概要
講談社の漫画雑誌の一つである「週刊モーニング」にて2017年52号から掲載されていた。作者は泰三子。単行本は2022年7月時点で21巻。
また、同じ講談社の漫画雑誌である「月刊モーニング」や、法律や警察関係の書籍を扱う立花書房から刊行されている雑誌「警察公論」にも掲載されたことがある。
第66回小学館漫画賞(一般向け部門)受賞。
架空の地方警察岡島県警町山警察署を舞台に、警察官たちの日常を、コミカルに、時にシリアスに描く。
作者は元警察官で、漫画を描いた目的は「警察の活動を多くの人に知ってもらい、より親しみをもってもらうため」としている。
週刊モーニング2022年29号にて第一部終了となった。
登場人物
町山警察署
地域課
岡島県警の新任警察官。
「公務員=安定した仕事」という実に安直な理由で警察官になる。
ブラック極まりない警察の職務に心が折れ、退職を考えていたが、後述の藤とペアを組むようになってから少しずつ成長していく。というか、だんだん染まっていく。
面食いで少女漫画大好きの恋愛脳だが、本人は恋愛と全く縁がなく(曰く「女として見られたことがない」)異性との交際経験もない。
絵の腕前に定評があり、似顔絵捜査官として働くことも。
後述の藤はマウンテンメスゴリラと評されるが、河合はチンパンジー扱いされている。
全体的に空気の読めない発言が多く、上役にも物怖じせず接する(ため、周囲がハラハラする)。
川合とペアを組む巡査部長。
モデル並みの美人で、かつ仕事も完璧という「ミス・パーフェクト」。
半面、口が異常に悪く、同僚のみならず上司にも歯に衣着せぬ暴言を吐く。あまりに横暴な振る舞いが目立つため、他の男性署員からは「ゴリラ」だと思われている。
それが原因でハコ番こと町山交番に飛ばされてきたと専らの噂。
仕事とは裏腹に、プライベートはかなりのポンコツ。あと酒豪。
面食いだが性格のせいで男ができても長続きせず、幼馴染の如月から「男心八級」と称されている。
川合たちの交番の所長。警部補。
絵に描いたような事なかれ主義の公務員体質で、「サボリ一筋30年」を自称。
普段は事を荒立てずサボることに全力をかけているが、いざ事件が起きたときは意外に有能に働き、仕事を早く片付けてからサボる。
自称サボるための手間なら惜しまないタイプ。
ドラマ版ではムロの怪演もあってか出番が大幅に増え、後述の桜の上司等設定が大幅に変更されている。
原作ではあまり出番はなく伊賀崎と言う名字が判明したのも中盤辺りである。
- 初代地域課長(仮称)
警部。一応河合や藤の上司であるが、殆ど出番はない。(死亡事故で参っていた河合の相談に乗るシーンくらい)
- 中富
警部補→警部。県警本部捜査一課係長。
寝ぐせにメガネという冴えない風貌だが、粘り強く優秀な捜査官として捜査一課でも一目置かれていた。
アンボックスでの事件解決後の異動で警部に昇任し、町山署に地域課長として赴任した。
- 敷根 CV:浜添伸也
巡査。川合の先輩。権力を「笠に着る」タイプで、署内でも若干疎まれ気味。
- 及田 CV:佐々木義人
巡査部長。敷根のペア相手。
定年間際だが経験から荒れた現場を纏めるのが上手い。
刑事課
- 三鷹 CV:中博史
刑事課長。署内最古参の古株デカ。無表情で無口。口を開くと大抵小言か説教というタイプ。
昔は未解決の窃盗事件を解決しまくったことから「ドロボウの神様」という有り難いのか有り難くないのかわからない仇名が付けられている。
新人刑事の息子がいる。
刑事課捜査一係
強行犯(殺人や強盗、暴行や傷害、誘拐や立てこもり、性犯罪、放火などの凶悪犯罪)を担当する。
刑事課のエース。巡査部長。
モジャモジャの天然パーマがトレードマーク。
人当たりがよく、犯人をたらしこんで落とすのが巧みな「取調べの天才」。
ただしそれ以外の業務は非常にそそっかしく、問題ばかり起こしている。
藤とは警察学校の同期で、成績は最下位であったが彼女のことをライバル視している。
短髪にすると河合が惚れるほどのイケメンなのだが、本人は今のスタイルを貫いている。
巡査長。刑事課の若手。ツンツンした短髪が特徴。源と「モジャツン」ペアを組む。
見た目は若者らしく若干チャラいが、根は真面目で正義感が強い。
単純で騙されやすい一面があり、周囲からよくいじられる。
警察学校では源と藤の一年後輩。
捜査一係係長。階級は警部補。
リーゼントの強面だが、部下思いの上司。常に部下の健康状態ばかりを気にかけているため、自分が疲れていても無理をしすぎるところがある。
巡査長。刑事課の紅一点。
歴史おたくであり、新選組に憧れて警察に入ったという変わり種。
女子高育ちのため男に免疫がなく、かなり拗らせた男性観の持ち主。
好きな男性のタイプを司馬遼太郎と語り、休日は推し藩士の墓参りに勤しむ。
- 那須 CV:手塚ヒロミチ
巡査部長。原作の牧高のペア相手。刑事課では珍しい「常識人」で仕事も速く、周囲から信頼されている。三人の子持ちだが、家族サービスの時間が取れないことを気に病んでいる。
那須の代わりに登場するドラマ版オリジナルキャラ。牧高の後輩で惚れているが、牧高は新選組にしか興味ないので、あまりうまくいってない。
刑事課捜査二係
知能犯(詐欺、贈収賄や背任、脱税や不正取引などの経済犯罪、組織犯罪)を担当する。
本庁捜査二課→町山警察署刑事課の巡査部長。
藤の幼馴染で、ひとつ下の藤を妹のように可愛がっている。
さわやかなイケメンだが、恋愛は苦手で「AV八段」を自称。
単行本13巻で町山署に異動してきた。
- 宇都
如月とペアを組む。190センチを超える大男だが、元吹奏楽部の文科系で、荒事はからっきし苦手。
- 東岩 CV:黒田崇矢
捜査二係係長。組織暴力の壊滅をモットーとしている。
刑事課鑑識係
- 南
係長。卓越した鑑識の技量を持ち、周辺の所轄からも腕前を称えられる大ベテラン。
巡査。留置場勤務から鑑識係に抜擢される。真面目で何事も卒なくこなす天才肌。
生活安全課
巡査長。生活安全課の女性警察官。山田は警察学校の同期。
警官とは思えない小柄な身長で、それを生かした盛り場や風俗街の潜入捜査を得意とする。
人呼んで「くのいち捜査官」。
番外編「アンボックス」では主人公を努める。
- 益田海斗
巡査長。カナのペア。若手ながら三人の子持ちで、子育てに忙殺されている。
- 西川庄司
警部補。北条の同期でライバル。スキンヘッドに強面だがスキンヘッドにしているのはある理由がある。
アンボックスでその理由が明らかとなる。
- 横井
警部補。本庁捜査一課からの異動してきた。山田や川合らの警察学校時代の教官でもある。
眼鏡をかけた地味な女性で、見た目通りの生真面目な性格。トンチキな人間の多い町山署では振り回される傾向にある。
交通課
交通課所属。白バイ隊のエース。検挙実績は署内ナンバーワンで、交通違反の取り締まりを「自分の趣味」と嘯く。
武骨でがさつだが、面倒見がいいため後輩に慕われている。
駐在所にいたころ、藤と如月に剣道を教えていた。
- 秀山
交通課の課長。生真面目で神経質なメガネの官僚タイプ。
宮原とは同期だが、現場肌の宮原と馬が合わず苦労している。
藤や源の警察学校時代は教官をしていた。
幹部
問題児だらけの署内の取りまとめ役。
機動隊出身の大男で、スキンヘッドに顎髭という物凄い悪人面をしている。
かつて刑事課長の後輩だったため、上司になった今でも頭が上がらない。
宝塚の鑑賞が趣味らしい。
- 署長
定年間際の好々爺で、署内に関してはほぼ副署長に一任している(所轄の署長は一種の名誉職としての一面があるため、実権は副署長にある場合が多い)。
一方、捜査に関して一切の妥協を許さない厳しい一面もある。
県警本部
- 本部長
女性ながら県警のトップにまで上り詰めたエリート。
なのだが、作中では(特に川合と絡んで)ポンコツな言動しか見せていない。
捜査一課
- 米田
捜査一課班長。捜査本部が立ち上がった際に指揮を執る。
- 鎌田
巡査部長。かつて中富とペアを組んでいた。
顔に傷のある強面の男で、口が悪く、平気でセクハラ発言をするが、仲間思いで情に厚い一面もある。
捜査二課
- 杉田勝
捜査二課長。警察庁から出向してきたキャリア組のエリート。
気さくな性格で、童顔なため一見すると新任警察官にしか見えない。
- 玄田
如月の同期で元カノ。
如月にベタ惚れしていたが、執着がすぎてストーカー一歩手前になってしまい、最終的には破局している。
藤・源の同期
- 桃木
町山警察署の隣にある戸成警察署勤務の巡査部長。「大豊作の年」の一人。
県警一と言われる美貌の持ち主。
体力もあり、岡島県警女性機動隊の分隊長を務める。
一方で父親が警察の幹部でもあるせいか、男性から敬遠されるのが悩み。
- 松島
県警本部に所属する巡査部長。
陸上競技でオリンピック代表候補にまで選ばれ、勉強では藤の次席として卒業した文武両道の警察官。「大豊作の年」の一人。
ドがつくほどのSで、警察学校時代に山田をシゴきまくったことがある。
現在はなぜか県警本部でデスクワークをしている。
巡査長。藤・源の同期で「大豊作の年」の一人。源とともに赤点コンビと呼ばれていたが頑張り屋と評されている。藤とは特に仲が良く、また源に好意を抱いていた。源には「さっつん」と呼ばれている。
藤が交番に異動してきた原因となる人物。
- 服部
県警本部所属。違法風俗事件等を捜査しているせいか「デリヘル刑事」の異名を持つ。
- 岡田
機動隊員。普段着もジャージという脳筋タイプ。
河合の同期
- 有田正行
巡査。桃木のペア相手。
警察学校時代の成績は優秀。しかし桃木に変な気を起こさないように、桃木の父親の写真を警察手帳に入れておけと指示され、彼女の言動と美貌に振り回されている。
その他
- 鬼瓦京子 CV:きそひろこ
副署長の妻。藤、源らの警察学校時代の教官。
伝法な口調で男前な性格。若くして潜入捜査班に編入されるなど優秀な警察官だったが、「ある事件」を契機に退職。
現在は専業主婦。
- 葵
川合の警察学校時代の教官。藤の先輩。
川合にとっては厳しくも優しい教官だったが、新人時代に散々しごかれた藤にとっては恐怖の先輩でもある。
- 守護天使
町山警察署で長年未解決になっている警察官ひき逃げ事件の犯人とされる男の通称。
作中用語
架空の県である「岡島県」にある警察署。
署員数が少ない割に治安が悪く多忙を極め、岡島県警ではここに異動になることは島流しを意味するくらい不人気な警察署。
登場人物の殆どはここの警察署に所属している。
ドラマ版では埼玉県警となっている。
- 岡島県町山市
町山警察署が管轄している地方都市。歓楽街もあるが、郊外には山や畑が広がる田舎町。
テレビドラマ
2021年7月から同年9月にかけて日本テレビ系列局ほかの水曜ドラマにおいて永野芽郁・戸田恵梨香ダブル主演で連続ドラマ化。サブタイトルが「たたかう!交番女子」に変更されている他、舞台も埼玉県に変更されている。主題歌は、miletの「Ordinary Days」
永野がCOVID-19に感染した事情から、4話〜5話の間から2週に渡り総集編を挟む格好での放送となった。そのため全9+2話という構成になっている。
平均視聴率は11.2%と、日本テレビのドラマとしては好成績を収めた。そのせいか、2021年の年末には一部の日本テレビ系列局で集中再放送(12月28日〜12月31日)を実施している。
なお、キャスト発表時にメディア媒体で本作が初共演とされていた戸田と永野だが、実は湊かなえの同名小説を原作とした映画『母性』の撮影が本作よりも早く行われたため、正確に言うと本作で2度目の共演となる。
また、山田は後に永野と月9ドラマ『君が心をくれたから』で再共演を果たしており、西野とは本作の撮影後趣味のサブカルで意気投合し交際。そして、2024年3月に結婚を発表。世間からは「ハコヅメ婚」として注目された。
テレビアニメ
マッドハウスの手によってテレビアニメ化されることになった。
2022年1月からTOKYOMX、サンテレビ、KBS京都、AT-Xおよびテレビ愛知やBS日テレとかに加えてくまもと県民テレビでも放送された。
なお、その結果、くまもと県民テレビは、ドラマ版・アニメ版両方とも放送した事になった。
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