概要
本来は、存念が素朴な人という意味だったが、飾り気がない性格から転じて無愛想、更に頑固者へと意味が変わっていってしまった。
創作では本来の意味から転じて、恋愛事に関して疎いにもほどがある人物やキャラクターがこう呼ばれることが多い。この意味で使われる場合、当該キャラクターは気さくで話好き、物わかりのよい(言い換えれば優柔不断な)性格であることも多い。優柔不断と朴念仁は一見似たような言葉だが、前者は好意には気づいているものの自信のなさなどから敢えて気付かないふりをしている、後者はガチで気づいていないという違いがある。
傍から見ればハーレム状態で「リア充爆発しろ」な状況にいるのに全然理解していないなど、ラノベの主人公によく見られるステレオタイプな気質である。
「イライラする」などの批判がありながらも、このタイプで察しのいい即断即決型だったり恋愛事の機微に聡かったりする主人公像はなかなか作られない。
仮に主人公に決断力があった場合は早々に誰かとくっついて話が展開しにくくなり(それどころか話が終わってしまう)、恋愛事の機微に聡い(=モテると自覚する)と鼻持ちならない嫌味な性格になってしまう恐れがあるからであろう。
一方でヒロインが朴念仁というのはなぜかほとんど見かけない。
一応、朴念仁である理由が明かされている場合もあり、大まかに例を挙げると
- 本当に恋愛事に鈍感か興味がない
- 恋愛よりも大事なものや、恋愛を犠牲にしてでも守りたいものがある。
- 自らの将来の夢
- 家族(特に自分自身を守れない弱い立場の家族)
- 友達、特に親友
- 好意を向けてくるキャラクターが朴念仁キャラにとって恋愛対象外
- 自分をかなり下に見ているor自分が好かれてはならないと思っているために、無意識に恋愛事に疎くなっている
- すでに付き合っている人がいる(≒結果的に他人からの恋愛面での好意に鈍感になる)
などがある。
また、個別エンドのあるギャルゲーやエロゲがアニメ化された場合、早々に誰かとくっつくと話が終わってしまうため、主人公が朴念仁化されてしまうことも多く、話が長くなったりヒロインの人数が多ければ多いほど、主人公の鈍さは拍車がかかる一方となる。
酷いものになると「読者はおろか作中の主人公以外ほぼ全員が気付いているのに、主人公だけが全く気付かない」という、なにかの呪いか何かか?と疑いたくなるレベルのものもある。
ただし、凌辱ものの作品では逆に主人公がこうした機微にやけに聡いことが多く、懸想するヒロインの恋心につけこんで主人公が…(以下略)といったパターンも多い。
ちなみに、朴念仁が進化すると「朴念神」になれるらしい。