腹が出過ぎて足元が見えぬ……
こんな性悪デブス、婚約破棄されて当然だよ!!
悪役令嬢に巻き込まれて処刑なんて笑えない!
痩せて処刑を回避しよう!!!
🐷概説
「小説家になろう」に投稿・連載されている桜あげはの小説作品。2017年5月16日より連載開始、2023年9月18日に完結。
KADOKAWAのビーズログ文庫より書籍化。書籍版のイラスト(キャラクターデザイン)は昨今『はめふら』でお馴染みのひだかなみ。2024年5月15日に最終巻が出され、こちらも完結した。全5巻。
いわゆる「悪役令嬢転生もの」のバリエーションに位置する作品。この作品が初出だった頃における通常の同種作品においては「原典とされる作品のラスボス令嬢に転生する」事が多いのだが、この作品では「物語の中盤で、ラスボス悪役令嬢からトカゲのシッポ切りをされてしまう、中ボス悪役令嬢」に転生して処刑回避のために奮闘する内容となっている。また後には本作が範にでもなったか同種の悪役令嬢ものが増加している。
また同作者による「令嬢シリーズ(◯◯令嬢シリーズ)」と呼ばれる一連の作品を構成する一編でもある(シリーズとはいうが各作品間における繋がりはほぼ無い)。
2022年4月、漫画版『reBoooot!』(後述)の第3巻に合わせてオーディオドラマが出された。
🐷漫画版
ひだかなみのキャラデザを元(いわゆる「キャラクター原案:ひだかなみ」)として漫画版が複数作、執筆・連載されている。
🐷花野リサ版(無印漫画版)
2018年4月からComicWalker(KADOKAWA)の女性向け異世界転生専門ウェブコミック部門「フロースコミック」(B'sLOG COMICと共用)にて漫画版が連載された。なお連載はフロースコミック枠だったが、単行本はフロースコミックの枠から外されてB’sLOG COMICとして出されている。
作画者は花野リサが担当していたが、2019年3月更新分(10話目。ブリトニーがブートキャンプを経て、リュゼが以前リカルドに用意した詐欺釣書を参考にした詐欺メイクを編み出すまで)を最後の掲載として物語途中で唐突に(ノーアナウンスで)連載が打ち切られた。のち、同年5月で掲載(配信)停止となりComicWalkerから削除となった。
単行本は第4話まで収録された1巻のみが出され、2巻相当分は単行本すら出されないという、見事なまでの尻切れトンボと化している。
残話数を考えれば出せたはずなのだが、発刊の形跡は無い。一応2巻のISBN自体は取得されており一部の出版サイトでは2021年5月に発売されるはずだった花野リサ版2巻のデータが残ってたりする。(参考:hon-to) まぁISBNまで取得しておきながら土壇場で出せなくなる、というのはKADOKAWA系列では時々聞く事ではある。
🐷條 版(reBooot!)
2020年8月6日より、再びComicWalkerの「B'sLOG COMIC for girls」の枠内(ただしフロースコミック枠外作)によって條の作画による新規の漫画版となる『転生先が少女漫画の白豚令嬢だった reBoooot!』が連載される事となった。なお、この『reBoooot!』に関してはpixivコミックでも約1ヶ月遅れで配信されている。
🐷あらすじ
「中央の国」の北辺境にあるハークス伯爵領の令嬢ブリトニー・ハークス(12歳・体重80kg)は、婚約破棄のショックをきっかけに自らの前世の記憶を蘇らせる。その記憶の中でブリトニーは自らが生きているこの世界が、前世でハマっていた少女漫画『メリルと王宮の扉』の世界であることに気付く。そして、ほかならぬ自分自身が『メリルと王宮の扉』の登場人物にしてラスボス悪役姫アンジェラの取り巻き、物語の中盤でアンジェラの身代わりとしてあえなく処刑される中ボス・白豚令嬢ブリトニー・ハークスであると思い至ってしまう。
自らがアンジェラの取り巻きとなるのは、ほかならぬアンジェラに容姿やスタイルへのコンプレックスがあり、それを隠すために自らよりも容姿や体形の劣るものを侍らせている……。
前世の物語知識で、その結論に至ったブリトニーは、自らの処刑を回避するために、自身がアンジェラに取り立てられる事がなくなるようにダイエットに励み、前世知識を駆使して食餌・ファッション・化粧などを極めるべく美容道を突き進んでいく。
すると、それはやがて「中央の国」を中心とした、この世界の美容・医療・衛生の改革へと繋がっていくこととなるのだった。
🐷登場人物
- ブリトニー・ハークス
- リュゼ・ハークス
- CV:逢坂良太(オーディオドラマ)
- ブリトニーの従兄であり、次期ハークス伯。本作のさすおに枠。『メリルと王宮の扉』では、なぜか登場していない。(のちに存在だけがほのめかされている事が明らかになる)何気に80kgをお姫様だっこできる膂力を持つ細マッチョ。王太子の学友であり、覚えのめでたい親友でもある。領地運営でかなりの苦戦を強いられている(親が貴族身分を鼻にかけて贅沢をやめない人間のクズだったりする)事から、とんでもない苦労人でありあからさまな腹黒気質の持ち主。恐ろしい事にガチで怒ると底の知れない上機嫌めいた笑顔になる。そのためブリトニーにとってリュゼの笑顔はなにより怖い。
- 人当たりが良く何事も如才なくこなすチートキャラめいた完璧超人である一方、その完璧ぶりは普段の努力の賜物とも言える秀才系のスワンライクキャラ。その分、心を許して本音を見せられる相手は少なく、なんだかんだ言いつつもブリトニーは、その数少ない「自分の本性を隠さずに済む相手」だったりする。(あとは婚約騒動でなんだかんだと付き合いが長くなったリカルドや、親友である王太子ぐらい)なので、その分ブリトニーの事後を家族として案じている思いは本物(普段の腹黒ぶりが災いしてブリトニーからは警戒されているが)であるため、ブリトニーを政略の道具としてしか考えていない貴族令息を相手にした時にはガチギレして「お前にくれてやるくらいなら、いっそのこと僕がもらうよ」発言まで飛び出している。(しかしブリトニーにとっては、あくまでも「兄」であるという、ある意味ではフビンな位置取りにある)
- ハークス伯爵
- ブリトニーとリュゼの祖父。孫に甘い、正真正銘の孫バカ。特にブリトニーに対しては、彼女が両親から見捨てられている事を不憫に思う思いも手伝って、わがまま放題に育ててしまっていたりする。ブリトニーが重量級になってしまった原因。
- 実は『北の伯爵』の名で知られる名将(この名はのちにリュゼが継承する)で根っからの武闘派。もとは、かつて北の国より押し寄せてきた侵略軍を、地元の人たちとともに少数で排除した有志の辺境の勇者であり、土地を守った褒美として中央の国の王家より同地を治める領主とされた。その勇猛な武勇伝から慕う人も多い。
- しかし根っからの武闘派である事が大きく災いしたうえ、早いうちに連れ合いを失くしてしまった事も手伝い、領地経営や子育てに関してはカケラもセンスが無い。特に子育てに関しては「むしろ、この人に育てられないほうが真っ当に生きられるだろう」というレベルで、明らかに善人である事がアダとなっているタイプ。
- 侵略軍を相手に地元の人々と信頼関係を築いてきた人の好さも、老境に至っては人の甘さに転化してしまっている。そのため、これまで領地運営で散々にいろんな人に(その中には自分の子どもたちも含まれている)騙されてきており、リュゼが領地経営の補佐に就いた頃のハークス領は借金だらけであった。
- のちに、とある事件で祖父の勇猛を目の当たりにしたブリトニーの願いで、引退した兵士たちを集めてブリトニー(とリュゼとリカルド)に「じじぃ's ブートキャンプ」を施すこととなった。
- リカルド・アスタール
- CV:鈴木崚汰(オーディオドラマ)
- ハークス領の隣領、アスタール領を治めるアスタール家の次男。ブリトニーの元婚約者。
- ブリトニーとの婚約話を聞かされた際、密かに彼女の「白豚令嬢」としての姿を覗き見て恐れおののき(ちなみに、この時にリカルドはショックで寝込み、将来への恐怖で体重が5kg落ちた。)様々な裏工作の果てにブリトニーとの婚約破棄へとこぎつける。(が、それがブリトニーの前世覚醒の原因となった)
- ブリトニーとの婚約破棄を確定させるため、彼女の美容道邁進の手伝いをさせられる羽目に陥り、結果としてブリトニーとの婚約破棄自体は成立したものの、逆に彼女とは苦楽を共にする戦友にも等しい間柄と化し、のちには自らがやらかしたブリトニーとの婚約破棄を激しく後悔する羽目に陥る。
- マーロウ王太子
- ノーラ
- 『メリルと王宮の扉』におけるブリトニーの相方で、いわゆる同作の三悪ポジション最後の一角。ブリトニーとは逆に長身の瘦せぎす。
- 少女漫画では高飛車な意地悪令嬢だったが、それ自体は自らのコンプレックスを隠すための鎧に過ぎず、実際には引っ込み思案で大人しい令嬢。
- のちブリトニーと美容道を極める仲間となる。
- アンジェラ姫
- CV:伊藤静(オーディオドラマ)
- 中央の国の姫。『メリルと王宮の扉』のラスボス悪役令嬢。原典では兄のマーロウと折り合いが悪く、その反感やコンプレックスから兄や親たちを憎み、悪役街道を突き進んでいく。
- しかし、素では可愛いものが大好きで真面目な乙女。彼女が悪役令嬢と化したのも、実はヒロインに対して「貴族の義務」を果たすように苦言を呈し続けていた事をウザがられたのが原因。
- 本作ではブリトニーより「自分たちの現実」(いくら自らの周囲を貶めても、自分自身は強くなったわけではない。他者の評価による流行を追うより、自分を魅せるオンリーワンを常に探すべし、と忠言された)を強く突き付けられた事で改心。ブリトニーを「自らに苦言を呈してくれる忠臣」として気に入り、友人として彼女の意向を尊重しつつ力添えをしてくれる最強の味方となる。
- メリル姫
- 中央の国の姫で王の愛人の娘。『メリルと王宮の扉』の正ヒロイン。平民出身であるため貴族の価値観に馴染めておらず、すぐに「平民の正論」を振りかざす。
- 正義感がとても強いが、それゆえに巻き込まれヒロインでもある。
🐷外部リンク
※花野リサ版に関しては配信が停止され、作品そのものがすでに削除されている。
🐷関連タグ
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…:同じく「なろう」連載の悪役令嬢もの。キャラデザ繋がり作品でもある。