概要
モノリスソフトの「ゼノ」シリーズの第4作。ゼノブレイドシリーズでは2作目。
前作の「ゼノブレイド」と同様にモノリスソフトが開発、任天堂が開発協力及び販売を担当する。
「ゼノブレイド」の名を受け継いではいるものの、前作とストーリーの繋がりはほとんど無い。
前作の登場人物に似たキャラクターも登場するが、あくまでそっくりな別人程度(同様の手法はゼノギアス-ゼノサーガ間に於いても用いられている)である。
広大なフィールドを舞台に冒険するオープンワールドゲームという前作の要素はそのままに、今作では5つの大陸が存在する「惑星ミラ」を舞台に移民船で不時着した地球人たちの物語が繰り広げられ、マップサイズは前作の5倍以上にも及ぶ。
また、今作ではシリーズ初のキャラクタークリエイトシステムを採用しており、主人公の容姿を設定することができる。
2025年3月20日にニンテンドースイッチ用に「ゼノブレイドクロス ディフィニティブエディション」が発売される。
ストーリー
西暦2054年、7月。
地球は謎の異星文明同士の戦争に巻き込まれた。
地球の技術水準を遥かに超えた兵器による戦闘。
その理由も知らされないまま、地球は蹂躙され、大地は焦土と化した。
事前に地球圏への戦闘の波及を察知していた統合政府は、「地球種汎移民計画」を発動。
世界の主要都市からは数多の恒星間移民船が飛び立った。
45億年の間、生命を育んでくれた故郷からの脱出。
しかし、移民船の多くは重力圏離脱の最中に撃ち落され、無事脱出できた船はごく僅か。
「白鯨」はそのうちの一隻だった。
地球を後にし、放浪の旅に出て二年。
地球圏での戦闘から幸運にも生き残ることができた白鯨だったが、
ついに異星文明の追撃部隊に見つかってしまう。
軍の決死の応戦と一人の英雄の活躍によって追撃部隊は退けられたが、
激しい戦闘で白鯨の主機関も大破。
航行能力を失った白鯨は未知の惑星の重力に捉まり、船体を崩壊させながら墜落していった。
そして二ヶ月が経った――。
主な登場人物
メイン
エルマ
(CV:桑島法子)
民間軍事組織「ブレイド」のチームリーダーの女性。
地球にいた頃は、統合政府軍特殊作戦車両教導隊(通称「ドール隊」)の大佐を務めていた。
冷静沈着で的確な判断力と洞察力を持ち、「ブレイド」のメンバーから尊敬されている。
リン(リンリー・クー)
(CV:伊瀬茉莉也)
「ブレイド」のメカニック担当。13歳にして機械工学に長け、「ドール」と呼ばれる戦闘ロボットの開発も手がける天才少女。
誰とでも分け隔てなく接する明るい性格。
タツ
(CV:阪口大助)
惑星ミラで出会うことになるノポン族のオス。あるきっかけから保護することになる。
一見子供っぽく何も考えていないように見えるが、上から目線で物を言う事がある。
作中では一貫して非戦闘員だが、リンをパーティに加えると同行する。
ヴァンダム
(CV:玄田哲章)
「ブレイド」の司令官の男性。以前は「白鯨」で技師長を務めていた。
豪放磊落ゆえに誰に対しても傍若無人なところがあり、少々口が悪い。
イリーナ・アクロフ
(CV:高森奈緒)
「ブレイド」所属の女性。地球にいた頃は「ドール隊」の隊員だった。
エルマは当時の上官で、今でも彼女を尊敬している。
男勝りでサバサバした性格だが、惑星の人々を守るという使命にあふれている。
グイン
(CV:中村悠一)
「ブレイド」所属の男性。地球では「ドール隊」に所属していた。エルマ、イリーナは当時の上官。
若さゆえの失言も多いが、まっすぐな性格で、今でもエルマやイリーナに憧れ、慕っている。
ナギ・ケンタロウ
(CV:菅生隆之)
「白鯨」の元船長。現在はNLA暫定自治政府軍務長官。
惑星ミラに住む人々の存続を守るべく、身を粉にして政務に務める男気ある男性。
モーリス・ショーソン
(CV:沢木郁也)
元米国国防相の官僚で、その後大統領補佐官を歴任。
自らの権力を主張し、惑星ミラの人類代表者として振る舞う。
ルー(ル・シルフェ)
(CV:置鮎龍太郎)
惑星ミラの先住民で発明家。青肌と2本の垂れた角が特徴。
自身の発明品を売ることで生活している。
好奇心旺盛で地球人に対しても人懐っこく、地球由来の情報端末を拾った事から故事にも詳しい(ただしそれを正しく使えた試しは滅多に無い)。
ラオ
(CV:藤原啓治)
「ブレイド」のチームリーダーの1人。その高い実力はエルマにも一目置かれている。
容姿や言動から冷徹な印象を持たれがちだが、意外と気の利く一面もあり、心の底には熱いものを秘めている。
ダグとは米国陸軍時代からの戦友。
ダグ(ダグラス)
(CV:小山力也)
「ブレイド」所属。戦闘技術全般に秀で、特にドールの操縦に長けている。
いじられやすい性格で、特にリンにはドール用フライトパック開発でどひどい目に遭わされている。
地球ではドール隊に所属し、エルマの部下の1人だった。
ラオとは米国陸軍時代からの戦友。
パーティに加えられる者
クエストをクリアすることで加入可能になる。ストーリークエストにも参加できる。
ヒメリ・アランジ
(CV:米澤円)
コンパニオンとして教会でNLA市民から相談を受ける「NLAの聖女」の通称を持つブレイドの女性。
戦闘自体は慣れていないのだが、NLAと皆のためのひたむきに尽力する。
フライ
(CV:中井和哉)
一晩中飲み明かした後にスコッチを装備してクエストに赴くほどの、酒好きのブレイド男性。
危険な任務ばかりをこなす頼もしい面もある、通称「凶猛の駝鳥」。
フォグ・クリストフ
(CV:宮田幸季)
人見知りが激しく、マイペースな性格の為、チームに所属せずにひとりで任務をこなす。
おっとりした口調とのんびりとした行動の為、付き合うには広い心と根気が必要。
天才肌なのか、意外と実力はある。
マードレス
(CV:豊口めぐみ)
「殺人者」と名乗る、任務を共にしたくないブレイドNO.1と言われる女性。
腕がいいが、わがままでお金の為なら人を裏切ることさえ厭わない冷酷な性格の持ち主。
セリカ
(CV:佐藤聡美)
ロックと共に惑星ミラに漂着した異星人。親友のロックと共にグロウスに襲われていた所をエルマ達のチームに救われた。非好戦的なロックを戦いの場に巻き込みたくない為、ブレイドの隊員になる事を決意する。
ミーア
(CV:金元寿子)
ブレイド隊員になりたいあまり、ついにはNLAを飛び出した少女。
彼女の行く末は果たして。
???
(CV:???)
名前は伏せるが、とあるクエストで加入可能なとあるブレイド隊員。この人物の立場上、ストーリークエストには加入できない。
DLCで加入
DLCを購入すると対応キズナクエストが発生して、クリアするとパーティに加えられる。
HB
(CV:島﨑信長)
本名はヘクター・バードウィッスル。
理論派で努力家、向上心にあふれているエリート。
常に地球人の利益を優先に考えて行動するため、判断が冷たいと感じられる場面もある。
クエストをクリアするとあくまで上から目線だが、主人公の実力を認め仲間になる。
後述するアクセナとパーティーを組むと、自分の方が司令にふさわしい事を証明するためヴァンダムの前で急に腕立て伏せをする奇行に走る事が明かされる。
余談だが、続編ゼノブレイド2に登場するヨシツネは、黒髪で短髪、眼鏡着用、上から目線気味の性格、担当声優・島﨑信長とやたら共通点が多い。
ボゼ・ロウズ
(CV:てらそままさき)
統合政府軍自体からの歴戦の兵。
アヴァランチ所属の東洋思想オタクで、あだ名は『ボウズ』。
前線を退いてからは士官学校の教官であり、教え子からは尊敬されている。
イエルヴ
(CV:羽多野渉)
商業エリアを縄張りにする不良ブレイド。
口が悪く、クエストだといきなり主人公に任務を押し付ける乱暴で破天荒な性格。
だが認めた者に対しては心を開き、情に厚い面を見せる。
アクセナ
(CV:中上育実)
アームズカンパニーから依頼を受け、新兵器のテスターをやっている。
機械好きで中でもドールに乗る時が一番燃える、という少し変わった性格の女の子。
アバター
今作の主人公として、自分の分身(アバター)を作成する。
アバターは性別、顔タイプ、ボディサイズ(女性はバストサイズも)のほか、肌(肌色、そばかす、頬、傷、ホクロ)、髪型や髪色、瞳の形や色、メイク(アイシャドウカラー、リップカラー、フェイスペイント)、ボイスなど、様々な特徴を組み合わせて決めることができる。
アバター制作はゲームスタート時に行われるが、その後サブイベントをこなす事で容姿の再設定が可能となる。
アバターのボイス
アバターのボイスは男性ボイスと女性ボイス(それぞれ10種類)の中から選ぶことができる。
男性ボイス | 女性ボイス |
---|---|
「王道」 浅沼晋太郎 | 「王道」 前田愛 |
「ライバル」 内山昂輝 | 「ツンデレ」 佐藤利奈 |
「熱血」 宮下栄治 | 「ささやき」 小倉唯 |
「優等生」 立花慎之介 | 「お嬢さま」 勝田詩織 |
「耽美」 柿原徹也 | 「甘え声」 内田真礼 |
「中二病」 保志総一朗 | 「アホドジ」 上坂すみれ |
「軍人」 浪川大輔 | 「軍人」 田中敦子 |
「アニキ」 関俊彦 | 「セクシー」 小清水亜美 |
「関西弁」 小野坂昌也 | 「関西弁」 白石涼子 |
「古武士」 田中秀幸 | 「和風」 鈴木麻里子 |
ちなみに、男性ボイスの王道(CV:浅沼晋太郎)は前作「ゼノブレイド」の主人公シュルク、熱血(CV:宮下栄治)はライン、女性ボイスのお嬢さま(CV:勝田詩織)はメリアの声を担当していた。
ドール
ゼノブレイドとの最大の相違点となる人型機動兵器。
ゼノギアスのギア、ゼノサーガのA.G.W.S、ESと同じくロボットに搭乗・操作する事が出来る。
ストーリーを進めると「ドールラインセンス認定試験」を受けられるようになり、試験に合格すると、惑星ミラの探索やバトルに役立つ兵器「ドール」を入手できる。
またドールフライトカスタムの開発に成功すると、ドールで空中を飛行できるようになり、行動できる範囲が大幅に広がる。
ドールのタイプ
ドールには3つのタイプがあり、それぞれのタイプの中に数々の特徴の異なる機種が存在する。
- ライトタイプ
HPが低い分、戦闘時の機動性に優れ、命中回避性能が高い。
燃料積載量は少ないが、飛行時の燃費は良い。
初心者パイロットには値段もお手頃である。
- ミドルタイプ
タイプ中、全てにおいてバランスがとれていて扱いやすい。
各部位装甲の耐久性が優れており、部位破壊されにくい。
値段は少々高くなるがドール戦闘に慣れてきたパイロットにオススメ。
- ヘヴィタイプ
HPと防御力が最も高い。
燃料積載量は最も多く、高出力兵器の多用も可能である。
しかし、機体重量があり、戦闘時の機動性は重く、飛行時の燃費は悪い。
値段は高額であるが、一部のベテランとロマン派パイロットに好まれる。
ドールバトル
ドールを使用したバトルでは、両手に装備したハンドウェポン(ロッドやソード、アサルトライフル、ショットガンなど)でオートアタックを行い、そのほかの部位に装備した武器でアーツを放つ。
生身の戦闘と同様にTPを3000消費すれば、「オーバークロックギア」を発動でき、発動中は燃料を消費しなくなる。
また、敵を「崩し」状態にすることで「キャッチ」を行い、一定時間拘束することができる。
アーツは最大8つの武器から放つことができる。
- バックウェポン(左右)
レールガン、ミサイル、グレネードランチャーなど。高威力のアーツを放つ。
- ショルダーウェポン(左右)
ミサイル、チェインガン、レーザー兵器など。バックウェポン以上に強力なアーツを使用できる。
- アームウェポン(左右)
シールドやバルカンなど。補助的なアーツ効果を持つものが多く存在する。
- スペアウェポン(左右)
ビームサーベルやハンドグレネードなど。リキャストタイムが短いのが特徴。
このように強力な性能を誇るが、飛行時やアーツ使用時に燃料を消費する。燃料はドールから降りることで少しずつ回復するほか、ニューロサンゼルスで補給できる。
カスタマイズ
ブレイドホームにあるコンソールでは、ドールの装備変更、ネーミング変更、カラーリング変更など、ドールの管理・カスタマイズを行うことができる。
switch版追加要素・変更点
- グラフィックが(オリジナル版のリアル調を残しつつ)ゼノブレイド3寄りになった
- ゲーム内容が欧米版ベースになっている(全世界共通)
- オリジナル版のDLCが全て初めから収録(序盤からレベル上げや金策が楽である)
- 追加ストーリーの追加
- (おそらく)ラオのCV変更
関連動画
余談
『ゼノブレイドシリーズ』でありながらナンバリングシリーズとは特に繋がりのないと思われていた本作であるが、ゼノブレイド3のDLC「新たなる未来」にて、それまで本作にしか出ていなかった「統合政府」「地球種汎移民計画」といったワードが確認できたことから本作もナンバリングシリーズに連なっている可能性が出てきた。
switchリメイク版では、新たなるストーリーが追加予定であり、本作の(特に終盤の)伏線が10年越しに回収されるであろう。
switchリメイク版発表された2024年は、その年の2年後にとある重要人物(ネタバレ注意!)が地球に現れ、とある情報や技術(どちらのリンク先もネタバレ注意!)を提供した年である(本編ではいくつのも伏線が張られている)。そして発表の30年後には本編開始の年の夏なのだが、開発側が狙ったのか全くの偶然かは不明。