。
 そして、自分の魂が異世界に来た理由は何か、自分がこれから戦わねばならない者は誰なのか。

 旅立ちの時は、すぐそこまで迫っていた。


 これは、魔獣はびこる最果ての地に暮らす人々にやがて希望をもたらすことになる、灯火を掲げし一人の若き聖騎士の物語である。

登場人物

ウィリアム
主人公(語り手)。異世界に転生した元現代日本人の少年。通称ウィル。
《南辺境大陸》の南の果てに位置する廃墟の街で三人のアンデッドに養育され、卓越した戦闘技術と祈祷と魔法と知識を身につけた。
前世のおぼろげな記憶の中で無為に生きていたことを悔やみ、尊敬する三人に相応しい家族として、この世界でちゃんと生きることを誓う。
鍛え上げた筋肉に裏打ちされた近接戦闘能力、神の強力な加護、膨大な知識に基づく魔法の〈ことば〉を操る万能の戦士。
困っている人を見過ごせないお人好しで、自己評価は低め。基本的に用意周到で思慮深いが、肝心なことに気付かない天然な一面もある。
どういうわけかさっぱり女性に縁がない。

ブラッド
廃墟の街でウィリアムを育てた三人のアンデッドの一人。
豪放磊落で陽気なたちの大柄な戦士のスケルトン。
剣術、格闘術、投石術、サバイバル術などの肉体技能全般に長け、ウィリアムにそれらを余すところなく叩き込んだ。
「鍛えぬかれた筋肉による暴力があれば、大抵のことは解決する」が口癖。

マリー
廃墟の街でウィリアムを育てた三人のアンデッドの一人。
心優しく清楚な雰囲気を漂わせる女性神官のミイラ。
唯一の生者であるウィリアムの生活全般の面倒を見つつ、神への信仰や祈りについて教え説く。
信仰する地母神マーテルの高位の加護を持ち、祝祷術によって奇跡の数々を起こす。怒ると怖い。

ガス
廃墟の街でウィリアムを育てた三人のアンデッドの一人。
偏屈で金にがめつい頑固者の老人のゴースト。
世俗の様々な知識と魔法について卓越した知見を持ち、《ことば》を司る賢者としてウィリアムの師となる。
口は悪いがお茶目でロックなおじいちゃん。小さい魔法を巧く、精度よく使うことを信条とする。

メネルドール
《獣の森》の開拓村で狩人をしていた美しいハーフエルフの青年。通称メネル。
ニヒルでひねくれた性格だが、責任感が強く、受けた恩に報いようとするタイプ。
人間の目には見えない精霊が見え、意思を通じ合わせて自然現象を操ることができる。
旅立ったウィルと出会い、紆余曲折を経て共に支え合う最大の友となる。

ロビィナ・グッドフェロー
大陸をまたいで旅を続ける小人族(ハーフリング)の吟遊詩人。通称ビィ。
村から村へと気ままに渡り歩き、歌と踊りを伝え広める陽気で多弁な年齢不詳の女性。
ウィルの成し遂げた業績を元に新たな叙事詩を作り、世にばらまく仕掛け人でもある。

アントニオ
ロビィナと共に旅をしていた壮年男性の行商人。通称トニオ。
《白帆の都》で商会を構えていたが不運な事故で破産、行商人として一から出直していた。
見た目は冴えないが、商人としての腕は確かで誠実な商売をする男。資材面からウィルをバックアップする。

レイストフ
《つらぬき》の異名で世に知られる凄腕の冒険者。
世俗のことにはあまり頓着せず、強さの果てと命知らずの戦いを追い求める《冒険野郎》。
常に冷静で口数の少ない、いぶし銀の剣士。ある依頼でウィリアムに雇われ、共に戦う仲間となる。

ヴィンダールヴ
故郷の王国を邪竜に滅ぼされ、流浪の旅を続けていたドワーフ達の若君。通称ルゥ。
王の血を引くものの、家臣団によって過保護に育てられてきたため、臆病で気弱な性格をしている。
勇気とは何かを学ぶため、ウィリアムに師事し従士となる。

エセルバルド・レックス・サウスマーク
北方にある《グラスランド大陸》のファータイル王国・現国王オーウェンの異母弟。
《南辺境大陸》開拓の責任者として渡来、《白帆の都》に居を構えその地を統治している。
実利と情のバランスを巧みに操る、文武に才気溢れる辣腕。面白がりで笑いの沸点が低い。

バート・バグリー
《白帆の都》の神殿長を務める醜悪な外見の中年男性。
尊大な態度で極めて怒りっぽく、俗物的な立ち回りに奔走しているため周囲からの評判は悪いが……。

グレイスフィール
生々流転を司る灯火の神。主な権能は死者の魂を安らぎのもとに次なる輪廻へ導くこと。
人間に対して深い慈愛の念を持つが、世の人からはほとんど忘れ去られた状態にある。

スタグネイト
悪神の一柱である不死神。主な権能は死者の魂をアンデッドとして甦らせること。
人間に対して深い慈愛の念を持つが、それゆえ死という悲劇のない世界を作ろうと目論む。

用語集

筋肉
あらゆる場面において力強い対応が可能となる強力な武器であり最後の鎧。
鍛えれば鍛えるほど、腕力、持久力、耐久力、戦闘継続力など生存に必要な基礎スペックが向上する。
手持ちの武器と違って身体から決して離れず、技と違って状況を選ばない万能性が最大の強み。
また、鍛え方次第によっては、どんなに心が乱れていても反射的に攻撃する機能を備えることもできる。
ほぼすべての状況で物事を有利に進めることができ、生存可能性を根底から支える大きな柱となる。
鍛え抜かれた筋肉による暴力があれば、大抵の問題は解決するのだ。

祝祷術
加護を得た神に対して祈りを捧げ、神の力を借りて奇跡を発現する神官の特殊技能。
怪我や病気の治癒、瘴気の浄化、聖餐の生成、結界の展開など、神格に基づいた効果を発揮する。
人が操る魔法より強力な効果を持つ一方、方向性が限定的で、神の意に沿わない使い方はできない。
また、相応の加護と篤い信仰心に基づく深い祈りを要求するため、使い手はごく限られている。
善なる神だけではなく、悪神の加護によって邪悪な奇跡を引き起こす祝祷術もまた存在する。

魔法
周囲のマナと自身のマナを共振させ、神々が作りだした《創造のことば》を詠唱・記述することで特定の現象を引き起こす技能。
才能の有無はあるが、訓練を積めば誰でも使用可能な技術。しかし、マナという極めて流動的で不安定なものを燃料とし、かつ発声・筆記にもどうしても多少の揺らぎが生じる以上、常に暴発のリスクを伴い、最悪死亡することもある。
また、《ことば》である以上、嘘をついたり悪口を言うと鋭さや重みを減じると言われているため、大魔法使いと呼ばれるほどの使い手はほとんどいない。
複数の《ことば》を組み合わせることで様々な効果を発揮したり、道具に刻んで性能を上げることができる。
人間の世界からすでに失われた古き《ことば》も多数存在する。


世界中で広く信仰されている、この世界の上位存在。
古代神話において善なる神の陣営と悪神の陣営で戦争を繰り広げて相討ちとなり、今は次元の彼方で傷を癒しているといわれる。
相性の良い人間に加護を授けて奇跡を発現したり、《木霊》(エコー)と呼ばれる分身や《遣い》(ヘラルド)を降臨させて人々を導いたりすることがある。
主な善なる神々は、炎と技術の神ブレイズ、正義と雷の神ヴォールト、地母神マーテル、風と交流の神ワール、水と緑の神レアシルウィア、知識神エンライトからなる《六大神》など。
主な悪神は、不浄なアンデッドを生み出す不死神スタグネイト、狂暴な妖魔を率いる暴虐と専制の神イルトリート、異次元の悪魔を眷属とする次元神ディアリグマなど。
遠大でスケールの大きい考え方をしているため、人間個人の小さな営みに興味を示す神は珍しい。

《南辺境大陸》(サウスマーク)
物語の主な舞台となる大陸。悪魔や魔獣などがはびこる危険地帯。
かつてはドワーフの《くろがねの国》やエルフの《花の国》など様々な国が栄えていたが、今から200年前、強大な悪魔《上王》が率いる軍勢の侵攻によって計り知れないダメージを受け、人類の活動圏は大幅に縮小。
今は北側にファータイル王国の開拓拠点都市《白帆の都》を残すのみとなり、大陸中央に大きく広がる《獣の森》の一部に、訳ありの人間が貧しい開拓村を点々と形成して住み着いている。
今も当時の廃墟があちこちに残り、それらの遺跡には大昔の財宝が眠る一方、危険なアンデッドが徘徊する。

外部リンク

小説家になろう - 最果てのパラディン
上記リンク先で全文を読むことができる。

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