概要
『月刊アフタヌーン』(講談社)にて2009年6月号から2015年11月号まで連載されていたSFアクション漫画。
同誌での連載は『BLAME!』以来約5年ぶりである。作者初の本格ロボットものであり、ブラム学園!でも見られた学園ラブコメ要素も取り入れられている。同作者の他作品と比べるとストーリーや世界観は非常に平易でわかりやすい。
アニメ化時のキャッチコピーは「正道SF」。
なおアフタヌーン公式による原作キャッチコピーは「うちの中性と触手と上官とロボ娘が修羅場過ぎるSF!?」という某ライトノベルを意識したものだったが、あながち的外れではない。
単行本には同人マークが印刷されており、作者により二次創作同人誌の制作が認められている。
アニメは以下が放送および劇場公開された。
- テレビアニメ第1期(2014年4月)
- 第1期を再構成した劇場版(2015年3月)
- テレビアニメ第2期『シドニアの騎士 第九惑星戦役』(2015年4月)
- 劇場版第2作にして完結編『シドニアの騎士 あいつむぐほし』(2021年)
あらすじ
太陽系が奇居子(ガウナ)と呼ばれる謎の生命体によって破壊されてから1000年後の世界。
人類の繁殖と生産を維持しながら宇宙を放浪する播種船・シドニアに暮らす主人公、『谷風長道(たにかぜ ながて)』が巨大人型兵器「衛人(もりと)」の操縦士訓練生となり、仲間とともに奇居子との戦闘を繰り広げる。
登場人物
主人公の少年。歴史的名機である「継衛」に搭乗し、人類の敵と戦う。
祖父と共にシドニアの地下深くで育ったため、良くも悪くも非常に天然な性格。一級フラグ建築士であると共に、度を越した朴念仁である。
ヒロイン。黒髪ぱっつん。衛人操縦士候補生の一人であり、後に正規の操縦士となる。
長道が地上で最初に出会った少女。初めは周囲から疎まれていた長道に、自然な態度で接していた。物静かな佇まいとは裏腹に、シミュレーション訓練では2位のスコアを叩き出す実力者。
ある出来事をきっかけに長道と距離を縮め、互いに強く意識するようになるが……。
ヒロイン。黒髪M字前髪。男でも女でもない中性だった。衛人操縦士候補生の一人であり、後に正規の操縦士となる。
長道の初めての友人。社交的で明るく、初めての地上に戸惑う長道を何かと気にかける内、長道を意識していくようになる。少々やきもち焼きであり、長道が他の異性と仲良くしているのを見るとふくれる。
本作のヒロインのなかでも作者:弐瓶勉の趣味がゴリゴリに出たキャラクター造型をしており、彼(女)に性癖をへし折られた読者も数多くいた模様。
衛人操縦士候補生の一人。後に正規の操縦士となる。
候補生の中でも屈指の実力者。訓練装置のスコアもトップである。現行の衛人である一八式を生産する企業・岐神開発の御曹司であり、常に女性を侍らすプレイボーイ。
非常にプライドが高い性格であり、夢は継衛に搭乗し操縦士として活躍することだった。そのため、(彼から見れば)唐突に現れ継衛の操縦士となった上、次々と戦果を挙げていく長道に対し激しい対抗意識を持つ。その敵意は最悪の形で長道を襲うこととなる。
ヒロイン。元々は訓練生だったが、後に適正を買われて司令補となる。
名前の通り緑色の髪をした少女。上記の通り、突然司令補として指名されるなど、ずば抜けた知性を持つ。
操縦士だった兄の命を奪った奇居子を撃破した長道に対し、初めて話しかけたときから好意をぶつけまくる。イザナのことは恋敵と認識しているが、一緒に居るうちに良き友人としても交流を深めていく。一方で仕事中は非常に厳格であり、友人である長道らにも上官として毅然と接する。
趣味はプラモ作り。
本作のヒロイン。寄居子の強靭な肉体と人間の心を併せ持つ究極の生体兵器。
性格は温和で礼儀正しいが、生まれたばかりであるため精神的に幼いところがある。初の対寄居子戦で敵と勘違いされ、衛人に攻撃されてピンチに陥ったところを長道に助けられる。それをきっかけに長道に好意を抱き、イザナや纈とも交流を深めていくようになる。
体の大きさが衛人並に巨大であるため、シドニアに張り巡らされたパイプに知覚触手を伸ばして長道らとコミュニケーションを図る。
猫が大好きで、イザナが飼っている猫と仲良しである。
衛人操縦士候補生の一人。
努力家であり非常に生真面目。アニメではそれを周囲に押し付ける一面もあった。その性格ゆえ、特別扱いを受けている長道に対してはいい印象を抱いていない。
努力が報われることなく、初陣にて奇居子による百年ぶりの犠牲者となってしまう。彼女の犠牲は、長道らに奇居子の恐怖を見せ付けることとなる。
衛人操縦士候補生。後に正規の操縦士となる。
全員で11人のクローン。戦闘用に生み出され、機械による高速の知育を受けているため、見た目よりも実年齢・精神年齢共に幼い。一方で、戦闘用に生み出された自分達の運命を理解しており、姉妹が戦闘で犠牲となっていく覚悟を持っている。
長道とは次第に戦友としての関係を築いていき、長道に対する誤解も何度かあったが、危機を救われたり、姉妹の仇を討ってもらう内、彼に惹かれるようになる。
後にもう11人補充された。
衛人操縦士の一人。
操縦士の中でもエースの座に位置する女性。軍人らしい生真面目な性格をしており、実力相応の人格を持った女傑である。ただしそれが災いし、戦いが長引くにつれ部下を救えなかったことや奇居子への恐怖に屈してしまったことから一時的に自信喪失してしまう。その際に支えとなった長道に女性としての好意を抱くようになるも、天然朴念仁である長道には空振りしてしまった。
操縦士の間でも評判の美人であり、「戦闘中のサマリへのフォローを成功させれば、彼女と光合成(意味深)する権利が手に入る」という噂が広まっているが、彼女はこれを頑なに拒否している。ストレスは居酒屋で発散するタイプ。
衛人操縦士の一員でサマリ班の所属。
サマリほどでは無いが十二分にエースと言える実力者であり、修羅場をくぐり抜けてきたエースである。一方で品の無い冗談を好むフランクな性格のコメディリリーフであり、要らぬ一言を言っては酷い目に遭うのがお約束となっている。
サマリに対して好意を抱いており、彼女と一緒に光合成(意味深)しようとアプローチをかけたり、人目も憚らずアタックをかけては鉄拳制裁を喰らっている。
シドニア艦長。不死者。
長きに渡って艦長の座に就いている人物であり、長道を候補生とし継衛を与えた張本人。
奇居子への徹底抗戦主義を貫いており、反対する者には容赦のない対応をする。
またシドニアを守るためには、犠牲覚悟の命令をも迷わず下す。これらは権力の座を守るためではなく、あくまで人類存続のために行っている。
唯一の趣味は変装して一般人に紛れること。
小林の側近の青年。地上に出た際、拘束されていた長道を艦長の下まで案内した。
その正体は、100年前シドニアを襲った危機の元凶となった天才科学者・落合のクローン。脳そのものは落合本人のものを移植されており、オリジナルの意識はあらゆる手段を使って封じ込められている。ある重要な目的のために生かされている。側近としての落合はオリジナルとは別の意識を持っており、艦長の命を受けてあらゆる場所で暗躍する。
落合の研究室は未だシドニアのどこかに存在するらしいが……?
衛人訓練生達の寮母。何故か熊の姿をした女性。
面倒見のいい、訓練生や操縦士達のオカン的存在。ただし、下の名前で呼ばれると激怒する。
艦長共々、シドニアそのものの過去に深く関わっている。ある理由から、長道に対しては少々甘く、名前で呼ばれても怒らない。
かつてはきちんと人間の姿をした、髪の長い女性だった。
佐々木(CV:本田貴子)
東亜重工開発主任兼衛人整備士。
巨乳で長身の美人メカニック。普段から大型ソケットレンチを持ち歩き、怒らせるとレンチで殴りかかってくる。
長道が歴史的価値のある継衛を始め、様々な新兵器をボロボロに酷使して帰ってくるたびにお仕置きをしているため、彼から恐れられている人物。しかし同時に長道のパイロットとしての技量を高評価・信頼しており、彼の戦闘データやアドバイスを新兵器開発に活かしている。
かつて撃墜王と呼ばれたシドニア史上最強の衛人操縦士であり、地下にて長道を育てた人物。
物語の開始時点で既に故人であり、回想パートにのみ登場する。
100年前の戦いでシドニアに侵入した奇居子を継衛を駆って倒し、滅亡寸前だった人類を救った英雄である。
小林、落合(オリジナル)、ヒ山とは旧知の仲であり、特にヒ山とは恋人のような関係であった。
長道を育てていた時点ではすでに老いていたが、若い頃の容姿は長道と瓜二つである。
用語
人類の生き残りを載せ宇宙を行く超巨大な播種船。
奇居子による危機を乗り越えながら1000年間航行し続けている宇宙戦艦でもあり、数多の兵器を内蔵している。
内部には長きに渡って増築され続けている都市が広がっており、さながら超巨大な九龍城といった様になっている。
人類や動植物が生存するための設備が整っており、一隻の中で生態系が自己完結している。設定集によれば、長年の航海のなかでシドニア独自の生物種も誕生しているとのこと。
奇居子(ガウナ)
かつて太陽系を滅ぼした、人類の天敵である外宇宙生命体。
対話は不能であり、その思考形態も、なぜ人類を襲うのかも不明。
通常の手段では傷つけることの出来ない「本体」と、あらゆる形状・性質に変化する「胞衣(エナ)」によって構成される。
個体によって形態は様々であり、取り込んだ物体や人間に変化することも。学習能力を持ち、戦術的に戦うこともある。
衛人(もりと)
奇居子と戦うために開発された人型兵器。
カビ
奇居子の本体に穴を開けることの出来る物体。
本体に触れると拒絶反応(原理は不明)が起こり、泡状分解=撃破となる。
作品の途中で「人工カビ」の生産および量産に成功。これが仕込まれた弾頭を「超高速弾体加速装置」によって撃つことで、奇居子に対して有効な戦い方ができるようになった。
物語が始まった時点で奇居子を倒す唯一の手段。シドニアに28本のみ現存する武器。
槍状で先端部分にはカビが取り付けられており、これによって本体を貫く。逆に言えば奇居子に急接近する必要がある。
「人工カビ」が実用化されるまで、危険な接近戦を強いられることとなる。
宇宙に無限に存在する粒子。エネルギー源として登場し、多くの衛人もこれによって動いている。また衛人の頭部には「ヘイグス粒子砲」が搭載されている。
ただ奇居子のエネルギー源もヘイグス粒子であり、粒子砲の多用は危険である。
過去、落合が研究を進めていたという新兵器。人間とガウナを融合させて生み出した人工生物。試作型が完成していたが落合の手により無断で起動され暴走、100年前のシドニアの危機の元凶の一つとなった。
関連動画
関連タグ
シドニアの騎士1000users入り シドニアの騎士500users入り シドニアの騎士100users入り
アニメイズムB1
- 鬼灯の冷徹(2014年冬)
- シドニアの騎士(2014年春)
- ペルソナ4 The Golden(2014年夏)
- ガンダム Gのレコンギスタ(2014年秋 / 2015年冬)
- シドニアの騎士 第九惑星戦役(2015年春)
- Classroom☆Crisis(2015年夏)
外部リンク
アニメ公式サイト(現在は『あいつむぐほし』の公式サイト)