概要
1960年に創設された講談社児童漫画賞を前身としており、1970年に新たに発足した講談社出版文化賞児童まんが部門を経て、
そこから更に7年後、独立した賞として、この講談社漫画賞が設立された。
独立当初は少年部門と少女部門のみであり、一般部門は1982年に設けられた。
その一方で児童部門が設けられたのは、なんと2003年からとかなり遅かった。だが該当部門は2015年に事実上廃止された。
歴史
- 1960年度、前身である講談社児童漫画賞が創設される。
- 1970年度、新たに講談社出版文化賞児童まんが部門が発足される。
- 1977年度、講談社出版文化賞児童まんが部門から独立する形で創設。この時から既に少年部門と少女部門が設けられていた。
- 1982年度、新たに一般部門が設けられ、候補*作品の幅が広がった。
- 2003年、新たに児童部門が設けられ、候補作品の幅が更に広がった。
- 2015年度、児童部門が少年部門と少女部門に統合された。実質的に1982年度~2002年度迄の体制に戻ったといえる。
受賞までの流れ
ほぼ小学館漫画賞と同じだが、候補作品の募集期間と、受賞作品の決定期間は異なる。
なお、受賞作品の作者には、賞状とブロンズ像、そして100万円が贈呈されるが、
小学館漫画賞とは違い、作品を推薦してくれた読者への贈呈品は未だにない。
受賞作品の一覧
1970年代
●第一回(1977年度)
【少年部門】
【少女部門】
受賞作品 | キャンディ・キャンディ |
---|---|
作者 | 水木杏子(原作)/いがらしゆみこ(画) |
掲載誌 | なかよし(講談社) |
●第二回(1978年度)
【少年部門】
【少女部門】
●第三回(1979年度)
【少年部門】
【少女部門】
受賞作品 | 錦の国星 |
---|---|
作者 | 大島弓子 |
掲載誌 | LaLa(白泉社) |
1980年代
●第四回(1980年度)
【少年部門】
【少女部門】
受賞作品 | れもん白書 |
---|---|
作者 | 吉田まゆみ |
掲載誌 | mimi(講談社) |
●第五回(1981年度)
【少年部門】
受賞作品 | 1・2の三四郎 |
---|---|
作者 | 小林まこと |
掲載誌 | 週刊少年マガジン(講談社) |
【少女部門】
●第六回(1982年度)
【少年部門】
【少女部門】
【一般部門】
受賞作品 | 狩人の星座 |
---|---|
作者 | 里中満智子 |
掲載誌 | ヤングレディ(講談社) |
●第七回(1983年度)
【少年部門】
【少女部門】
【一般部門】
受賞作品 | P.S.元気です、俊平 |
---|---|
作者 | 柴門ふみ |
掲載誌 | 週刊少年マガジン(講談社) |
●第八回(1984年度)
【少年部門】
【少女部門】
受賞作品 | Lady Love |
---|---|
作者 | 小野弥夢 |
掲載誌 | 別冊少女フレンド(講談社) |
【一般部門】
●第九回(1985年度)
【少年部門】
【少女部門】
【一般部門】
受賞作品 | おかしな二人 |
---|---|
作者 | やまさき十三(原作)/さだやす圭(画) |
掲載誌 | モーニング(講談社) |
●第十回(1986年度)
【少年部門】
受賞作品 | コータローまかりとおる! |
---|---|
作者 | 蛭田達也 |
掲載誌 | 週刊少年マガジン(講談社) |
【少女部門】
【一般部門】
●第十一回(1987年度)
【少年部門】
受賞作品 | 鉄拳チンミ |
---|---|
作者 | 前川たけし |
掲載誌 | 週刊少年マガジン(講談社) |
【少女部門】
【一般部門】
●第十二回(1988年度)
【少年部門】
【少女部門】
受賞作品 | 純情クレイジーフルーツ |
---|---|
作者 | 松苗あけみ |
掲載誌 | ぶ~け(集英社) |
【一般部門】
受賞作品 | ビー・バップ・ハイスクール |
---|---|
作者 | きうちかずひろ |
掲載誌 | 週刊ヤングマガジン(講談社) |
●第十三回(1989年度)
【少年部門】
【少女部門】
受賞作品 | 白鳥麗子でございます! |
---|---|
作者 | 鈴木由美子 |
掲載誌 | mimi(講談社) |
【一般部門】
受賞作品 | コミック昭和史(書き下ろし作品) |
---|---|
作者 | 水木しげる |
1990年代
●第十四回(1990年度)
【少年部門】
【少女部門】
受賞作品 | プライド |
---|---|
作者 | 万里村奈加 |
掲載誌 | mimi(講談社) |
【一般部門】
●第十五回(1991年度)
【少年部門】
【少女部門】
【一般部門】
受賞作品 | 悪女 |
---|---|
作者 | 深見じゅん |
掲載誌 | BE・LOVE(講談社) |
●第十六回(1992年度)
【少年部門】
受賞作品 | 風光る |
---|---|
作者 | 七三太朗(原作)/川三番地(画) |
掲載誌 | 月刊少年マガジン(講談社) |
【少女部門】
受賞作品 | うちのママが言うことには |
---|---|
作者 | 岩舘真理子 |
掲載誌 | ヤングユー(集英社) |
【一般部門】
●第十七回(1993年度)
【少年部門】
【少女部門】
受賞作品 | 美少女戦士セーラームーン |
---|---|
作者 | 武内直子 |
掲載誌 | なかよし(講談社) |
【一般部門】
●第十八回(1994年度)
【少年部門】
【少女部門】
受賞作品 | 君の手がささやいている |
---|---|
作者 | 軽部潤子 |
掲載誌 | mimi(講談社) |
【一般部門】
受賞作品 | 鉄人ガンマ |
---|---|
作者 | 山本康人 |
掲載誌 | モーニング(講談社) |
●第十九回(1995年度)
【少年部門】
【少女部門】
受賞作品 | 世界でいちばん優しい音楽 |
---|---|
作者 | 小沢真理 |
掲載誌 | Kiss(講談社) |
【一般部門】
●第二十回(1996年度)
【少年部門】
【少女部門】
【一般部門】
●第二十一回(1997年度)
【少年部門】
【少女部門】
【一般部門】
●第二十二回(1998年度)
【少年部門】
【少女部門】
【一般部門】
受賞作品 | 蒼天航路 |
---|---|
作者 | 李學仁(原作)/王欣太(画) |
掲載誌 | モーニング(講談社) |
●第二十三回(1999年度)
【少年部門】
【少女部門】
【一般部門】
2000年代
●第二十四回(2000年度)
【少年部門】
受賞作品 | 哲也-雀聖と呼ばれた男- |
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作者 | さいふうめい(原作)/星野泰視(画) |
掲載誌 | 週刊少年マガジン(講談社) |
【少女部門】
受賞作品 | ぐるぐるポンちゃん |
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作者 | 池沢理美 |
掲載誌 | 別冊フレンド(講談社) |
【一般部門】
●第二十五回(2001年度)
【少年部門】
【少女部門】
【一般部門】
●第二十六回(2002年度)
【少年部門】
受賞作品 | 魁!!クロマティ高校 |
---|---|
作者 | 野中栄次 |
掲載誌 | 週刊少年マガジン(講談社) |
【少女部門】
【一般部門】
●第二十七回(2003年度)
【児童部門】
【少年部門】
【少女部門】
受賞作品 | ハチミツとクローバー |
---|---|
作者 | 羽海野チカ |
掲載誌 | ヤングユー(集英社) |
【一般部門】
●第二十八回(2004年度)
【児童部門】
受賞作品 | ウルトラ忍法帖シリーズ |
---|---|
作者 | 御童カズヒコ |
掲載誌 | コミックボンボン(講談社) |
【少年部門】
【少女部門】
【一般部門】
受賞作品 | バジリスク〜甲賀忍法帖〜 |
---|---|
作者 | 山田風太郎(原作)/せがわまさき(画) |
掲載 | ヤンマガアッパーズ(講談社) |
●第二十九回(2005年度)
【児童部門】
【少年部門】
【少女部門】
受賞作品 | 恋文日和 |
---|---|
作者 | ジョージ朝倉 |
掲載誌 | 別冊フレンド(講談社) |
【一般部門】
●第三十回(2006年度)
【児童部門】
受賞作品 | キッチンのお姫さま |
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作者 | 小林深幸(原作)/安藤なつみ(画) |
掲載誌 | なかよし(講談社) |
【少年部門】
【少女部門】
【一般部門】
●第三十一回(2007年度)
【児童部門】
受賞作品 | 天使のフライパン |
---|---|
作者 | 小川悦司 |
掲載誌 | コミックボンボン(講談社) |
【少年部門】
受賞作品 | DEAR BOYS ACT2 |
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作者 | 八神ひろき |
掲載誌 | 月刊少年マガジン(講談社) |
【少女部門】
【一般部門】
受賞作品 | おおきく振りかぶって |
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作者 | ひぐちアサ |
掲載誌 | 月刊アフタヌーン(講談社) |
●第三十二回(2008年度)
【児童部門】
【少年部門】
受賞作品 | 最強!都立あおい坂高校野球部 |
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作者 | 田中モトユキ |
掲載誌 | 週刊少年サンデー(小学館) |
【少女部門】
【一般部門】
●第三十三回(2009年度)
【児童部門】
受賞作品 | 名探偵夢水清志郎事件ノート |
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作者 | はやみねかおる(原作)/えぬえけい(画) |
掲載誌 | なかよしラブリー(講談社) |
【少年部門】
受賞作品 | Q.E.D.証明終了 |
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作者 | 加藤元治 |
掲載誌 | マガジンイーノ(講談社) |
【少女部門】
【一般部門】
【講談社創業100周年記念特別賞】
受賞者 | ちばてつや |
---|
2010年代
●第三十四回(2010年度)
【児童部門】
【少年部門】
【少女部門】
【一般部門】
受賞作品 | GIANT KILLING |
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作者 | 綱本将也(原作)/ツジトモ(画) |
掲載誌 | モーニング(講談社) |
●第三十五回(2011年度)
【児童部門】
受賞作品 | ほんとにあった!霊媒先生 |
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作者 | 松本ヒデ吉 |
掲載誌 | 月刊少年ライバル(講談社) |
【少年部門】
【少女部門】
【一般部門】
●第三十六回(2012年度)
【児童部門】
受賞作品 | わたしに××しなさい! |
---|---|
作者 | 遠山えま |
掲載誌 | なかよし(講談社) |
【少年部門】
【少女部門】
【一般部門】
●第三十七回(2013年度)
【児童部門】
【少年部門】
【少女部門】
受賞作品 | 俺物語!! |
---|---|
作者 | 河原和音(原作)/アルコ(画) |
掲載誌 | 別冊マーガレット(集英社) |
【一般部門】
●第三十八回(2014年度)
【児童部門】
【少年部門】
【少女部門】
受賞作品 | たいようのいえ |
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作者 | タアモ |
掲載誌 | デザート(講談社) |
【一般部門】
●第三十九回(2015年度)
【少年部門】
【少女部門】
受賞作品 | 逃げるは恥だが役に立つ |
---|---|
作者 | 海野なつみ |
掲載誌 | Kiss(講談社) |
【一般部門】
【特別賞】
●第四十回(2016年度)
【少年部門】
【少女部門】
受賞作品 | 私がモテてどうすんだ |
---|---|
作者 | ぢゅん子 |
掲載誌 | 別冊フレンド(講談社) |
【一般部門】
受賞作品 | コウノドリ |
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作者 | 鈴ノ木ユウ |
掲載誌 | モーニング(講談社) |
●第四十一回(2017年度)
【少年部門】
受賞作品 | 将国のアルタイル |
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作者 | カトウコトノ |
掲載誌 | 月刊シリウス(講談社) |
【少女部門】
受賞作品 | PとJK |
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作者 | 三次マキ |
掲載誌 | 別冊フレンド(講談社) |
【一般部門】
●第四十二回(2018年度)
【少年部門】
【少女部門】
【一般部門】
受賞作品 | フラジャイル |
---|---|
作者 | 草水敏(原作)/恵三朗(画) |
掲載誌 | アフタヌーン(講談社) |
●第四十三回(2019年度)
【少年部門】
【少女部門】
受賞作品 | パーフェクトワールド |
---|---|
作者 | 有賀リエ |
掲載誌 | Kiss(講談社) |
【一般部門】
【講談社創業110周年特別賞】
●第四十四回(2020年度)
【少年部門】
受賞作品 | 東京卍リベンジャーズ |
---|---|
作者 | 和久井健 |
掲載誌 | 週刊少年マガジン(講談社) |
【少女部門】
【総合部門】
●第四十五回(2021年度)
【少年部門】
【少女部門】
【総合部門】
備考・トリビア
- 講談社が主催している漫画の賞である為、基本的には講談社の漫画作品が受賞する事が多く、他系列の出版社の作品が受賞する事は、極めて稀である。
これに関しては、講談社は少女漫画には余り自信がない為、比較的少女漫画に強いと言われている集英社と白泉社に積極的に受賞させているのである。
- 小学館が子会社である集英社と白泉社の各漫画作品にも賞を積極的に受賞させているのに対し、講談社が子会社である光文社の漫画作品に賞を受賞させた事は、一度もない。なお、光文社は講談社漫画賞設定後の1980年代に「ポップコーン」→「ジャストコミック」、1990年代に「少年王」という漫画雑誌を刊行していたことがあり、「週刊宝石」にも漫画を掲載していた(業田良家の「自虐の詩」もその中のひとつ)。
- サンデーとチャンピオンの漫画作品が僅ながらに受賞した事があるのに対し、ジャンプの漫画作品が受賞した例は未だにない。これまでにジャンプの漫画作品では、ドラゴンボール、SLAMDUNK、ジョジョの奇妙な冒険、ONEPIECE、バクマン。、黒子のバスケ、火ノ丸相撲等といった作品が候補作品としてノミネートされていたが、いずれも受賞には至らなかった。
- 小学館漫画賞の項目でも述べている様に、現在、小学館漫画賞と講談社漫画賞の両方の賞を受賞している漫画作品は2024年現在、20世紀少年、ミルモでポン!、イナズマイレブン、ダイヤのA、宇宙兄弟、妖怪ウォッチ、俺物語!!、ハコヅメ、そして葬送のフリーレンの九作品であるが、いがらしみきおや井上雄彦等の様に、別々の作品でW受賞を果たした漫画家もいる。
- 今の所、ライバル誌のサンデー掲載作品で講談社漫画賞受賞を果たしているのは、最強!都立あおい坂高校野球部と葬送のフリーレンの二作であり、双方受賞した作品は葬送のフリーレンのみである(あおい坂は本家の小学館漫画賞を受賞していない)。過去には名探偵コナンやかってに改蔵、史上最強の弟子ケンイチ等といったサンデー掲載作品が候補作品としてノミネートされていた事があった。
- 一方でチャンピオン掲載作品…と言うより秋田書店作品全体として第1回のブラック・ジャック以降受賞作はなかったが、2015年の第39回で弱虫ペダルが秋田書店作品として2例目の受賞を果たしている。当作も2010年の第34回で1度ノミネートはされたことがあるが受賞には至らなかった経緯があり、他にも第2回のドカベン、第3回のレース鳩0777、第4回のエロイカより愛をこめてがノミネートされていたがいずれも受賞に至らず、前述の弱虫ペダルの1度目のノミネートまで秋田書店作品は全体でノミネートもされていなかった。なお3度目の受賞は3年後の第42回で、同じくチャンピオン掲載作品のBEASTARSが受賞している。余談だがチャンピオン掲載作品が小学館漫画賞を受賞した例は未だない(女性誌作品が受賞したにとどまっている)。
- イナズマイレブンと妖怪ウォッチは、講談社漫画賞受賞を果たしたコロコロコミック掲載作品という事で知られているが、コロコロコミック掲載作品ではこの二作品以外にも、B伝説!バトルビーダマン、ケシカスくん、怪盗ジョーカー、ダンボール戦機等といった漫画作品が候補作品としてノミネートされていた事があった。
- 児童部門を設けるのがかなり遅かった為か、講談社漫画賞受賞を果たしたコミックボンボン掲載作品は、ウルトラ忍法帖シリーズと天使のフライパンの二作品のみである。児童部門が創設される前は、プラモ狂四郎、DANDANだんく!、サイボーグクロちゃんといったコミックボンボン掲載作品が少年部門に候補作品としてノミネートされていたが、いずれも受賞には至らなかった。
- 2020年の第44回の贈呈式は昨今の諸情勢から開催を見送っており、翌年の第45回に第44回と合同で贈呈式を行った。