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乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…

おとめげーむのはめつふらぐしかないあくやくれいじょうにてんせいしてしまった

『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』とは、小説投稿サイト「小説家になろう」を出典とする、山口悟によるシリーズ。一迅社文庫アイリスにて書籍化された。
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自慢じゃないが、前世の私は少しばかりやんちゃな子供だった。

概要

 乙女ゲームの世界に転生した主人公が、いずれ破滅する悪役として生きている自分に気づき、破滅から逃れようと危険なフラグを折りまくる物語。作者は山口悟。初出は小説投稿サイト「小説家になろう」であり、一迅社文庫アイリスから文庫版が刊行されている。書籍版のイラストはひだかなみ。既刊は4巻。
 乙女ゲームの世界観をベースとしながらも、まったくもって恋愛のことなど眼中にない主人公と、彼女に振り回されながらも惹きつけられてゆく登場人物たちとの、認識のズレにまみれた青春群像劇といった風合い。

導入

 とある魔法の国。クラエス公爵家の一人娘・カタリナは、甘やかされて高慢ちきなわがまま少女に育ちつつあった。しかし8歳のある日、父に連れられてへと出向いたカタリナは、自分の案内役をつとめる王子一目惚れをしてべったりとつきまとった挙句、転んでに頭をぶつけ、をざっくり切ってしまう。噴き出すと共によみがえったのは、迂闊な事故で命を落とした、オタク女子だった前世の17年ぶんの記憶。そして記憶を辿るうちに思い出したのは、事故の日の明け方まで攻略を重ねていた乙女ゲーム『FORTUNE・LOVER』に登場する、ヒロインの最大のライバルキャラである性悪女「カタリナ・クラエス公爵令嬢」がやがて行き着く悲惨な末路だった。
 自身が生まれ変わったのが『FORTUNE・LOVER』の世界そのものだと確信した彼女は、穏やかな老後を送りたいという一心から「カタリナ破滅フラグ」の全力回避を決意する――。

『FORTUNE・LOVER』

 本作の主人公(二つ名「野猿」)が、前世で最後に攻略していた乙女ゲーム。中世ヨーロッパ風の世界で、平民出身の明るく元気なヒロインが、貴族の子女ばかりの魔法学園で4人の攻略対象と過ごす1年間を描く。

  • マリア・キャンベル / 貴族男子たちと恋模様を繰り広げる、物語のヒロイン。光の魔力を使える希少な人物であり、平民出身ということもあって学園では目立つ存在。前向きな努力家で、成績も優秀。攻略対象ごとに登場するライバルと対峙することになるが、特に悪役令嬢からは犯罪まがいの仕打ちまで受ける受難の人。カタリナ・クラエスが迎える転落の1年間のトリガーであり、最大の破滅フラグ。

攻略対象
  • ジラルド・スティアート / 国の第三王子である金髪碧眼の美男子。アランの双子の兄。幼い頃から何でもできてしまう要領のよさゆえに、面倒な貴族社会で退屈な日々を送っていた腹黒ドS王子。学園で迷子になったヒロインが現在位置を確かめようと木に登っていたところへ通りかかり、興味を引かれて親密になっていく。婚約者であるカタリナのことは、他の令嬢を追い払う防波堤くらいにしか思っていない。攻略難度が高く、むきになった野猿がやっとルートをクリアしたのは事故の日の明け方だった。
  • キース・クラエス / クラエス公爵家の末端の分家の当主娼婦との間に生まれた少年。父方に引き取られるが、その生まれから爪弾きにされ、ふとしたことで魔力を暴走させてしまう。優れた魔力ゆえクラエス公爵が養子にするものの、愛人の子ではと疑うクラエス夫人や義理の姉・カタリナに冷遇され、孤独を紛らわすように持ち前の色気で女性を誑かす遊び人へと成長する。学園ではもの珍しさから平民出身のヒロインにちょっかいを出すが、彼女の優しさに触れるうちに愛情を抱くようになる。
  • アラン・スティアート / 国の第四王子である銀髪碧眼の美男子。ジラルドの双子の弟。幼少期は病弱であり、成長してからも優秀な双子の兄に対する劣等感を抱え続けてきた。学園ではジラルドと同じく自分よりも好成績を示すヒロインをライバル視するが、あるがままの自分を受け入れるヒロインに惹かれていく。最終的にはヒロインと一緒になるか、婚約者メアリと結ばれるかの幸せな二択が待っており、バッドエンドまっしぐらのカタリナにとっては理不尽ささえ覚える存在。
  • ニコル・アスカルト / アスカルト伯爵家の長男で、他の面々よりも一つ年上。黒髪に黒い瞳をもつ口数の少ない鉄面皮の持ち主だが、美形の両親から受け継いだ溢れ出す魔性のオーラで人々を魅了する。野猿が唯一攻略していないキャラクター。

ライバルキャラ
  • メアリ・ハント / アラン攻略ルートにおけるヒロインのライバル。ハント侯爵家の四女であり、アランを心から慕う婚約者。赤褐色の髪と瞳をもつ。どこかの悪役令嬢とは違い、王子の婚約者として不足のないマナーと教養を備えた、正統派の貴族令嬢としてヒロインと真っ向から対峙する。カタリナのことは嫌い。カタリナ的には、同じライバルキャラなのに扱いが違いすぎて不満を覚える存在。
  • ソフィア・アスカルト / ニコル攻略ルートにおけるヒロインのライバル。アスカルト伯爵家の娘でニコルの妹。絹のような白髪と紅玉のような瞳の美少女。優しい兄が大好き。カタリナは嫌い。
  • カタリナ・クラエス / わがまま放題の公爵家令嬢。亜麻色の髪に水色の瞳。勝手に転んで作った額の傷を理由にジラルド王子の婚約者という立場を手放さず、学園でジラルドとの距離を縮めていくヒロインに執拗な嫌がらせを繰り返す。ただでさえ攻略難度の高いジラルドルートの大きな障害として、野猿も苦しめられた。キースルートでも貴族意識の高さゆえ、義弟と接近するヒロインをいじめまくる。その悪役ぶりを指して、野猿いわく「働き者」。どちらのルートでも最後は国外追放か死が待っている。

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…

カタリナ・クラエス
 8歳で前世の記憶を取り戻し、突如として精神年齢17歳となったクラエス公爵令嬢。前世では「野猿」の二つ名をもつ、狸顔のお転婆な末っ子だった。現在の顔立ちはきつめで、母譲りの悪役面。貴族社会で生まれ育ったため、貴族としての最低限の振る舞いは心得ているものの、しばしば前世の庶民的価値観に由来した突飛な言動をとるようになり、周囲には「けがと高熱で人が変わった」と思われている。
 人生を途中退場してしまった前世を悔い、今度こそはのんびりとした老後を送るのが目標。15歳の年にあたる「魔法学園1年目」に備えて剣を習い、魔力を磨き、庭に作った畑を耕しながら、自身を破滅へと導きかねない少年少女たちと良好な関係を築こうと奮闘するうちに、別種のフラグを乱立させていく。
 破滅回避に必死であることに加えて「悪役令嬢カタリナ」が色恋沙汰に巻き込まれるなどとは露ほども思っておらず、おそろしく無防備。自分に向けられたあらゆる好意を友愛として縮小解釈する鈍感娘だが、正統派ヒロインであるところのマリアや、魔性の伯爵子息・ニコルにはどぎまぎさせられている。

  • ジラルド・スティアート / 8歳にして「特に王族と利害関係もない中立の公爵家の(馬鹿な)令嬢に傷を負わせてしまった」という建前を利用して貴族社会を渡り歩こうとしていた恐るべき策略家。形ばかりの見舞いに訪れた先で、まるで人が変わってしまったカタリナに興味を覚え、まったく言動の予測できない彼女と過ごす時間をかけがえのないものとしていく。婚約者という優位に立つ上に独占欲が強く、得意の作り笑顔で他者を牽制しながら抜け目もないため、他の面々からはことのほか警戒されている。
  • キース・クラエス / カタリナの最も身近な破滅フラグであったが、「弟をかわいがる」という前世からの念願どおりに接しているうちに、迂闊な義姉のお目付け役のような立場に収まってしまった。自分を孤独から救ってくれた義姉に熱情を抱きながらも、奥手に育ってしまったせいで一線を越える勇気を出せず、家族であるという有利さもほとんど活かせていない。ジラルドの動向には人一倍敏感で、「危険」を感じれば即座にカタリナのもとへ駆けつける。
  • メアリ・ハント / おどおどとした気弱な、カタリナの「王子の婚約者」仲間。植物を育てることに秀で、カタリナの悩みの種だった死にかけの畑を見事に復活させる。自信を取り戻すきっかけをくれた彼女に恥じないようにと立派な令嬢に育ち、社交界でも一目置かれる存在に。中身はジラルドと似たり寄ったりで、ジラルドを抑えるためにアランのことさえ利用する強かさも覗かせる。カタリナへのボディタッチが多いことをキースに指摘されている。
  • アラン・スティアート / 婚約者のメアリが絶えず口にするカタリナのことをライバル視し、勝負を挑むようになる俺様王子。劣等感を燻らせていたが、彼女の言葉をきっかけに音楽の才能を花開かせ、ジラルドとの兄弟仲も改善。無自覚にカタリナへの好意を示すようになる。メアリのことはかわいい妹のように思っていたが、カタリナに対する気持ちを自覚した際には打ち明けており、婚約を維持したまま協力関係へと移行することで合意した。
  • ソフィア・アスカルト / 特異な外見を忌み嫌われ、家に閉じこもりがちだった少女。参加した茶会で、ロマンス小説を語る同志に飢えていたカタリナに捕まり、好きな物語に登場する憧れの王女そのものの彼女と過ごすうちに、愛らしい笑顔を取り戻していく。初めての友人となったカタリナを慕いながら、義妹になれる可能性にもとづいて自慢の兄であるニコルを何かとけしかけている。
  • ニコル・アスカルト / 大切な妹のソフィアを好いてくれるカタリナに感謝を覚えると同時に、「奇異な姿をした妹」にまつわるいわれのない同情や憐憫とは無縁の彼女が隣に居る時間に安らぎを覚える。友人であるジラルドの手前、気持ちには蓋をしているが……。ふだん無口でいる分、情愛の滲んだ囁きは男性陣の中でもかなりの確率で有効打を放っており、魔性のオーラの威力も相まって、耐性があると自負するカタリナでさえ時に記憶をなくすほど。
  • アン・シェリー / カタリナが8歳の時から専属として仕えている、8つ年上の頼れるメイド。転倒事件を経たカタリナの変貌を間近で見ており、予測不能の問題児と化した彼女に大いに戸惑い、翻弄されてきた。巡ってきた縁談を潰されたこともあるが、笑って水に流しており、学園にも彼女の世話係として同伴する。余人にも察せられるほどの深い敬愛を持って主人の傍に控えており、カタリナがどこへ行こうと離れるつもりは一切ない。
  • マリア・キャンベル / 文庫版では2巻より登場。強い光の魔力を発現させた、現在の国で最も特別な女の子。降って湧いた異質な力をきっかけにあらぬ誤解や偏見、家族の不和を経験し、幼少期の平穏な生活を取り戻そうと、努めて「いい子」であり続けてきた。直向きな人柄(と趣味で作るお菓子の味)にすっかり魅了され、うっかり男性陣の出番まで奪いながらあれこれと構ってくるカタリナを、いつしか「ずっと傍にいたい人」と慕うようになる。持ち前のヒロイン力と、気持ちそのままのまっすぐな言葉選びで、並外れて鈍いカタリナを赤面させるダークホース。

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