概要
作者は愛七ひろ。書籍の作画はshri(海老しゅり)。小説版の既刊は28巻(内19巻および24巻は特装版があり、ドラマCDの特典付きで販売されている)で、コミカライズの既刊は17巻。2024年5月時点で発行部数は770万部(漫画17巻の巻帯より)。
コミカライズ版はあやめぐむが担当。漫画は月刊ドラゴンエイジ(ドラゴンエイジ)、ComicWalker、ニコニコ漫画(2021年より)で連載されている。
Web版は2013/03/03に連載開始、2020/03/08完結済みであるが、もWeb版と書籍版(漫画版もこちら)はWeb第6章(書籍版3巻内容)で挿入されたクハノウ伯爵で魔女救済イベントの有無で展開が大きく分岐している(アニメ1期の第11-12話で話も敵も地味で小規模なものだった)。Web版ではそもそも魔女に会わず素通りするだけであるが、書籍版ではサトゥーが「魔女の友」になる事でその後の展開が徐々に変わっていった。
また、web版本編自体は終了しているが、愛七ひろ氏は「こぼれ話の章」として短編等の投稿を行っている。
「流星雨を使わなかった」世界線(web版IFの章)
2024/02/04にサトゥーが「流星雨を使わなかった」世界線であるIFの章が連載開始された(弱くてニューゲーム?に突入した場合)。設定はweb版設定を基準にしている。
序盤で鱗族の大群に襲われず、サトゥーも戦闘を避けた為、LVアップしておらず餓死をしないよう食料を節約しながら最初の町に辿り着いたらその町は魔族が暴れて半壊していた。
デスマーチからはじまる異世界狂想曲EX
外伝作品・番外編となる小説。主な内容はアリサがサトゥーと出会う前の話や書き下ろし短編、ゲストによるイラストを収録。また、第2巻の「EX2」には短編だけでなく「サトゥー達の歩んだ道筋」(要はルートマップ)が収録されている。
「アリサ王女の異世界奮闘記」
2018年にドラゴンエイジで連載されたコミカライズ版「アリサ王女の異世界奮闘記」は、瀬上あきらが作画を担当。全1巻。紫色の髪のアリサ王女と王族が仲良くなるまでの話なので、その後の転落と国の滅亡は描かれてはいない。
「デスマーチからはじまる異世界幸腹曲」
2022年には作中のキャラ・ルルを主役にした「デスマーチからはじまる異世界幸腹曲」が連載された。つむみが作画を担当、全2巻。
ストーリー
作品の主な内容は「ファンタジー世界に来訪した主人公が様々な理由から同行することになった仲間たちと共に諸国漫遊してまわる」というもの。これだけならなんてことはないと思われるだろうが背景設定や伏線は異様に奥行きが深く、徹底的に作り込まれている。一部は現実世界に対する風刺的な要素も強い。
端的に述べるなら、本作は異常とも言える設定や伏線の数で構築された異世界を、サトゥー視点でのんびり冒険しつつ、時々あるシリアスで核心や世界の謎に迫る作品である。
あらすじ
デスマーチまっただ中のプログラマー鈴木一郎(サトゥー)が、仮眠を取っていた所で目が覚めると、そこは見た事のない異世界だった。
夢か現実か、ここにサトゥーの旅が始まる。
主な登場キャラクター
主要キャラクター
(左から順にリザ、ポチ、タマ。書籍版・漫画版のよくある獣人コスプレ風の人型中心の姿。Web版/web版IFでは付け耳コスプレ獣人ではないちゃんとしたもっふもふな獣人だった)
(左がアリサで、右がルル)
- ミサナリーア・ボルエナン(ミーナ)(CV:永野愛理)
※よくある勘違いなのだが、サトゥーにとっては彼女らはハーレムヒロインなどではなく娘子供扱い対象の家族である。ロリコンの世界線でない限り…。
サブキャラクター
- ゼナ・マリエンテール(CV:高橋李依)
- カリナ・ムーノ(CV:川澄綾子、ドラマCD版)
- ラカ(CV:高階俊嗣、ドラマCD版):カリナの装備品
- レオン・ムーノ:書籍版(web版)ではサトゥーの後ろ盾になる貴族。
- アイアリーゼ:書籍版(web版)ではサトゥーが告白する対象。
- ハヤト・マサキ:勇者
- ロイド侯(ロイド侯爵)
- ホーエン伯(ホーエン伯爵)
TVアニメ
書籍版1~3巻までの内容がアニメ化された。放送時期は2018年1月からの1クール。TOKYOMX、サンテレビ、AT-XおよびBS11にて放送。
アニメーション制作はSILVERLINK.×CONNECT、監督は大沼心が担当。
Web版、書籍版、アニメ版の違い
書籍版はWeb版とは展開が異なるのは先述の通り。更に書籍版がアニメ化するにあたって、書籍版の内容から大幅なカットや設定の改変等があった。
- 原作には存在していなかったはずのガラス張りの窓が存在している(本来であれば気にする必要のない程度の設定なのだが、本作では設定が重視されており、硝子関係の小話もある為矛盾が生じる)
- 本来ないはずの台詞を明らかに必要のないシーンで追加している(これはアニオリにありがちではあるが、本作は主人公のモノローグを採用している為、わざわざ喋らせる必要性もない)
- 時折見受けられる作画崩壊がある(屋根が隣家に突き刺さる等の軽いものだが)
- 書籍版の内容が半分以下程しか出ていない(アニメ範囲は1~3巻だが、巻あたりおおよそ300ページもある為、合わせて450ページ以上の情報を圧縮しなければならず、大幅割愛されている)
人助けをしないといった叩きもあるが、これに関しては、Web版及び書籍版のサトゥー自身は偽善者と自覚した上で人助けの行動している為虚偽である。
加えて、通常の現代日本の価値観であれば十分なお人好しとされるが、ルート分岐で救えなかったキャラクターを元に叩こうとする人物(ナナのホムンクルス姉妹、赤冑など(尚、Web版は彼等を助けた方がよほどアンチの言うご都合主義がないと厳しい))がネット上に散見される。
元々この作品はアニメ化に向いている作り方をしておらず、半ば予想されていた出来事だった。(ムーノ男爵領に入る直前までのストーリー構成にしたのは現地ヒロインが増え始めるアニメ2期を意識した為だろうが、アニメ1期最終話が書籍版の物語で最も盛り上がらない地味すぎるお話(Web版では魔女イベントは発生せず素通りするので魔女の知り合いか否かが後にWeb版と書籍版の行動が大きく変わる)であった事も災いした。
web版/web版IFの「犬人族ポチ・猫人族タマ」と書籍版/漫画版「犬耳族ポチ・猫耳族タマ」の違い
また、原作アニメ関係なくポチやタマの設定が動物型の犬人族猫人族の種族から人間に近い犬耳族猫耳族に変わったにもかかわらずサトゥーが奴隷商人に犬猫と呼ばれていた人間に近い奴隷にポチとタマという適当な名前を付けた事(実際は本人にネーミングセンス皆無である事と、また仮の名前としてつけていた事)で叩かれているが、叩きの要素はそれ位で彼らの行動に比べると全然大した事ではない地味な行動である。
しかもポチタマリザの亜人三人組の名称は仮の名前であり、迷宮を出た後にサトゥーは元々別れる気だった為、ジョン・ドゥやナナシなどのその場しのぎの名前でしかなかったのを三人が気に入った為、そのままだったのだが、叩いている人物はそこまで物語を読まずに理解しておらず知ろうともしていない。その為表向きは奴隷の人間に対してペットの名前呼びしているように見える。
漫画版3巻で「犬人族・猫人族」と「犬耳族・猫耳族」の違いをわかりやすく説明するお話が追加されている。アニメでも説明するべきではあった。
しかし中には「作中において説明されていた」にもかかわらず、「異世界転生か異世界転移なのか不明」である主人公を「異世界転生」と断じるなど、明らかに内容を見ていないものや悪意の籠った批判もある。
加えて、本作品を元とした二次創作で本作を叩く行為も目立っていたのだが、叩く基準である作品は原作を知らない者が作成(聖剣に関する情報やデスマ世界の神々に関する情報を無視した行動が目立ち、更にはユニークスキルの事も理解していない上、リンク先記事タイトルから分かる通りタイトルすらあやふや)しており、明らかに原作の設定を無視した描写等が多々ある為、批判をする際には基準にしない方がよい。
更にはSILVERLINK.が製作を請け負っているとしているものの、アニメの制作に携わったのはほとんどがその子会社であるCONNECTであったこともファン内では問題視される事も多い。
こうした負の情報ばかりではあるが、中にはアニメから入ったというファンも見受けられる。
ドラマCD
2020年3月に発売の19巻が、ドラマCDがついた特装版も展開。
アニメに出てくる事ができなかったカリナ・ムーノやラカも出ており、声優が当てられている。特装版の19巻の巻末にはドラマCDの台詞が記載されており、特装版の場合ボリュームは19巻までの間で最大。
その他にもリーフレットがついてくるなど、特装版の名にふさわしい内容となっている。
また、2022年2月発売の24巻もドラマCD付の特装版であり、このドラマCDではカリナ同様、アニメ未登場のゼナが出演している。
19巻付属分のあらすじ
王都から迷宮都市に帰還したサトゥーの下に、ゼナより一冊の古文書が届けられる。
そこには、600年前の「幻の宮廷料理」のレシピが記されていた!
◇ドラゴン・ステーキ ドラゴン・ソース掛け
◇ベヒモスとマンドラゴラのシチュー
◇フェニックス・サラダ
その天上の味を再現すべく、
サトゥーたち、ゼナ、そしてカリナは、
手分けして希少な食材集めに奔走することに!
果たしてサトゥーたちは、極上の料理にありつくことができるのか!
24巻付属分のあらすじ
いつものようにボルエナンの森を訪れたサトゥーたち。
そこでエルフが保護する「妖精蜂」の巣箱が壊れたことを知ったサトゥーは、
聖樹・アーゼの願いに応え、その再建への協力を申し出る。
仲間たちに加えて、ゼナやカリナ、そしてナナの姉妹も巻き込んで、迷宮や秘境で必要な素材の探索を開始!
サトゥーは愛しのアーゼのために、エルフの里の「緊急クエスト」をクリアすることができるのか!?
注意
本作はある作品の後にアニメが放映したという事で、数々のデマ・誤情報や嘘の設定などがネット上に真実として蔓延した作品である。
その為、2019年時点における学術的記事におきて主人公に対する認識を間違えているものが当然のように専門冊子に記載される、数々の個人サイトにおいて過度な叩き(「日本人」主人公である為に起きるキャラデザ被りが、半ば強引にあるとされた事等)が行われる、等の問題行動がネット上に散見される。
その為、「主人公は領地持ちの貴族(もしくは王族)である」(実際は名誉貴族であり、その後観光大臣になるだけで、領地を保有している訳ではない)や「主人公は人間を虐殺する」(実際は盗賊も異世界の司法に任せ、場合によっては(義賊等)むしろ手を貸すなどする)などの誤情報が広まっている。
愛称として例のアレを紹介しているYouTuberなどがいる為、誤情報が広まるのも加速度的だったと考えられる。
そうした理由からか、本作の間違った情報がYahoo!知恵袋やWikipediaにも採用されている学術記事、様々な個人ブログやYouTubeなどに挙げられている為、ネット上の情報を鵜吞みにするのは危険である。
昔からそうではあったのだが、近頃では誰もが掲載できるようになった為、更に顕著になっている。
勿論、本記事も例外ではない。
関連タグ
小説家になろう 異世界ファンタジー デスマーチ 2018年冬アニメ SILVERLINK.