概要
モノリスソフトが開発、任天堂が開発協力および販売を行った2010年のWii用RPG。
国内での初週販売本数は10万本と控えめだが、オープンワールド型の広大なフィールド構成と高い自由度、シームレスな戦略性溢れるバトルシステムが人気を博しており、国内外のレビューサイトで非常に高い評価を得た。
Wii『みんなのニンテンドーチャンネル』の『みんなのおすすめ』では最高のプラチナランク獲得という快挙を達成した。また、同サービスにおいてプラチナランクを経験したソフトは他にもいくつかあれど、ランクの更新による降格を一度も受けることなくサービス終了まで3年以上もの間それを維持した唯一のソフトである。これほどに高い評価ゆえ海外での発売を望む声も大きく、国内発売から実に2年後に北米でも発売されている。最終的に、世界累計で約90万本のセールスを記録した。
その後、WiiU向けに本作の要素を受け継いだ新作『ゼノブレイドクロス』が発表されたほか、2015年4月に、Newニンテンドー3DS専用ソフトとして移植版が発売、2017年には正統な続編である『ゼノブレイド2』もリリースされた。
さらに、発売からほぼ10周年となる2020年5月29日にはNintendo Switch向けに『ディフィニティブ・エディション』と題したリマスター版が発売。単に解像度が上がっただけでなく、キャラクターがリデザインされているほか、画面UIの変更、専用ファッション装備などが手に入る「タイムアタック」、本編エンディング後に続く新シナリオ『つながる未来』の追加がなされた。
ストーリー
どこまで行っても果てしなく広がる空と海しかなかった世界に、突如出現した「巨神」と「機神」という二柱の神。
己が存在の全てを懸けて戦った神々は、残された力を最後の一閃に託し、相打ちあい――やがて骸と化した。
それからいくばくもの月日が流れ、巨神の骸を大地として草木が芽生え、やがて生命が栄えた。
巨神の骸の上「巨神界」に住む「ホムス族」は、機神から生まれた機械生命体「機神兵」による突然の侵攻にあい、存亡の危機に立たされていた。
ホムスの武器は機神兵の装甲の前にまるで歯が立たず、まるでホムス達を喰らうかのごとく殺戮を続ける機神兵であったが、ホムスもただやられるだけでは終わらなかった。
ホムスの最後の希望――神が与えたという神剣「モナド」の不思議な刀身は、機神兵の装甲を切り裂くことができた。
その強大な力は使用者に大きな負担を強いる。その剣を振るうことができたのは、ホムスの英雄ダンバンただ一人であった。
ダンバンの活躍により機神兵の侵攻は食い止められたが、ダンバンも無傷では済まず、右腕の自由を失う結果となった。
それから一年、巨神界は束の間の安息を保っていた。
ホムスの居住区「コロニー9」の研究員である青年シュルクは、モナドの力を研究しながら、友人達と平和に暮らしていた。
しかし、一度は遠ざけたはずの機神兵達が再び巨神界に侵攻してきた。
一年前の負傷で戦えないダンバンの代わりにモナドを手に取ったシュルクは、近い未来の像を映す不思議な幻覚「未来視(ビジョン)」を見る。
モナドの新たな力は、シュルクにそして巨神界の人間に、何を伝えようとしているのか――。
登場人物一覧
プレイヤー
種族:ホムス 性別:男 年齢:18歳 身長:171cm
声優:浅沼晋太郎
コロニー9の研究棟で兵器開発に従事する学者肌風の青年。
モナドの研究をしていたが、とある出来事により自分自身でその剣を振るい、機神兵を倒すための冒険に出ることになる。「未来視(ビジョン)」によって未来を見ることができ、その能力は本作に独特の戦闘システムを与えるだけでなく、ムービー中では今後起こることが断片的に予告され、ストーリーの伏線としても大きく作用する。
種族:ホムス 性別:女 年齢:18歳 身長:160cm
声優:中尾衣里
コロニー9で暮らすシュルクの幼馴染で、ダンバンの妹。明るく活動的な性格。面倒見がよく、しばしばシュルクにお弁当を届けるなどしており、彼に淡い好意を抱いている。ストーリー序盤で仲間になり、ヒロイン枠ながら双剣を手に果敢に戦ってくれる。
種族:ホムス 性別:男 年齢:18歳 身長:190cm
声優:宮下栄治
コロニー9の防衛隊に所属する、シュルクの幼馴染。感情豊かな熱血漢。シュルクを守るというフィオルンとの約束のために、彼の旅に同行する。巨大な盾を武器として扱い、戦闘中は、主にヘイトを集めて敵の攻撃をガードする役目(タンク)を担う。
種族:ホムス 性別:女 年齢:21歳 身長:168cm
声優:渡辺明乃
コロニー6の防衛隊で衛生兵を務める女性。芯が強く、常に気丈に振舞う。弟のジュジュとともに機神兵の襲撃を受けたコロニー6から避難していたが、残してきた婚約者であるガドのことを気にかけている。
エーテル銃による射撃が得意で、傷ついた仲間を治療する回復系のエーテルを使用する。
種族:ホムス 性別:男 年齢:30歳 身長:180cm
声優:堀川りょう
一年前の機神兵との戦いでモナドを振るった、ホムスの英雄。現在はコロニー9で後遺症を療養中。冷静そうに見えて実は熱血であり、ディクソンからは「イノシシ」と揶揄されるほど。フィオルンの歳の離れた兄で、彼女のことを常に気遣う。モナドはシュルクに譲り渡したものの、その腕は衰えておらず、本来の利き腕ではない左腕で剣を振るう。
種族:ハイエンター 性別:女 年齢:??歳 身長:156cm
声優:勝田詩織
高度な文明をもつハイエンター族の少女で、口調や立ち居振る舞いにはどこか高貴さが漂う。年頃はシュルクらと同じくらいの10代後半に見える。マクナ原生林でエーテル欠乏症に陥り倒れていたところをシュルク達に助けられ、パーティに加入。各種のエーテルを用いた補助や攻撃が得意で、外見の印象通り平たく言えば魔法使いキャラであるが、手に持った杖で突きを喰らわす"スピアブレイク"や跳び膝蹴りをお見舞いする"スターライト・ニー"と、物理アーツもきちんと存在する。
『ディフィニティブエディション』で追加されたシナリオ『つながる未来』にて、本編エンディング後に、シュルクと共に新たな旅に出ている。
種族:ノポン 性別:オス 年齢:??歳 身長:約60cm
声優:甲斐田ゆき
巨神の背部に位置する「サイハテ村」に暮らすノポン族。言動も行動も非常に子供っぽいが、実は…。
とある理由から村に多大な借りを作っており、今年の「ノポン族の勇者」としてシュルク達に同行させられることになる。謎の鈍器を使っての攻撃のほか、エーテル「っぽい」技で敵に状態異常を起こさせるアーツが多い。
サブ
関連イラスト
余談
『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』およびその続編である『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』にはファイターとして主人公のシュルクが参戦し、ホームステージとして「ガウル平原」が登場。このステージのギミックとして黒いフェイスが出現するほか、アシストフィギュアとしてリキが採用されており、シュルクの最後の切り札演出にもリキ・ダンバン・フィオルン(『SP』のみ)が登場する。
また、『プロジェクトクロスゾーン2』にはフィオルンが参戦している。
ちなみに、『大乱闘スマッシュブラザーズfor』は任天堂が販売でバンナム開発、『プロジェクトクロスゾーン2』はバンナム販売で任天堂のセカンドであるモノリスソフト開発という、参戦先の開発と販売元が逆転しあっている関係となっている。
勝田詩織(メリア役)はこの作品が声優デビュー作である。
ダンバン役の堀川りょうが音響監督も担当しているが、歳上である若本規夫による癖の強すぎるアドリブに堂々とNGを出すことができず、結局映像側を若本の演技に合わせて作り替えたという逸話がある。