概要
頭で考えるよりも、体が反応して動きだすような性格への揶揄や侮蔑を込めた言葉である。
時と場やノリによっては自称もあるが基本的に悪口であり、あまり良い言葉ではないので人前で使うのはやめた方がいいだろう。
「脳みそまで筋肉」の言い回しそのものは『brawn(筋肉)』と『brain(頭脳)』を引っかけた英語表現に由来する。英語には musclebrain と、ほぼ逐語的に対応する単語もある。
ゲームにおいては、下記の様な例で用いられる場面が多い
- 攻撃特化
防御をかなぐり捨て「やられる前にやる」を体現したようなステータスやプレイスタイル。
しかしながら、ステータスが「脳筋」なキャラクターなどを扱う際には、防御面の脆さをフォローする作戦や技術がプレイヤーに求められがちなため、プレイスタイルまで「脳筋」ではいられないケースが多い。
- 物理攻撃特化
魔法や補助スキル等を全て排除(または最小限のみ)し、物理攻撃に特化した所謂脳筋キャラを揃えた編成
- 脳筋プレイ
圧倒的高ステータスのキャラを複数揃え、多少の高難度マップも難なくクリアしてしまうプレイスタイル
脳筋の「脳みそ」
以下、脳筋の思考回路としてよく挙げられる要素。
- 考えるよりとにかく行動
- 考えるのが面倒臭いだけならともかく、他人に押しつける形で丸投げ
- 見通しを立てるのが苦手な割に、見通しが立っているかどうかには敏感
- 攻撃は最大の防御
- 手当たり次第にどこへでも突っ込む
- 鍛えれば全部解決
- 筋力こそパワー
- ひ弱なら鍛えればいい
- 素晴らしい助言はその通りに実行(比喩?……何それ?)
- 根性論万歳
- 勧善懲悪等の一面的な正論を徹底しては相手にもそれを強いる
- 結構生真面目
- 実力をとことん重視するあまり、序列に関係なく自分より実力のない者を軽んじる(=年功序列を嫌う)
- 礼儀知らずだけならいざ知らず、他人(特に自分より実力のない者)の礼節を欠いた態度に敏感
- プライドを下げられないならともかく、何かと相手の自己肯定感を奪う言動が多い
- 自分の五感(特に目)で確かめた情報以外は信じない
- 前置きや情報の後付けを嫌う
- 手間がかかる行為をとことん嫌う
- 論理的な思考が出来ないし通じない
- 議論などそっちのけで喧嘩腰になる
- 結果をとことん重視する割に他人の過程にはうるさく、結果が出ないと過程が悪いからだと批判する
- 意外と合理的
VS機械
- 「テレビの故障は叩いたら直る」と宣う
- 「コンピューターウイルス?じゃあ、このパソコンを破壊すれば……」
- 取扱説明書は読みもしない
- セキュリティはこじ開けるもの
- ネット通販やデジタル形式の取引は人任せ
脳筋扱いされやすい人物
やはり戦士、兵士、格闘家etc……肉体を駆使する役割を追う人物にあてはめられるケースが多い。
また付随する性格も、とにかく大らかか、非常に短気かで割れやすい傾向にある。
一見すればただのバカだが、根が非常に明るいためときにムードメーカーとして、時に空気の読めないウザキャラとして、物語の雰囲気を盛り上げてくれる。
バカゆえ小細工が出来ないが、それは同時に小細工をしない・小細工が効かない気質も意味する為、キャラの善悪を問わず「正々堂々とした性格」として受け止められファンから好意的に見られる。
物語が終盤になると、当人なりに機転を利かせた戦法を用いたりと、意外性を演出できる性格でもある。
度が過ぎると魔法や、それに準ずる遠隔攻撃法を持たないだけで脳筋扱いされる場合もある。
近代以降の機械が出てくる世界観においては、時おり精密機器を与えてはいけない人に対して「脳筋」扱いもある(例→ゴリライズ)。
ディストピア世界において閉鎖的な体制との相性が抜群で、優遇される者が多い。フィジカル面に優れ心酔にも似た忠誠心並び、体制にそぐわない存在(特に政治・思想犯)を容赦なく弾圧・排斥する様等、幹部や構成員として有能なのは勿論、駒としても扱いやすいのも拍車と言えよう。
体育会系・筋肉バカとの比較
しばしば「脳筋体育会系」などと並べて語られるが、必ずしも体育会系とは一致しない。
体育会系は規律や上下関係に厳しいため、基本物事を大雑把にとらえる個人レベルの脳筋キャラとは衝突する場面がある。ただし体育会系組織には「とにかく鍛えろ」「根性で乗り切れ」などの脳筋的な文化が深く根差していて、規律や権威をもってこの文化が構成員に強要される状況は少なくない。
また昨今では「ただひたすら筋肉を信望し、肉体の増強と鍛錬に邁進する」筋肉バカとも混同されやすい傾向にある。
脳筋は「考えるより動く」部分に注目しているが、筋肉バカは「ひたすら筋肉・筋トレのことしか考えていない」と、残念さを取り沙汰している点で違っている。
強敵に敗れた場合、脳筋は何も考えずに再び突っ込んでいくが、筋肉バカの場合は「己の筋肉が負けた」とする現実との戦いに移行した後、また筋肉を鍛え始める……のような感じに、精神面での拠り所が的確に違ってくるパターンが多い。
余談
アメリカにおける夏休みの起源の一説として、当時のアメリカで「脳を筋肉の一端であるため、脳を酷使すれば脳が傷付く」 とされている。
関連タグ
ゴリライズ…精密機器をこじ開けてはいけません。
女子力(物理) 魔法(物理) 超能力(物理) 除霊(物理) 魔法の杖(鈍器)
レベルを上げて物理で殴ればいい:似てはいるが微妙に違う。
私、能力は平均値でって言ったよね!:「小説家になろう」の作品。ファンによる略称の一つが「のうきん」。
追放もの:主人公が冒険者パーティー(勇者パーティー)を『攻撃面で役に立っていないから』=脳筋そのものな理由で追放されるのも定番の一つになっている。