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なろう系

なろうけい

『小説家になろう』に投稿されている作品へのマジックワードや蔑称として使われる。出自は不明だが、電子書籍サイトの多くはこの呼称を使用している。公式(KADOKAWA等の出版社)は「小説家になろう」や「なろう」等と発言している為、使用が推奨される呼称ではない
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概要

「なろう系」とは、小説投稿サイト『小説家になろう(以下、なろう)』に投稿された作品に蔑称の一種として扱われている言葉である。
(ただし、必ずしも悪い意味で使われる訳でも無く、「小説家になろう」出身作の総称として使用される場合も多く、貶しているのか褒めているのかは、前後の文脈で察するしか無い)
また「なろう系」という単語は電子書籍サイトなどでは通常使用されているが、公式では「小説家になろう」や「なろう」と称されている為、公式の呼び名ではない。

なお「小説家になろう」以外でも投稿された小説も総称して「なろう系」と呼ぶ場合もあるが、定義によっては正しくない場合があるので注意。(詳細は下記参照)
また他の言葉での言い換えとして、「異世界系」「異世界転生」「転生物小説」などとも書かれ、宣伝文句やタイトルとして使われているが、詳細を見れば分かる通り、この言い換えは決してなろう系の本質を表したものでは無く、代替の言葉としては不適切である

なろう系の定義

最初に断っておくこととして、そもそも「なろう系」にこれといった定義はなく、2020年代に入ってからもこの言葉の意味は拡大を続けている。この記事で述べられている事柄も、あくまでも一つの例に過ぎず、あえて説明するのならば、こう言う言い方が無難。と言った事でしかない。
尤も、そもそもジャンル分けの定義など通常出来るものではなく、たとえば「熱血スポ根漫画」と一言で言っても、その括りに入れるか否かは人それぞれであるため、「なろう系」の定義が不可能なのはむしろ当然でもある。極端に言えば、多くの人がなろう系だと思えばそれはなろう系、と言ったところであろう。
なお多くの場合は批判的な意味合いで使われるため、安易な使用は周囲に不快感を覚えさせるため要注意。

あえて明確に定義づけをするならば、『なろう』に投稿された作品の中で商業進出にピックアップされやすい上位作品には、ある種のお約束とも言うべき似通った作風の傾向が見られ、それを「なろうテンプレ」と呼ぶ。
いわゆる「なろう系」とは、この「なろうテンプレ」に沿った作品の事を指すことが多く、一時期「なろうテンプレ」の代表格とされていたものが異世界転生した主人公がチート能力を手に入れて活躍する」という、所謂「異世界チートもの」であった為、一部の人間はこの「異世界チートもの」を指して「なろう系」と呼ぶことがある。
(そもそもこの時点で当時異世界転生と同様に存在していた異世界転移の事が踏まえられていない。詳細は後述)
その為、「なろう系」の言い換えとして「異世界系」の言葉が使われることもあるが、異世界転生が「なろうテンプレ」として流行したのはあくまでも一時期の事であり、なろうテンプレ=異世界転生というわけではない。またそもそもの話として、なろう系と呼ばれる作品に異世界転生が多かっただけで、異世界転生もの全てがなろう系扱いされているわけではないことも注意が必要である。
冒険者が所属していたパーティから追放されたあと成り上がるという「追放もの」や、転生自体はするものの、転生先がファンタジー世界ではなく、歴史上の人物である「転生架空戦記もの」、恋愛系のフィクション作品の悪役女性に転生する「悪役令嬢もの」などが「なろうテンプレ」として機能しており、「なろうテンプレ」はあくまでも小説家になろう内での流行でしかない為に、流動的で不明瞭なものである。

pixivでは

(ただし、『小説家になろう』出身作品限定とするべきか否かで論争あり。後述。)

…といったものが悪意のないテンプレートな識別だが、後述のように「なろう系」そのものがある種のレッテル貼りとして機能してしまっていることから、『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』のように小説投稿サイトと全く関係ないところから流行の二番煎じとして発表された作品もなろう系扱いされることが多い。

件のサイト上でも敢えてテンプレートに逆らった作品群(主人公に優しくないハード・胸糞展開が続くや『Re:ゼロからはじめる異世界生活』、『黒の魔王』等のアンチテンプレ)も散見され、同時にいわゆる悪役令嬢物や、恋愛作品のジャンルも存在(無論、異世界転生・転移物とは限らない)するため、編集現在でも確たる区分が望めない状況にある。
そもそも、ハード展開や胸糞展開が長続きしない代物はラノベの頃からあり、主人公が別格の能力、または伝説的な能力を持っているのはラノベからの展開なのだが、その辺りは何故か言及される事が少ない。
また、異世界での日常や異世界の観光を題材にしている作品に対してバトルを求める者もいる為、基準がバラバラで個人でも多彩に変わってしまうものと推測される。

そもそも、こうした区分分けのような名称を使っているサイトなどで見聞を広めようとも、誰も区分分けについて基準が分からないどころか、今まで存在していたラノベ等の区分よりもかなりあいまいなものとなってしまっている。
(先述の通り、そもそもジャンル分けに区分など不可能なため、仕方のない面もある)
加えて、主にアンチ・ヘイトと呼ばれる類の(タイトルが蔑称等)作品において使用されており、基本的に「なろう」や「小説家になろう」が主に使用されている。

結局のところ、「なろう系」とは何なのか?

「異世界チートもの」自体は他の小説投稿サイトにも広まっているジャンルであり、なろう固有のジャンルではない。 あくまでなろう系と呼ばれる作品に異世界チートものが多いだけで、異世界チートものだからなろう系と言うわけではない。現に「ダンバイン」などはなろう系扱いされない。
「なろう系主人公」などと揶揄されがちな「チート能力持ちの主人公」、つまり主人公が周囲の人間よりも優れた能力をもっている。と言う設定や、そう言った能力が主人公に与えられるという展開自体が大昔の神話の時代から描かれ続けているありふれた類型の一つに過ぎず、別に昨日今日になって急に出てきたものではない。これもまたなろう系と呼ばれる作品に多いと言うだけで、そういう主人公だからなろう系と言うわけでもないため、作品をなろう系扱いする場合はそのあたりの因果関係ははっきりさせてからした方がよいだろう。
また、「チート能力」の「チート」の定義も本来の意味である『正規のルールを無視した不正行為』と言う意味で使われることは少なく、単に優れた能力者をチートと呼称することが多い。
(本来のチートは「ゲームにおける不正なパッチデータによる優位性の会得」だが、ネット上では強力な能力(上述では悟空等)をチートと称する為、「チート=強い能力」といったように扱われる事が多い)

場合によっては、少年漫画の主人公のような能力をチートと称する事例も多々存在しており、少年漫画のドラゴンボールの主人公の孫悟空がサイヤ人である事から超サイヤ人に覚醒した事、ワンピースの主人公のルフィがゴムゴムの実を食した事等、そういった事がチートと称するものがまれにいる。

web掲載から書籍化する事になった作品は「なろう出身作」という印象を抱かれやすく、例え「なろう出身作」ではなくても一纏めに「なろう系」と括られる。
これはカクヨム出身作品やアルカディア出身作品、その他の商業作品でよく見られるケースである。
逆に「なろうテンプレ」に当てはまらなくても出身が「なろう」だった事で「なろう系」と言われることもあり、メディアミックスの際に原作がなろう投稿作品であった場合、電子書籍サイトにて「なろう系」の表記を用いる例もある。しかしこれに関しては蔑称ではなく純粋なジャンルわけをしているだけであろう。
(事実、ネット上でなろう系ではないという擁護の声が元から大きかったこの素晴らしい世界に祝福を!の外伝作品もコミックワーカーではなろう系扱いである。)

後になろう作品初の実写映画(後に劇場アニメ化)にもなった君の膵臓をたべたいは「異世界チートもの」ではないにも拘わらず、「なろう系」の代表格の一つとされる最たる例であった。 ちなみに、ストーリーは現代日本を舞台にした純愛ものである。(昨今ではほぼ名前を挙げられることはなくなったため、なろう作品を総じてなろう系と呼んでいた頃限定の現象であるだろう)
また、「異世界もの」「転生もの」でないにもかかわらず重厚なストーリーが高評となり『小説家になろう』上位に長らく止まっていた魔法科高校の劣等生は、その突き抜けた厨設定から『なろう系の殿堂』と目されることが多かった。(こちらもまた昨今ではなろう系の話題に名前が上がることは少ない)さすがはお兄様です
ついでに、中華チックなミステリーものとして出版・漫画化されている薬屋のひとりごとは、編集現在でも『小説家になろう』の人気上位であるレーベル的な意味での「なろう系」である。付け加えるならば、広い意味での「異世界もの」であるが「転生・転移もの」ではない。

上記の様に、なろう系という言葉が出始めた頃は「なろう出身作」や、「異世界チートもの」を指す言葉として定着しつつあった言葉であるが、「異世界チートもの=なろう系」という図式が出来上がってしまった事に加えて、2010年代のアニメ作品や、アニメ化作品の多くがこの「異世界チートもの」で占められていった事で、徐々にその言葉が広がる様になる。

特に、なろう出身の小説がなろうに否定的な人間から酷評を受けていた事から、『なろう系作品=駄作』と言う不名誉なレッテル貼りを貼られる様になる。
その批判内容は謂れのないものや設定の曲解がある事も多く、中にはファンの反論を曲解しては各所で嘘を話す者もいる。
とは言え、どんな作品にも所謂信者と呼ばれる者はいる為、正しい情報が何なのかが第三者から分からないようになってしまっているのが現状である。

またアニメを見て原作批判にまで手を広げる人物が多い。原作の派生がアニメなので仕方ない部分もあるのだが、アニメは原作を踏襲してはいても尺の都合などで別物になることも多く、中には改悪されている場合すらある(「異世界はスマートフォンとともに」が特に顕著。有名な「まるで将棋だな」はアニメオリジナルのセリフである)ため、批判側の方々には謹んで貰いたいところ。原作の評価をするならば原作を見る。見たくないならば見ないで評価をしてはいけない。

またハーレムを作ることに対しても批判的な意見が出ることがあるが、ハーレムが悪いと言うよりは「なぜこの主人公が異性(や同性)にモテるんだ」という疑問が批判の要点であるため、ハーレムもの=なろう系という認識は正しくない。
ハーレムもの自体は昔から存在したが、その中で好評な作品の主人公は男性読者から見てもかっこいい存在であったし、そうでない作品は「こんな男がモテるわけないだろう」と酷評されてきた。
とは言え、そういった部分でも上述した原作の改変部分や、果ては主人公の言動を悪意的に捉えている部分もあり、ニコニコ動画の公式配信アニメのコメント欄には

  • 主人公の行動を悪意的に捉えているために、第一話で主人公を襲ったキャラクターを褒めたたえ、主人公を殺すように催促するコメントがなされる。
  • 主人公の性格が変貌するまでの描写をアニメでなかった事にし、「主人公は最初から卑劣な奴だった」等といった印象操作を行う。
  • 主人公が見捨てたという事実を作る為に、人間ですらない物を人間に見立てて見捨てたというコメントをする。
といったコメントが行われている場合もある為、一概に批判側が正しいとも限らない。
(そもそも上述されているようにアニメではカットされた部分も多い上に、人が人に好意を持つ理由に答えはないのだが)
何度も言うが、その作品を知るには自分で原作等を確認する事が大切である。

なろう系はマジックワード?

マジックワードという言葉が存在するが、なろう系はそのマジックワードに該当するという意見も存在する。
マジックワードとは、本来の意味合いでは「魔法の言葉」であるが、ネットスラングとして使われる際は「何にでも使える魔法の言葉」である。
批判されていたスマホ等ではあるが、批判内容を見てみると設定を曲解した事実ではないものであったり、一部分だけを切り取ったものであったり、果ては内容を捏造していることもある
ただしファンの側も作品に書いていない個人の想像をあたかも公式設定のように語ることがあったりするため、ファンの言う事だから信用出来る、というわけではない。称賛にしろ批判にしろ「自分で読んで自分の意見でする」のが大前提である。
そのため、なろう系と言う言葉を安易に用いると「根拠のないレッテル貼り」や「ゲーム系迷惑サイトによる印象操作」と認識されてしまいやすい。
しかしながら全てが印象操作というわけでもなく、すべての意見を印象操作だレッテル貼りだと一蹴するのでは臭いものに蓋をしているのと変わらない。
(呼ばれなくなっていった物が過去作の順である事から、単純に次から次へと対象を変えている可能性もあるが)

相手の意見が真っ当なものであれば認める事も重要である。

とは言え、批判側も「叩き」に見られるようなキツい言動を行う事をせず、蔑称等を使用しないという前提の元で批判を行うべきではあるが。

そもそもの分類として

なろう系という単語自体、書籍などでは使われる事は少ない。大体は「小説家になろうでPV○○突破の人気作、ついに文庫化!」といったように、サイト名をそのまま使っている場合が多い。
使っているのは主に、小説や漫画をネット上で見る事のできる、所謂電子書籍サイトと呼ばれるサイトだ。
その電子書籍サイトによれば、よくなろうに否定的な人物が擁護するこのすばやリゼロ(なろう系じゃない!という擁護)もなろう系なのだが、この分類が如何なる基準で行われているかは定かではない。
そのため、あくまでも「なろう系」という区分分けの単語は公式のものではなく、ネットスラングに近いものであると考えられる。

現在におけるなろう系

元々が蔑称から始まったのか、それとも誰かが「なろう出身作」をまとめてそう呼び始めたのか定かではないこの単語だが、ネット上での電子書籍を販売するサイトなどで「なろう出身作」にこの呼び名がつけられる事が多い(先述の通り、単なるジャンル分けとして使用しているサイトもあるので注意)

そもそも、「小説家になろう」とは。

そもそもの話になるが、「小説家になろう」というサイトはあくまでも小説投稿サイトである。
投稿されている小説は異世界ものが流行しているが、それ以外にも日常やSFといったものも存在しており、「なろう系」などと称するとそうしたものはどうなるかという疑問が出る事は分かり切っている事である。
しかし、「なろう系」という言葉は突如として発生し(元々アンチが蔑称として使用していたものを、電子書籍サイトの運営が意味を知らずに適用した為、なろう出身作品につけられるものとされた等、様々な説がある)、その結果「小説家になろう」というサイトは異世界もの「のみ」という誤った情報が広まったこともある。
この謝った情報を広めているのは、俗に「アンチ」などと呼ばれる人々ではあるが、その情報を鵜吞みにした、所謂「ネットイナゴ」などと呼ばれる者も誤情報を広めている場合がある。
更に言えば、小説家になろうというサイトから書籍化へと移行した作品の中には、今までの(つまりはラノベの)テンプレート等に当てはまらない物もあり、そうした「ラノベとしては弾かれてしまう」ものが人気を取り、書籍化できたというケースも多くある。

最後に

上述した様に、現在「なろう系」と言う言葉は、単なるレッテル貼りや、安易な批判として機能している場合も多い。
しかしその一方で、『異世界チートもの』であれば駄作、小説家になろうに掲載されているから駄作、と言う事は勿論無く小説家になろう出身の名作も数多い。
それらの作品を愛する人間からすれば、「なろう系」と言う言葉を揶揄の意味で使う事自体が不快であり、そもそも喧嘩の元になる。
作品の傾向や出自を言い表す場合、サイト名や出版社などの明確な出自、別のキーワードを用いたジャンル名を使った方が無難かもしれない。

本当にその作品について話をしたいのであれば、きちんと読み込んだ上で行いましょう
「なろう系」という俗称が使用される場合は単に「なろう出身作」であったり「なろうで流行っているジャンル」という意味合いのこともあるため、使用者を頭ごなしに否定するのは控えましょう。
しかし使用は蔑称的側面での使用がある為に推奨されておらず、使用すると大変荒れる可能性があります。使用の際にはTPOを弁えましょう

関連項目

小説家になろう ネットスラング

外部リンク

なろう系 - Wikipedia
※wikipediaにおけるなろう系の記事は「記事が存在している物を参照に書かれている」だけである為、何もこの記事が正しいという訳ではない事に注意しなければならない。
※逆に、当記事も当記事で「出典の提出が義務付けられていない」という中立性を欠く点を抱えている。
※故に、どちらか一方だけ、またネット上に存在する情報の一つだけを信用する事は推奨しない。

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