「わ…わいはあかん… だめな男や…」
漫画『あしたのジョー』より
解説
弱ったもの、気力に乏しく臆病な様子や情けない性格をした人物、または能力がなく何も出来ない様を指す俗語。
語源には諸説あるが、有力な意見は関西の方言である「へたる」であるといわれている。
これは「元気がなくなる」、「壊れる」という意味合いで「人・物がへたる」という用法がなされる。類語に「へっぽこ」、「へなちょこ」、「へばる」、「へこたれる」がある。
もともとは、口から屁がれるように弱音を吐く様子から来ていると言われ、「屁垂れ」と書くと考えられている。あるいは肛門の締まりがなくなって放屁が我慢できない様子から本来、持っている機能が損なわれ、役に立たなくなる様とも考えられている。
または「へこたれる」、「へばる」などが崩れた言葉とも言われている。
例)
- 「包丁がへたって(壊れて)物が切れない。」
- 「大工がへたる(疲れる、元気がなくなる)。」
基本計が「へたる」であり、「へたらせる(未然形)」、「へたり-(連用形)」、「へたった(終止形)」、「へたって(未然形)」、「へたれへん(へたらない)(打消し)」などの活用形がある。
ただし「仕事疲れ」のような連体形(~へたれ)はなく、名詞・体言には直接着かない。また他動詞であり「へたろう」のような活用もない。
接続語として「へたれ××」という用法があり、現在では接続語としてでなく単に「へたれ」でも意味が通っており、こちらがネットなどで広まっている。
ヘタレキャラ
主に以下のパターンが多い。
パターンその1 |
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スイッチがあり、それが入ると「へたれる(何も出来なくなる)」人物である。普段は普通だが恋愛や戦闘などの大事な局面、逆境に立たされたり精神的なショックを受けるとすぐに意気消沈し、いじけたり鬱状態に陥ってしまうキャラクターのこと。そのため万事、常に弱気なキャラクターは陰キャラ、根暗に相当すると思われる。 |
パターンその2 |
意志薄弱で簡単に挫折してしまうという意味で豆腐メンタルに近い。それ以外では「他人のためなら頑張れるが、自身のことになると優柔不断になる(主に恋愛)」または「自分のことしか考えられなくなり、他人を見捨てる・裏切る(主に戦闘)」という他人中心の人物と自己中心の人物に大別される。 |
パターンその3 |
日頃はヘタレていて全然頼りにならない豆腐メンタルだが、最終的に腹をくくったり大事な局面では活躍する本番に強いタイプ。パターンその2とは真逆で肝心な時にしか役に立たないキャラクター。 |
パターンその4 |
根本的に性格が繊細で何事にもすぐに傷つきやすい。ヘタレている状態が標準状態。 |
パターンその2は、ごく一般的な挫折と言える。ただ、ヘタレで止まれば良いものを悪化して仲間の足を引っ張ったり、味方を裏切る変節漢であったりする。
戦争モノや企業モノに多く、主に敵方、時に主人公の味方で対立する上司や同僚がこれに当てはまる。
これは主人公と敵対していたキャラクターが凋落するという物語のカタルシスに必要な役割である。
もっとも古典的なキャラクター像であるため、原義的な意味でのヘタレは、このような役割のキャラクターを指す。
パターンその1やその3は実生活などでは見られない、まさにフィクションだから取り得る行動と言える。
恋愛モノ、ギャルゲー、ハーレムものなどにも見られ、特に強気の男前ヒロインが恋愛に奥手になるなどツンデレの活用形として取り入れられるか、主人公がいつまで経っても告白できない様子に見られる。
これはプレイヤーの選択次第で物語が推移するシミュレーションゲームにおいて当初から主人公が攻略対象となるヒロインに強引に接すると他の複数のヒロインにも好意があるような内容に矛盾が発生するための解消処置である。
また主人公の態度が決まらないのを良いことにどんどんヒロインを追加するためである。
いわく「バトル漫画に次々に強敵が現れるように恋愛漫画は次々に新しい恋敵を登場させるもの」とのことである。
このため恋愛モノのキャラクターは、話を長引かせ、読者をじらすために事あるごとにヘタレ化する。
さらに恋敵に想い人を譲ってしまうキャラクターもいるが、これは修羅場など、創作の中で見せたくないという苦渋の解決策である。
それ以外の場合、自分に自信がないという自虐キャラ、義務感の強いキャラクターが含まれる。
ただし、ヘタレキャラでもストーリーの進行とともに身体的にも精神的にも著しく成長し、最終的に困難に打ち勝つというパターンもある。
逆に一向に成長や反省の色さえ見えないヘタレキャラでも、アホの子や愛すべき馬鹿等と呼ばれるなど人気が意外に高いキャラもいる。
関連タグ
ナード スタイリッシュヘタレ アスパラベーコン巻き系男子 主人公(笑)
へたれ…表記揺れ
外部リンク
ヘタレ wikipedia