1人の“クソゲーハンター”が、神ゲーに挑む、
至高の“ゲーム×ファンタジー”冒険譚、開幕!!
概要
『シャングリラ・フロンティア~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~』とは、小説投稿サイト「小説家になろう」にて連載中のライトノベルである。作者は硬梨菜氏。
近未来のVRMMOゲームがテーマの小説。
記事の概要欄にもある通りに、2023年に至るまで未だに書籍化されていないにもかかわらずファンアートや作中のクソゲーを舞台にした二次創作小説、二次創作動画や作中のクソゲーをモチーフにしたボードゲームなどが作られるほどの人気タイトルであり、下記項目に詳しいが、書籍化よりも先にコミカライズ化とアニメ化の両方を果たしたと言う、前代未聞のメディア展開を果たしている。
(実は書籍化の話自体はあったらしく、それが空中分解し、そこから後述の話があったことが本人のX(旧twitter)にて言及されている)
2019年11月2日からは、「小説家になろう」とは別系統の小説投稿サイトである「ハーメルン」で原作カテゴリに追加されている。
「小説家になろう」の累計ランキングでは数多くの書籍化、コミカライズ化されている作品を抑えて二桁順位を獲得している。更には海外では違法な翻訳小説が連載されている。
また、人気投票でもないキャラアンケートが人気投票化し、僅か一日で1000票集まった。2018年には、アニメ化して欲しいラノベランキングにランクインし、2019年には同ランキングで6位に、2020年の上半期では2位になるという未書籍化のweb小説とは思えない偉業を達成している。
2020年下半期の同ランキングでは、遂に支持率30%と言うぶっちぎりの人気で第1位になった。
2019年11月7日より、小説家になろうの連載ページにて人気投票が行われた。また、2022年5月19日をもって連載開始から5周年を迎えた。
作風
近未来の日本で、主人公であるサンラクが、3000万人もの人間がプレイしているとされる神ゲーであるシャングリラ・フロンティアをクリアするためにゲームと現実を奔走する、と言うのが主なストーリーライン。
特筆するべきは、この手の小説にありがちな、クリアしなければ死と言ったデスゲーム要素や、実はファンタジー世界と繋がっていると言った異世界転移要素などは全くなく、純粋にただただ高難易度のゲームをクリアするためだけに主人公が奔走する。と言う、ストロングスタイルのゲーマー小説であること。
ジャンル的には、現実の日本よりも進んだ科学技術を持った世界を舞台とする近未来SF小説ということになり、技術的に(VR小説としてはままあるが)VR技術がかなり発達している。
作中世界は基本的に現実の日本と社会形態は変わっていないが、プロゲーマーが世間一般に認められており、最上位ならばプロスポーツ選手並みの収入を稼ぐことができる。とりあえずアマチュアゲーマーと名乗れば名義上はニートを免れる無職に優しい世界。
また、キャラクターらによる軽快なやり取り、主人公の一人称語りの中で出て来る数多くの架空のクソゲー紹介も本作の魅力のひとつであり、ゲーム「シャングリラ・フロンティア」に関わる重要なテーマの内の一つでもある。
この他の特徴として非っ常に設定が多く、コミック第一巻発売以前から、有志によってWiki(あくまで非公式)が作成されている。
作者がなろうの感想欄やTwitterで溢す設定や小話が網羅されているので、一つの作品のWikiとしては異様な情報量があり、一つの読み物ともいえる。
コミカライズ
そして2020年7月7日。
書籍化をすっ飛ばして週刊少年マガジンでのコミカライズ連載決定を発表。
同年7月15日発売の週刊少年マガジン2020年33号より連載開始。同日にマガジンポケットでも配信が開始された。
作画は『ワールドエンドクルセイダーズ』、『進撃の巨人 LOST GIRLS』、『Fairy gone』(コミカライズ。元原作はオリジナルアニメ作品)を手掛けた不二涼介氏。
また、同号より、ヒロイン・斎賀玲が『シャンフロ』に出会う物語を彼女目線で描いた硬梨菜氏書き下ろし小説「サイガ:Episode-0」が3号連続全3話で掲載された。
第1話にもかかわらず、マガジンの読者アンケートで「第2位」を獲得。速報段階では第1位だった瞬間もあったらしい。
それだけに留まらず、若年層の新規読者30%増加という、実売となる確かな実績も積んだ。
そして第4話にして緊急Cカラーが決定し、プレゼント企画も発表された。その後も定期的にプレゼントなどの企画を行っている。
YouTubeではWebラジオ番組『シャングリラ・フロンティア シャンフロチャンネル』が2021年8月からマガジンチャンネル内で配信開始されている(コミック版ポータルサイト内にリンク集あり)。
既刊は2023年7月時点で14巻。通常版の他に書き下ろし小説が収録された限定特装版「エキスパンションパス」が同時発売している。通称「シャンフロエキス」。
また単行本のカバー裏には、詳細なキャラクタープロフィールが掲載されている。
なお、上述通りに実は書籍化自体の話はあったのだが空中分解、その後に講談社からコミカライズの話が舞い込み、現在に至っている。
【収録内容】
第1巻:本誌掲載の小説3話(上述の「サイガ:Episode-0」)に新規書き下ろし
第2巻:本誌掲載の小説1話(「敗北者は明日を恐れない」)に新規書き下ろし
第3巻:新規書き下ろしの特別外伝
第4巻・第5巻:新規書き下ろしの特別外伝で前後編構成
第6巻~第14巻:新規書き下ろしの特別外伝
週刊少年マガジン2021年36・37合併号では、累計100万部を突破したと報じられた(後のシャンフロチャンネル#4の情報を加味すると、第5巻初版時点の通常版と特装版の累計発行部数と思われる)。その後第8巻時点で累計220万部となっている。
2021年12月8日発売の週刊少年マガジン2022年2・3合併号では、マトリックスとの奇跡のコラボが実現。不二氏によるコラボイラストだけでなく、キアヌ・リーブスとの対談まで実現した。なお、こちらに関しては紙限定とのこと。
2023年5月10日には第47回講談社漫画賞の少年部門を受賞した。
テレビアニメ
2022年7月7日、コミカライズ発表からちょうど2年の記念日に、シャンフロコミカライズ公式アカウントからテレビアニメ化とゲーム化が同時に発表された。
2023年10月から半年間・連続2クールでMBS・TBS系列28局ネット(「日5枠」)にて放送。
余談となるが、『小説家になろう』掲載作品のアニメが夕方帯に放送されるのはEテレにて放送された『ログ・ホライズン』以来で、TBS系で小説原作のアニメが全日帯に放送されるのも『魔術士オーフェン』第1作以来。
また、同時期に本作の前座枠に放送される『七つの大罪 黙示録の四騎士』も『週刊少年マガジン』連載作品であり、同誌連載の作品が2作連続で放送されることとなる。
スタッフ
監督 | 窪岡俊之 |
---|---|
シリーズ構成 | 筆安一幸 |
キャラクターデザイン | 倉島亜由美 |
音楽 | MONACA |
アニメーション制作 | C2C |
主題歌
オープニングテーマ
FZMZ「BROKEN GAMES」(前半クール)
作詞・作曲:MAQUMA / JACK
編曲:HONNWAKA88
エンディングテーマ
CHiCO「エース」(前半クール)
作詞・作曲:DECO*27
編曲:tepe
あらすじ
ごく普通の日本の高校生ゲーマーである主人公・サンラクこと、陽務楽郎は、「クソゲーハンター」の異名を取る生粋のクソゲー好き。
「予測不能のバグ」「破綻したストーリーとゲームバランス」「イベント前後で矛盾した発言を繰り返すヒロイン」という三拍子揃った"劇毒"『フェアリア・クロニクル~妖精たちの祈り~』をクリアした主人公は、燃え尽き症候群から普段ならば手を出さない神ゲー『シャングリラ・フロンティア』を購入。
過去のクソゲーから培った技術と経験を駆使して、『ユニークシナリオ』という特殊なシナリオを続々とクリアしていくユニーク自発マンと化した主人公は、シャングリラ・フロンティアを契機にゲーム業界では謎のゲーマーとして、リアル世界では人間関係が変化していくことになる。
※異世界転生やゲームとリアルの融合などの展開はありません。あくまでも「ゲーム」小説です。
ちなみに、作品初期の頃にはあらすじに、
「ストーリーが破綻してないとか神ゲーかよ……」(あらすじより)
と主人公のサンラクによる独白があったが、
「エンカ率が常識的とか神ゲーかよ……」
と、あらすじが変更されたことでシャングリラ・フロンティアのストーリーが破綻しているのではないかという疑惑が出た。
その後あらすじは
「シナリオが矛盾していないとかマジかよ……」
となっているので、別にそんなことはなかったのだろう。
さらにコミカライズの発表とともに
「凄い! 慣性と重力が常識的だ!!!」
に変更されている。これは偶然同時期にクソゲーとして注目された『ファイナルソード』が元ネタと考えられる。
さらに2022年5月には
「岩にちゃんと当たり判定がある……!!」
TVアニメ化発表後には
「特定の挙動でゲームが強制終了しない……!!」
TVアニメ放送直前からは
「リリース三日後くらいに本体容量よりデカいアプデが来ない!!」
となっている。
だんだんとハードルが下がって(上がって?)いるのは気のせいだろうか。
登場人物
→『シャングリラ・フロンティアの登場人物』に分割
シャングリラ・フロンティア
天才2人によって狂気じみたレベルで作り込まれたとんでもない再現度のVRゲーム。
剣と魔法のファンタジーを基本にしたMMORPG。
実は基本的な下地はSFだが、プレイヤーのいる時代「現代」ではSF的要素はほとんど失われ、剣と魔法の世界観になっている。
シャングリラ・フロンティアに登場するモンスター
蠍系モンスター
かなりの強敵であり、倒した時の経験値の取得と素材としての性能の良さから主人公であるサンラクに目を付けられ、乱獲されて彼のレベルアップと装備の充実に一役買っている影の功労者。
何故か作者に愛されており、詳細な設定が作られている。
作者は「別に蠍って生物はそんなにすきなわけじゃない」と言っているが、蠍の設定を語っているときは明らかに生き生きしている。……解せぬ。
登場するバージョンが多いので、『蠍系モンスター(シャンフロ)』に分割。
致命兎(ヴォーパルバニー)
兎型のモンスター。見た目的には敵に武器や凶器を持った兎であり、かわいらしい見た目に反して、隙を見せると手にした武器でプレイヤーの首を狩る凶悪な性質を持つ。
上位のヴォーパルバニーは、武器だけでなく魔法を操る高い知能と戦闘能力を持ち、自分の意思をもって言葉を使ってプレイヤーと意志疎通する。
実は作中世界の新大陸の中にヴォーパルバニーによる王国である『ラビッツ』が作られており、ある一定の条件を満たすと、プレイヤーはその国を一度だけ訪れることができる。
そしてさらに、その条件より高難度の条件を達成すると、『ラビッツ』に定住し、上位のヴォーパルバニーを相棒にすることが可能になる。
モンスターハンターにおけるアイルーのポジションに近いモンスター。
主人公であるサンラクはプレイヤーとして初めて、上位のヴォーパルバニーであるエムルをパーティーメンバーに加えることができたプレイヤー。
致命兎(ヴォーパルバニー)AtoZ
ユニークモンスターである「不滅のヴァイスアッシュ」の子供たち。
名前の頭文字にアルファベットを思わせる文字がついており、特定の条件を達成したプレイヤーの相棒となる。
設定では全部で26体存在しているが、作中で登場しているのはエードワード、ビィラック、シークルゥ、ディアレ、イーヴェル、エフュール、エルク、エムル、ピーツ、エクシス。
その内、エムルはサンラク、シークルゥは秋津茜、ディアレとエクシスはサイガ-0の相棒になっている。
残りはラビッツの国で生産職に就いており、特にビィラックは武器職人としてサンラクが持ってくる無理難題によく振り回されている。
ケットシー
猫型のモンスター。上位のヴォーパルバニーと同じく、高い知能と戦闘能力を持っており、『キャッツェエリア』という国を作っている。ヴォーパルバニーと同じく会話を行い、時にパーティメンバーに加えてクエストを行うことができる。
シャングリラ・フロンティアのプレイヤーが主に集まっている旧大陸には出現せず、新大陸に住んで居るという設定であるが、『ラビッツ』に定住したプレイヤーは時おり『ラビッツ』を訪れたケットシーと会うことができる。
このモンスターも、プレイヤーの中でサンラクが初めて遭遇した。
現在登場しているのは、ビィラックにご執心の剣聖アラミース、「ニャ」の語尾で喋る国王ニャイ十三世、宝石匠(ジュエラー)のダルニャータの3体。
ユニークモンスター
→『ユニークモンスター(シャンフロ)』に分割
レイドモンスター
ユニークモンスターとは違い、シャングリラ・フロンティアのストーリー上の舞台となる惑星に元から存在していたモンスター。
かつて神代の人類を滅ぼした存在であり、その戦闘能力は非常に高く、数十人規模での戦闘が基本となるほど。
現在作中で登場しているのは三体だけだが、設定上はそれ以外のレイドモンスターも存在している。
なお、レイドモンスターはユニークモンスターと違い、一切の知性を持たない存在であり、人や地上に存在する生物や文明を無差別に襲撃するという特徴がある。
- 『狂える大群青』
大群青の名前の通り、見た目はただひたすらに青い何かであり、現在はルルイアスという都市と其処が存在する島と丸ごと一つに同化しており、スイッチが入ると都市の全てが青に染まり、青い波となってプレイヤーに襲い掛かって来る。
現在の所、レイドモンスターというよりもフィールドギミックとして機能しており、現在のプレイヤーでは倒すことは不可能となっている。
- 『貪る大赤衣』
大群青とは逆に摂食した物に擬態する性質を有しており、主に別の生物の姿を取って現れる。
サンラクの前に現れた時は、青竜エルドランザの死体を食べ、その姿に擬態してサンラクたちと戦った。
- 『焠がる大赤翅』
その姿はX状のブロッコリーであり、火山の奥底にあるマグマ溜まりに潜み、強大な火力を秘めた存在。
但し、サンラクは初遭遇時にはそのモンスターの持つ強大な火力から生み出される種火を必要として接触しただけであり、種火を手に入れた後はそのまま拠点に戻った為、火を使う以外の詳細な能力は不明。
- 『微睡む白大神』
シャングリラ・フロンティア作中に登場するゲーム
この小説は、タイトルにも成っている『シャングリラ・フロンティア』を始めとして、多数のゲームが登場しており、作中ではそれらのゲームのプレイの様子も度々描写される。
主人公がクリアしたゲームで培ったプレイヤースキルが、シャンフロを筆頭に他のゲームでも生かされることが多い。彼の所属ギルドは、彼が別ゲーで知り合ったゲーム仲間が大半を占める。これらのゲームの存在そのものが重要な要素になっていたりもする。
余談
コミカライズ公式アカウント(下記外部リンク参照)は情報発信頻度の高さもさることながらノリも良く、コミックの画像を使った公式コラ企画「#シャンフロ #クソゲーマーの一言」を行うなど、ファンからは「作品理解度が高い」と評価されている。
しかし本誌の誤字訂正ツイートを行った際に別の誤字を生み出すなど詰めの甘い部分がみられる。
関連動画
コミカライズ化決定時のPV
コミック1周年時のPV
アニメ化プロジェクトPV
アニメPV第3弾
1話
ニコニコ版はこちら
関連タグ
個別 | 硬梨菜 不二涼介 小説家になろう 週刊少年マガジン 2023年秋アニメ |
---|---|
略称・表記ゆれ | シャンフロ シャングリラフロンティア |
関連用語 | モルドする ユザパる |
users入り | シャンフロ100users入り→シャンフロ500users入り→シャンフロ1000users入り→シャンフロ5000users入り→シャンフロ10000users入り |
その他関連作品
- ゼノブレイド:作者曰く、「シャングリラ・フロンティア」のモチーフとなったゲーム。
- グランブルーファンタジー:作者がよく話題にあげる有名ソシャゲ。濃いシャンフロファンが生息していることで(シャンフロ民には)知られる。
- 魔法科高校の劣等生:なろうに掲載されていた当時、作者が魔法科にひかれてやってきたことをX上で言及している。
- 江戸前エルフ:原作漫画の出版社、アニメの制作会社や一部ネット局が共通している。
- 異世界ワンターンキル姉さん:コミカライズの掲載出版社は違うものの、書籍化をすっ飛ばしてのコミカライズ、アニメ化というメディアミックス展開が類似する。
- スキップとローファー / あの子の子ども:講談社漫画賞で本作と同じく第47回の受賞作品。前者は総合部門、後者は少女部門での受賞となった。
- からすまAチャンネル:クソゲーのプレイ動画を実況するYoutuber。本作のファンでもあり、コミックを全巻購読し、主人公のサンラクの言動に共感を抱いている。講談社からの依頼を受け、「初めての案件なので無償でいいです」と本作の紹介動画を作成した。
- デュエル・マスターズ:グラブルと同様に作者が言及することのある作品だが、カードゲーム版においてシャンフロとのコラボカードが本当に収録されることとなった。
- Reバース:前述のデュエマとのコラボカードの収録から数日後の2023年9月22日の『ブシロードTCG戦略発表会2023 秋』でトライアルデッキ&ブースターパックの発売が決定した。
- アンデッドアンラック:アニメ版の放送時期・放送局・主人公が裸の男など類似個所があり、原作側がコラボCMを作り出した。
日5
ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜(第9話まで、2023年夏)→本作(2023年秋・2024年冬)