主に年齢や勤続年数を元にして決められる序列および、そういう方式で序列が決定される制度のこと。
日本企業の年功序列
従業員が勤続年数に応じて少しずつ昇進しつつ、昇給する制度。「終身雇用」とセットで「日本型雇用」の特色と言われた。
同じ企業に長く勤めさせて経験を積ませる事を重視したシステムであり、従業員からは安定雇用、企業からは長期的視点で経営に当たれるメリットがあった。一方で非効率な面もままあり、上位の管理職ほどポストは限られるため、昭和後期の大企業は、出世コースから外れたベテラン社員を窓際族としてロクな仕事も与えずに飼い殺ししていた(平成以降は、出世コースから外れた社員は関連企業などに出向・天下りさせることが多い)。
また、日本では少子化で若年層が極端に減少したり、長期にわたって新規採用を行わない年代(就職氷河期)が発生するなどしたため、今では勤続年数に応じて昇進する年功序列の傾向は薄れている。それでも従業員の定着を促す観点から、入社後数年程度は働きに関わらず昇給する企業が一般的であり、各種手当や「年齢給」といった名目で高年齢の社員に手厚く給与を支払う傾向は残っている。
余談
年功序列を儒教文化などと結びつける俗説があるが、儒教文化圏の中国は年功序列の傾向が薄い一方、日本と同じく終身雇用の文化のあったドイツやオーストリアは年功序列の傾向が強かったので、直接の関係は薄いと思われる。
旧大日本帝国陸軍では「星の数(=階級)よりもメンコ(=飯盒≒軍で、どれだけ長く「飯を食って」きたか)の数」という俗語があり、「階級は上の筈の上等兵が、古参の一等兵には礼を尽す」などといったこともよくあったという。